防犯誤解考

防犯についていろいろ

犯罪学理論

前回、1つの犯罪学の理論の名前だけ書いて説明していなかったので、今回説明しようと思います。


私が支持している理論は、「crime opportunity theory」と呼ばれるもので、日本語では「犯罪機会論」と訳されます。


この理論は、犯罪者は合理的に行動するという考えに基づいており(合理的選択理論)、犯罪の機会を減らすことで犯罪を未然に防止しようと考えます。


ここでよくある批判の1つに、犯罪の種類によって犯罪者は合理的に考えて行動していないというものがあります。この点に関しては、さまざまな研究がされており、一見合理的と思えない犯罪においても、「大半の」犯罪者は、犯罪を犯すときに合理的に考えるということが示されています。このことは犯罪機会論の考え方が防犯において、重要な役割を果たすということを示唆しています。


実際に犯罪機会論の考え方をもとにした防犯対策により、犯罪発生が抑制されたという研究も多くあります。


以上のことから、犯罪機会論をもとにした防犯対策は有効である可能性が高いと考えられます。


今回は合理的選択理論の観点から、犯罪機会論について紹介しました。次回は、他の理論の観点から、犯罪機会論について紹介しようと思います。

実際にあった話

最近、私の家の近所で、裏口のガラスを割って侵入するという事件が起こりました。

私がこれまでに勉強してきた犯罪学の理論(犯罪機会論)で考えると、その場所は犯罪企図者が好む場所でした。理論の詳細な説明は別の機会にしますが、その場所は犯罪者にとって、地域の人に見られるリスクが低く、逃げやすい場所でした。

つまりそのような場所を皆さまが知ることができれば、犯罪に巻き込まれるリスクが低くなると思い、このブログを書いています。

ちなみにですが、警察の方が現場検証に来て、被害者の方に、強度が高いからという理由で網入りガラスを勧めたみたいです。一般的に網入りガラスは、普通のガラスに比べて割れやすく、割ったときに音が出づらいので、防犯には適していないはずです(なにか他の理由があったのかもしれませんが…)。

今回のブログのポイントは、
1. 犯罪が起こりやすい場所は予測できる
2. 警察の方が言うように、本当に網入りガラスは防犯に適しているのか?
です。





人生初ブログ

はじめまして!scotcpです。

人生初ブログですが、宜しくお願いします。

 

このブログのテーマは「防犯」です。

海外大学院留学で身につけた犯罪学・防犯に関する知識を共有したいと思い、防犯について書こうと決めました。

 

具体的な内容は、

1. 日本の犯罪状況、防犯対策に関する誤解

2. 防犯理論(主に犯罪機会に着目する理論)

3. 防犯コンサルティング

4. 統計分析を用いた犯罪発生要因の分析

を書こうかなと考えています。

 

これからよろしくお願いします!