【告知】勉強会「歯の健康と食生活」/JFJ
食生活ジャーナリストの会(JFJ)第8回勉強会
「歯の健康と食生活」開催のおしらせ
≪開催概要≫
会場:千代田区立日比谷図書文化館 4階「スタジオプラス」小ホール
日時:2017年3月29日(水)19時~
(受付開始18時30分~)
テーマ:歯の健康と食生活
講師:丸森 英史 氏(丸森歯科医院院長)
(講師より)
むし歯の原因としての砂糖が、多くの生活習慣病と共通するリスクと考えられ、国際的な対策が提言されています。「何をどのように気を付けたら良いのか」、生涯健康な歯を維持するための食生活のポイントをご紹介します。
参加費 1000円(JFJ 会員は無料)
定員 先着60名
申し込み 食生活ジャーナリストの会事務局
電話&FAX:042-554-3887
E-mail:jfj-shoku@t-net.ne.jp
主催 食生活ジャーナリストの会
ワラジ―の会勉強会「歯科と砂糖」
砂糖は昔からむし歯の原因として語られてきましたが、臨床現場においては歯だけではなく、歯を支える歯茎の状態にも影響を及ぼすことが共通見解になってきています。長年、開業医として歯科臨床に携わり、食生活の重要性を指摘してきた丸森英史氏が、口の状態への影響力の大きい砂糖を中心に、歯科と食生活の関連について講演しました。全国各地から栄養士19人、歯科衛生士20人、歯科医師6人、その他2人の計47人が参加しました。
むし歯は砂糖が原因
これまでむし歯の原因は①ミュータンス菌(が口の中に侵入すること)、②歯の質、③糖(主に砂糖)――とされ、日本の歯科保健対策として、歯の質の強化のためのフッ素塗布などが行われてきた。ところが近年の調査で、若年者のむし歯は減っているものの、生涯を通してみるとほとんどすべての人が歯に治療を施している実態が明らかとなった(1)。「フッ素によるむし歯予防効果はあるが、結果として発生時期を遅らせているだけだった」と丸森氏。世界的に先進国では同様の傾向がみられており、どの国においても砂糖の摂取は野放しにされてきたテーマだった。イギリスの公衆衛生学の研究者からは「むし歯の最大の原因は砂糖であり、今後の口腔保健は主に砂糖の摂取制限を目標にすべき」との指摘がある。
むし歯の原因菌であるミュータンス菌は連鎖球菌の一種で、乳酸発酵により生存エネルギーを得る。そのため、栄養源となる(乳酸発酵に利用できる)糖――砂糖(ショ糖)、果糖、異性化糖など――がなければ活動できず、むし歯も生じなくなると考えられている。
丸森氏は、世界的な動きとしてWHO/FAOが2003年に発表した、食生活・運動・健康に関する世界的戦略を紹介。「う蝕(むし歯)や歯周病を含む非感染性疾患の減少」を目的に、砂糖の摂取を総エネルギー量の10%以下にすることが提言された。歯科疾患に対しては砂糖を含む飲食物の消費を1日4回までに制限することが推奨されている。また、WHOが2015年に発表した、砂糖に関する最新のガイドラインでは、遊離糖質(食品や料理、はちみつ、ジュースに含まれる砂糖)の摂取を全エネルギー摂取の5%以下にすることが推奨されている。これは1日あたりの砂糖の量にするとティースプーン5杯分にあたる。さらに、生涯の健康な歯の維持のためには、砂糖の摂取量は3%までにすべきだと主張する研究者もいる(1)。
砂糖の誘惑が抗いがたいワケ
砂糖摂取に対する理想がある一方で、砂糖の制限は、嗜好が確立した大人になってからは難しいと丸森氏は指摘する。 その理由は、砂糖が、人間の行動を左右する脳の報酬系(脳内システム)に強く作用するためだという。甘味や脂肪の味は脳の報酬系に働き、食や生殖といった生存に不可欠な行動の動機づけとなることが研究で明らかになっている。甘味や脂肪の味の刺激は「もっとほしい」という抑えがたい欲求となり、なかなかやめることができないのである。
「甘いものに取りつかれるのは、意志が弱いだけでなく脳内のシステムにそのように仕組まれているのです。ただし食べ物に対する嗜好性は、薬物中毒のよう脳の中枢に作用するものではなく、もっと複雑なシステムと考えられています。そのため改善策も、運動をはじめ多様な方法が考えられています」(丸森氏)
胎児期からの味覚形成
そのうえで、丸森氏は、早い段階での味覚形成の重要性を指摘する。ヒトは胎内では羊水を通じて、また生まれてからは母乳を通じて、母親の食べているものの味を感じているとの研究結果がある。その後、成長するにつれ香りや舌触りなどの味わいも覚えていくが、大脳皮質の機能が未発達な子どものうちは過剰な風味の刺激に対しコントロールができないという。「この時に甘味やにおいが過剰な風味として加えられた食品に出会うと、好みがそちらに傾きやすい。ジャンクフードの味付けです。マイルドな味わいをおいしいと感じるためには、繰り返しの学習が必要です。おおむね3歳までに、奥深いおいしさを味わえる習慣を身につけてほしい」(丸森氏)
さらに、講演では、丸森氏が院長を務める診療所で撮影した、患者の歯と歯茎の写真も多数紹介した。ある小学生の兄弟の試みで、兄は甘いものを好きに食べ、弟は甘いものを食べない状況で3日間歯みがきせずに過ごした口腔内を染め出しした写真では、兄の歯の汚れ方が圧倒的で、歯茎の状態にも違いが見られた。参加者からは驚きの声が漏れた。
丸森氏は、臨床現場で患者を診る中で食生活の影響を感じ続けている一方で、それを裏付ける研究がないためエビデンスはまだ不十分な状況であり今後のエビデンスの蓄積に期待したいと述べた。
(・_・)メガネの目(・_・)
口腔内は腸内環境と同様に、細菌叢がある場所です。ヒトの口の細菌叢の組成は時代ごとの食生活と共に変化してきたことがわかっています(3)。現代人の細菌叢のベースができたのは産業革命の時代、砂糖と小麦粉が食生活に入ってきた時で、この頃から口腔内の細菌の多様性は低下し、むし歯の原因菌が口腔内で優勢になったといわれているそうです。エビデンスこそ少ないものの、生活習慣や食べるものによって口の気持ち悪さなどの違いを実感する人は多いのではないでしょうか。これからは誰もが「むし歯は“しょうがなくできる”ものではない」という認識をもち、歯を守るという視点からも食生活を考えていく時代だと思います。
文献
(1)Sheiham A, 歯界展望 123(2), 380-384(2014)
(2)Sheiham A et al, BMC Public Health 14, 863(2014)
(3)Nature Genetics 45, 450-455(2013)
---- 開催概要 -----
【日 時】
平成28年10月9日(日)14:00~17:00
(13:30より受け付け)
【場 所】
横浜歯科臨床座談会ホール(横浜市中区)
【テーマ】
「歯科と砂糖」
【講 師】
【参加者】
管理栄養士、栄養士、歯科衛生士、歯科医師、歯学部学生など
【告知】講演会「歯科と砂糖」/ワラジーの会
丸森英史先生講演会
歯科と砂糖
う蝕の原因としてお砂糖が改めてクローズアップされています。
お砂糖の害は昔から歯科では語られてきた話題ですが、
生活習慣病の誘因としても注目され歯周病との関連も指摘されています。
嗜好性の強い食材であり色々な分野での研究が進んでいます。
エビデンスをご紹介しながら歯科としてどの様に対応出来るのか
お話ししたいと思います。(講師からのメッセージ)
<講師紹介>
丸森 英史氏
丸森歯科医院院長、横浜歯科臨床座談会前代表。同院スタッフと共に
40年以上にわたり幼稚園児や小学生への歯の健康教育カリキュラムを実践。
同院の診療では、患者に必ず食生活の確認をするなど、歯科での食の指導に
熱心に取り組む。横浜市の保育士への歯科保健指導の講師を務める。
著書に「食事が変わる・歯肉が変わる」(共著)、「これからの歯科保健指導」(共著)、「食育は歯科医療を変える」(共著)など。
----- 開催概要 -----
【日 時】
平成28年10月9日(日)14:00~17:00
(13:30より受け付け)
【場 所】
横浜歯科臨床座談会ホール
横浜市中区弁天通6-79港和ビル6階
・みなとみらい線 馬車道駅より徒歩3分
・JR・市営地下鉄 桜木町駅または関内駅より徒歩10分
【テーマ】
「歯科と砂糖」
【対 象】
当会会員ほか、歯科と栄養に興味のある方
【参加費】
2000円/1人
※要事前申し込み
【お申込み】
①お名前(ふりがな)
②職種
③勤務先
④勤務先住所
⑤電話番号
⑥メールアドレス
以上の事柄を、下記の宛先までお送りください。
Eメール:a-hosoda@thcu.ac.jp
FAX:03-5799-3718
東京医療保健大学 細田明美
※定員(40名)になり次第締め切り
※申込締切:10月6日(木)
【主催】
歯科と栄養2足のワラジ―の会
【告知】岡山栄養士会福祉事業部研修会
岡山栄養士会 福祉事業部研修会
作って学ぶ!
夏の行事食の介護食セミナー
岡山栄養士会関係の方から。
夏に向け、涼しげな介護食を「プチクッキング」で学べるセミナーです。
前半は、実習。
後半は、ミールラウンドでの視点についてビデオ鑑賞し、その後アセスメントからケアプランまで書類に記入する実習が予定されています。
開催地は岡山。日にちが迫っていますが、まだ参加者受け入れ可能とのことです。
----- 開催概要 -----
【日時】平成28年6月22日(水) 10:00~16:00
【場所】
岡山ふれあいセンター2階
調理実習室(AM)、第2&3研修室(PM)
岡山市中区桑野715-2
【テーマ】
「栄養アセスメントからケアプラン作成実習」~ビデオを見てミールラウンドの視点から~
【講師】
森光 大氏(あいの里クリニック 管理栄養士)
【対象】
栄養士、ほか
【参加費】
栄養士会会員1000円、非会員5000円、他職種1500円)
※当日入会も可能
【持ち物】
エプロンまたは白衣
【問い合わせ】
あいの里クリニック
086-281-6622(森光)
【告知】「機能性表示食品制度」セミナー/JFJ
特別勉強会
「機能性表示食品制度」を考えるセミナー
ー制度のよい点、悪い点、改善すべき点はどこかー
機能性表示食品制度が始まって1年たちました。市場にはたくさんの製品が並
ぶようになりましたが、何をどう選べばよいか迷う消費者も多くいます。そこで、
同制度に関する情報に詳しい武田猛さんをお招きし、勉強会を開きます。
これまでに消費者庁に受理された約270品目の用途別内訳、科学的な信頼度
などを詳しく分析したデータを披露してもらいます。消費者にも、事業者にも、
記者にも、行政関係者にも、役立つ情報が聞けることは間違いなしです。
関心のある方はぜひ、ご参加ください。
小島正美(JFJ代表幹事)
----- 開催概要 -----
【日 時】
平成28年4月26日(火)18:00~20:30
講義予定時間:60~70分/自由な意見交換:30~40分
【場 所】
東京ウイメンズプラザ1F視聴覚室
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目53ー67
【テーマ】
「機能性表示食品制度から1年、何が課題なのか」
【講 師】
武田 猛 氏(健康食品ビジネスコンサルタント)
【対 象】
関心のある方ならだれでも
【参加費】
1000円/1人 (JFJ会員無料)
※申し込みは不要ですが、できるだけ事前に事務局へ。
【お問い合わせ】
JFJ事務局
電話&FAX:042-554-3887
メール:jfj-shoku@t-net.ne.jp
マスコミ向け「高齢者の低栄養予防」セミナー
日本の社会保障制度を維持することを目的に平成25年度から始まった健康日本21(第二次)では、介護保険認定者を減らすために、「認知症」「ロコモティブシンドローム」「低栄養」を予防することが目標に掲げられています。このうち低栄養の予防についての最新知見を、専門家がマスコミ関係者に伝えるセミナーが開催されました。
「低栄養」の高齢者はそうでない人より死亡リスクが高い
低栄養というのは、必要な栄養素が摂取できていない状態のことです。原因としては、咀嚼能力低下による食事量の減少や、加齢に伴う消化・吸収能力の低下などがあります。判定基準は調査する現場によって多少異なりますが、主にBMI20以下の「やせ」、血中のアルブミンというたんぱく質が4g/dl以下といった基準があります。厚生労働省の調べでは、現在65歳以上の10人に2~3人が低栄養の傾向にあるとされています。
この講演で東京都健康長寿医療センター研究所の新開省二副所長は、同研究所の調査結果などをもとに、高齢者の栄養状態と余命の関係について説明しました。6年間の追跡調査から抽出された「高齢者の健康長寿の要因」に①栄養、②体力、③社会活動――があり、このうち栄養について、さらに詳しく調べるため東京都と秋田県で8年間の追跡コホート調査を実施。その結果、長期的な栄養摂取状況の指標(①BMI、②血清アルブミン、③血清総コレステロール、④ヘモグロビン)はいずれも、低いと死亡の危険度が上がり、もともとの健康状態など副次的要因を除いても、この結果に変化はなかったといいます。他の研究結果とも照らし合わせたうえで「一般的な高齢者において低栄養状態は余命と健康余命のリスク要因である」と説明しました。
どんな栄養をとればよいのか
新開氏は、高齢者の低栄養の背景には少食傾向(エネルギー不足)、たんぱく質(特に動物性)不足、脂質不足、鉄分の不足があると指摘。「食品摂取の多様性スコア」(DVS)を使った調査で、DVSスコアが高いほど、▽除脂肪量が高い、▽握力が強い、▽歩行速度が速い、▽貧血が少ない――傾向があるという結果を示し、「日常的に多様な食品をとることと筋肉量や体力には関連がある」と説明しました。DVSとは、①肉、②魚介、③卵、④大豆・大豆製品、⑤牛乳・乳製品、⑥緑黄色野菜、⑦海藻、⑧いも、⑨果物、⓾油を使った料理――の10項目について、毎日とっているかを点数化して評価する指標です。
「牛乳がオススメ」は血管性認知症に証拠あり
後半では、九州大学大学院医学研究院の二宮利治教教授が講演しました。自身が中心的メンバーを務めた “久山町研究”の結果をもとに、認知症の時代的変化などについて話しました。久山町研究とは、福岡県久山町の住民を約50年にわたり追跡した大規模疫学調査。直接の死亡原因になりにくいため調査が難しい認知症について、戸別訪問を行うなどして6~7年ごとの断面調査を実施しました。
同研究の結果で、認知症の有病率は、1985年の6.7%から2012年までには17.9%まで増加しており、内訳ではアルツハイマー型認知症の増加がその他のタイプの認知症に比べ突出しています。糖尿病患者のアルツハイマー型認知症リスクは正常な人の2倍高く、認知症増加の背景に糖尿病患者の増加があることも示唆されています。
認知症発症と食事パターンの関係を見た分析で、二宮氏は牛乳・乳製品の摂取レベルに着目。同研究の分析結果から「牛乳・乳製品中の乳たんぱく質、カルシウム、マグネシウムが認知症予防に寄与している可能性がある」とし、認知症の予防に「100~200mlの牛乳を毎日飲むことが有効かも」と話しました。
講演で示されたデータでは、牛乳・乳製品を1日97~197g摂る人は、摂取量がそれ以上やそれ以下の群のなかで最も認知症発症リスクは低くなっていました。内訳としてアルツハイマー型認知症には摂取レベルと有意な関連は見られませんでした(相対危険0.68、信頼区間0.45~1.03)が、血管性認知症では摂取レベルとの関連があるという結果でした(同0.57、0.30~0.98)。カルシウムやマグネシウムの摂取レベルは多いほど血管性認知症の発症は低くなる傾向が見られましたが、アルツハイマー病と牛乳・乳製品摂取レベルとの関連は明確ではないようでした。
(・_・)メガネの目(・_・)
認知症に関する後半の内容については、研究で牛乳などとの関連が見られたのは、増加が深刻なアルツハイマー型ではなく、血管性認知症ということでした。同じ“認知症”でもそれぞれ病態が違うことを考えると、認知症の種類に注意して結果を見る必要があると思います。
講演では「低栄養→認知症」という関係については明言されていませんでした。一般的に、低栄養が認知症の発症にかかわる“可能性がある”とされていますが、現時点で低栄養が発症の直接的な原因とは言えません。
2人の識者の方のお話から私がわかったことは「低栄養対策には多様な食品をとるのがよい」ことと「(血管性)認知症予防には牛乳がよい」ということでした。牛乳はたんぱく質やミネラルが豊富だし、身近で手に入れやすい食品なので高齢者の低栄養予防に期待の食品であることは間違いない、ということを前提にした内容ですが、タイトルから期待するような「低栄養に牛乳がよい」という明確な根拠はよくわからなかったというのが本音。
----- 開催情報 -----
【タイトル】
高齢者の低栄養問題その予防と有効な対策
―高齢者の」「低栄養」予防対策としての牛乳・乳製品の可能性―
【日時】
2016年3月30日
【場所】
丸ビルホール(東京都)
【講演者】
東京都健康長寿医療センター研究所 新開省二副所長
九州大学大学院医学研究院 二宮利治教授
【主催】
健康日本21推進フォーラム
【対象】
マスコミ関係者
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もったいない。と一念発起。
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