角換わり右玉の対策4

今回は、前回の予告のとおり、第13図から▲6六角と打つ変化について考察します。

 

第13図

 

第13図からの指し手②

▲6六角(第22図)△1五歩▲同歩△1七歩▲同香△7六飛▲7七歩△6六飛(第23図)

左:第22図 右:参考8図

第23図

後手が△6五桂と跳ねた手に対して▲6六角(第22図)と設置してきた時の対応を考えていきます。▲6六角は次に▲4四銀や▲4五歩などで相手玉への睨みを活かして攻める狙いです。

これには△1五歩〜△1七歩が研究手順です。△1七歩に放置、例えば▲4四銀と出ると△1五香(参考8図)でまずいので、▲同香ですが、端に味付けをしてから△7六飛〜△6六飛(第23図)と飛車を切っていきます。

 

第23図からの指し手①

▲6六同銀(第24図)△3五歩▲1九飛△3六歩▲同銀△3五歩▲4七銀△3六角(結果6図)

左:第24図 右:参考9図

結果6図(-661)

飛車切りに▲同銀(第24図)は類似形で私が経験した局面です。5七の地点は手厚いですが、反面、先手からの攻め味は薄くなります。

△3五歩と玉頭から攻めるのが急所の攻めになります。▲同歩と取るのは△3六歩▲同銀△1八角▲2六飛△3六角成▲同飛△4九銀▲同玉△2七角(参考9図)と王手飛車を掛けて、駒割りは互角ながら陣形の差で後手優勢です。

ということで△1八角を先受けして▲1九飛としますが、△3六歩〜△3五歩〜△3六角(結果6図)とゴリ押しして後手有利の局面です。▲同銀は△同歩ですし、次に△2七角打〜△1八角成という感じで先手陣を荒らしに行けばよいです。

 

第23図からの指し手②

▲6六同歩(第25図)△5四歩▲6五歩△1六歩▲同香△5五歩(結果7図)

左:第25図 右:結果7図(-62)

飛車切りには▲6六同歩(第25図)と取る方が勝ります。桂は取られますが、前回の変化のように△5四歩で銀を取り返せます。▲6五歩に一本△1六歩▲同香を入れてから△5五歩(結果7図)と取り返して良い勝負です。後手は次に△1八角▲2八飛△1七銀のように、飛車を取れる形を目指します。

 

第13図からの指し手③

▲4五歩(第26図)△5四銀▲同銀△同歩(第27図)

左:第26図 右:第27図

局面を戻し、第13図の△6五桂に対する第3の手として▲4五歩(第26図)とする手を見ていきます。▲5五銀と連動してこれも自然な一着でしょうか。対して△同歩は▲同桂で先手の駒たちが躍動してしまいますので、△5四銀とぶつけるのが良いでしょう。銀交換が行われた第27図で先手が攻め合うか受けに回るかで展開が違ってきます。

 

 

次回は、第27図から▲4六銀打とする手を考察します。

 

角換わり右玉の対策3

今回は、前回の予告のとおり、第17図から▲6四歩とする変化について考察します。

 

第17図

 

 

第17図からの指し手②

▲6四歩(第19図)△5四銀▲4五歩△同銀右▲同桂△4六歩▲同銀△4五銀(第20図)

左:第19図 右:参考6図

第20図

△5五歩に▲同歩と取るのは後手の5筋の攻めが強力でした。今度は▲6四歩(第19図)と取り込んでみましょう。これに△同銀と取るのは▲9七角の筋がちらつくので△5四銀と中央志向で使っていきます。

次いで▲4五歩は私の実戦でやられた手ですが悪手。△同銀右と取ってしまうのがわかりやすく、▲同桂に△4六歩▲同銀△4五銀(第20図)が流れるような攻めになります。

ちなみに▲4五歩では▲8七歩△7六飛▲7七金△7五飛▲6一角△4三銀打(参考6図)と進める方が勝りますが、後手は手厚く受ける方針で、これも後手不満のない戦いだと思います。

 

第20図からの指し手

▲3七銀打△4六銀▲同銀△2六桂▲3七玉△3八銀▲2六飛△2七銀打▲同飛△同銀成▲同玉△8九飛成(結果4図)

左:参考7図 右:結果4図(-3418)

△4五銀に対する先手の応手は難しいです。▲同銀は△4六桂、▲4四桂は△4六銀が△3七銀打▲4九玉△8九飛成以下の詰めろになっており後手一手勝ち濃厚です。

ということで▲3七銀打と粘るくらいですが、△4六銀▲同銀に△2六桂が決め手です。▲同飛は△8九飛成で、以下▲4四桂は詰めろになっておらず△4九角▲3七玉△5八角成で勝ち、▲7九銀には△5四桂(参考7図)と上から潰しに行けば良いです。

本譜の▲3七玉には△3八銀〜△2七銀打(次に△2八角)がしつこい絡みです。2七で精算後の△8九飛成(結果4図)は△2九竜以下の詰めろになっており、▲7九銀と受けても△2九飛で一手一手の寄りになるため、後手勝勢です。

 

第15図からの指し手②

▲6四銀(第21図)△同銀▲6五歩△5三銀▲8七歩△8二飛(結果5図)

左:第21図 右:結果5図(-795)

局面を少し戻し、△5四歩の銀取りに対して▲4四銀ではなく、▲6四銀(第21図)とこちらに突っ込む手を見ていきます。

狙いとしては△同銀に▲6五歩が銀当たりになるということですが、△5三銀と引いて堅さをキープするのが好手です。

▲8七歩には無理をせず△8二飛(結果5図)と引き上げておきます。この局面で先手に有効手が無いのに対し、後手からは次に△6六歩〜△6七銀とする攻めが分かりやすいです。▲6九飛と防いでも△9三角くらいで攻めが繋がります。

 

 

次回は、第13図から▲6六角と打つ変化について考察します。