残業はなくならない


この記事を読んで前の会社の上司を真っ先に思い出す。と同時に懐かしくもなった。



記事の前半に出てくる会社と同様、弊社についても残業削減策については喫緊の課題である。毎週水曜は弊社についても原則残業は禁止である。


ただ後半に出てくるような家に帰りたくないという社員は今のところ同僚はもちろん上司にもいない。


おそらく弊社の年齢層が比較的若いことが理由だと思う。20代の社員は各々資格試験等の自己啓発に取り組み、30代の中堅社員は子育てもあり、できるだけ早く帰ろうとみな真剣である。

前の職場でも当然残業については厳しかったが、そもそも仕事がなかったし、仕事と呼べるものがろくになかった。職場は50代の社員が多く、彼らのほとんどは日中は無駄な会議と無駄な世間話で定時を待つ状況であった。


そんな彼らも定時となれば会社を出なければならないのだが、記事のなかに出てくるおっさんと同じで自宅のどこにも自分の居場所がないのでとにかく毎日飲みに行き、終電間近まで時間を潰していた。


当然若くて独身でお酒も飲める自分はよく連れていかれたものだった。サラリーマンである以上、上司の誘いは断れないわけだが、結果的に頻繁に飲みにいったことがあの会社での寿命を縮めることになったことは皮肉だったと思う。


毎日くだらないお酒の席に付き合い、自分の時間を無駄にすることが耐えられなかったし、なによりこんなダサいおっさんにならないためにもきちんと仕事をしないといけないという危機感でいっぱいだった。


転職した今は、平日に飲みにいくことはほとんどなくなったが、毎日夜遅くまで町中をふらふらさまよっていたあのおっさん達は今も若い社員を見つけては飲みに誘っているんだろうか。


彼らの不幸は長い夫婦生活の中で自ら招いたことであるとは思うが、若くして出会った可憐な花嫁がかくも恐ろしい姿に変貌する様について教えて頂いたことは無駄ではなかったのかもしれない。