【雑記】キャッシュフローと資金繰りの違いって何?
ひとつ前の記事で
利益=お金じゃないよ!
お金はキャッシュフローと資金繰りだよ!
みたいなことを書きました。
さらにそれまでの記事で3冊の本を紹介してますが、2冊が「キャッシュフロー」、1冊が「資金繰り」でした。
んじゃキャッシュフローと資金繰りの違いって何?
って思いますよね。
一言で言えば「似てるけど全然違う!それぞれ目的が違うもん!」です。
全然説明になってないですね。
【似てる部分】
キャッシュフローと資金繰りってどっちも「利益」じゃなくて「お金」の出入りを管理する点というではあんまり変わりません。
【違う部分】
違う部分はいくつかありますね~
・キャッシュフローはキャッシュフロー計算書、資金繰りは資金繰り表を使います
大げさな例えですが、貸借対照表と損益計算書は全く別物ですよね。
それと同じで、使うものの様式が違えばそこから得られる情報も違ってきますね。(これ、めちゃめちゃ大事なことです)
いい画像の貼り方が分からないので、興味ある方は「キャッシュフロー計算書」と「資金繰り表」それぞれ調べて、改めて見てみてください。(申し訳ありません)
・キャッシュフローは過去の情報、資金繰りは将来の情報
キャッシュフロー計算書で分かることは「今期の決算は黒字だったけど、現金はこれだけ増えた(減った)のね。」ってことです。
また、資金繰り表から分かることは「今月いくら入金があって、来月これだけ支払いがあるのか。3カ月後に大きい支払いがあるからお金足りないじゃん。」とかです。
今が平成28年9月なんで、キャッシュフロー計算書って例えば平成27年9月~平成28年8月くらいのことが書いてますよね。
一方資金繰り表は平成28年10月以降のことが書いてます。
という感じで、様式が違うから得られる情報も過去のこと、将来のことって違いますね。
・キャッシュフロー計算書は様式は決まってる、資金繰り表は様式は自由
キャッシュフロー計算書ってどの会社が作っても様式って2種類しかないんですよね。(私の知識不足でなければ直接法と間接法の2種類)
そんで半年間だろうと1年間だろうとだいたいA4一枚の一表で表せます。
資金繰り表は月次のものがあったり週次のものがあったり、もっと細かく入出金が知りたければ、日時のものを作ったりしますね。
あと、3カ月分なら縦4行、A4用紙一枚くらいで済みますが、12カ月分ならそれだけ横長になるんでA3用紙くらいになります。
・得られる情報はキャッシュフロー計算書>資金繰り表?
これは私見ですしちょっと極端ですが、資金繰り表はいつ入出金があるかを知るくらいのものです。
それに比べてキャッシュフロー計算書って現金の増減だけじゃなく、不良資産があるんじゃないか~、設備投資が正解だったか~とかまで分かりますからね。
以上、長くなってきたんでこんな感じです!
はじめに言いましたが、それぞれ目的が違うんで、どっちが優れてるとかはなくどっちも大事です。
【雑記】利益がでればお金って増えるんじゃないの?←違います。
会社の会計の話をしますよ~
自分は銀行に入ったばかりのころ、タイトルにあるように勘違いをしてたんですが、みなさんはどうでしょうか?
自分があまりにも勉強不足だったこともありますが・・・。
同じ勘違いをしてる方がいれば、お役に立てればと思います~
まず、会社の決算は普通1年毎ですから
「今期は売上高1億円達成!仕入費用、人件費、税金が引かれて利益が1000万円残った!前期と比べて現預金は1000万円増えてる!」
と思われるかもしれませんが、利益が出る=お金が増えるわけでは無いんです。
なぜなら
売上高-費用=利益ですが、売上高=お金が増える、費用=お金が減るではないんです。
なんか意味わかんないこと言ってますね。
具体例をあげますと
①借金の返済は費用にならない!
銀行から5000万円を期間5年で借りると1年で1000万円ずつ返すことになります。
この時の利息部分は費用になるんですが、元本部分は費用になりません。
上記の会社は利益1000万円でしたが、借金の返済1000万円があればお金はプラスマイナスゼロで、お金は増えません。
借金返済が費用にならないのは、銀行から10億円借りたからといって売上高10億円にならないのと同じです。
②仕入費用とは商品を仕入れた時ではなく、商品が売れた時に計上する!
これだけじゃよく分からないと思いますが、
500万円分の商品を仕入れたらお金を払わないといけないんで、500万円現金が減りますね。(買掛金とか支払手形とかそういうのは考えずに)
この時点では、商品を仕入れてお金を払ったにも関わらず、会計的には費用としては0円です!
お金は減っても費用は0円、なんだか違和感ありますね・・・。
これが800万円で売れればその時初めて
売上高 800万円
仕入費用 500万円
利益 300万円
となるわけです。
この例は分かりやすかったですが、会社って色んな種類の商品を扱うので
商品Aを500万円分
商品Bを400万円分
仕入れたりします。
商品Aは商品が全て売れて800万円の売上があがったとして、さっきと同じで利益は300万円ですね。
しかし、商品Bはひとつも売れませんでした。
払った400万円は売れてないので費用になりません。
払ったお金:500万円+400万円=900万円
入ったお金:800万円
この会社は利益300万円出てるのに、お金は100万円減ってます。
実際の会社だったら商品は何十種類もあるでしょうし、仕入も毎月行って、しかもそれが全て売れるわけでないので、上記のように払ったお金と費用の差はもっと複雑になります。
以上、具体例で①と②を紹介しましたが、こんな感じです!
利益が出る=お金が増えるではないことが感覚的に分かっていただければ幸いです。
利益が出てもお金が減る場合の話が分かりやすいので具定例であげましたが、もちろん逆もあります。また、利益とお金に差が出る要因ももっとたくさんあります。
しかも①や②の要因は組み合わさって発生するんで訳分かんなくなりそうですね。
ただし、この問題を解決するためにキャッシュフロー、資金繰りがあるんです。
利益=損益計算書
お金=キャッシュフロー計算書、資金繰り表
と思ってください。
とにかく、利益がでればお金は増えるはではないという話でした~
『これだけは知っておきたい「資金繰り」の基本と常識』小堺桂悦郎
オススメ度:★★★★☆
前回記事の最後に今回もキャッシュフローに関する本を紹介すると書いてましたが、今回は資金繰りの本ですね。
キャッシュフローと資金繰りってどう違うの?
って思う方もいるでしょうから、違いは今度書きます!
本の感想としては、中小企業の経営者の方、銀行との融資交渉の必要がある方は読んで損のない内容です。
著者は税理士なんですが、これまで2100社の中小企業に対して銀行との融資交渉を助言し、相談にのった融資案件は総額150億円、しかも税理士の前は銀行員という経歴の持ち主です。
したがって本書も、銀行との融資交渉を有利に進めるための内容となっています。
第1章が資金繰りに関する一般的知識、第2~6章は銀行からの融資に関する内容になっているので、「資金をショートさせないようにしましょう!」「そのために銀行との融資交渉はこうしましょう!」って感じですね。
「資金繰りについて勉強して、経営に活かしたい」という目的の方にはちょっと違います。
銀行側が融資相談を受けたときの考え方などが事実で書かれているので、経営者の方からしたら参考になる点があるのではないかと思います。
融資の際は黒字だから借りれる、赤字だから借りれないという単純なものではないので、銀行がどこを見てるかなど、もっと詳しく知りたい方は是非読んでみてください。
以上、経営者の方向きの一冊でした~。
お金に関する他のジャンルの本についても書いていきたいですね。
『会社のお金はどこへ消えた?”キャッシュバランス・フローでお金を呼び込む59の鉄則”』児玉尚彦
会社のお金はどこへ消えた?―“キャッシュバランス・フロー”でお金を呼び込む59の鉄則
- 作者: 児玉尚彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/29
- メディア: 単行本
- 購入: 17人 クリック: 124回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
オススメ度:★★★★★
非常にオススメです!
会社経営にとって一番大切なものはお金です。
私は銀行員3年目ですが、担当先企業が黒字なのに、預金が増えないことが不思議でした。
私と似たような疑問を少しでも持っているなら役に立つ情報がきっとあります!
この本では
・「利益が出る」=「お金が増える」ではない
・お金がなぜ消える?(会社が赤字で儲からないとかそんなことではありませんよ!)
というようなことが、財務の知識がほとんどなくても分かりやすい説明で書かれています。
キャッシュフロー計算書とは何か?とかそういった教科書的なことは書かれておらず、実際に経営で役立つ知識が書かれています。
この本のコラム欄で、なるほどと思ったのが
「点数のつけ方を知らなくても、ボーリングのゲームはできます。点数のつけ方を知っていてもハイスコアを出すことはできません。 ただし、スペア後の1投目が前のフレームの点数に加算されることは知っていたほうが有利です。」
という文章です。
簿記の勉強なども確かに必要ですが、会計を理解するのではなく、利用できるようになりましょう、ということが分かりやすい例えで書かれていますね。
以上、経営者や、私のような銀行員には是非是非オススメの1冊でした。
次回はもう1冊くらいキャッシュフローに関する本を読んで紹介しようと思ってます~。
会社のお金はどこへ消えた?―“キャッシュバランス・フロー”でお金を呼び込む59の鉄則
- 作者: 児玉尚彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/29
- メディア: 単行本
- 購入: 17人 クリック: 124回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
『キャッシュフロー計算書がよ~くわかる本』金井正義
オススメ度:★☆☆☆☆
この本はどんな人おすすめしたらいいか分かりません・・・
というのも
・財務の初心者に対しては説明不十分
・ある程度知ってる人に対しては役に立たない
って感じです。
自分は銀行員なので、決算書の見方はある程度わかり、キャッシュフロー計算書から情報を読み取れる力を付けたい!と思って買ったのですが
内容が浅い!!!
書いてあるのはキャッシュフロー計算書を見たことある人なら、本を読まなくても想像ができる内容ばかりです。
それと
同じことを何回も書き過ぎ!!!
全く同じ文章がコピペされてる時も多々あり、読む気をなくしてしまいます。
この2つが本を読んでパッと感じたことでした~。
本の構成としてはキャッシュフロー計算書とは?見方は?作成方法は?経営に必要なの?って感じで各章に分かれてて、見開きで1つのテーマ(例:「フリーキャッシュフローとは何ですか?」)を解説してます。
キャッシュフロー計算書は実際に現金がいくら入って、いくら出たかが書かれているもので、損益計算書とは役割が違いますよ。
ということが分かっていれば読む必要はないとか思います。
また、キャッシュフロー計算書ってなに?っていう人はネットで調べればこの本に書かれてる程度の知識は得られます。
以上、この本を買って後悔したことがきっかけで書評ブログを始めましたー!
本屋で手に取ったときタイトルをgoogleで調べたんですがレビューがなくて、誰かがレビューしてくれてれば良かったのになぁと思ったので。
次回は今読んでいるキャッシュフローに関する本が面白いので紹介します!