賃貸マンション 設備機器選定の大原則教えてます!

 

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賃貸マンションの内装を検討するにあたり、こだわった内装にしないとお客さんがつかないのでは?
凝ったデザインにして周りとの差別化をしないといけないのでは?。

 

そんな疑問にお答えします。

 

 

 

 

 

1:ノーマル イズ ベスト 建具

結論、賃貸マンションの内装材・デザインはノーマルイズベストです。
シンプルイズベストという言葉はありますが、それに近い意味で言葉をあてがってみました。
理由は、凝った創りとした場合に後々でその設備機器がもし壊れてしまったら、復旧に高額な費用が必要となることがある or そもそも同じものを設置しおすことが困難になる場合があるからです。。
例えば建具ですが、目地のつけ方を複雑なデザインとしたり、ガラスの納まりなども含め押縁など目立たなくするなど納まりを特別に工夫しまるで一点モノであるかのような設えにしたとします。そんなものが壊れた場合、当然にメーカーの既製品で対応がきかないものとなる可能性が高くなる為、同じものを作り直すとしたら自動的に受注生産と同じようなかたちとなる=コストが高くつくことになります。
また、そもそも特殊な設えとなっていることで仮に作りなおすとなった場合に一般的な業者で対応することができず竣工時に関わっていた業者でないと技術的に対応が不可能となる場合になったり、その場合に竣工から何年も経っている場合にその業者が倒産していて、探し当てることが難しいなんてこともあります。

 

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引用 株式会社OKUTA LOHAS Material

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引用 homifyのDIYコミュニティ



2:ノーマル イズ ベスト 水栓・ボール

 

こちらもデザイナーズ物件などによく見られる置き型の手洗いボールです。
あらわしになっている為、洗面ボールに何らかの力が加わりやすくすぐに割れてしまったり、水栓だけ壊れてしまった場合に、それぞれ個別に修理・交換対応することができれば問題ありませんが、不具合の出るタイミングで(例えば設置から10年後などで)水栓においては吐水位置や給水立ち上がり位置、止水栓を作動させる為の機構などとの兼ね合い、ボールにおいてはぴったりカウンターにあうサイズのボールの有無などで、後継機種にて簡単に修理対応できない場合もあります。

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引用 OK-DEPOT

 

3:ノーマル イズ ベスト 各種面材 

時代時代で流行する面材の柄は異なってきます。毎年イタリアのミラノでミラノサローネなる国際家具見本市で世界の最新トレンドが発信されていますが、毎年生活スタイルにあわせた変化があります。つまり流行り廃りがある為、将来的に竣工時に選定した特殊なシート柄が10年後にも残っている保証はない為、もとの柄を選定できなくなる場合、内装テイストもガラッと変わってしまいます。最近では、将来的にもまずなくなることは考えられない白色のシートを利用されることが多くあります。白はどんな色にも無難にあわせることができ、将来的にも廃盤になる可能性は低く、所謂賃貸物件においては万能と言えるでしょう。例えば、下記シート単体で見るととてもオシャレでかっこいいのですが、特徴あるテイストで将来的にも流行り続ける可能性で言うと、一般的な木目のシートに比べると低くなると感じています。

 

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TOPPAN 101マテリウム より引用

 

4:とはいえ、突き抜ける為には?

もちろんそうは言いつつも、凝ったデザインとしなければならない局面もあるでしょう。物件的に唯一無二の好立地に位置し、周辺物件とは明確な差別化をする必要がある時などもその一つかと思います。基本的にマンションの設備なんてどれも似たりよったりで、結局は様々な設備機器についてメーカー・品番をチョイスして一つの部屋が出来上がっていくものなので、極端な差はうまれにくいのですが、各メーカーがこぞって時代時代に様々な商品企画を行い世の中に送り出してきます。商品を選ぶ側は何か目新しさや新たな価値ある商品に目が行き採用してその反響を試してみたくなるものですが、
その商品がその後も流行り続ける保証はありません。最悪選んだ商品が廃盤となってしまう可能性もあり、その場合将来的に修理・交換がきかなくなるなんてもこともあります。そうなると賃貸物件では大変困る為、物件づくりの際に何か目新しいモノを採用するときなどは細心の注意が必要です。

 

 

巾木を侮るなかれ!【賃マン床・壁にぴったりの巾木】

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所有中の賃貸マンションで内装を新しくしたが、巾木をどうしたらよいか?
意外に交換するとなるとチリツモでそれなりの出費にもなるし・・・

 

そんな疑問にお答えします。

 

 

 

 

1:巾木は高さ40mm、壁色あわせが王道

結論、巾木は壁色あわせで高さもH=40mmのものを採用すべきです。
理由は、巾木自体を目立たなくしすっきりしたシンプルな空間とすることができるからです。見た目だけで言うと巾木なんてないに越したことはないのですが、床と壁の隙間を隠す役割や機能面として壁を保護する役割の為に一般的には設置をしています。掃除機をかけるときにがちがち壁にぶつけたりしますよね。
一昔前では巾木はH=60mmが一般的でそれ以外の寸法のものはあまり見かけなかったのですが、昨今は多種多様な要望に応えられるようラインナップも充実し、H=40mmも世の中に出回っています印象です。H=40mmだとぼてっとしないで巾木自体の主張も最小限に抑えられますしそのうえ費用も抑えられます。実際に楽天で安くなっていますので、おススメですね。


https://item.rakuten.co.jp/floor-shop/fyhk-tl-sf-th40/  40mm巾木 引用:楽天

https://item.rakuten.co.jp/floor-shop/fyhk-tl-sf-th60/  60mm巾木 引用:楽天

 

巾木壁色あわせのイメージ

 

 

2:別パターンがないわけではありません。

もちろん、あえて壁色あわせにしない場合もあります。
例えば、巾木の色を床色あわせとるケースです。利点としては壁の色が異なる場合でも統一感をもった設えにすることができます。また、色見を持たせることで巾木自体を主張させることになる為、すっきりというよりはどっしりと重厚感のある空間づくりとさせる場合には適しています。それこそ昔の内装はシンプルでモダンな内装といよりしっかりと素材感のある材料を使った内装が多かった為、巾木も床あわせの物件が多くありました。ヴィンテージマンションと言われるような古いながら高級感のある物件などは巾木なども素材感や色目などで表現するケースが多くあると感じます。

写真はヴィンテージマンションの一例

https://www.intellex.co.jp/lp/special-contents/uploads/work/thumbnail_image/0/194/large_K0032_01_large.jpg

(引用:インテリックス) 

 

また、極端な例として巾木を設置しないケースもあります。床と壁のちょっとした隙間は出てしまいますが多少は気にせず、掃除機の利用時の接触対策などの使い勝手の考慮よりもデザインを重視したデザイナーズマンションなどで多く見られる納まりという印象です。確かにすっきりしていてオシャレでかっこいいです。壁がクロスでなく塗装仕上げなどの場合にも適しているかもしれません。

 

http://ikko-kentiku.com/rfs/wp-content/uploads/2019/01/DSC_4360-1024x685.jpg

 (引用  N House 設計:小川晋一都市建築設計事務所 施工:イッコー建築事務所

 

それぞれ一長一短ありますが、昨今の一般的なトレンドとしては巾木は壁クロス色あわせで高さをH=40mm程度というのが理にかなっている選択かと思います。

 

【コスパ優先リノベーション】フロアタイル上貼りのすすめ!

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出典:ナオスフローリング サイト

 

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所有中の賃貸マンションで室内の老朽化も進み、賃料下落もじんわり始まっている。
インテリアのトレンドにあわせた内装リノベーションをあらゆる部分で行うと
費用もそれなりにかかりそう・・・・コスパの良いリノベって?

 

 

そんな疑問にお答えします。

 


目次
1:床を変えるのが一番効果あり! 水回りは高額すぎる
2:フロアタイルで十分! 驚愕の事実 賃貸仲介会社もその良さを知らない・・・

 


結論、リノベーションするにあたり一番コスパがいいのは床仕上材の変更です。
理由は、よく言われる水回り(キッチン、洗面、ユニットバス)を変更するとなると膨大なコストが発生しますが、床材変更だけであればコストは抑えられますし部屋の雰囲気も一気に変わるからです。
具体的には、水回り変更するとなると100万近くコストがかかってくる場合があるので、それ以外で何かないか?となると、一番視覚に飛び込んでくる面積が大きく、部屋に入った最初の印象を左右する床仕上げ材を変更するのが一番効果があるという話になります。玄関を開けて室内の様子を初めて見ることになりますが、たいてい案内する仲介会社は狭い玄関からまずは広いリビングなどに案内します。そこで部屋の印象がほぼ確定しますが壁紙はだいたい白のクロスの為、印象を左右するのは視覚的に広い範囲を占める床の色合いや素材感となるわけです。床材が綺麗に張替えられているのと、古く傷だらけというのとでは印象が全く異なりますし安っぽいクッションフロアや昔の物件に多い巾狭のフローリングでも古さを強調します。
もちろん、エアコン設置やウォシュレット設置や水栓をシャワー付きに変更するなど設備機器を変更することで部屋のバリューアップを行うという考えはありますがリノベーションという観点で室内を変えていくとなると、やはり床仕上材の変更が一番効果があります。

 


次に、床材をどうしたらよいか?という議論になります。

結論、フロアタイル上貼りで十分です。

理由としては、今だと巾広のフローリングが流行っていますが、賃貸でフローリングを貼替えるとなるとそれなりにコストがかかります。
フローリングを張替えでトータルで10,000円/㎡くらいかかってきますし、貼替えではなく薄い3mm厚のフローリングを上貼りすることで2~3割コストダウンをはかることもできますが、それでもやや高くつきます。その点、木質系のフローリングではなく
塩ビ系のフロアタイルではさらに3割ほどコストダウンが可能です。フローリング貼りと訴求できないこと、木質系の質感を享受できないことなどデメリットもありますが、
圧倒的に安いこと、フローリングと見分けがつかないこと(デザインが進化し流行りの巾広タイプもある)、を考えると結論、フロアタイルで十分です。
最近知ったのですが、触った感触はフローリングとフロアタイルで異なりますが、技術は進歩し昔ほどあからさまではなくなってきています。また、何より仲介会社がその材質の違いをあまり理解していない為、いくら良いものを施工してもお客様には伝わらないということが分かってきました。

新築でフローリングが貼られている物件がほとんどですが、再生させるという観点で工事を行う時に馬鹿正直にフローリングを張替するというのは不要です。もちろん費用を潤沢にかけられるならフローリング張替するに越したことはないですが、そんなことなかなかないですよね。

 

以下、参考までに

〇3mmフローリング  ナオスフローリング (木質系)

フロアタイルより質感はよいので個人的には好みです。

出典: https://www.kenkoureform.com/flooring/

上貼りフローリングは巾木の下に飲み込ませることで巾木は現状を生かすことが可能です。

 

フロアタイル  サンゲツ フロアタイル (塩ビ系) ※その他メーカーもあり

豊富な種類で品質も高く安価で言うことなし。幅広約150mmとなっていることもよし!

出典: https://contents.sangetsu.co.jp/doc/catalog-index/floortile19_02.pdf?_ga=2.247718849.796575749.1596376241-1810510473.1596376241

 

 

やってはいけない! 壁式構造コア抜き

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エアコンの配管用にスリーブがあったらエアコンの修理や入替時にとても便利、スリーブがあればエアコン設置が手軽にできるので部屋の価値向上にも繋がるのでは?

 

 


そんな疑問にお答えします。

 

 

■目次
1:壁式構造の盲点

2:それでも、なぜやってしまうか?

3:念には念をいれて

 

 

1:壁式構造の盲点

結論、壁式構造の壁に無闇やたらにコア抜きをするのは絶対やめましょう!
声を大にして言います。絶対にです!

理由は、構造壁である部分にコア抜きを行った場合、構造体として問題が生じてくる可能性が高いからです。

具体的には、建物は構造計算をされて適切な壁柱・梁の形状や使用するコンクリート強度や鉄筋量などを様々なものを想定していますが、そこに穴を開けられ鉄筋を切断しコンクリートが削られると、引っ張り力に強い鉄筋や圧縮力に強いコンクリートが想定された機能をしなくなる可能性が高いです。

もちろん、たまたま運よくコア抜きした部分が鉄筋を切断しておらず、構造的ダメージが少なく済む場合もあるかと思います。ただ、それはあくまでも運がよい時の話であって、基本は何かしら構造に影響のある話になる=建物構造という建物の根幹をゆるがす話になる為、是正工事をしたほうがよいという話になります。自分は今となっては貴重な体験と言ってしまいますが、是正工事を行ったことがあります。実際には応力計算を行い改めて適切な鉄筋を配筋しコンクリートを流し込むという作業となりましたが、入居者がいる中での工事は不可能な為、該当する部屋から影響のない空室への引越しや泣く泣くですが退去の協力をいただくなど大変な苦労をしました。工事該当部屋以外の入居者にとってもコンクリートを斫る工事騒音もすさまじく、よいことは何ひとつありません。結果的に、工事費用や入居者の引越し代負担など含めると、約2000万円吹っ飛びましたorz  オーナーの知らないところで管理会社が勝手に行っていた工事ということで、管理会社側(その時は諸事情でPM会社BM会社の折半でした)で費用負担することになりました。薄利で事業を行うPBM会社にとっては致命的な損失になることは間違いありません。
よって、壁式構造の壁のコア抜きは絶対におすすめできません!

 

 

2:それでも、なぜそれでもやってしまうのか?
マンションはラーメン構造の物件が多く、柱に囲まれた壁については雑壁と言われる構造に影響のない壁で構成されている為、雑壁に配管用スリーブが設置されていることが一般的です。一方、壁式構造は高くても5階くらいまでの低層のマンションで採用されていて、バルコニー側にスリーブを設置せずエアコンの室外機を屋上に設置しているケースもあります。エアコン室外機の入替えをわざわざ建物屋上で行うとなると室外機の入替にかかる工事費用も割高になる為、色々と勝手のよいバルコニー側に室外機を置けるよう考えてしまうというのがカラクリです。

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(写真の赤線で囲まれた部分は”雑壁”と言われる部分の為、構造的に重要な壁ではなくスリーブなどを設けても構造への影響は原則ありません)

大手建設会社が不適切なコア抜き等により、大きな問題となった事例もあります。これを見たときは、本当にたまげました。私は建設現場でも働いたことがあるので現場の状況はよくわかっているのですが、とても厳しい話ですよね。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK17035_X10C14A3000000/
(引用:日経新聞

 

 

3:念には念をいれて

ここまで書いてきましたが、「そんなバカなことするはずがない!」と思った方も多くいらっしゃるかもしれません。私もそうでした。そんな勝手なことをするわけがないと・・・それでも実際にやってしまっていたんです。(念のため私の名誉の為に言わせていただきますが、私がやってしまったのではなく5年以上昔の担当者間でやりとりされたいたのが発覚しました)賃貸管理業界はオーナーやテナントに多くの要望をされ業務が多岐に渡る為、日々忙しく余裕がなく当たり前のことが当たり前にできないことも多くあると感じています。自分のところは絶対に大丈夫!と思う方にとっては無縁の話かもしれませんが、もし少しでもこのことのリスクを感じていただいた方は、ご自身の管理物件などで是非一度確認してもらえればと思います。

 

 

【運営コスト圧縮】プリーツ網戸の落とし穴と対処策

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開き窓の部分の網戸がプリーツ網戸になっているけれど、不具合が出るとかなり高額の費用を請求される。そもそも網戸の網だけ交換というわけにいかないってどうにかならないか?

 

 

目次
・片開きの窓のプリーツ網戸が壊れたらどうすべきか?
・引き違い窓のプリーツ網戸が壊れたらどうすべきか?
・新築時の配慮

 

 

・片開きの窓のプリーツ網戸が壊れたらどうすべきか?

 

結論、プリーツ網戸から内開き網戸に変更してしまいましょう。        
理由は、プリーツ網戸は構造上ジグザグの網戸部分のみの交換はできず本体交換となってしまうからです。内開き網戸とすれば後々の網戸のみ貼り直しが可能となる為、網が切れた場合の修繕費用が高額にならなくてすみます。
具体的には、普通にプリーツ網戸交換となると約5~6万円のところを内開き網戸の網戸張り直しとできることで5千円程度の費用ですませられることになります。あくまでイメージですが1/10程度になりますね。
ただ、プリーツ網戸ではなく内開き網戸にすることで気になる部分はあります。一つは見栄えです。これは確かに悪くなります。実は世の中の良さげな物件を見ると引違い窓と普通の網戸が設置されているものは少ないことが分かります。採光など取りづらくなりますが、見栄えを配慮して一般的に外側に網戸が出てきてしまう普通の引き違い窓は設置せずに片開きの窓を設置しているマンションがとても多いです。妻側の壁が構造上重要な壁(耐震壁)などで開口部を多く設けられないという外的要因もあるかもしれませんが、意識して世の中にある良さげなマンションを見ると一目瞭然で結構おもしろいです。

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某大手不動産会社分譲マンション

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某大手不動産会社分譲マンションその2

見栄え上、網戸が見えてしまう(内開き窓の場合、室内側に網戸が見えます)のはありますが、気しない人は全く気にしないです。こちらが内開き窓の写真です。いかがでしょうか?

 

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美的感覚ゼロの私はまったく気になりませんw

もう一つは有効スペースです。窓を開けるときはその内側に人がいるのが前提となるので有効スペースを損なうということは原則ないはずです。とはいえ、サッシの軌跡上に何か物を置く想定となるような場合は注意が必要です。例えば、キッチン出入り口で食器棚を設置する際の奥行寸法の関係で内開きとした場合に棚が網戸にあたるといったことがないようにする必要性あります。写真の場合は大丈夫ですね。

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結論 とはいえコスト面でのインパクトは大きいので、断然内開き網戸がおすすめです!

 

 

・引き違い窓のプリーツ網戸が壊れたらどうすべきか?


では引き違い窓にてプリーツ網戸になっている部分はどうでしょう?


結論 こちらはプリーツ網戸の下レールを活用し引き網戸を設置することをお薦めします。

理由は、やはりプリーツ網戸だと網戸が破れただけでもプリーツ網戸本体交換が必要でコストがかかるからです。開き窓の場合と同様ですね。建物オーナーが費用も十分かけられて見栄えを重視したいということであれば、それはそれでプリーツ網戸のままでも結構かと思います。ただ、繰り返しになりますが、後々のコスト負担はやはり大きいです。
もちろん、デメリットもあります。開き窓と同様に室内に引き網戸が見えてくる見栄えの問題もありますが、それ以外にサッシと網戸の終い(密閉性)が若干甘くなる場合があります。引き違い窓の内側に引き網戸を設置することになりますので、隙間ができて蚊が入ってこないよう確認し必要あればモヘアの設置などケアが必要かと思います

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・新築時の配慮


これまでは、建物が建った後に発生した不具合時の話をしてきましたが、新築物件においては設計段階で配慮すれば当然に後々困ることを未然に防ぐことができます。よって新築物件の図面検討時には、後々の運営コストを大事にしたい建物オーナーであれば、プリーツ網戸は極力使用しないようなサッシ形状・室内プランを選択することをおすすめします!
長年不動産に関わり、数えきれないくらいマンションを見てきた当事者だから言えるのですが、世の中には後々の運営コストまで考え抜かれてプランニングがされたマンションが本当に少ないということです。自身も以前に新築マンションに関わっていた時には
できたタイミングでの見栄え・便利さなどにしか正直目が行き届いていませんでした。もちろん自分の視野が狭かっただけで配慮できる立派な設計関係者は多くいらっしゃるかと思いますが、自分が設計に関わらない物件を数えきれないほど(どんなに少なく見積もっても300部屋以上くらいは実際の目で)見てきた経験から言っても、配慮できている物件の発生率は1%もありません。新築時からできることはやっておきたいですよね。

 

以上 プリーツ網戸の落とし穴と対処策というテーマで色々と書いてきました。

建物の一部位だけでもこれだけ語れる部分があるということで、改めて建物って奥が深いと実感しています。お困りの方には是非参考にしていただければと思います。

 

 

【トラブル解決、運営コスト圧縮】エアコン隠蔽配管 

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エアコンの隠蔽配管について、後々トラブルになることが多いけど、どうにかならないか?具体的には、電源ケーブルの引き直し費用がバカにならない。エアコンの設置ができないということで入居者とのトラブル対応も手間だし、解決費用もそれなりにかかる。都度調査するのも大変。

 

 

そんな疑問にお答えします。

 


目次
1:隠蔽配管について、悩み一瞬で解決する方法とは?
2:そうすることで解決することは?
3:意外な事実?

 

 


結論、隠蔽配管のエアコンの場合、あらかじめ設備としてエアコンを設置してしまうというのが手っ取り早い解決方法です。
理由は、設備として設置してしまえば、入退去のエアコン設置に伴うケーブル切断のリスクが完全になくなるからです。
 具体的に説明していくと、もともと壁内・天井裏の隠蔽部に予め先行して電源ケーブルや冷媒配管が敷設している場合、エアコン屋さんは室内外のエアコン用スリーブから飛び出ているケーブルと冷媒管を室内機・室外機に接続・取外しを行うのですが、問題なのが取外し時に電源ケーブルを切断してしまうケースです。切断してケーブルが短くなってしまうと、その短くなった分だけケーブルを継ぎ足すことはできません。メーカーの取説を見ると実際に注意事項で書いてあります。エアコン業者はメーカーが推奨することに背き勝手に対処することをやりたがりません。

 

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引用:パナソニック ルームエアコン取扱説明書 

 

冷媒管は銅管なので硬くまず切られていることはないですが、電源ケーブルは簡単に切断可能です。写真はDAIKIN製エアコンですが、接続部はケーブルを挟みこむ形状になっていて、メーカーの方にヒアリングしたところ、どのメーカーもそうなっているはずとのことでした。本当は切断しなくても良いのに面倒だからパチンと切断してしまうのが実態です。

 

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 では、電源ケーブルの長さがしっかり確保されているかどうかの確認をきちんと行うことはできるでしょうか?実際に壁の中にトグロを巻いてケーブルが格納されている場合は、そのケーブルを取り出し室内側と室外側でスリーブから適正な長さが確保できているかを確認する必要がでてきます。その場合、室内機室外機の想定設置位置と接続部分を考慮する必要があり、一様にチェック方法を決めるのがとても難しいですし、確認するとなれば相応の手間隙がかかります。(ここにも費用が発生します)また、費用が発生したとしても、現場現場で納まりも異なり、一般的な原状回復工事の範疇を超えてしまっているので専門的な業者を入れないと調査を十分に行うことも難しく、そもそも慣れていない手配となるので確認精度が怪しい場合が多くなります。写真撮影してもらいその写真の確認をするのも一苦労です。
仮に確認する為の運用がうまくできていたとしても、思いもよらないところで確認が不十分で、いざ入居者がエアコン設置しようとしたら設置できないというトラブルも起こりえます。その際、入居者は設置できて当たり前という意識の中でエアコン設置できないとなりますので、当たり前ですがとても怒ります。これが夏場の時期におこると最悪です。業者の再手配、その際の立会など都合をつけないといけませんので、当たり前のことができないストレでクレームに発展します。また、いざケーブルを再設置となると、これも大変てす。もともとケーブルを後から通すことが出来ない隠蔽部へケーブルを通しているので、後から設置となると部屋のあちこちに作業用の点検口を設けないといけません。配管ケーブルのルートを設計図などで確認しながら、手探りで点検口を開けていく必要もあり、手間暇がかかります。

意外な事実としては、先行して敷設されている隠蔽配管について、設置されているケーブルが何故かもともと短く、そもそも必ずケーブルの引き直しをしないとエアコン設置ができないケースもあります。信じられないですが、これまで何件か(しかも築10年以内のまぁまぁの築浅物件で)経験がありまして、その物件では毎回約8万円のケーブル引直し費用がかかっていました。orz...また、先行してケーブルなどが敷設されておらず、後からエアコン設置する際に予め壁や天井内に配管されたさや管(塩ビ管)にケーブルと冷媒管を通すという仕様のマンションもありますが、実際に通そうとすると通せない、さや管が割れてケーブルが通っていかないというケースもありました。

色々書きましたが、昨今のエアコン業者さんは1日にできるだけ効率的に多くの部屋を周りエアコンを設置するように予めスケジュール組みをされているので、イレギュラーな納まりのエアコンについては作業時間もかかるし後々のトラブルにも繋がる可能性から設置を断るケースも増えています。なので、全部が全部とは言いませんが隠蔽配管となっているエアコンについてはトラブルになるケースがとても多いです。

もちろん設備として設置した場合に機器本体の設置初期費用、修理・維持費がかかってきますが、入退去都度の調査費用、確認手間、トラブル費用、リスクを考えると大きな出費ではなくなります。

よってトラブル対応・手間隙を回避するために、隠蔽配管となる部屋のエアコンについては、あらかじめ設備として設置してしまうことを強くオオスメします。

 

 

【修繕コスト大幅圧縮】賃貸マンション 魔法の商材

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引用:ぺルゴフロアホームページ

https://www.hokushu.net/kenzai/product/1076/

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日々の修繕コスト(支出)をなるべく圧縮したいけれど、築年が経ってきて長期入居の部屋や入居者の使い勝手が悪い部屋となると、どうしても補修など修繕費用がかさんでくる。どうしたらよいか?


そんな疑問にお答えします。
     

 

目次
1:傷がつかない商材   
2:フローリング表記可能
3:デメリットは上手に受け入れる

 

結論 賃貸マンションで床フローリング貼りをするなら、ぺルゴフロアをおすすめします。

理由としては、本当に傷がつきにくいからです。ほんとこれはすごい神商材です! 
世の中に傷がつきにくいという商材は色々あるかと思いますし、私もそんじょそこらの商材では驚かない自信がありましたがこれは本当に度肝をぬかれました。

具体的には、ライターで表面をあぶって黒くススができても拭き取れば元のままとなりますし、1円玉など固いもので思い切り表面をこすってみても問題ありません。
普通のフローリングと異なり特殊な表面加工が施されている為、表面強度が高くなっています。ほぼ不死身です。
営業マンの方から説明を受けたときにはまるで手品を見ているようで、「何ということでしょう・・・・〇〇だった傷が・・・」と某キー局のBEFORE AFTER を紹介する際のナレーションがぴったりはまる感覚を覚えました。
その時は魅力的な商品紹介用のキットもあって、社内で何度かプレゼンしましたがいつも好評で結果多くの物件でぺルゴフロアが採用されました。
メーカーなどから一切見返りをいただいているわけではありませんが、詳しくはホームページを御覧ください。 

https://www.hokushu.net/kenzai/product/1076/

 

フローリングの表記ができるという点も賃貸マンションでは募集上で大きなポイントとなります。
コストも一般的なフローリングよりも1~2割安いイメージです。
よくあるフローリング調の硬質塩ビタイルでフローリング貼りという表記をすることは危険です。

 

ただ、少し気になる点をあえてあげるとしたら、以下の点があります。
上手に整理が必要かと思います。

①遮音性能
床製品の遮音性能を示すLL等級を取得していません。
よく昨今の分譲マンションでは、LL40、LL45等級のフローリングを使っている、もしくは相応の床構造となっているなど床遮音性能の設定をしているケースをよく見かけますので、それらと比較した時に本製品は本当に大丈夫か?後々騒音問題につながらないか?とう不安がゼロではありません。実際に本製品を張り替えるのは、カーペットからフローリングに張替る場合が多いのでなおさらです。

もちろんカーペットと比べると物を落とした時は圧倒的に伝わりやすくなります。(あたりまえですが・・)実際に張り替えた部屋とその下階でどれほど音が響くのか?という音の伝わり方実験を行ったこともあります。階高2800mm程度、コンクリート床スラブ150mm、直床直天物件で、上階で人がジャンプして着地時に鳴らす重量衝撃音、スプーンなどを落として鳴らす軽量衝撃音、人が走り回るなど色々試してみましたが、軽量衝撃音は実際によく聞こえます。それをどう整理するかですが、私の会社では色々な部門の人間で(合計10名以上で)実際にその音を聞いてみて、「我慢できないレベルではない」という判断をし、結果カーペットから張り替えるということを何部屋も行っております。今のところ複数の物件で合計30部屋以上のぺルゴフロアへの張替を行っていて、大きなトラブルに発展した部屋はありません。1部屋だけ「最近上階の足音などが気になる」という問合せがあり、工事履歴を調べてみると上階の床仕様が従前はカーペットだったところが、1年前くらいにぺルゴフロアに張り替わっていたという事例はありました。下階入居者は上階の仕様について知る由もありませんが、実際に上階がカーペットからぺルゴフロアに変わっている為、下階に音が聞こえやすくなっていることは事実かと思います。ただ、音に関しては感じ方の問題や上下階の生活スタイルによるところが大きく、何より上階住戸の床仕様を下階住戸の契約条件となってはいません。上階に遮音性能の高い床素材を採用することで下階の賃料をあげるということもしませんので言われてみればあたりまえです。(そうなると、賃貸マンションで遮音性能の高い床素材ってどう評価すれば微妙ですが・・・)本件は、上階に注意喚起を促すという落としどころで事なきを得ました。

 

②納まり 
端部にクリアを設けないと乾燥収縮による素材の動きに追従できない為、各所に見切り材を設けないといけません。玄関框部分や建具下の見栄えには大きく影響しませんが、居室部分の巾木下や蹴込部分に見切り材を設置した場合には多少見栄えに影響するような気もしています。

https://www.hokushu.net/kenzai/wp-content/uploads/2018/02/868b7644cd6747d3ba972a93ec26c848.pdf

見切りが気になる場合は、木巾木(たいてい7mm)を利用し、クリアを確保しながら
上手にその部分を巾木で隠すことをしていけばよいです。

 

 以上 床フローリング材にぺルゴフロアを採用することは大変おススメです。

 

日々の修繕での不満をすぐに解消できるはずです。