双極性障害の私がリワークで学んだ健康のこと

双極性障害と診断された私がリワーク(治療)で学んだ、「双極性障害」から「双極性」に近づく方法のメモ。

よりよい睡眠を取り戻すために(食生活編②)

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今回も前回に引き続き、私が学んだ良い睡眠をとるための方法をお伝えできればと思っております。

生活習慣を少しでも変えるのはとてもエネルギーが必要なので難しいのは当たり前なのですが、1日だけでも体験してみることは自分の「引き出し」を作っておけるのでよいことかなと思います。

もしよろしければ、試してみてください。

目次

 

発酵食品を摂る

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前回、睡眠に必要なメラトニンとその原料となるセロトニンのお話をしました。

そして、セロトニンは腸内で作られるため、腸内環境を整えることがよい睡眠を得る可能性を高めるとお伝えしました。

さらに腸内環境を整える方法としてヨーグルトや納豆、キムチ、漬物などの発酵食品を摂るのが効果的です。

これらは毎日の朝食のメニューとして組み込みやすいと思います。

なお、ヨーグルトは加糖ではなく、無糖のものに、別途オリゴ糖をかけて食べるのがおすすめです。

オリゴ糖ビフィズス菌のエサになるため、より効果が強くなるからです。

また、ヨーグルトはその人の体質との相性があるようです。

おなかのハリがあったり、便がゆるくなったりしたら、他のヨーグルトを試すのもいいかもしれません。

 

甘いものを摂りすぎない

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人間、疲れたり、イライラすると甘いものを食べたくなりますよね。

甘いものを食べると脳内ホルモンのドーパミンが分泌され、幸せな気分になります。

ですが、毎日のように甘いものを食べると同じ量のドーパミンでは幸せな気分になれなくなり、「もっともっと」と求めることになります。

これは「依存」のプロセスと同じです。

結果、「常に満たされない」と感じてしまうため、イライラしやすくなり、結果的に寝つきが悪くなったり、イライラした状態で眠るため、眠りが浅くなったりする可能性があります。

また、寝る間際に甘いものを摂ることで、エネルギー過多の状態になり、脳が興奮してしまう恐れもあります。

甘いものは体も脳も健康に楽しめる程度、ほどほどにしたほうがいいかもしれません。

 

寝る間際に食事を摂らない、夜の食事を減らす

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「甘いものを摂りすぎない」でもチラっと出てきましたが、寝る前に食事を摂るのはやめた方がいいです。

人間は体温を下げることで眠りにつきますが、胃に食べ物がある状態では胃に血液が集まるため、体温が下がりにくくなり、寝付きにくくなる可能性があります。

特に油ものや重いものなど、消化に時間がかかるようなものだとより睡眠に影響する可能性が上がります。

できれば晩御飯は就寝の2~3時間前に食事を済ませておきましょう。

とはいえ、残業などで帰りが遅くなることは今の時代多いと思います・・・

そんな時は、会社で食べたり、家で食べる場合はバナナとヨーグルトなどで軽くすませたりして睡眠に影響がでないようにするのが良いですね。

その分、朝をしっかりと食べることで、睡眠のリズムを作りやすくなります。

ちなみにお腹が空いている状態で眠るのが一番理想です。

胃や腸も長い時間休めることができますので一石二鳥です。

休みの日などはたとえば夕方の4時、5時など早めに済ませてしまうことで、質の良い睡眠と胃腸の休息がとれる可能性が高まります。

 

とりあえず、ざーっと書いてみて、休職前は全くできてなかったなーということを改めて思い出しました。

今は辛い思いをしたので半ば強制的にですが生活習慣を変え、睡眠自体は全く問題なくとれるようになっています。

もし、少しでも参考にしていただけたら幸いです。

以上、よりよい睡眠を取り戻すために(食生活編②)でした。

よりよい睡眠を取り戻すために(食生活編①)

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今回と次回で私がリワークプログラムで学んだよい睡眠のための食生活についてご紹介したいと思います。

私も、クリニックに通う前は睡眠の質が悪く、途中に何度も目が覚めたり朝起きてもあまり寝た気がしませんでした。

あまり特別なことはないかもしれません。

そして、この対処だけですべてが変わるわけではありません。

しかし、ちょっとしたことで睡眠の質や、寝付きやすさはずいぶん変わる可能性は十分にあるかと思いますので、ぜひ少しでもよいので試してみてください。

目次

 

カフェイン、ニコチン、アルコールは控える

いきなりベタなところから入りました・・・

コーヒー、紅茶、タバコにお酒は好きな方が多いと思いますのであげてみました。

カフェイン、ニコチン

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まず、カフェイン、ニコチンについては、脳を覚醒させます。

したがって寝る前に摂取することで脳が興奮してしまい、眠りにくくなる可能性があります。

もちろん、普通に眠れる体質の方もおられると思いますが、眠りの質自体は悪くなっている(眠りが浅くなる)可能性は十分に考えられます。

ちなみにカフェインは体質によって、覚醒効果がなくなるまで2時間~長い人は6時間程度かかります。

15時くらいからは飲まない方が無難かもしれませんね。

ちなみに私もコーヒーが大好きですが、デカフェのコーヒーを飲むようにしています。

アルコール

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寝酒については寝つきは良くなるかもしれませんが、眠りの質を悪くします。

日本人は寝酒する人が外国に比べて多い、とクリニックで習い、意外だったのを覚えています。(詳しいデータは忘れましたが・・・)

ビールがほしい!と思われる方は炭酸水を飲むとそれなりにスッキリできますよ。

 

水分をたっぷりと摂る

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 人間の体は汗や呼吸、皮膚、便尿などで水分を消費し、体格にもよりますが、その量は一日1500ml~程度と言われています。

つまり、それ以上水分を取らなければ水分が足りない状態になります。

水分が不足した状態だと、自律神経である交感神経が優位になり、体が緊張状態になりやすくなるため、眠りにくくなる可能性があります。

かといって、夜にたくさん水分を摂ることは、夜中にトイレに起きやすくなりますので、昼間にしっかりと水分を取りましょう。

 

食物繊維をしっかり摂る(野菜を食べる)

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人間の体には眠るための仕組みがあります。

眠るためには眠るためのホルモンである、メラトニンを作る必要があります。

これはまた別のホルモンであるセロトニンを原料にして作られるのですが、このセロトニンのほとんどはアミノ酸トリプトファンを原料にして腸内で作られます。

つまり、腸内環境が整っていなければ良い睡眠は得にくい可能性がある、ということです。

腸内には無数の細菌は生息していて、そのエサとなるのが食物繊維です。

というわけで、食物繊維がたくさん含まれる野菜やイモ類などを積極的にとることをお勧めします。

ちなみに、お勧めの野菜の取り方は野菜スープやみそ汁です。

サラダだとかさが増えて量が取りづらいので、スーパーで適当に買ってきた野菜を鍋にぶちこんでいます。

切って入れるだけなので、意外と楽ですよ。

 

以上、よりよい睡眠を取り戻すために(食生活編①)でした。

次回に続きますのでよろしくお願いします。

 

 

もしよろしければ読者になっていだけると更新の励みになります。

この記事がお気に召しましたら、よろしくお願いいたします。

リワークは何をする?リワークの流れについて

目次

 

 ざっくりとしたリワークの流れ

今回はリワークプログラムがどのように進んでいったか、流れをまとめてみようと思います。

あくまで私の通っていたクリニックでの流れになりますので、参考までにといった感じですが・・・

ザックリとした流れは以下のようになります。

①生活習慣のアドバイスを受けながら、生活リズムを整える

②毎日クリニックに通えるようになる

③気分、体調を整えるためのセルフコントロールの方法を学ぶ

④セルフモニタリングのために自分のサインや特徴、クセを集める

⑤セルフモニタリングとセルフコントロールを日常で実践してみる

⑥(復職時、会社的に可能であれば)リハビリ出勤する

⑦本復職する(場合によってはクリニックのサポートを得ながら)

⑧アフターフォロー(復職後、就職後のケア)

順番に軽く説明していきたいと思います。

 

①生活習慣のアドバイスを受けながら、生活リズムを整える

右も左もわからない状態でまず何をするかというと、生活習慣を整えることから始まります。

休職(辞職)したばかりだと、ものすごく体調が悪く、毎日起きるのがやっとという方も少なくないと思います。(そもそも寝れませんという人も良くいます)

体調が悪い時に「こういう風に考えることもできますよ!」とか言われても、入ってこないですよね。

ですから、まずは体調を整えるために睡眠や食事、運動などの健康のための生活習慣を整えることをしていきます。

このタイミングでは、「なぜそれが必要なのか?」という説明は簡単に済ませて、実際に生活習慣を変えていきます。

一言で生活習慣を整えると言っても、たとえば、食事について何を食べるべきか、食べる時間、食事の取り方・・・いろいろあります。

もちろん一度に色々なことを覚えて対応することは難しいですが徐々に慣れていきます。

また、この時期はスマホを触る、外出する、外食する、友達と遊ぶなど、生活上で「必要」でないことはバッサリとカットすることを求められます。

「必要」でないことにエネルギーを使うと体と脳(心)の回復が遅れてしまうからです。

これが結構大変ですし、苦痛を伴うこともあります。

大切なのは、少しでも良いので実践してみることです。

それが体調の回復につながっていきますし、今後の生活リズムの基本ができてくるのです。

 

②毎日クリニックに通えるようになる

①で生活習慣を整え、必要最低限の行動をする生活(物足りない生活)をすると、徐々に体と脳は回復し、睡眠も安定して、一日の生活のリズムができてきます。

結果、毎日クリニックに通えるようになり、いよいよリワークプログラムの内容を学ぶ準備ができた状態になります。

また、休職されている方はこのあたりから、会社への報告や面談を行うことがあります。

 

③気分、体調を整えるためのセルフコントロールの方法を学ぶ

①で実践した内容について、より深く「なぜ、必要なのか?」を学びます。

また、睡眠、食事、運動などの生活習慣だけでなく、自分の病気に対する知識(病識)や精神薬について、コミュニケーションやストレスへの対処の方法、認知行動療法なども学びます。

広い範囲を学ぶことになるため、それなりに時間もかかります。

また、グループワークと言って、他の参加者の方と討論を行うことで、知識の整理をしたり、自分になかった気づきを得る機会もあります。

グループワーク自体がコミュニケーション方法の練習の場にもなります。

 

④セルフモニタリングのために自分のサインや特徴、クセを集める

より早く自分の状態に気づくために、鬱(躁・軽躁)状態の時に出る身体症状、気分症状(サイン)を集めていきます。

その症状は状態の強さで言うと、どのくらいの時(軽い時、重い時)に出ているのかを意識して集めます。

そうすることで、軽い症状が出たときに自分の状態に気づきやすくなります。

また、双極性障害はASD(アスペルガー)やAD/HD(注意欠陥/多動性障害)などの発達障害やその傾向がもつ「クセ」「特徴」に助長されることがあります。

例えば、ASD(アスペルガー)の特徴の一つである、「こだわりが強い」ことにより行動量を増やした結果、双極性障害の躁(軽躁)状態を助長し、状態をより強めてしまうことがあります。

その結果、強い躁状態やその反動での強い鬱状態を引き起こしてしまう危険性が高まります。

私も発達障害の診断そのものは受けていませんが、心理テストの結果、発達障害の「傾向」があることがわかりました。

このような発達障害由来と思われる「特徴」もつかんでおけば準備や対処の工夫ができるようになり、コントロールしやすくなります。

私の通っていたクリニックでは、皆さん何かしらそのような発達障害の傾向をお持ちのようでした。

このステップも非常に大切で時間をかけて取り組むべき部分です。

 

⑤セルフモニタリングとセルフコントロールを日常で実践してみる

学んだ知識を実際に日常生活で使ってみます。

自分のサイン、特徴を確認し、日常生活の中での気づきを増やしていきます。

悩んだ時はスタッフに相談し、アドバイスを求め、より日常生活で使えるように訓練していきます。

また、ある時はチャレンジとして、今まで控えていた外出をしたり、友達と会ったり、自分自身がそのような状況に置かれてどのようにコントロールできるのかを確認してみたりします。(もちろん、事前にシミュレーションをして準備をします)

このようにして、少しずつ対応できる力と自信をつけていきます。

 

⑥(復職時、会社的に可能であれば)リハビリ出勤する

条件的に可能な場合は、職場の中でのセルフコントロールができるかを確認することを目的にリハビリ出勤をしてみます。

いきなりぶっつけ本番で仕事をするよりも、職場で起こるいろいろな状況に対し、クリニックに通っていた時と同じようにコントロールできるのか確認することで課題が明確になること、クリニックに通院するタイミングが残っているので安心感があり、課題の解決に対しても取り組みやすくアドバイスを受けることができることがメリットです。

もちろん、リハビリ出勤中に体調を崩してしまうことも想定されますが、あくまでも「リハビリ」であって「仕事」とは異なるので、それはそれでよい経験と捉え、出てきた課題に対する対処を考えればよいのです。

 

⑦本復職する(場合によってはクリニックのサポートを得ながら)

いよいよ、本復職(仕事に戻る)です。

今まで学んだ知識と気付きで、職場や日常生活で起こる様々な状況に対応していきます。

ですが、いきなり1人だけで全部やるというのも不安もありますし、難しいこともあるかと思いますので、クリニックに確認しながら慎重に進めていきます。

また、復職までのタイムリミットが短く、学習が不十分な場合は、とりあえず復職して、出てきた課題をクリニックと相談しながら対応していく場合もあるようです。

 

⑧アフターフォロー(復職後、就職後のケア)

復職してからの生活習慣、生活リズムの乱れや、新たに発見した課題、相談したいことなどをチェックするため、定期的にクリニックに通院します。

定期メンテナンスのようなイメージで、再発防止に努めます。

 

最後に

私の通っていたクリニックでは大まかにはこのようなステップで進みました。

それぞれの細かな内容については別途記載したいと考えています。

 

私はリワークに通って復職するまでに約8か月かかりましたが、会社との条件でもっと短い期間で復職せざるを得ない方や、状態が安定せず年単位で通っておられる方もおられます。

それぞれに与えられた条件が異なる中でも、自分自身をコントロールする方法を同じ志を持つ仲間のような方々に囲まれて学べたことは非常に良い経験になったと思っています。

 

以上、リワークは何をする?リワークの流れについて でした。

リワークプログラムの目的②(セルフモニタリング)

目次

 

なぜ、セルフコントロールだけでは不十分なのか?

前回、双極性障害躁鬱病)は躁状態の強さをコントロール出来るようになれば、鬱状態の強さをコントロール出来る可能性が高まり、そのためにはセルフコントロールが重要である、しかし、それだけでは不十分である、とお伝えしました。

いったいなぜでしょうか?

確かに、セルフコントロールを学べば鬱状態躁状態になった時に、有効な対処を行うことができるかもしれません。

しかし、自分が「鬱(躁)状態だ」と明確に分かる時というのは、もう既に鬱(躁)状態が強くなっている可能性が高いです。

つまり対処が遅くなってしまい、結果的に「強い鬱状態躁状態を防ぐ」ことにはならないことが考えられるのです。

それでも何も学ばず、今まで通り自分の気分のままに過ごすよりは、鬱状態からの回復も早く、強い躁状態を徐々に落ち着けることもできるようになるかもしれません。

では、もっと早く気付くためにはどうすればよいのか。

 

その答えが自分の状態の監視(セルフモニタリング)なのです。

 

セルフモニタリングとは?

セルフモニタリングとは、自分は今、どんな状態かを把握することです。

私が通っていたクリニックではセルフモニタリングが最も重要である、と教えていました。

しかし、「自分の状態を把握する」と言っても、具体的にイメージが湧かない方が多いと思いますし、先ほどの自分の状態が明確に分かる時はもう既に遅いのではないか、と思われる方もいると思います。

大切なのは、自分が躁(鬱)状態の時に、何をしているか、何を考えているか、どんな感情(気分)でいるか、などの「自分の傾向をつかむ」ということです。

例えば、私の場合だと、以下のような傾向があります。

鬱状態

  • 頭痛 鬱状態が強くなると痛さが増し毎日起こる。朝から起こることも。
  • 肩こり 鬱状態が強くなるとコリが強くなる。
  • 集中力 集中できる時間が短くなり、強くなると全く集中できなくなる。 など

躁状態

  • 動きの速さ せかせかと動くようになり、躁状態が強くなるとさらに早く、雑な動きになる。そのため、よく物にぶつかる。
  • 他の人にイライラしやすい 相手の行動が遅いと感じやすくなる。
  • 寝てもよく目が覚める 夜中に目がさめやすくなる。 など

このように自分の状態の傾向を示唆する行動や、体調、気分、思考内容の変化を「サイン」と呼びます。

サインには弱い躁(鬱)状態の時に出るサインから、強い躁(鬱)状態の時に出るサインまでさまざまあり、たとえば上記の鬱状態の時に出る「頭痛」のサインだと、たまに出るくらいなら弱い鬱状態のサイン、毎日出るようだと強い鬱状態のサインだととらえます。

弱いサインを拾えると、気づくタイミング、疑うタイミングを早くできます。

あるいは、「まだ弱いな」と気付くことで安心感につながることもあるでしょう。

(逆に、「まだ大丈夫」と思ってしまうのは避けたいですが・・・)

私が通っていたクリニックでは、サインを集めて点数化することでなるべく客観的に自分の状態を可視化することを教えています。

最初は、一番強い躁(鬱)状態の時を思い出してどんなサインが出ていたかを思い出してみるのがわかりやすいと思います。

サインを集めて、判断して、正解かどうかを判断してみる。

そうやってセルフモニタリングの精度を上げることが、リワークの大きな目的の1つでした。

 

セルフモニタリングとセルフコントロールはどちらも必要

このようにセルフモニタリングで早めに自分の状態に気づくことができれば、それだけ早めにセルフコントロールすることができので、強い躁(鬱)状態になることを減らせて、安定につながります。

そして何より「いつまた不安定な状態になるのか」と不安な気持ちになることを減らすことになり、自分自身の人生を少しでも豊かなものにできるのではないかなと思います。

 

以上、リワークプログラムの目的②(セルフモニタリング)でした。

リワークプログラムの目的①(セルフコントロール)

目次

 再休職しないために必要なことは?

双極性障害躁鬱病)などの精神疾患は再発率の高い疾病と言われています。

ただ単に数ヶ月間休職して体調が戻ったところで復職や求職をしても、根本的な対策が取られていなければ同じことの繰り返しで再休職をしてしまうかもしれませんし、何より、自分自身が「再休職の不安」と闘うことになるかもしれません。

また、双極性障害の強い鬱状態躁状態を何度も繰り返すことで鬱状態から躁状態躁状態から鬱状態に移るサイクル(期間)が短くなっていく傾向があります。

このサイクルが短くなった状態は「急速交代化」と言います。

こうなると気分が不安定な状態が続くことになるため、さらに復職や求職を妨げてしまう原因のひとつになる可能性があります。

つまり、双極性障害で安定した復職や休職を目指すということは、「再求職しないための根本的な対策を得ること」「強い躁状態鬱状態の時間を減らし、安定した状態を保つこと」の二つが必要になりそうだ、ということになります。

 

 

 セルフコントロールを学ぶ

 双極性障害躁鬱病)は鬱状態(辛くて動けない状態)と躁状態(調子が良い、または良すぎる状態)を振り子のように行き来する疾病です。

躁状態の時は疲労やストレス、睡眠不足、栄養不足などを感じにくくなります。(自分は絶好調だ、問題ない、と思う方もいるでしょう。私はそうでした。)

しかしその時の疲労の蓄積やストレスの蓄積、睡眠の不足などを認識したとき、反動が一気にやってきます。

基本的に躁状態が強くなれば、その後にやってくる鬱状態が強いものになる可能性が高いということです。

なお、鬱状態の時は心身ともにつらい状況になるため、基本的に行動しにくく自動的に休むことが出来ます。

生きるために自動的に体を休める機能が働いている、とも言えるかもしれません。(精神的には非常につらいものがありますが・・・)

もうお気づきかもしれませんが、躁状態の強さをコントロールすることができれば、鬱状態をコントロールできる可能性が高まるということになり、私が通っていたクリニックでは躁状態の時、または躁状態が疑われる時にいかに自分をコントロールする必要があるかを教えられました。

躁状態の時に行動を抑えることで、より激しい躁状態になることを防ぎ、躁状態の反動から鬱状態になったとしても、ゆるやかな気分変動から出来るだけ軽い鬱状態で済ませることを目標の1つとします。

なお、私が通っていたクリニックでは一般的には寛解状態と言われている状態、自覚症状がなく気分変動を感じられない状態を「躁、軽躁状態を疑う、あるいは躁、軽躁とみなす」と言う風に扱っていました。そのぐらい注意する必要がある、という意味かと思います。

また、鬱状態の時にも正しいセルフコントロールを行い、鬱状態からの回復を早めるよう努めます。

セルフコントロールには生活習慣の改善(食事、睡眠、運動、概日リズムの調整など)を通じて体質的に気分を安定させることと、行動量の可視化(スケジューリング)、認知行動療法(CBT)やストレスマネジメント(SMP)などがあります。

おそらく、多くのリワーク施設ではこのようなセルフコントロールを学ぶことになると思います。

しかし、私の通っていたクリニックではセルフコントロールを学ぶだけでは不十分だ、と教えられました。

なぜでしょうか。

少々長くなってしまったので、この続きはまた次回にさせていただきます。

適応障害と診断されたのち双極性障害Ⅱ型に診断が変わった、私のこと

双極性障害になった経緯

私、shinpai-goto(心配事)といいます。双極性障害Ⅱ型を患っています。

転職や子供の誕生をきっかけに発病し一度休職しましたが、現在は復職しました。

私は会社勤めをしていましたが、2017年にうつ状態になり、近くの心療内科を受診したところ”適応障害”と診断され会社を休職しました。

3か月ほど休職したところ、うつ状態の改善はみられましたが「このまま復帰してもまた同じことになるのではないか」と不安が強くなり、心療内科に相談しましたが「良くなっているので大丈夫です」と言われるだけ・・・このままではいけないと思い、知人に相談をしたところ、運良く「リワークプログラム」(うつ病精神疾患などで休職中の方を対象にした、職場復帰を目指した訓練プログラム)とそれを行っているクリニックを知ることができました。

早速クリニックを受診し、私の家族(遺伝的な要素)や今までの経験・エピソードなど様々な情報をお話ししたところ、私は”適応障害”(=一時的な症状)ではなく”双極性障害Ⅱ型”であるとの診断を受けました。

想定外の診断を受けた私に先生は、「双極性”障害”は今、生きる上で問題があるから”障害”なのであって、自分でコントロールする術を学び、うまく付き合うことでただの”双極性”となるのです。」と励ましの声をかけてくれました。

私はこの瞬間から今までの生き方を、少しずつ変えていくことになりました。

 

このブログでは私が受けたリワークプログラムの情報をまとめることで、自分の知識の整理をしていこうと思っています。

なお、リワークプログラムはクリニックによって内容が異なると思います。あくまでも私が通ったクリニックのリワークプログラムについての内容を、私が個人的に備忘録としてブログにアップしているだけですので、ご承知おきください。