『スプリント(Sprint)』が『T-Mobile』になった時(下)
(前編は以下より)
合併完了を発表!
2020年4月1日、ついにスプリントとT-Mobileが合併完了を発表!!
(スプリント・Tモバイル、合併完了 引用:日経オンライン)
2012年の買収から苦節7年半、ソフトバンク(グループ)念願の合併完了である。
SBG株主価値の上昇にも大いに貢献したが、個人的には孫さんの「言葉」を信じてスプリントに投資した成果をしみじみと実感できた。
SBGとしても、スプリント買収で費やした1.5兆円の投資は、7年超を経て、3兆円を超える株式価値へと変貌。
この投資期間は記載してきたとおり、とても険しい道のりだったが、双方(SBG,スプリント)の株を保有しながら、見守ってきた私としても感慨深い気持ちである。
そして一方では、株式投資において「巷の報道が事実である」とは「思っちゃいけない」ことを改めて確認することができた。
企業の経営状態が厳しいときほどネガティブな報道が過熱する。
もともとSBGは一部メディアや日本経済界から「嫌われ者」の側面もあるせいか、特に各所から叩かれまくる傾向があるようだ。
そういった報道と、その結果(事実)を見比べてみることが大事だ。
報道の信憑性
日本・米国に限らず、新聞記者やジャーナリストは「スプリント買収(2012年)」から「T-Mobileとの合併完了(2020)」までの期間、どういう記事を発表してきたのだろうか。
ごく一部になるが、参考までに2つの記事を検証してみたい。
検証記事1(孫社長が語った「スプリント反転」は本当か 引用:東洋経済オンライン)
この記事では、スプリントの業績悪化、資金面の危機、減損危機が全文にわたって書かれている。
今となっては反転させ、合併に至ったため、「そうはならなかったね」という内容だが、掲載された当時の不安扇動の要素が強く、この記事を見て暗澹たる思いになった投資家も多いのではないだろうか。(私もそれなりにヒヤヒヤした)
検証記事2(米スプリントに会計上の懸念 引用:日経オンライン)
この記事では、スプリントの「隠された負債」なるものを挙げて様々な米国記事を詰め合わせて紹介し、スプリント危機をあおっている。
最後には「見えない負債はあるのか、見せない負債を作っているのか」などと不安感を出して締めくくっているが、結局どうなったのだろうか?
このITジャーナリストなる人が、その後きちんと調査結果を発表したかは不明であるが、その後「きちんとスプリントはT-Mobileとの合併を果たした」ことだけは事実である。
スプリント・T-Mobile 合併後の新展開
2020年4月1日、合併を果たして新T-mobileとして出発する一方で、
SBGは2020年3月期でコロナ渦を受けてSVFの投資損失を大幅に計上、1兆円近い当期損失となった。
それらの状況を受けて、SBGは資産(保有株式)売却で4.5兆円を現金化することを発表する展開へ。
おそらくどれも売却したくない保有株式だが、4.5兆円となると「アリババ」「ソフトバンクKK」「T-Mobile」「ARM」「ヤフー(Zホールディング)」などの候補を挙げないと難しい。
いろいろな売却報道が飛び交うなか、5月には「アリババ」1.2兆円売却、「ソフトバンクKK」3000億円売却、と矢継ぎ早に報道された。
一部報道では、 いよいよ「T-Mobile」売却か?と話題になってきた矢先、
2020/6/23に「T-Mobile」売却発表となった。
内容によれば、保有株の2/3を売却し、約2兆円を現金化するとのこと。さらに残りも売却する可能性を残す。
実質的なスプリント=T-Mobileへの投資戦略も、「いったんここまでか」という印象。
T-Mobileを現金化してまで、「自己株式取得or負債圧縮」に回す意図は正直真意をつかみにくいままであるが、「今打つべき手はこれである」と理解することにしておいた。
コロナ渦の先行き、インパクトは常人には見通せない。
キャッシュ イズ マネー (あたりまえ)
キャッシュ イズ キング ということだろうか?
「4.5兆円の現金化の意味はこういうことだったのか!」と近い将来に思えることを願いつつ、自身の保有するT-Mobile株(旧スプリント株)をどうするかを考え始めた。
投げ打って投資した「カローラ」の結末
当記事の(上)に書いたが、スプリント(現T-Mobile)への全投資額は、
「新車のカローラ」くらいである。
NISA枠に全て突っ込んだ「カローラ」は、「T-Mobile」に変貌を遂げ(ややこしい)、SBGが同株を2/3手放したことを機に、一つの決断をした。
私も随順して「T-Mobile」全株売却したのである。
そして、結局のところ、
「破綻しそうなスプリント」に「廃車」覚悟で投げ打った投資はどうなったのか?
結果としては、
スプリントに預けた「カローラ」
➡「レクサス」になって、帰ってきました!
これもわかりにくい例えだが、まあ投資額の3倍弱での回収となった。
(T-Mobile 101.5ドルにて売却フィニッシュ)
このスプリント投資はどちらかというと「投資」より「投機」的なギャンブルだったように思う。なにしろ孫さんの自信だけを信じて、車1台分投げ打ったのだから。
この投資からのリターン資金については、もちろん実際に「レクサス」を手にしたわけもなく、次への米国株投資への資金で温存している。
コロナ渦のなかで、株価がなぜか相対的に上がり気味なので、またT-Mobile買いなおそうかという誘惑をおぼえながら、じっくり市場をみていきたい。
『スプリント(Sprint)』が『T-Mobile』になった時(中)
スプリント株 放置する
スプリント株へ「カローラ」金額を突っ込んだあと、私はただただ放置することにした。
というより、自らに放置せざるを得ない状況を作っておいた。
その方法とは、スプリントへの投資額をNISA口座にすべて突っ込んだのだ。
NISAについては詳しい説明を割愛するが、NISA口座では年間120万円分について5年間非課税で口座に預けることができる。
(通常は株価が値上がりして売却益が出たら”利益の約20%”税金がかかる。これがNISA口座では売却益も、配当収入も非課税になる)
家族の口座も合わせて、「カローラ」相当額をNISA・スプリントに突っ込んだわけで、少なくとも5年間※は放置(ホールド)しなければ!という決意である。
(もちろん途中で売却はできるが、売却した時点でその非課税枠が消化されてしまうので、貧乏性の私は売却したくない)
※さらに法改正で5年間のNISA投資終了後、その終了時の評価額でさらに5年間、
NISA口座に繰り越し預け入れ(ロールオーバー)ができるようになった。
スプリントのV字回復
孫さんの「スプリント反転」宣言後、スプリントは経営改善の方向に進んでいくことになる。
米国通信第3位の座はT-Mobileに明け渡したままになったが、少なくとも手持ちの資金で電波改善を実施しつつ、2017年3月期には営業利益の黒字転換を果たす。
株価のほうも、2016年初頭の2ドル台で底打ちしてからは、翌年2017年には9ドル台まで大幅に改善をなし遂げることとなった。(ただし、その後株価は5~6ドル台まで下降)
ひとまずは、一時騒がれた「破綻」という加熱・憶測?の報道は消え失せた。
そして、いかにスプリント単体で勝負していけるか、さらにはT-Mobileとの合併可能性を探る展開へと方向転換していった。
スプリント、T-Mobileの合併合意
2018年4月29日、スプリントとT-MobileのCEOが共同で「株式交換による合併」を発表!!
あまり報道されていない中で、突然の発表が夜中に出ていて、個人的にも目が覚める思いで興奮していたのを覚えている。
(合併合意のプレス発表 引用:T-Mobileホームページより)
https://www.t-mobile.com/news/press/5gforall
「いよいよ念願の合併か!?」期待に胸を膨らませながら、株価を追っていったが、
「株価、下がっている!?・・・」
合併時の株式交換比率条件が悪かったのだ。
スプリント株1に対して、T-Mobile株 0.10256を割り当てるというもの。
T-Mobileが業績・シェアを大きく伸ばしていたため、時価総額にかなり差が開いていた。
そのためスプリント側に不利な条件で仕上がっていた・・・。
合併合意の発表前 6.5ドルあった株価も、5ドル台まで下落。その後も米FCCや司法省の承認懸念も出ていたため、合併の実現性が問われてその後も株価は横ばいすることになる。
合併承認の攻防戦
その後、米国の一部の州(民主党系?)が合併阻止のため裁判所に提訴するなど、株価も上下しながら見守ることになる。
一方で重要な政府機関の承認については、
◇2019年7月26日 米国司法省が合併を条件付きで承認
◇2019年10月16日 FCC(米連邦通信委員会)が合併計画を承認
合併承認の条件は揃い、一部の州による提訴の裁判動向次第のムードに。
裁判所の合併承認、合併完了へ
2020年2月11日、ニューヨークの連邦地裁が、スプリントとT-Mobileの合併を認め、
ニューヨーク州などが求めていた合併差し止め請求を退けた。(合併承認確定!)
これを受けて、株価は前日終値4.8ドルから8.5ドルへ跳ね上がった。
(米裁判所の合併承認記事 引用:日経オンライン)
2月21日には合併比率を修正すると両社が発表するも、ソフトバンクグループが持ち分を減らすのみとなり(一般株主は当初の合併比率のまま)、株価は10ドルを超える展開へ。
(スプリント・Tモバイル、合併比率を修正 引用:日経オンライン)
あとは合併完了を待つのみ、待ちに待った合併。
2015年からスプリントに投資し始めて、足かけ5年の投資成果がいったん確定の目処を迎えることになる。
無事に合併完了するか? スプリント株は持ち続けるべきか?
(続く)
『スプリント(Sprint)』が『T-Mobile』になった時(上)
スプリント買収
2012年10月15日、一つのドラマが始まった。
”ソフトバンク、米スプリントを買収”
経済ニュースとして、大きく報道された。
同日ソフトバンクの孫正義社長とスプリント社長ダン・ヘッセが記者会見を開いた。
内容は米国通信大手3位のスプリントをソフトバンク(現ソフトバンクグループ)が201億ドル(1兆5000億円)で買収したというものである。
さっそく話が脱線するが、「あれ?なんか為替換算がおかしくね?」
調べてみたら、2012年10月の米ドル対円の仲値は1ドル=78円台、同時代を生きていたはずだが、こんなに円高な時代だったっけ?と改めて驚愕する。
(当時76円台を底に円高が推移。この後日本の政権が民主党政権から現政権に替わって、円安方向へ)
私は2012年初頭より、株主優待の恩恵(ソフトバンク携帯電話の月額基本料980円が無料になる)を受けようと、ソフトバンク(現SBG、以下SB表記)株主になっていた。
そのためSBの情報ウォッチャーとして敏感になっていたのであるが、
「日本国内で通信大手第3位に定着してきたSBが、いよいよ米国進出か!?」
と期待30%・不安70%でスプリント買収の発表を目にしたことを覚えている。
スプリント買収のねらい
買収直後はあまりはっきりとした発言が出ていなかったが、孫正義社長の後述では、「スプリントとT-Mobile USの買収はセット」であったとのこと。
「この2つを合併させて、独占的に通信業界を支配する「AT&T」「ベライゾン」をしのぐ第3極企業をつくる」ことがこの買収のねらいであり、必須の戦略だった。
しかし各種報道にあったとおり、このねらいがひとまず頓挫することになる。
スプリント・T-Mobileの合併交渉を進める中、2014年にはFCC(連邦通信委員会)委員長からは合併買収に難色を示される。
その後、経営不振によりスプリントは米国通信で4位に転落、そしてついにはT-Mobileとの合併交渉の打ち切りに至ってしまうのである。
株価急落と4つの反転戦略
2016年初頭、世界的に大きく株価下落が起こっていた。
ちょうどその頃、スプリントは売上減少・赤字拡大・資金難と経営危機が報道されていたため、下落に拍車がかかっていた。
当時の報道やコラムでは、スプリントについて以下のような「経営破綻」「資金難」「破産」といった記事が多く目についていた。記事の主流は「スプリントは経営破綻の可能性が高い」という判断。
(↓2016年4月当時の投資家サイト記事↓)
【表題】スプリントの破産はとても現実的な可能性が高い
株価もみるみる下落していき、「破綻するのでは?」という計り知れない不安の最中、
孫社長は2016年2月、2016年3月期第3四半期決算の説明会で「4つの反転戦略」を打ち出した。
スプリント4つの反転戦略
1.契約数純増の改善・・・ポストペイドの増加、解約率の改善
2.経費の削減・・・固定費の削減見直しを推進
3.多様な調達手段・・・社債の返済目処と立てた
4.ネットワークの改善・・・必要最低限の設備投資で大幅な電波改善
同説明会で最も時間をとって、このスプリント反転戦略を熱く語った孫社長。
理論的に確実に「スプリントを立て直してみせる」との気迫があった。そして最後にこう発言した。
「スプリントを、私の誇りにかけて(これまで国内通信事業を立て直したのと同じく)反転してみせる!」
「今はその自信を深めた」
このときは私にとっても、
「市場の評価を信じるのか」
「孫さんの発言を信じるのか」
自身の投資判断が試されることになり、
ハラハラとした苦悩を過ごしていた。
逆境のなかの追加投資
2016年2月当時、SB関係各社の一株あたりの株価は
・ソフトバンク:4000円台前半(今の株価に換算すると2000円台前半)
・スプリント :2ドル台(今のT-mobile株価に換算すると20~30ドル位)
・アリババ :50ドル前半
各社とも相当に株価が下落しており、私の保有株式時価も、半年前から半減になるような状況。
しかし「ここは仕込み時」との判断から、投資先としてSB・スプリント・アリババのどこに投資するべきか悩んだ。
5年後、10年後の株価(企業価値)を自分なりに想像したが、決算説明会での
「孫さんのスプリント反転にかける自信」が印象的だった。
その結果、残された余裕資金の中から、スプリントに70%・SBに30%を追加投資。
これらの追加投資を含めると、スプリントへの全投資額は、
「新車のカローラ(トヨタ)」
の価額くらいになってしまった(わかりにくいか)。
「廃車」覚悟で「カローラ」をスプリントに預けたことは、はたして吉と出るか、凶と出るか。(続く)
FIRE目指すなら 〈投資方針を考える〉
FIREを目指す?
”FIRE” 缶コーヒーではありません。
この略語をお恥ずかしながら、今年になって知りました。。
念のため、表記しますと、
F・・・Financial(経済的)
I・・・Independence(独立)
R・・・Retire(引退・退職)
E・・・Early(早期に)
ということで、
『経済的独立と早期退職を目標とするライフスタイルを啓蒙するムーブメント』
だそうです。しかも2010年代から欧米で注目されてるとか・・・。
10年情報収集が遅い自分に愕然とします。山奥では情報が遅いのか。
ただ、救いだったのは、この考え方をある意味、この10年以上目指してきたところがあり、資産投資にせよ、自己投資にせよ、
「お金のために労働者として働き続けることからの解放」
をどこか頭の片隅におきながら、動いてきた感はありました。
ここでいう「FIRE」は
「経済的自立」を「早期に」できることで、「実質的に引退」すること
なので、安定収入を得られることができれば、ひとまず達成することになります。
私の場合は、「株式投資で資産を増やして、最終的に配当収入で必要な生活収入を賄える」くらいをこっそり夢見てきたので、結果的に「FIRE」目指してたじゃん!という共感を持てたのでした。
ちなみに、もし引退できる経済レベルになっても、仕事的なコトはしたほうがいいんだろうと思います。
それがボランティア的であっても、非営利なことであっても、社会やヒトとの接点がなくなってしまうことは避けなければならないと感じます。
(引きこもり傾向があるため、取らぬ狸の将来への自戒をふくめ・・)
わたしの投資方針
私の投資方針、などとえらそうなことはいえませんが、
〈リーマンショック前に株投資を始めて、大損〉
を経験したことから、行き当たりばったりの投資の怖さは知ってます。
そのため、「5年後・10年後に価値が上がってたら良し!」
というくらいの長い目でみていたいと思ってます。
1年後に上がるか下がるか?というのはプロでも難しい。ギャンブルに近い。
しかし、「10年後30年後の未来を予測して、動いている投資家がいるならば、そこに乗っかりたい。」という欲深さは持ち合わせてます。
その考えから行き着いたところが、「ソフトバンクグループ(SBG)」への投資でした。
SBGとその仲間たち
SBGは良くも悪くも投資業界・ビジネス業界を賑わせていますが、
基本的な戦略は 「テクノロジー系企業」に投資する と理解してます。
孫正義社長の言葉でいえば「AI群戦略」になりますが、これから大幅に伸びるであろうAI系企業に投資している企業グループとなっています。
AIを駆使して未来を変革しようとする企業群に投資するということは、本来「グロース株」〔成長を期待している投資先〕ということになりますが、
現在SBGが保有する株主価値が、SBGの時価総額の2倍近くあるため、「バリュー株」〔株価が割安な投資先〕の要素も持ち合わせていると感じています。
その他としてSVF(ソフトバンクビジョンファンド)のこともありますが、書き始めると相当ラチがあかなくなるので割愛。(SVFへの考え方等は別の機会に)
総合的にみて将来の株式価値が増大する確率が高いと判断し、SBGとその仲間たちに投資しておこう という投資方針になりました。
一方で、別の角度から感覚的にいうならば、「世界で有数の、とんでもない成功をしている投資家(孫さん)のビジョンに投資しとけばいい!」ということになるかもしれません。それはある意味盲信といえるかもしれませんが。。
投資方針の考え方
私の浅はかな投資経験では、「どの銘柄が伸びるかわからない・・」のが正直なところ。
投資を始めた人々の多くは、個別株への投資リスクを避けるため、「投資信託」「インデックス」「ETF銘柄」「高配当銘柄」などといった、比較的わかりやすい、低リスク?先に投資することのほうが現実的でしょう。米国株系ETFも長期でみればしっかり伸びてるし。
しかし、それらの投資をして5年後、10年後にFIREへとたどり着けるかといえば、世界の景気・日本の景気次第のところが大きい。その国の経済が伸びれば、市場価値も上がる傾向が強い。
個人的な現時点の運用資金からFIREを目指すには、3~4倍以上の運用実績が求められるため、世の景気まかせにするのはこれまた運まかせだなと思うわけであります。比較的安全ではあるが、FIREへは遠い道のり。
そういう面では、SBGはいわば「高レバレッジのテクノロジーファンド」と化しているわけであり、一般から見ればまさにハイリスク・ハイリターン。大きく狙えるチャンス!(一方で大きく損をこくかもしれないリスク・・)
その一方で、まじめにファイナンス面でみると、SBGは、アリババ等の時価を有する株式もたんまりと保有しています。全部保有株を売りまくれば得られるキャッシュは今の時価総額をはるか超える計算になります。
そうすると「守りがしっかりしているので(実質的なキャッシュリッチ)、あとはAI分野への投資のリターン結果次第」という見方もできます。
とどのつまりどんな未来を信じるかになってきますが、SBG・孫正義氏の未来を信じてBETすることが、FIREを目指すにあたり一番確率が高いんじゃないかと盲信してしまうのであります。
「勝ちそうな馬に乗る」ギャンブルぽく聞こえますが、大まかにいえばそんな投資方針になるかもしれません。
「FIRE」 到達への逆算
「FIRE」到達の目安として、いろいろ考えられますが、「必要生活費からの逆算」でアプローチしてみたいと思います。
○まず毎月の最低限の生活費=20万円で設定(田舎の家族の衣食住・仮計算)
⇒年間:20万✖12ヶ月=240万円
○税引き後240万円の配当金を手に入れるには
⇒240万÷0.8=300万円(税率は簡易計算)
○税引き前300万円の配当金を手に入れるには
⇒配当利回り3%のケース:300万÷0.03=10,000万円の原資
⇒配当利回り5%のケース:300万÷0.05= 6,000万円の原資
この逆算でいくと、億り人(資産1億円超)も視野に含めて、まだ3~4倍の資産運用が必要であります。道のりはまだまだ長い・・・
まあでも、もしこれくらいの固定配当収入を得られるようになれば、「やりたい仕事を好きなだけできる」といった選択の幅(余裕)ができるようになりそう。とても充実した早期年金みたいなものでしょうか??
はたして、このままSBG系に資金の大半をBETしていっていいのか?
様々なSBG関連のニュースは次々と発表されていきますので、引き続き視野を広く動向をみて考察を深めていきたいと思います。
マニアック資格!? 経理・財務スキル検定(FASS)
これまで様々な資格試験に挑戦してきたが、
まずは「経理・財務スキル検定」(通称FASS)を紹介したい。
けっこうマニアックな感じがするが、経理・財務の業務知識について定型業務に即した内容が問われるため、実務的・実践的な理解が求められる試験である。
経理・財務スキル検定(FASS)
この資格は、「一般社団法人日本CFO協会」が取り扱っている検定であり、
経済産業省の委託を受け、経理・財務⼈材育成事業事業の一環で実施されている。
大手企業等でも人材教育の一環で採用されているケースもあり、
会社の財務部門・経理部門での教育プログラムにも活用されていることがある。
出題範囲としては、以下の4つの分野に分かれる。
◆資産分野・・・売掛・買掛・在庫・固定資産 等の資産に関する知識
◆決算分野・・・月次・年次・連結 等の決算に関する知識
◆税務分野・・・税効果・消費税・法人税 等の税務に関する知識
◆資金分野・・・現預金・手形・有価証券・借入 等の資金に関する知識
かくいえ、私も地方メーカーの財務部門に所属する身であり、この資格の取得に向けて(最終的にAレベルを目指す)試験対策を行い、約2か月の勉強期間を経て、なんとかAレベル(760点)を取得することができた。
その結果に至った勉強の過程と、個人的な実践方法について参考までに紹介する。
まずは実力試しの受験・結果
まず、私の受験当時のバックグラウンドとしては、以下のような経験値。
◇金融業系での経理実務経験あり
◇現在は地方製造メーカーの財務部門勤務
◇当時の保有資格:日商簿記2級
ひとまず実力試しとして、特に試験対策をおこなわずFASS検定を受験。
受験申込みはFASSのホームページサイトにてオンライン申込みをする。
(新規登録をしてログイン。受験地や日時を選択して、申込み・料金支払い等の手続きを行う)
受験場所は地域ごとに指定されたところ(パソコン系の資格学校などが多い)に選択した日時に行くことになる。
会場はパソコン室のようなところで、与えられたIDとパスワードを入力して、自分のタイミングで試験をスタート。(平日午前だからか、他の受験者はいなかった)
問題文と4択の選択肢が表示され、肢の1つをマウスで選択し、100問を解答していった。制限時間は90分で、パソコン画面上に残り時間が表示される。
実際に解いてみた感じでは、案外時間は余るのではないだろうか。知ってる(解る)問題はどんどんと答えていき、知らない(解らない)問題はあまり考えこまず絞り込む、といった感じ。ずっと考え込むような問題・選択肢は少ない印象。
受験結果
受験結果はパソコン室を出て、すぐに印刷されて渡される。結果は、648点(81%得点)のBレベル。実務でそれなりに理解していた分野も出題されていたので、資産・決算分野は比較的得点源になった。一方で苦手な税務・資金の分野では実務も関わったことがない内容も多く、なんとか運も味方にしてBレベルにギリ乗っかれたという実感。
あと1問落としていたらCレベルだったんだな、とスコア区分を見てきわどさを感じる。(100問・800点なので、おそらく1問8点と想定)
FASS 意外と攻略困難か!?
受験結果をふまえて、ここから本当の試験対策である。
実際のところ、得点を伸ばしていくのはけっこう難しいと感じた。
その理由は以下のとおりとなる。
1.出題範囲が広い
まず、出題範囲がとても広い。会計・税務・財務(ファイナンス)分野を幅広く含んでおり、簿記検定と出題範囲が重ならない部分も多い。一方で出題される論点は比較的浅い内容であるともいえる。
全体の出題範囲をある程度含んだテキストは以下のようなものがある。
★【会社「経理・財務」の基本テキスト1,2」(税務研究会出版局)】
・・・FASSホームページにも紹介されているテキストになるが、どうも文章構成や書体が古めかしく、個人的には読みづらい。全部を通して読むのはかなりの難行になりそうである。(私はほとんど活用できず)
参考書として、わからない分野を参照するのはよいかもしれない。
2.勉強量と得点UPの因果関係がわかりづらい
上記のとおり、出題範囲が広範囲のため、「これを読んで、解けばOK」といった他の資格試験にあるような鉄板材料を探すのは難しい。
また、合格・不合格といったわかりやすい試験ではなく、「〇〇点をとれば〇レベル」に相当するTOEIC的な検定であるので、よけいに”これだけの勉強をすればAレベルとれる!”とはっきりいえないのが悩ましい。なにしろ勉強の手ごたえを感じにくいのだ。
結局のところ「上記のテキストと公式問題集を解きまくる」といったことが王道になるのだろうが、それなりに時間を要するため、効率的な勉強法が求められる。
FASS Aレベルへ、私の勉強法
お試し受験を経て、FASS Aレベルへの最短攻略を目指すことになるのだが、
私が実践した勉強法は以下の方法である。
1.公式学習ガイドを解きまくる
FASSについては、毎年「経理・財務スキル検定公式学習ガイド(○○年度版)」が発売される。(毎年5月中旬ごろの発売か?)
これは公式学習ガイドというタイトルではありながら、実は問題集である。内容は始めのほうにFASS試験の概要が載っており、あとはほとんど問題と解答解説のみである。とにかく問題を2周・3周と解きまくることを実践した。
実際にFASS受験の実感として、「公式学習ガイド(問題集)に出てきた問題が本番試験に形を少し変えて出ていた」という印象が残っているため、選択肢の順番や問題文の表現を変えて少なからず出題されているものと思われる。(FASSはCBT試験のため、そのときの問題用紙はもらえないし、過去問も公開されてないため、記憶の中での感触)
つまり、公式学習ガイド(問題集)をそれなりに問題・解答を理解してやりこめば、
本番試験の得点にも相当効いてくるということがいえよう。
実際に私もこの公式学習ガイド(問題集)を3周+αほどやりこんで挑んだ結果、
FASS 760点(95%)Aレベル まで押し上げることができた。
やはり基本(公式)に則るのがよいと実感できた。
★【経理・財務スキル検定公式学習ガイド(2020年度版)】
http://www.cfo.jp/fass/text_training/
※ホームページでは受験チケット+公式学習ガイドのセットのほうがお得。
11,000円(税抜)で買えるため、公式学習ガイドが実質1,000円(定価2,500円)で手に入る。
2.問題集を解きまくる
公式学習ガイドを解く一方で、「この一冊だけやっていて大丈夫なのか??」という不安がわいてくる。FASS Aレベルは86%以上の得点率が必要なので、まったくもって気が抜けない。
そこでたまたま手にしたのが「FASSスピード問題集」である。
2回目の受験をしたのが2017年だったが、そのときでもこの問題集の発売年度が2014年であるため、「こんな古いのでいいのか?」という不安があった。
ただ実際に解いてみると、問題の内容自体は改正がある分野はほとんど見られず、基本的な定型業務に関する基本知識・考え方が主であるため、公式ガイドと平行して使えるアイテムとなった。
この「FASSスピード問題集」を、公式学習ガイドを1、2回解いた後で活用していくと、より違う論点からの出題にふれることができるため、よりその分野・項目に対する理解度が深まった印象だった。
公式ガイドだけでは不安な人、公式ガイドをやりきってまだ余力のあるひとは活用することでさらなる得点UPにつながるのではないだろうか。
★【FASSスピード問題集 第2版 (TAC FASS研究会) 】
FASS まとめ
そういうわけで、これらの問題集2冊をやりこんだ結果、「FASS 760点 Aレベル」を取得できたわけであるが、最終的な勉強期間・内容は以下のとおり。
※勉強期間・・・約2か月
※上記問題集2冊を2~3回転(間違った問題を潰し込んでいく)
ペースとしては結構ダラダラとやってしまった印象であるが、最後はAレベル取得への執念で使った問題集を繰り返していった。
注意点としては、ただ問題とその解答を丸暗記するだけではなく、「問題文と解答を逆に出題されたときに答えられるか?」など、少し変化球の出題がされたときに対応できるかも得点UPへの重要なポイントとなる。
公式ガイドを軸に、どれだけ出題範囲の基本事項について網羅できるか、4択をいかに効率的に消去法などで取捨選択できるか、によってより高い得点につながるのではないだろうか。
受験者の得点UPに、なにかしら参考になれば幸いである。
「投資」と「資格試験」の暮らし はじめました
悩めるアラフォー
「四十にして惑わず、
五十にして天命を知る」
あまりにも有名な孔子の言葉です。
私もアラフォーをむかえるにあたり、
これまでの生き方を少し振り返りました。
「このまま、時間に流されるように、
目の前の仕事と生活をこなして
歳をとっていくのか・・・? 」
「なにかを、為せたのだろうか?!」
そして自身の可能性について考えました。
「私の残りの人生で、まだ何かを成し遂げられるのか?」と。
人生100年時代へ
とはいえ、時間は取り戻せない。
現実をみつめ、自己を肯定することも大事です。
まず、過去の歴史?をひもとくと、
「孔子の時代の平均寿命はどうだったのか?」
一説によると古代中国の平均寿命は
35歳~50歳 だったようです。
戦乱の時代というのもありますが、
とても短命であったことがうかがえます。
一方、現代の平均寿命は、
2018年時点で
「日本人男性:81.25歳、日本人女性87.32歳」
(2019.7.30厚生労働省発表) とのことです。
さらに、AI・IT技術の発展によって、
医療が飛躍的に進歩し、まもなく
「人生100年時代」が到来するかも。
そのように考えると、古代中国に対して、
現代の寿命は、ざっくり2倍。
よって 昔の40歳は、今の80歳(思い込むの大事)
そこから導き出されるのは、
今の四十なんぞ、まだまだ「駆け出しのペーペー」ではないか。
「これから、挑戦していけばいいんじゃないか」と。
自分への投資=「資格試験」
これからの生き方を少し模索する中で、
未来の自分を創り出す「投資」とは何か?
を考えました。
その一つの答えが、自分への投資。
つまり「資格試験への挑戦」
資格試験へのチャレンジが、
”自身の学びの証明” ”スキルの証明"
の足しにでもなればいいな、
そんな軽い気持ちで30代から仕事の合間に
勉強し、受験したりしていましたが、
案外ドはまりしてしまいました。
〔取得した資格〕
法律系
◇宅地建物取引士(宅建)
◇ビジネス実務法務2級
◇貸金業務取扱主任者 など
経理・財務系
◇日商簿記2級
◇FP2級(ファイナンシャル・プランナー)
◇経理・財務スキル検定(FASS) など
「資格試験」の勉強方法や合格談など、
資格試験合格のために少しでも、
役立てられることを紹介できればと思います。
未来へ投資(資産運用、主に株式)
資格試験を通して知識を得て、
実践してきたこと、それは
「資産運用」でした。
FPの勉強を進めていく中で、
「資産運用」特に「株式投資」
に巡り会います。しかし時期が悪かった・・・
時は2007年、リーマンショック前夜。。
その時の"大きな失敗"と、
それを教訓にした"少しの成功"を経て、
今に至ってますが、また別の機会にて。
まとめ
そんなこんなで、主なテーマとしては、
◇取得した資格・勉強法、挑戦中の資格
◇投資の失敗・成功談、実績と展望
などを紹介しつつ、
信州でのヤマ暮らし、便利な気づきなどを
アップデートしていきたいと思います。
どうぞ、お気楽にお付き合いいただければ幸いです。