恐れるものは何もない!!〜Q&A後編〜
こんばんは!
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
私は最近ようやく現実に戻ってきた感じがしますよ〜。
学校行ったり、友達とご飯食べたり、映画観たり、髪の毛切ったり、冬服買ったり…そんな毎日です。
1ヶ月前はスペインの片田舎をモクモクと歩いていたはずなんですが、もはやあれは夢やったのではないかというレベルで遠い記憶です…(笑)
数年もしたら、きっとほとんど思い出せないんでしょうね〜。
いつか自分でブログを読み直してビックリ、なんてことになりそうです。
ではでは、前半から少し時間が経ってしまいましたが、カミーノデサンティアゴQ&A後半、いってみよう!!
ちなみに前半はこちら→さぁ、旅に出ようぜ!!〜Q&A前編〜 - 800km歩いたら許してくれますか?
Q. カメラは持っていきましたか?
持って行ってません!
一眼レフを持って行くべきか一瞬悩みましたが、荷物をバッグに詰めた段階で、
「あかん!!これはどう考えてもカメラは無理や!!」
と気づいて置いて行くことに。
結果、ほんとに置いてきてよかったです!!
持って行ってたら途中で放出品箱に放出してたかもしれません!!
荷物の重さは100グラムでも軽い方がいいです!!!
ブログの写真は全部iPhone5sのカメラで撮ったものになります。
意外ときれいに撮れてると思うんですが、どうでしょう…?
デジカメや一眼レフを持ってきてる人も少なからずいましたが、荷物になるし、雨降ったら大変やし、出し入れがめんどくさい、なんてことを考えたら、私はスマホカメラで十分かな〜と思います!
Q. 総額いくらぐらいかかりましたか?
これ、めっちゃ大事なことですよね(笑)
旅には出たいけど、お金が…というのはよく聞く話。
しかしこのカミーノ、普通に1ヶ月間ヨーロッパを旅行するよりはかなりお安い旅になること間違いなしです!!
(まぁ旅行ていうよりは修行…みたいなところあるけどね…)
巡礼中に使う金額は人それぞれだと思うんですが、とりあえず私の例をみてみましょう!
〜1日あたりの出費〜
朝食:3ユーロ(コーヒーとクロワッサン)
休憩:1.5ユーロ(ビールかコーヒーをバルで飲む)
昼食:3.5ユーロ(だいたいいつもオムレツと飲み物)
夕食:自炊→3ユーロ(サンドイッチを作るか、誰かの作った料理をおすそ分けしてもらってました!) 外食の場合は10ユーロ
宿代:5〜8ユーロ(私営のアルベルゲの場合は10ユーロ〜)
以上です!
だいたい1日あたり20ユーロ弱(2000円ぐらい)でしょうか?
お…意外と使ってんな…
そして40日間行ってましたので、20×40で、およそ800ユーロの出費ということになります!
私の場合は、毎日公営の安いアルベルゲに泊まって、夜はできるだけ自炊して、とできる限り節約して歩いてました。
たまには1人部屋に泊まりたいとか、朝昼晩外食がいい!という場合にはもう少しお高くなると思います。
〜準備費用〜
登山靴:50ユーロ
バックパック(34L):120ユーロ
トレッキングポール:10ユーロ
ヘッドライト:5ユーロ
小型ナイフ:10ユーロ
寝袋:40ユーロ
レインコート上下:20ユーロ
計255ユーロ
「最低限の物しか買わへんぞ!」
と思っていた私でも、総額3万円近くかかっております。バックパックだけはしっかりした良いものを!と思ってグレゴリーを買いましたが、あとは全部超安物です。
登山用ソックスや、速乾性のウェアなんかを揃えたらもっとかかると思います。
予算と相談してみてください(笑)
〜交通費〜
バルセロナ→サンジャン:50ユーロぐらい(スペインのバス ALSA利用)
サンティアゴ→バルセロナ:80ユーロ(スペインの鉄道 RENFE利用)
計130ユーロ
時期によって多少変動すると思います。
日本から出発する場合は、これに航空券がプラスされる形になると思います!
……ということで総額、
1185ユーロ!(約14万円)
でした。
う〜ん、思ったよりかかってたな(笑)
でもお金には変えられない、素晴らしい経験ができること間違いなしです。
私はいくら払ったって構わないと思うぐらい、素敵な思い出がたくさんできました。
Q. 危なくないですか!?
全然大丈夫ですよ!!
…と言いたいとこですが、まぁ多少危ないこともあったよね(笑)
まず、初日のピレネー越え。毎年ここで死者、行方不明者が出ているらしいです。私の登った日も霧が濃くて一度迷ってしまいました。ほんとに危なかった…。
また、晴れていても登りはかなりのキツさです。体力に自信がないと、日が出てるうちにロンセスバジェス(麓の町)までたどり着けない危険性もあるんじゃないかと感じました。不安な方は、ロンセスバジェスから巡礼に出発するか、山中の小さい宿に一泊することをオススメします。
さらに女性の一人歩きなら、手の早いヨーロッパ男子たちに気をつけなければなりません。
巡礼路という限られた空間にいるからなのか、カミーノラブなるものがあちらこちらで発生しております(笑)
ラブならいいけど、よく知らない男に知らない間に迫られてた!!なんてこともあるから怖いです。気をつけましょう。
いざとなったら物理攻撃も有効です。
参考までにどうぞ↓
6日目、エステージャの攻防!! - 800km歩いたら許してくれますか?
この記事はほんの一例です。大してかわいくない私でも男性関係では何度か困らされました…。(みんな何しに来てんねん)
実際、宿にはたくさんの人が寝てますから、いざとなったら大きな声で助けを呼びましょう。
こんなアホみたいな不安要素で巡礼を断念するのはもったいないです!(笑)
…あとは野犬かな(笑)
かなりでかいのもいます。これも襲われたら大変です。たいていはもと飼い犬みたいで大人しいですが、たまに吠えて走り寄ってくるヤツもいます。恐怖です。
いつでも戦えるよう、心の準備をしておいてください。
…はい、てな感じで大した危険はありません!!!(笑)
思い切って、踏み出してみてください。
巡礼路って、きっと誰にとっても今までの人生とは全くの別世界やと思います。
そりゃ、多少危険なことも、怖いこともあって当然です。
そしてそれ以上に、素晴らしいこと、感動することがたくさんあります。
恐れるものは何もない!!(と思います!!)
ぜひこの素敵な経験を、偉大な巡礼路を、1人でも多くの人が体験できますように。
そんな風に思います。
ではでは、また何か思いついたら更新しますね(笑)
今日はこの辺で〜。
さぁ、旅に出ようぜ!!〜Q&A前編〜
…久しぶりに更新されたと思ったらタイトルうざいな!!
と思った方も多いと思います。そうですね、よくわからないテンションですね自分でも(笑)
巡礼路から、バルセロナの自宅(といっても風呂もトイレも共同の、古いアパートの一室!)に帰ってきてはやくも1週間以上になります。
毎日あったかいシャワーが浴びれて、何でも好きなもんが食べれて、誰にも邪魔されず1人のベッドでのびのび寝れる、そんな幸せな日々を送ってるんですが…
…正直まだ心が現実に帰ってきてません!!!!誰かタスケテ!!!!
ただひたすら歩くだけの日々でしたが、終わってみると意外にも恋しいもんです、カミーノデサンティアゴ。
シャワーが冷たかろうが、手洗いしすぎてTシャツが擦り切れようが(捨ててきた)、荒野で野犬に出くわそうが、毎日ちゃんと目標に向かって進んでるって、すごい充実した日々やったんやな〜きっと。
と、道中を振り返りながらひたすらダラダラ過ごす今日この頃。
活力よ、カムバーーーーク!!!!
…さてさて、そんな私のどうでもいい近況報告は置いといてですね、今日は意外にも(!?)いろんな方から頂いたカミーノデサンティアゴに関する質問にお答えしていきたいと思います。
最後に投稿した記事が結構きれいにまとまったんで(自分で言うな) "もうこれでこのブログは終わりにしよう" とも思ってたんですが、私のブログを読んでくださった方々から、
"巡礼路に興味がでてきた!"
"行きたいから具体的な話が聞きたい!"
なんていうお言葉を頂きまして、こんなブログでも次の誰かが巡礼に踏み出すきっかけになれば素敵やな…ということで「さぁ、旅に出ようぜ!!」のタイトルコールとなったわけです。(笑)
ではでは、いってみよう!!
(このQ&Aのコーナーは全て私個人の経験に基づいております。人によって感じ方考え方はそれぞれだと思いますので、あんまりあてにならなかったら…ゴメンナサイ)
Q.どのルートを歩いてるんですか?
はい、すいませんすっかり言いそびれてました(笑)
実は一口にカミーノデサンティアゴといっても、巡礼ルートは一本じゃないんですね。スペイン北部の海岸沿いを歩く"北の道"やポルトガルから伸びる"ポルトガル人の道"、スペイン南部からスタートする"銀の道"などなど…まぁぶっちゃけどっからスタートしてもサンティアゴ・デ・コンポステーラにたどり着けたらオッケ〜!みたいな空気が漂ってます、巡礼路。(笑)
そして私は数あるルートの中でも最も有名かつ人気のある"フランス人の道"を歩きました。
この道はフランスから歩き出すが故に、序盤にあの恐ろしいピレネー山脈を越えなければならないという難所がありますが、やはり巡礼路の代表ルートということで、情報が集めやすい、宿泊施設が充実している、などの面で他の道よりも比較的歩きやすいと言われています。
また、訪れる巡礼者の数も最も多く、世界中の人と仲良くなれるチャンスがあります。
出会う巡礼者の中には、他ルート経験者も多いんですが、彼らはみんな口を揃えて、"人との出会いが好きならフランス人の道が一番!!"と言ってました。
Q.スペイン語はどの程度必要ですか?
おい、あんま役に立たへんなスペイン語!!!…というのが私の正直な感想です(笑)
アルベルゲや、町のバルなんかではスペイン語しか通じないこともあるので、単語だけでも知ってると便利かな。メニューが読めると食べたいものが食べれるし。…ぐらいのレベルです。指さし会話帳でも持ってけば、勉強していかなくて大丈夫です。
それよりも必要なのは英語力。
巡礼者同士の会話は基本英語でした。
私は序盤英語が喋れず非常に苦労しましたが、まぁ2週間も経てばなれます。なんかよくわからんうちにある程度喋れるようになってたりします。スパルタ英会話レッスンです。
ただ、"英語もスペイン語もフランス語もまっっったくわからん!" からのスタートは大変かも。
アルベルゲはホテルと違って色々と細かいルールがあったりします。ですのでそういうのを理解できないとアルベルゲの管理人さんも、まわりの巡礼者も、自分自身も困ってしまうと思うので。
あとやっぱり、色んな人と出会って色んな話を聞けるのが巡礼路の魅力ですので、ちょっとでも会話できた方がいいですよね!(私は生まれて初めてちゃんと英語を勉強しなかったことを後悔した)
言語なんて心配するなよ!!そんなのより大事なのは思い切って踏み出す勇気だよ!!!
と言いたいところですが、まぁ現実ということで…(笑)
Q.計画から出発までにかかった時間は?
私はずばり1週間!!
私が巡礼路の存在を知ったのはスペインに来たばっかりの頃なんで、出発の半年以上前なんですが、ほんとに、"よし歩こう"と決めたのは1週間前です。
急遽バスのチケットを買い、近場のスポーツ用品店で安物の登山靴を買いました。そしてトレーニングもクソもなく、ピレネーに挑んで痛い目をみました(笑)
実際のところ、登山靴なんかは遅くても1ヶ月ぐらい前から履き慣らした方がいいし、ザックに荷物を詰めてみて重さに耐えれるか試した方がいいし、着ていく服なんかも防水性や耐寒性を吟味して新調…というのが理想だと思います。
私は普段きてるスウェットにオシャレ着系のジャージで行って、あまりの乾きにくさに絶望しました。(笑)
でも私は、1週間で十分だったと思います。
いつか歩きたいな。いつか絶対行こう。
でも今は学校があるし、バイトもあるから…それにまずトレーニングしないと。靴は大事だから慎重に選ばないと。お金を貯めて、必要なものを全部揃えて。時期はいつにしようか、夏は暑いし、冬は寒いし…
なんてやってたら死ぬまで出発できないからね!!!!?
…と思って何も考えないようにしてとりあえず行きのバスチケットを買いました(笑)
トレーニングしてなくても、靴が安物でも、服が防水じゃなくても、行ったら何とかなりました。
念入りな準備をするに越したことはないと思うけど、まぁ過剰に心配せずとも大丈夫です。
思い切って、現地に赴けば何とでもなるさ!!!
Q.みんな何を目的に歩いてるんですか?
これはほんとに人それぞれ。以下に私が聞いた巡礼路を歩く理由を挙げたいと思います。
・色んな国の色んな人と知り合えるのが魅力的だから
・非日常、冒険の世界を味わいたいから
・誰にも邪魔されず自分自身と向き合うために
・彼女にフラれて、帰るところがなくなってしまったから
・巡礼路関連の映画や小説を読んで自分も歩きたくなった
・熱心なキリスト教徒
・単純に山登りやハイクが好き
・世界一周の一環で
・バケーションさ!!!
…etc.
ほんとに巡礼路には色んな人がいます。どんな人が歩いてもいいそうです。
ちなみに私の目的は "自分の過ちを許すため" というちょっと重た〜いものでしたが、
…最終的にはしっかり楽しんじゃってますね。(笑)
どんな理由で歩こうが、きっとカミーノデサンティアゴを歩いた日々は、誰にとっても素敵で大切な思い出になるんじゃないかな〜と思います。
あれ、なんか予想外に長くなってきたので、本日はここまでということで(笑)
まだまだ質問いただいてるので、次回に続きます。
ではでは〜!
最終日、旅の終わり、新たな始まり。
日本から遥か彼方、遠い異国の地"ムシア"
そこは、罪を背負った巡礼者たちの終着点とされる岬。
ある日の夕暮れ時、そこに1人の女の子が到着しました。
歩きはじめて38日目、雨の日も風の日も休むことなく歩き続けて920キロ。
日に焼けた顔は野暮ったく、髪はボサボサ、服はヨレヨレ。ドロドロの靴を脱げば足はマメだらけでした。
綺麗な化粧も、可愛い服も、おしゃれな靴も、もはや彼女には必要ありませんでした。
大切なのは、歩き続けることのできる丈夫な体と、決して折れない意志だけでした。
"歩いてここまで来たの?"
宿の主人が問いました。
"そう、歩いて来たの!"
笑顔で答えたその顔は、38日前よりもずっとずっと穏やかで、すっきりとしていました。
岬に沈む夕日を眺めながら、女の子はある人へと電話をかけます。
自分の起こした事件の、犠牲者となったあの人へ。
何も言わずに逃げ出してしまって、ちゃんと話すことができなかったあの人へ。
日本は真夜中だったけれど、その大事なコールは繋がりました。
"もしもし"
久方ぶりに聞く母国語は、懐かしい声でした。懐かしい懐かしい声でした。その一言だけで、涙が溢れるほどでした。
それから何を話したかなんて、ちゃんと覚えていません。
女の子はただひたすらその人に謝り、その人はただひたすら "もういいのよ、もう大丈夫よ" と繰り返しました。
女の子が許してほしかった相手は、神でも自分自身でもなく、かつて自分が裏切り、今はもう会えないほど遠く離れてしまった大切な人でした。
彼女はこの道を歩き、そのことに気づいたのです。
そしてこの道を踏破し、その人ともう一度、今度は逃げずに話す勇気を得たのです。
かくして彼女は、1年と8ヶ月の月日を経て、ようやく自分の罪と向き合い、許しを請うことができたのでした。
めでたしめでたし…?(笑)
はい、てなわけで私の巡礼クライマックスは、日本への電話で終了しました。
ちょっとここには書きづらい事情なんで詳しいことは伏せますが、逃げ出してからずっとずっと、ちゃんと謝りたかった人と話すことができました。
さすがに電話一本でスッキリ!…とはいきませんが、兎にも角にも話をする勇気を得られたことは本当に大きかったです。
ずっと、謝ることすらも身勝手で許されないと思っていた私ですが、
"920キロも、自分の足で歩き切ったんだから。あの事件を償うつもりで歩き切ったんだから。"
という思いが、"電話ぐらいならしてもいいんじゃないか?"
とついに私の背中を押してくれました。
ありがとう、巡礼路カミーノデサンティアゴ。
私の旅は、ひとまずこれでおしまい。
でもこれで終わったとは思ってません。
全部きれいに…というわけではないけれど、とりあえず自分の中で決着がつく程度には過去を清算できたので、これからは未来に向かって生きていかなければなりません。
明日からは、もう矢印はないけれど。
自分の心に従って。
(巡礼者ノートに書かれていた言葉。素敵!)
ムシアの岬にて、果てしなく広大な海を眺めながら、仲間たちとそれぞれの新たな出発を鼓舞し合いました。
さようなら巡礼路。さようならみんな。
ありがとう。どうか元気で。
そしてこの道でのすべての出来事に感謝を!
2016年10月29日、帰還。
番外編、大西洋へ。
お久しぶりです!
この空白の1週間でついに私の旅も終了しました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラをたったのち私が訪れたのは、
スペイン語で"地の果て"を意味する"フィニステラ"
古来より巡礼路の真の終着点とされている"ムシア"
の二ヶ所です。
大西洋に面するこの2つの岬を今でも多くの巡礼者がサンティアゴ到着後に訪れます。
…ただしバスでな!!!!!
フィニステーラ、ムシアまではサンティアゴから120キロ。アップダウンが激しい道が続くうえ、アルベルゲが極端に少なくなり、1日40キロ近く歩かなければならない日もある中々過酷な道のりなんですね。
ということで、現在ではサンティアゴ到着後、バスを使ってこの二ヶ所をまわる巡礼者がほとんどです。
ユーランやジョシー、一緒に歩いてきた人たちに
「ほんとに歩くの?みんなバスで行くけど!?」
と心配されながらも私は歩いて向かうことに決めました。
私が巡礼路にきた理由は、この道を楽しむ為だけじゃないからね。
しかし宿や町の情報も少なく、黄色の矢印も頼りにならない(らしい)道を1人で歩くのはさすがに心配なので、ここからは本格的にチームを組んで歩くことに。
アイルランド人のおじいちゃんで巡礼路6回目のジェラルドをリーダーに、イタリア人のアレクサンドロ、ギャップイヤー中のデンマーク二人組クリスティアンとイェンス、料理が得意なブラジル人のブルーノ、そして私の6人。
新しい仲間とともに、サンティアゴを旅立ちました。
噂に聞いていたとおり、かなり険しい道が続きます。
激しいアップダウンで足はマメだらけに。それでも歩き続けるために、ライターで炙った針を刺しマメを潰して進みます。持っている水がなくなってもスーパーやバルは見つからないので、怪しい湧き水を恐る恐る飲んでみたりもしました。ヘビを捕まえたクリスティアンに追いかけられるなんてことも。(小学生かおまえは!!!)
更に屈強な男性陣5人は、もちろん歩くスピードも私よりだいぶ速い!
まず足の長さが全然違うからな!!
"私が遅ければ、置いていって"
とサンティアゴを出るときに言い切ってしまったので、待ってぇ〜とは言えず、必死についていきます(笑)
そんな感じで歩き続けて3日目、ついに大西洋が。
私は生まれて初めてみる広大な大西洋に感動。海への道を歩きながら、ようやく自分が歩いてここまできたという現実を噛みしめることができました。
そしてビーチに到着した途端、ザックを放り投げ、重たい登山靴を脱ぎ捨て、走り出すみんな。
いやまって!?もう11月近いけど!!!?
という私のツッコミは誰にも聞いてもらえず、そのままみんな極寒の海へダイブ!!!!あ〜!!!!
ここで自分だけやらないわけにはいかないという謎の使命感により…思い切って私も海へ飛び込みました。
そのままみんなで抱き合い、大西洋到着を喜び合いました。
もう寒いとか、着替えがないとか、海水がマメにしみるとか、そんなことはどうでもよくなっていました。
900キロだ!!!と誰かが言って、みんなが、900キロだ!!900キロ歩き切った!!!と叫びました。
10月末の海の中、最高のフィナーレでした。
ま、その後ビチョビチョのままザックを担いで震えながら宿まで2キロもサンダルで歩かなあかんくなったけど(笑)
フィニステラに到着です。ついにゴール。残り0.00k.mの表示が少し寂しい。
みんなで地の果てに沈む夕日をいつまでも眺めていました。
夜は宿にて飲み会。
お酒にめちゃくちゃ強いヨーロッパ男子のペース(ボトルワインは1人1本)で飲んでたら私はすぐにベロンベロンに。久しぶりにトイレに駆け込む羽目になりました(笑)
それでも、巡礼路の中で1番素敵な夜やったなぁ。
忘れられへん思い出になりそうや。
最終日、ムシア編へ続く!!!!
31〜33日目、到着…そして
お久しぶりです。
ここ3日間はブログを更新する暇もないほど一日中歩き続けておりました(笑)
そして遂に昨日19時ごろ、
出発地サンジャンから約800km、サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着!!!
仲間と抱き合ってお互いを讃え合いました。
長かった…
毎日歩き続けて、33日かかりました。
間違いなく人生で1番よく歩いた1ヶ月です。
泊まる宿ごとにスタンプを押してもらってきたクレデンシャルを提出して、巡礼証明書をもらいます。
大聖堂で行われるミサに出席します。
おいしい海の幸を味わい、夜通しお酒を飲みながら巡礼者同士、到着を喜びあいます。
雨がやまないことで有名なガリシア地方ですが、幸運にも晴れのサンティアゴを見ることができました。
…なんかめっちゃ淡々としてない!?
とみなさんお思いのことでしょう。
…私本人が1番思ってます。
なんか、全然実感湧かんへんし、結局旅の目的は達成されたのかも正直あいまいです。
綺麗に、"この巡礼で自分を許すことができました。新たな道が見つかりました。"
と言いたいところですが、現実そんなに簡単にはいきません。
あんなに毎日考える時間があったのに、振り返ってみると何も考えてなかったような。ただ、がむしゃらに歩いていただけのような。
ここまで無事に、諦めずにたどり着けたことは嬉しいです。よくやったと思います。
でも、これで終わりで、それでいいのか…?
というのが正直な今の気持ち。
全然まとまってないわ。こんなんブログに書いても誰も面白くないと思うんですが、記録としてね。(笑)
…さて
ということでもう少し歩き続けたいと思います。
大西洋まで。
最果ての地Fisterraまで。
あともう少し、自分と向き合おう。
28〜30日目、映画のような現実
どうも〜
音沙汰ないから、セブレイロで滑落して死んでるんじゃないか!?
と心配してくれたみなさん、ありがとう。(笑)
元気です。
ブログも書かずに何をしてたかというと、
じゃん、テント泊です。
何故こんなワイルドなことになってるのか!?
ここ3日間を振り返っていきたいと思います〜。
一昨日、昨日とまたひたすら山道を歩いて、ついにセブレイロを抜けました。
拍手!!!おめでとう私!!!
ほんまに長かった…
下り始めた!下山かな!?
と思ったらまたすぐ上りに入ったり。
永遠に終わらなさそうな上りが続いたり。
一昨日は大雨で、寒さの中1日山をさまよってそれでも麓の町にはたどり着けず。
想像して!!これの雨バージョン!!
誰やねんピレネーより楽とか言うたヤツ!!!
…私やな!!!
そんな中、立ち寄った山小屋でなんと5日ぶりぐらいにユーランと再会!!
あまりの雨に出発を見送り待機してたところに、私が追いついたわけです。
そこで、韓国人の男の子2人組、ミンソクとハンジョウに出会ったんですが、この2人がかなりワイルド。
なんと2年近くも世界中を自転車で旅してるんだとか。
「え〜!!すごい!!
モーターサイクル・ダイアリーズみたいだね!!(若き日のチェ・ゲバラの映画)」
と言ったら、
「え!?あの映画知ってるの!?僕も大好き!!」
みたいな話になって、そこからロードムービーの話題で盛り上がる私たち。
"イントゥ・ザ・ワイルド"はかっこいいけどラストが切なすぎるとか、自転車で長い坂を下る時は"LIFE!"のテーマ曲をかけてるとか。
私のお気に入りは"wild(私に会うまでの1600キロ)"という若干マイナーな映画なんですが、彼らはもちろん知ってて
「PCTを歩くやつでしょ!原作小説も読んだよ!!」
なんて言うもんですから、もう完全に意気投合です。
そこから山の中を私とユーランと2人の旅人と一緒に歩くことに。
そして、ミンソクの
「イントゥ・ザ・ワイルドの世界を経験してみたくない??」
の一言により冒頭のテント泊へ…。
シャワーもネットもストーブもないけど、とっても素敵な世界でした。
ご飯を炊いて、
寒い中食べるサムギョプサルは最高!!!
私が「ほんとに映画みたい!!」
というと、
「映画じゃない、これが僕らの日常なんだ。最高じゃない?!」
という2人。
「君もそれだけロードムービーが好きなら旅に出なきゃダメだよ、一緒に行こうよ!!」
なんて言われて危うく頷くところでした。(笑)
食事の後はお茶を沸かして、夜遅くまで火を囲んでおしゃべり。
彼らの旅の話や、軍隊にいた頃の面白い話なんかを聞かせてもらいました。
新しくできた仲間と、飲んで笑って、たくさん語り合う素敵な夜。
ほんまに貴重な体験や〜。
私の世界はまだまだ狭いなと感じる3日間でした。
そして本日ついに、残り100キロを切りました。ほんまにあっという間に終わってしまう。
遊んでばっかりいないで、ちょっと真剣に自分の過ちと向き合って行こうと思う、今日この頃です。
いつかまた、あの頃の仲間とも笑って語り合えるように。
26・27日目、ラストミッション・セブレイロ
なんかB級映画みたいなタイトルつけてしまった…(笑)
でもほんとに、ラストミッションなんです!!このセブレイロの峠越えが!!
ということで、ここのところはひたすら山の中を歩いております。
今にもアシタカがヤックルに乗って降りてきそうな山道です。
午前は雨がひどく、レインコートを着込んでゆっくり進みました。
午後は晴れたんですが、足場がぬかるんで、滑って滑って…ドロドロです。
サンティアゴまで残り200キロということで、慣れもあり若干気を抜いてたんですが、簡単には行かせねーぞ、というわけですね〜。
このセブレイロはピレネーほどの急勾配はないんですが、なんせ距離が長い。地元では長距離クライムとして有名で、1日で越えることは不可能です。
ということで、今日は出発から35キロほど歩いて(セブレイロ自体はまだ10キロぐらい)、山間の小さな村に泊まることになりました〜。
この村にはスーパーがなかったので晩御飯は贅沢にもレストランへ。
地元料理のお店で、びっくりするぐらい美味しかったです。
カルド・ガジェゴ
冷えた体にとってもうれしい具だくさんのあったかいスープ。
そしてこれ!
名物、セブレイロチーズのハチミツがけ!!
もうこれが最高においしい!!!
買って帰りたい!!持って帰れない!!
というジレンマに苦しみました。
これに、パンと飲み放題のワインとメインディッシュのチキン(いやそれこそ写真とれよ)がついて10ユーロ。とってもお得。あ〜幸せ。
これで明日も歩けそうです。
峠越えでもっともきついのは上りではなく下り。
宿に戻って、巡礼仲間と明日の下山について話し合ったんですが、明日も予報は雨だそうです。みなさん、行程を変更して短い距離だけ歩くそう。
う〜ん私はどうしようかな。
とりあえず行けるとこまで進みたいな。
どうなるかわかりませんが、ミッション・コンプリートに向けて、頑張りたいと思います!!!