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パソコンのキーボードのリズムと
母の電卓のリズム
あけ放った窓から飛び込む車道の滑走と電車の鈍行
お腹が減ったと 吠える我が仔
悪者にされがちなありふれた日常
記憶になってから輝く午後の陽だまり
生まれる
こっそりでいいから教えてほしい
傷ついたフリをした瞬間に
私の中の糸は針を通ることをやめる
こんなにどうにもならないものかと点と点を無理やり繋げる
来週の予定なんて、よくたてられるね
今会いたい
会いたくないなら理由を聞かせて
理由がないなら声を聴かせて
三つほど三日月を買いたい
一つが満月になればまたもう一つの三日月を満月にする
その間にさっきの満月が三日月になりかけて
もう一つは観賞用です
そんなこんなできっとこの生はやっと甘えることができる
退屈な日々を退屈にしているのは自分の中の濁ったスライムが血のフリをして巡りだしたからだろう
さっさと循環させてしまったら早く気づいて君の血を輸血したい
拒否反応が示してそれでまた気づくかもしれないし、一緒になれたらそれは本望です
私はおんなで 君はおとこだけど
私は君から生まれてみたいよ
-+9
風がTシャツと貴方を離す
思わずそらした瞳の動揺
易いジョークでごまかせたかな
何よりも伝えたい言葉が胸の奥から飛び出しかけて
いきなり黙っちゃった ごめんね
無邪気に笑う貴方が好き 退屈ってなんだっけ
実態が知れない大きな街に期待しては 期待はずれの自分にがっかり
あの日貴方が現れたことを素直に喜べなかったのは
あなたに甘えることで
自分の夢をあなたに重ねていつか消えそうだったからです
何も出来ていないことを甘やかす人は好きじゃない
嘘がつけない人が好き 嘘に好かれた人生だったから
幸せを考えるのは野暮なことだろうけど考えずにいられない
夏が一番好きだ
一番好きな季節に一番好きな貴方に出会えた私はなんてラッキーなんだろう
風がTシャツと貴方を離す
風にさえ嫉妬しそうな 2019年 夏 予報