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就活生・転職者のための、アニュアルレポート(統合報告書)を使った企業研究

2017年度の日経アウォード各賞がついに決定!グランプリに「オムロン」、準グランプリに「伊藤忠商事」など!

日本企業が発行するアニュアルレポートを表彰する「日経アニュアルリポートアウォード」が今年も発表された。

 

第20回目の節目である2017年度は、グランプリにオムロン、準グランプリにアステラス製薬、伊藤忠商事、コニカミノルタ、大和ハウス工業が選ばれた。

 

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2017年度日経アウォードの結果

 

日経アニュアルリポートアウォードは、日本企業の発行するアニュアルリポートの充実と普及を目的に日経新聞社が1998年から毎年開催している。

2017年度は過去最多(?)となる100件の応募に対し、グランプリ1社、準グランプリ4社、特別賞2社、優秀賞15社が選ばれた。

 

第20回日経アウォードの各賞は以下の通り。

 

グランプリ

オムロン

 

準グランプリ

アステラス製薬/伊藤忠商事/コニカミノルタ/大和ハウス工業

 

特別賞

三井化学/三菱UFJフィナンシャル・グループ

 

優秀賞

アサヒグループホールディングス/ANAホールディングス/MS&ADインシュアランスグループホールディングス/オリンパス/カゴメ/カプコン/住友化学/中外製薬/東京応化工業/東京海上ホールディングス/野村ホールディングス/ポーラ・オルビスホールディングス/丸井グループ/三井物産/三菱ケミカルホールディングス

 

http://adnet.nikkei.co.jp/a/ara/result.html

 

アニュアルレポートとは?日経アウォードとは?

 

アニュアルリポートは、上場企業が主に国内外の機関投資家に向けて作成するもので、機関投資家が投資判断や企業分析する際の有力な情報源となっている。

近年では、企業側が機関投資家の便宜を図って、より分かりやすく、よりストーリー立てて編集・制作するようになってきており、読み応えのあるレポートが誕生するようになっている。

財務や事業の内容から、成長戦略、ガバナンス、CSRなどをコンパクトに収録することで、企業の持続的な成長を伝えている。

 

こうしたことから、国内外の機関投資家の活用が進んでいるほか、コンテンツ充実の結果として、個人投資家や従業員、学生などの幅広いステークホルダーに活用されつつあるという。

将来の従業員とも言える就活生や転職者にとっても、有用な企業分析ツールになっている。

 

www.annukatsu.com

 

日経アウォードの意義

 

アニュアルレポートの制作には、企業をめぐる膨大な情報を投資家目線で再構築、編集する必要があるため、日本語版を作るだけでも相当な労力と費用がかけられています。

実制作担当者であるIR担当などは、IRミーティングなど投資家との対話の材料としてアニュアルレポートを活用していますが、その「費用対効果」は必ずしも定かではありません。

日経アウォードは現役のアナリストやファンドマネージャーなどが審査員に名を連ね、外部評価を行ってくれることから、定点観測としてアニュアルレポートを審査に出す企業が多いようです。

今なぜ「働き方改革」なのか!?就活生や転職者にとっての働き方改革とは?

働き方改革の動きが広がっている。

 

かつては一部先進的な企業だけの関心ごとと見る向きも多かったが、今では大手企業から中小企業まで、そのすそ野は広がっている模様だ。

 

国会における激しい論争が示すように、働き方改革、労働環境の改善は、個別の企業ごとの課題でなく、もはや国全体に関わる課題になっている。

 

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今なぜ働き方改革なのでしょうか?

 

就活生や転職者にとって、企業が進める働き方改革の取り組みを、どのようにとらえ、どう向き合っていけばいいのでしょうか?

 

今回は、盛り上がりを見せる働き方改革について、取り上げてみたいと思います。

 

 

伊藤忠商事に見る、「生産性向上」への並々ならぬ意欲

 

働き方改革の模範的企業の筆頭は、大手総合商社の伊藤忠商事であろう。

 

日本政府がこの改革に本腰を入れる前から先進的な取り組みに着手し、多くのメディアの注目を集めることになった。

今日の日本における働き方改革のロールモデル的な存在とも言え、日本の働き方に一石を投じた功績は大きい。

 

伊藤忠は2013年度、働き方改革の一環として、早朝勤務を推奨する以下のような施策パッケージを導入した。

 

・深夜22時以降の勤務「禁止」
・20時以降勤務の「原則禁止」
・早朝勤務(5~8時)の推奨
・早朝勤務には深夜勤務と同様の割増賃金の支給
・8時前に始業した社員に対する朝食サービスの導入

https://www.itochu.co.jp/ja/csr/employee/safety/working_style/index.html

 

すなわち、早朝勤務の推奨・導入によって、20時以降の時間外勤務を極限まで減らすとともに、総労働時間を抑制する仕組みだ。

夜の残業で労働時間を増やすよりは、早朝の限られた時間に集中させることによって、総労働時間を抑える狙いだ。

 

朝方勤務による成果は以下の通りで、時間外勤務時間が減り、結果として電力使用などのコストの低減も図れている(統合レポート2017から引用)。

 

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伊藤忠商事株式会社 統合レポート2017 P48

 

統合レポートによれば、働き方改革は、「労働生産性の向上を競争力のカギと位置付けた」ことに端を発しているという。

2002年に民間企業として初めて専門組織によるキャリアカウンセリングを始めるなど、時代の一歩先を行く先駆的な働き方改革を意識的に実行してきた。

 

現在では、「健康力 商社No.1」を掲げ、社員の「健康力」増強によって、1人当たりの生産力向上をさらに推進しようとしている。

「一人当たりの生産性で他の商社を凌駕」することで、企業価値の向上につなげていくという。

 

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伊藤忠商事株式会社 統合レポート2017 P48

 

伊藤忠は勤務時間の抑制を図ることで、労働生産性の向上につなげられたのか。

同社は、単体の従業員数の推移と、連結純利益の推移を重ね合わせて、「大手総合商社最小の人数で、労働生産性は確実に向上」と強調している。

 

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伊藤忠商事株式会社 統合レポート2017 P49

 

伊藤忠は非資源、中国・東南アジアで強みを発揮するなど、過去最高益を叩き出し、収益面では順調そのものに見えるが、それで終わらず必死なのだ。

同社にとって働き方改革は「形」ではなく、経営課題の中心テーマにしながら労働生産性の向上を推進している。

総合商社間の激しいトップ争いもさることながら、グローバル競争時代の生き残りをかけて、労働生産性の向上を由々しき経営課題として全社をあげて取り組んでいる。

 

労働市場に向けたアピールとしての働き方改革

 

労働市場に対する企業からのアピールという側面もあるだろう。

 

労働需給がひっ迫する中、質の高い従業員の確保は持続的な成長に欠かすことができない死活問題だからだ。

 

従業員の採用や育成は、企業にとってはコスト増ともとらえることができる一方で、優秀な人材の存在は将来の成長の源泉であることも確かだ。

 

働き方改革には、そうした無形の資産に対する経営のコミットと言うべき意味が込められており、「投資の対象として経営資源を投じていきますよ」という経営の覚悟が見て取れる。

 

将来の持続的な成長に向けて、一時的なコスト増はやむを得ない。

それは十分承知の上で、人的資本の高度化に経営資源を投じて行くという覚悟に他ならない。

そうしないと、成長はおろか、生き残りが難しくなる。

働き方改革には、そうした意味合いが含まれていると言えるのではないだろうか。

 

働き方改革のアナウンスメント効果は偶然の産物ではなく、人材に対する経営のコミットメントであり、労働市場への差別化戦略とも言える。

 

ここまでのまとめ

 

就活や転職に当たっては、企業研究の一つのテーマとして、働き方改革に注目しながら、従業員に対する経営の本気度を分析することは大切だろう。

 

すなわち、

  • 働き方改革を通して、経営のコミットメントはあるのか(将来の成長の源泉として、従業員を大切にしているのか)
  • 従業員を中長期的な視点で育てる気構えはあるのか
  • その制度や仕組みは用意されているのか
  • 働き方改革を進める先に、どんな人材像を見据えているののか など

 

このように、働き方改革は、生産性の向上や従業員の持続的な確保といった日本企業全体が直面している課題への取り組みに他ならない。

ただし、企業による働き方改革が日本全体で広がりが見せているとは言え、その取り組み方や進め方は千差万別だし、企業間で温度差があることは確かだ。

だからこそ、そうした改革には企業経営者の意識が反映している言える。

 

今回、アニュアルレポート(統合報告書)を手掛かりに、伊藤忠の「働き方改革」に着目してみたが、就活や転職において大事な示唆があったのではないだろうか。

 

伊藤忠の人事戦略は、過去から積み上げてきた強みの発揮や、その延長にある成長戦略ともロジカルにつながっており、アニュアルレポートは企業研究における最適な材料になっている。

また別の機会に改めて取り上げてみたい。

 

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転職エントリー前にまずは確認!企業研究の目的、ポイント、方法を押さえて、面接や選考を優位に進めよう!

「企業研究って、どうやって進めればいいの?」

「何を調べれば、企業研究をやったことになるの?」

「企業研究の範囲が広すぎて、どこから手を付けたらいいのか分からない。」

 

企業研究をめぐっては、こうした悩みが常に付きまとうものです。

 

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就活や転職をするにあたって、企業研究は欠かすことはできません。

しかし、いざ企業研究を進めようにも、具体的にどんなアクションが必要なのか、何をどこまで調べるべきなのか、手探りなのが現実ではないでしょうか。

 

就活サイトや転職サイト、本屋で買ってみた対策本にも何となく書いてあった気がするけど、今ひとつピンと来ない。

何をどう進めたらいいのかはっきりしない…そんな人が多いのではなないでしょうか。

 

そこで今回は、企業研究でこれだけは知っておきたいエッセンスをまとめてみました。

いずれも、これまでに転職を4回経験した管理人なりの視点を盛り込んだものです。

 

目的(企業研究って何のためにやるの?)を押さえ、ポイント(企業研究で押さえるべき注目点)を知り、方法(企業研究の効果的な進め方)が分かれば、面接や選考を優位に進めることができるでしょう。

ぜひ役立ててみてください。

 

 

 

〈目的の確認〉企業研究って何のためにやるのか?

 

企業研究を進めるにあたって、その目的はしっかり理解していますか?

 

目的の設定や理解がないままに闇雲に企業研究をスタートしてしまうと、何をどこまで調べるべきかわからず、いずれ壁に突き当たり、迷宮入りしてしまいます。

例えば、会社の創業年や資本金、拠点数、人員数などを頭に叩き込んでも、はっきり言って無駄です。

就活や転職における面接や選考は、いわゆる筆記試験やテストとは違うからです。

 

企業研究の目的を簡単にまとめると、以下の3つに尽きるのではないでしょうか。

 

志望度の高さ、本気度をアピール

 

面接官の立場にたって考えてみましょう。

 

面接官は自社にとって必要な人材かを見極めようとしています。

すでに会社のことを内部から熟知している面接官からしてみれば、受験者が企業研究をしているかどうかは、少し話してみればすぐに分かります。

事前に何も調べずに面接にやってきた人は、具体的な話ができず、要領を得ないため、上辺だけの会話に終始してしまいます。

面接官にとっては、企業研究をしているか否かで、志望度や本気度が高いかどうかを知ろうとしています。

 

中途採用の面接であっても、企業研究ができていない人が意外と多いものです。

「うちのことについて、ちゃんと調べてきてくれてる」という安心感を面接官に与えられるだけでも、プラスの印象をかなり与えることができます。

 

中途採用は即戦力となるような優秀な人材であることが望ましいのですが、たとえ即戦力では劣っても企業理解を深める努力をしてきた、志望度の高い受験者の方が面接官には魅力的に映ることを覚えておきましょう。

 

他のライバルとの違いを示す

 

面接官の経験をすればすぐ分かることですが、受験者によって企業理解の程度はさまざまです。

 

企業研究をまったくしてない人は論外ですが、企業研究をしっかりしてきた人であっても、企業のどの点に注目したのか、その着眼点のあり方、理解の度合いは人それぞれです。

 

通り一遍の企業研究ではその他多くの受験者との差別化は難しいですが、もし一つでも他のライバルとは異なる着眼点(的を外していないことが大前提ですが)を示すことができれば、一歩抜き出ることができます。

 

面接では一般的に、面接官を相手に質問する機会(逆質問)が与えられるかと思いますが、この質問タイムに独自の着眼点を伝え、自己アピールに有効に使いましょう。

 

企業研究をしてもなお分からないポイントを素直に質問することはもちろんのこと、他のライバルとは見ている視点が異なることをにおわすような質問を繰り出すのが効果的です。

たとえば、「貴社は〇年に●●という経営判断をなされていますが、今後の働きぶりが認められれば、●●に関連するポジションにチャレンジさせていただけるのでしょうか?」といった感じです。

 

実際の面接の心構えにもなってしまいますが、「あ、この人はうちのこんな点に注目して、志望してくれているんだ」というアピールすることが大変効果的です。

 

面接官の印象に残す

 

もうお分かりだとは思いますが、面接や選考において重要なのは他のライバルとの差別化です。

 

第一段階では、しっかり企業研究をしているかを示すことで、志望度の高さや本気度を伝えることが大切です。

第二段階では、他のライバルとは異なる着眼点を示すことで、他のライバルとの違いを伝えます。

 

そして、第三段階として、面接官に印象を残すことが大事になってきます。

 

面接官は受験者を見送った後、自分の席に戻って何をすると思いますか?

周りにいる同僚や上司に対して、「今回の受験生は、なかなか好印象だった」とか「あまりやる気が感じられない」「うちにはちょっと合わないかな」などの雑談、報告です。

この会話から分かるように、面接直後には受験生の印象はだいたい固まっていて、次の選考に進ませるかどうかの判断はほぼ決まっているようなものなのです(別に筆記試験などがあれば、その結果を待つこともありますが)。

 

この印象には、志望理由やこれまでの経験(職歴)など様々な要素が関わってきますが、企業兼研究がしっかりできていれば、面接官に好印象を残すことができます。

 

つまり、「うちのことをよく調べてくれ、着眼点もユニークでなかなか良い、志望動機やこれまでの経験ともうまくつながっている」と示すことが、「面接官に印象に残す」ことなのです。

 

 

〈注目点の確認〉企業研究で押さえるべきポイントとは?

 

企業研究の目的は確認できましたでしょうか?

 

目的が分かれば、次はどのようなポイントで企業研究を進めたらいいのか、押さえるべきポイントについてです。

闇雲に調べつくす必要はありません。

ポイントを意識することで、たくさんある情報の中から有機的に情報を紡いでいくイメージです。

 

そのポイントは、主に以下の3つにまとめることができます。

 

自分との接点を確認する

 

何よりもまず押さえるべきポイントは、自分との接点です。

企業研究において意外と忘れがちなのですが、すべての起点にもなり、原点にもなるところです。

 

まったく知りも知らない業界や企業にあえて志望する人は極めてまれでしょう。

志望する動機の不在になり、その後の企業研究もうまく進みにくいと思います。モチベーションを維持するのも困難です。

 

必ずある自分との接点を改めて確認する作業が、第一のステップです。

 

自分との接点とは、何でしょうか。

具体的には、その企業が手掛けている商品やサービスを使ったことがあるかどうか、それによって自分(やその家族)がどれだけ恩恵を受けているかなど、自分の人生とその会社の結びつきです。

自動車メーカーを志望するのであれば、そのメーカーの車を運転したことがあるかどうか、運転はなくても同乗したことがあるのか、家族や親戚を含めた保有状況、友人や知人などの評価、口コミなどです。

たとえ自分が車を運転しなくても、運転しない立場として車社会に対して思うこと(車の事故やマナーなど)、テレビCMやメディアを通じて感じること、レンタカーやカーシェアリング、自動運転などのホットな話題等、接点の見つけ方は何でもあります。

 

そうした自分との接点をまずは押さえておくことも、立派な企業研究です。

志望動機をこしらえる上での「原点」としつつ、企業研究を進めるにあたっての「起点」にしていきましょう。

 

「やりたいこと」との関連性を調べる

 

社会人、会社員として仕事をしていく上で、いわゆる「やりたいこと」は存在するかと思います。

商品やサービスの企画開発がやりたい、海外における営業推進に携わりたい、簿記などの資格を活かしたい、などです。

その「やりたいこと」を主軸にして、企業を見ていきましょう。

 

例えば、英語力を生かしてグローバルに活躍したいと考えた時、どんな情報を調べるといいのでしょうか。

企業の中には様々な部署や部門があり、実際に海外事業を推進しているのはどこなのか調べる必要があります。

複数の部門にまたがっているケースもあれば、海外事業推進室など名称で一本化されているケースもあるでしょう。

 

また、海外展開していても、まだまだその規模が小さい場合もあります。

企業の売上高とその構成比(海外売上比率)などの指標を見ることで、企業における海外事業のポジションを把握することができます。

その企業にとって海外事業は稼ぎ頭なのか、それともまだまだ種まき中の新規事業の扱いなのか。

また、どれだけの人員がそこに配属されており、どういったポジションの人材が配置されているのか(入社数年での配属は稀だが、可能性はなくはない。基本的には2~3部署などを異動した後に就けるポジション。など)

場合によっては、海外事業は他社との合弁事業で進めていたり、自社での海外展開がうまくいっておらず、国や地域によっては縮小傾向にあるケースも考えられます。

 

「英語を使ってグローバルに活躍したい」といった「やりたいこを」を切り口に、さまざまな情報を有機的に結び付けられそうではありませんか?

 

逆に、「やりたいこと」との関連で企業を見ていかないと、自分にとって何も引っ掛かりのない企業研究になってしまいかねません。

 

「やりたいこと」を切り口にその企業を調べてみることで、ぼんやりしていた企業の姿が自身の関心事との結び付く格好でクリアーになり、立体的に浮かび上がってくるかと思います。

 

会社の経営方針やビジョンを確認する

 

最後に、その会社の経営方針やビジョンを確認するようにしましょう。

 

自分との接点を確認し、「やりたいこと」との関連性を調べた上で、最後に取り組むことが肝心です。

実は、上記の順番は言わば自身の関心にしたがって、言わば「フィルタリング」しているようなもの。

フィルターにかけてもなお、その会社に興味を持っている、志望したいというステージに立っていることが確認できました。

この段階に立った上で、今後会社が進んでいく道筋や方向性について確認するようにしましょう。

 

具体的に確認するべき項目は、以下の通りです。

 

  • 経営理念(究極的にどんな目標を目指しているのか、社会における存在意義)
  • ビジョン(どんな企業像を目指しているのか、どんな企業として社会から見なされたいか)
  • 中期経営計画(経営理念の実現やビジョン達成のため、どんな計画で今後進めていくか)
  • 人材戦略(どんな人材を育てたいのか、仕組みや制度を整えながらどう人材に投資していくのか)
  • その他(環境戦略やCSR方針など)

 

すでに自分との接点や「やりたいこと」との関係性が明確になっているステージにいるはずなので、自分に即して調べることができるはずです。

 

 

〈方法の確認〉企業研究の効率的な進め方とは?

 

企業研究の目的と、押さえるべきポイントについてまとめきました。

 

最後に、効率的な企業研究の進め方、方法についてです。

 

この方法のところは、当サイトでそれぞれ詳しく解説していきますので、要点だけを簡単にまとめていきます。

 

採用サイト、就活・転職サイトの確認

 

企業側がせっかくお金をかけて編集してくれているのですから、最低限として確認はしておきましょう。

特に実際の社員が登場して、自身の経験を語っているようなページは要チェックです。

 

しかし、他のライバルも必ず目にしているため、ここでは差別化にはなりません。

目を皿にして読み込んだとしても、このレベルで満足してはいけません。

 

新聞、雑誌などで関連記事の検索

 

Googleのニュース検索などの機能を使って、過去1年分ぐらいのニュース記事をざっとチェックしておきましょう。

必要に応じてニュース記事を過去にさかのぼって調べていくといいでしょう。

 

新聞や雑誌は一般読者を相手に分かりやすく伝えてくれていますし、その企業について課題を含めて分析してくれていたりします。

 

しかし、新聞や雑誌で拾える情報はたくさんあるため、情報の絞り込みも大切です。

特に大企業であれば、情報はあふれています。

日経新聞や日経産業新聞などに限って、過去1年分の情報を検索するという割り切りも大切になってきます。

 

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現地調査で実際の商品やサービスを経験

 

可能であれば、実際に商品やサービスを自分の目で見て、触れてみることをお勧めします。

不動産会社であれば自社保有物件を訪ねてみたり、メーカーであればその商品を手に入れてみたりするのが良いでしょう。

 

先輩社員(OBOG)訪問の実施

 

将来の同僚になるかもしれない現役社員を訪問するのも良い手です。

いわゆるOBOG訪問は、新卒の就活では広く知られた手法ですが、転職活動中の社会人であっても、ぜひ活用したいところです。

採用担当者に相談して現役社員と面談する機会を設けてもらうことができれば、企業研究として大変有意義です。

 

自分との接点や「やりたいこと」との関係性が明確になり、会社の方針や方向性が確認で出来ていれば、先輩社員にぶつけてみたい疑問や仮説などもきっとあることでしょう。

 

IR情報の活用

 

上場している企業のホームページには、株主や投資家向けの情報(IR情報)を掲載したページがあるかと思います。

有価証券報告書や決算説明会資料なども、使い方さえ知っていれば大変役に立つ情報が見つかります。

 

特にアニュアルレポート(統合報告書)は企業研究において打ってつけの資料になります。

当サイトではアニュアルレポートを使った企業研究のやり方を紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

ここまでのまとめ

 

以上、いかがでしたでしょうか。

 

目的を知り、押さえるべきポイントさえ外さなければ、適切な方法によって効果的に企業研究を進めることができます。

効果的で効率的な企業研究によって、面接や選考を優位に進めていきましょう。

 

当サイトでは、アニュアルレポートを使った新しい企業研究の方法についてもまとめてありますので、ぜひご覧ください。

アニュアルレポートを使った企業研究まとめサイト「アニュ活.com」とは?アニュアルレポートをうまく使って就活・転職を成功させよう!

どうも、アニュ活.com管理人のソムタムです。 

 

就活や転職活動を進める上で、避けては通れない「企業研究」。

しかし、企業研究のやり方に正解はなく、人によってその取り組み方は千差万別、バラバラなのが実情です。

ほとんどの人が「このやり方で本当に大丈夫なのか?」「もっと効率的に進められないのか?」と不安を抱えているのではないでしょうか。

 

企業のホームページ上にある「採用情報」や就職・転職サイトから得られる情報だけでは不十分なのは言うまでもありません。

また、他の就活生や転職者の口コミサイト(掲示板)を閲覧しているだけでは、ライバルと差が付く企業研究にはなりえません。

 

企業研究には、企業のホームページを隅々までチェックする、日経新聞や経済誌などを過去にまでさかのぼって調べ上げるなど、さまざまな方法があるかと思いますが、必ずしも効率的とは言えません。

アニュ活.comでは、「アニュアルレポート」の活用を提案しています。

 

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アニュ活.comのサイト構成、全体像は以下の通りです(目次にしてあります)。

 

 

 

【基礎・初級編】そもそも、アニュアルレポートって?

 

アニュアルレポートは、上場企業などの大手企業が独自に発行している資料で、ここ最近、実はにわかに注目を集めています。

 

その名(annual)の通り、1年に1回の頻度で発行されるレポートで、企業のさまざまな取り組みを紹介しているほか、創業から現在に至る歴史や沿革、そして将来に向けた今後の方針などが比較的コンパクトにまとめられています。

 

最近では「統合報告書」や「統合レポート」という名前で発行する企業も増えていますが、年に1度の発行であるため、アニュアルレポートであることに変わりはありません。

 

アニュアルレポートは、主にIRと呼ばれる株主や投資家向け情報発信(IR)の一環で作られていますが、最近ではもっと読者の対象を広げて、取引先やパートナー、自社の従業員、そして学生(将来の従業員)にも読んでもらいたいと、企業側が独自に取り組みを進化させてきています。

 

アニュアルレポートは企業のホームページ上から無料で閲覧・入手できるため、企業研究においてとても便利で、有用性の高い資料です。

同じIR資料である決算短信や有価証券報告書などに比べて、財務や会計などの専門知識はそこまで必要とされません(もちろん、あるに越したことはないですが)。

と言うのも、アニュアルレポートは読み手を意識した作り込みがなされているからです。この点は有価証券報告書などと異なる最大のポイントになり、ここが決定的に違うため、読んでいて面白い、発見がある、企業の独自性や文化までもが垣間見られるのが特徴となっています。

 

基礎・初級編では、アニュアルレポートのイロハから始まり、レポートの入手方法や一般的な構成、企業研究が捗る理由などを紹介していきます。

 

 

【中級編】アニュアルレポートを使った新しい企業研究とは?

 

続く中級編では、実際にアニュアルレポートを使った新しい企業研究の方法やテクニックを紹介します。

 

企業のホームページにある「採用情報」や、就職・転職サイトから得られる情報を使った企業研究とは全く異なるスタイルです。

アニュアルレポートは、財務や会計などの専門知識が必要とされる決算短信や有価証券報告書と比べて、企業研究がとても進めやすいのが特徴です。

そのポイントさえ外さなければ、企業研究は大いに捗りますし、履歴書や職務経歴書、そして面接におけるアウトプットの最大化に貢献します。

 

就活や転職を進められている方に向けにて、わかりやすくポイントをお伝えしていきますので、誰でも企業研究ができるようになります。

 

 

【上級編】アニュアルレポートを使った企業研究で押さえるべきポイントとは?

 

最後に上級編です。

 

上級編では、すでに10年以上の社会人経験がある転職活動中の方を主な対象にしています。

しかし、たとえ就活中の大学生であっても読み進めていただけるよう配慮します。

 

ビジネスモデルや成長戦略、サステナビリティ、CSRといった重要なエッセンスを解説していきます。

目指す姿は、実際にその企業の内部に勤める方々とほぼ同じレベルでビジネス会話が成り立つことです。

「なんでこの人は、当社の課題も含めて体系立って理解しているのだろう」と驚きを与えることです。

これによって、就活生や転職者に圧倒的な興味と関心を持ってもらうことを目標にしています。

 

その他、アニュアルレポートを使った英語の勉強法などにも触れていきます。

ここまでできるようになれば、就活・転職活動において十分なレベルと言えるでしょう。

 

 

【その他】ニュース/話題、雑記/メモ

 

「ニュース/話題」は、アニュアルレポートや就職・転職マーケットなどに関するニュースや話題を管理人視点でまとめています。

 

「雑記/メモ」は、それ以外のテーマで管理人の興味や関心のままにつづっていくコーナーです。

就活生や転職活動中の方に興味を持っていただけそうなテーマに絞ってはいますが、管理人のこれまでの経験に基づくネタが中心となり、東南アジアや海外就労、登山などが主なテーマになっています。

就活や転職活動の息抜き程度にご覧ください。

 

 

このページ(ホーム)のまとめ

 

 

以上のように、アニュ活.comでは、「企業研究が捗らない」「どうすれば企業研究がうまくいくのか」という悩みを持った就活生、転職活動中の方を主な対象に、アニュアルレポート(統合報告書)を使った新しい企業研究の方法、テクニックを紹介していきます。

 

アニュアルレポートを使わないなんてもったいないんです。

 

全ては就活・転職活動を成功させるために!

 

ぜひ末永くお付き合いいただけたら幸いです。

 

ブックマークやいいね!などしていただけたら嬉しいです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

バブル期並みの「完全雇用」!?就職・転職するなら今なのか?

2017年の完全失業率が、ついに3%を割り込んだそうだ。

 

www.nikkei.com

 

日経新聞によれば、3%割れはバブル経済直後の1994年以来の23年ぶりとのこと。

3%割れは、働く気さえあれば誰でも職に就ける「完全雇用」の状態を意味する。

どんな時代でも常に転職活動など職探しをしている人たちが一定層いるためだ。

 

日経平均が最近になって約26年ぶりの最高値を付けるなど、バブル時代を意識させるような指数、経済統計が徐々に増えてきている気がする。

テレビ番組を見ていても、平野ノラや荻野目洋子、そして女子高生によるバブリーダンスを目にするが、この現象は何を意味するのか。

ただの偶然なのだろうか。

 

ただ、バブルと聞いても20代、30代にはピンとこない。

バブル当時を意識したり考えたり、当時と似たような景気浮揚感を実感している人、浮かれている人はどれだけいるのだろうか。

はなはだ疑問である。

 

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話を元に戻して有効求人倍率をみると、高い順に建設、接客・給仕、介護サービス、飲食物調理、自動車運転、開発技術者と並んでいる。

 

  1. 建設
  2. 接客・給仕
  3. 介護サービス
  4. 飲食物調理
  5. 自動車運転
  6. 開発技術者

 

自分に当てはめてみると、いきなり建設業に就職するのは体力的に無謀だとしても、接客や介護、飲食、自動車の運転(トラックの運転手など?)などは覚悟があればできそうだ。

誰しも覚悟が必要な分、実際の現場は人材の募集は難しく、人手不足でヒイヒイ言っているのだろう。

 

一方、会計事務や一般事務は有効求人倍率が1倍を下回るなど、建設や外食、介護などの職とのギャップがものすごく大きい。

デスクワークをしながら給料を稼ぐことのできる仕事はなかなか見つかりにくいのが実態なのだろう。

 

こうした中、バブル時代を想起させる売り手市場だからと思って、就職活動や転職活動を進めたとしても、事務系(いわゆる文系)は総じて厳しそう。

景気実感が伴っていないように、業界や企業、職種によって温度差はかなりあるのではないだろうか。

 

日経新聞にもあるように、この先の将来を見通すと「AI」の技術者などは引く手あまただろうし、最近の製造業の不祥事もあり、品質管理・品質保証の分野で高いスキルを持った人材、専門家は相当需要が高いと予想される。

 

 

さて、いわゆる文系の就活生や転職者は、今後の将来を見通してどのようにキャリアを高めていくべきなのか。

一つの道ではあるが、人の行く道を選ばず、少し遠回りになったとしても、ライバルと差別化ができるスキルを身に付けることだ。

 

差別化できるスキルとは何なのか。

それは、大学院への進学や公認会計士・税理士などの難関資格の取得といった選択肢ばかりではない。

具体的には、例えば、思い切ってアジア新興国などの海外に飛び出してみて、現地の異文化の中で働いてみることだ。

 

経験的には、日系企業が多数進出しているような、タイやベトナム、インドネシアなどの東南アジアをすすめる。

東南アジア諸国は総じて親日的で、年中暖かく、かつ物価も安い(食べ物も総じておいしい、と思う)。

そうした環境下で、現地に進出している日系企業などで働き、実践的な英語の勉強をしながら(英会話レッスンなどはある意味、日本以上に気楽に受講できる)、現地語も並行して覚えていく。

そうすることで、働きながらにして、将来ライバルと差別化できるスキルを身に付けることができるだろう。

 

東南アジアで働くことの魅力については、過去にもブログで取り上げたのでよかったらご覧ください。

 

www.annukatsu.com

 

企業がグローバル競争の中で生き残りをかけて必死であるように、個人ベースでもまた生き残りをかけてスキルを磨き、キャリアプランを練らなくてはいけない時代です。

 

就活や転職活動にあたっては、アニュアルレポート(統合報告書)をしっかり読んで企業研究することが重要です。

また、日本の大企業で就職することを当然の選択肢として確保しつつも、海外就労をなるべく早い時期に経験しておくことをお勧めします。

 

以上、完全失業率が3%割れしてバブル期並みの水準になった話からの、アニュアルレポートを使った企業研究、そして海外就労のススメでした。

 

GPIFが国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」を発表!

我々の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」を発表した。

 

 

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GPIF「高い評価を得た統合報告書」

「優れた統合報告書」は昨年も統合レポート界隈の住人の間で多くの関心を集めたが、今年は新たに「改善度の高い統合報告書」が加わった。

 

GPIFのリリースはこちら

 

 

リリースによると、特に多くの運用会社から高い評価を得た統合報告書として、

 

【優れた統合報告書】5社

味の素/コニカミノルタ/オムロン/伊藤忠商事/丸井グループ

 

【改善度の高い統合報告書】4社

大和ハウス/住友金属鉱山/オムロン/住友商事

 

が挙がったようだ。

 

味の素の統合報告書への雑感

 

確かに、味の素の統合レポートを読むと、企業価値を高めるという目的に対して、財務(経済価値)と非財務(社会価値)の両面から丁寧にアプローチの仕方が説明されており、統合目標としてブランド価値を高めていこうとするシナリオが非常に分かりやすい。

味の素らしい独自KPIが数多く考案、設定されていることから、社内では(おそらく外部のコンサルなども巻き込んで)相当な議論、ステップを踏んだのだろうなと予想され、並々ならぬ真剣さを感じる。

社長メッセージに加えて対談や特集なども併せて読んでみると、この会社の本質が「CSV」ならぬ「ASV」に取り組む会社であることが見て取れる。

 

就活生や転職活動中の社会人へ

 

味の素の統合レポートは、就活中の学生や転職活動中の社会人の方にもぜひ手に取って読んでもらいたいレポートの一つだ。

味の素が大事にしている価値観や社会における存在意義、そしてそれがどのように将来のビジョンと結びついているのか、また実際の事業に結びついているのかを一生懸命に説明しようとしている。

味の素を志望してもしなくても、自社がどのような価値観、存在意義で事業を行い、将来どんな企業でありたいのか、さらにはその熱意、本気度を知ることは極めて重要で、企業を見る時の1つのベンチマークに活用できるかと思う。

 

まとめ

 

以上、GPIFが優れた統合報告書を発表した(実際は、何とかアセットマネジメントだとかの運用会社に選ばせた)ニュースでした。

 

今回、GPIFから国内運用機関に要請した選定内容に広がりが出た(優れた統合報告書だけでなく、改善度の大きい統合報告書もカウントに加わった)ことで、運用機関のみならず、実際に統合レポートを制作する事業会社の関心も高まっていくのではないだろうか。

「統合」に関する考え方やESGに対する理解もまだ未熟な中で、統合報告書、統合レポートは毎年進化しています。

ぜひ時間のある方は、過去から順を追って統合報告書の進化具合を見てみると面白いかも。

 

当サイト(アニュ活.com)では、就活生や転職志望者向けにアニュアルレポート(統合報告書)を使った企業研究の方法やテクニックを紹介しています。

 

www.annukatsu.com

 

祝・ブログ開設

初めまして、ソムタム(タイ語で「青パパイヤのサラダ」という意味です)です。

 

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当サイトは、アニュアルレポートや統合報告書の興味・関心が高じて、 就活生や転職者向けに企業分析の方法をまとめてみようと思い、制作をスタートしました。

アニュアルレポート界隈?の住人であること、そして、就活もそうですが、転職を数回経験していることから、お役に立てる情報の発信ができるのではないかと思っています。

関連するニュースや話題のまとめ、分析なども随時していきます。

 

また、過去に住んでいたことのあるタイやベトナムをはじめとした東南アジア関係の話、証券・金融方面の話、登山などの趣味の話など、雑記として思いつくままに紹介していきます。

 

質問などありましたら、いつでもお寄せください。

 

どうぞよろしくお願いします。