空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

おひるねから さめたらね

 おひるねから

 さめたらね、

 ぼくの なかが

 きれいに なってたの。

 こころも からだも

 すっかり きれいに なってたの。

 すきとおった お水さん みたいにね。

 

 もしかしたら

 おひるねの お国で

 きれいな おさかなさんに なって

 およいで いたのかしら。

 とても とても すきとおった

 きれいな お水の なかを

 プルリン プルリン

 およいで いたのかしら。

 

 おひるねから

 さめたらね、

 お日さまも 風さんも

 お空の 雲さんも

 むこうの お山さんも

 ずうーっと むこうの 海さんも

 ほんとうに きれいなんだ。

 すずめさんたちの おこえも

 いしころさんたちの えがお

 でんしんばしらさんたちの あいさつも

 ほんとうに きれいなんだ。

 もう、うれしくて うれしくて

 きよらかな 天の お国に いる

 ここちに なったの。

 

 それからね それからね

 おひるねから さめたらね、

 やさしい きもちにも なってるんだよ。

 春の こども みたいな

 フンワーリの 

 やさしい きもちにね。

 

 イスさんも テーブルさんも コップさんも

 おにわの お花さんも ジョウロさんも

 まわりのもの みーんな

 すごーく やさしいの。

 やさしい おかおで

 ニッコリ ほほえんで いるの。

 天の お国の こども みたいに

 きれいな えがお

 やさしく ほほえんで いるの。

 

 あのね、

 おひるねから さめたらね。

 ぼくの なかも

 まわりも

 この世界も

 すごーく すごーく

 きれいに なってたの。

 すごーく すごーく

 やさしく なってたの。

 

 きっと

 まわりも この世界も

 みーんな

 おひるね していたんだね。

 ぼくと いっしょに

 ぐーっすり

 おひるね していたんだね。

 

 そして そして

 おひるねの お国で

 あったかーい 神さまたちと 

 いっぱい あそんだり

 たくさん おうたを うったたり

 のんびり おさんぽを したり

 宇宙の はての はてまで

 たのしい たのしい

 たびを していたんだね。

 

 



風さんが ふくとね

 風さんが ふくとね、

 ぼくの むねが フワー っと

 ふくらむよ。

 フワフワの やわらかな ゆめで

 いっぱいに なるよ。

 風さんの なかには

 せかいじゅうの 

 フワフワの ゆめが いっぱい

 はいって いるんだね。

 

 風さんが ふくとね、

 ぼくの むねが

 やさしさで いっぱいに なるよ。

 フワフワの やわらかな やさしさで

 いっぱいに なるよ。

 きっと

 風さんの なかには

 せかいじゅうの やさしささんが いっぱい

 はいって いるんだと、おもうんだ。

 

 やわらかな うれしさでも

 いっぱいに なるの。

 もしかしたら

 風さんの なかには

 せかいじゅうの うれしささんが

 たーくさん はいって いるのかしら。

 風さんに ふかれていると

 きりんさんや ゾウさんや

 ラクダさんや フラミンゴさんや

 しろくまさんに ペンギンさんたちの

 うれしい おかおが

 ぼくの からだの なかに

 あふれて くるんだもの。

 

 やわらかい たのしさでも

 いっぱいに なるんだよ。

 ポワポワの たのしさで 

 いっぱい なって、

 ぼく

 おもわず ダンス しちゃったの。

 もしかしたら

 小鳥さんたちの

 ポアポアの たのしい おんがくかい なのかしら。

 ちょうちょうさんたちの

 ポアポアの たのしい えんそく なのかしら。

 めだかさんや ブンブンさんや

 アマガエルさんたちの

 ポワポワの たのしい うんどうかい なのかしら。

 

 あのね、

 風さんが ふくとね、

 ぼくの こころも からだも

 いろーんな たーくさんの

 すてきな きもちで

 いっぱいに なるの。

 

 きっと

 風さんの なかには 

 ものすごーく たーくさんの

 すてきな すてき きもちが

 いっぱい はいって いるんだね。

 

 この世界を

 なん千万年も

 なん億万年も

 旅を してきた

 風さん だからだね!

 

 

 

 

さくらの はなびらさんの おはなし

 こんにちは!

 ぼくは

 さくらの はなびらです。

 

 ぼくね、

 たびを するのが

 だいすきなの。

 

 春風さんと いっしょに

 たびを するんだよ。

 

 そうしたらね、

 いろーんな みんなと

 あえるの。

 もう

 たのしくって たのしくって。

 

 さっきもね、

 ダンゴムシさんの ところまで

 たびを したんだよ。

 そうしたら

 ダンゴムシさんたち、

 うんどうかいを していたの。

 ぼくも いっしょに

 かけっこや たまいれや

 つなひきだって したんだよ。

 たのしかったなぁ!

 

 ベランダで

 ひとやすみを している

 ぞうきんさんの ところへも

 たびを したよ。

 だって、ぞうきんさんに

    きょうも

    おそうじ がんばってくれて

    ありがとう!

 って

 いいたかったんだもの。

 

 お空を たのしそうに ながめてる

 ジョウロさんの ところへも

 たびを したの。

 ジョウロさん、

 とっても うれしそうに

   こんにちは!

   きょうも

   いいおてんき ですね!

 って ニコニコ してくれたんだ。

 そして

 ぼくも いっしょに ならんで 

 あおーい お空を ながめたの。

 きもちよかったなぁ!

 

 野原の はしっこにある

 ちいさな ちいさな 図書館へも

 たびを したのです。

 そうしたらね

 いしころさんや トカゲさんや

 アリさんや みみずさんが

 宇宙の ごほんや

 きょうりゅうさんの ごほんや

 「ミジンコの ひみつ」に

 「いのちの ひみつ」の ごほんを

 たのしそうに ニコニコ しながら

 よんでたんだよ。

 すごいなぁ!

 

 のらねこさんたちの ところでは

 いっしょに

 おひるねを したのです。

 もう、うれしくって うれしくって。

 だって

 ずーっと のらねこさんと

 おひるねを したくって

 しかたが なかったんだもの。

 

 ね、

 どれも すてきな

 たび でしょ!

 

 だいすきな だいすきな

 みんなに

 だいすきな だいすきな

 このせかいの

 いろーんな ぜーんぶの みんなに

 あいにゆく、

 すてきな すてきな

 たび なのです。

 

 うまれて はじめての

 すてきな すてきな

 たび なのです。

 

 そう、

 おともだちの

 やさしい やさしい

 春風さんと いっしょにね!

 

 

 

 

ぬいぐるみさん って やさしいね

 ぬいぐるみさん って

 やさしいね。

 

 ほんとうに ほんとうに

 やさしいね。

 

 やさしい ひとみで

 ぼくを つつんで くれる。

 ぬいぐるみさんの ひとみを

 みているだけで

 天の お国に いるみたい。

 きっと

 ぬいぐるみさんの ひとみの

 なかには

 天の お国が あるんだね。

 やさしくって うつくしい

 天の お国が あるんだね。

 

 それに

 とても とても やさしい

 おてて なの。

 ぬいぐるみさん

 おててを つなぐだけで

 ぼく

 とーっても ここちよくって

 ねむたく なるんだよ。

 お空に ぽんわり ぽんわり

 うかんでる ここちに なるんだよ。

 

 それにね

 ぬいぐるみさんを だいているとね

 やさしい 神さまに つつまれている

 ここちに なるのです。

 ぼくと ぬいぐるみさん

 神さまに ふんわり ふんわり

 やさしく まもられている

 ここちに なるのです。

 

 そして そして

 ぬいぐるみさん って

 いつも いつも やさしく

 ほほえんで いるの。

 とーっても あったかくって

 やわらかい おかおで

 やさしく ほほえんで いるの。

 おへやも おうちも

 まわりも このせかいも

 うっとり するほど

 やさしい やさしい

 おかお でね。

 

 もしかしたら

 もしかしたら

 

 ぬいぐるみさんの なかには

 せかいじゅうの ほほえみさんが

 すんでいるのかも しれないね。

 ほほえみさんの お国が

 あるのかも しれないね。

 

 ぬいぐるみさん って

 やさしいね。

 

 ほんとうに ほんとうに 

 やさしいね。

 

 きっと

 ぬいぐるみさんを つくってくれた

 いろーんな みんなの

 やさしさで いっぱい なんだね。

 

 この世界の やさしさで

 あふれるくらいに

 いっぱい なんだね。

 

 

 

 

ぼくの かげさん

 ぼくの かげさんは

 おともだち なの。

 

 ぼくの

 たのしい たのしい

 おともだち なの。

 

 だって

 ぼくが あるくと いっしょに

 あるいて くれるんだもの。

 ニコニコ ニッコリ

 あるいて くれるんだもの。

   きょうも

   すてきな ところへ ゆこうね!

 って

 とーっても たのしそうに

 どこまでも どこまでも

 いっしょに あるいて くれるんだもの。

 

 ぼくが

 はしったり、はねたり、

 ダンスを したり、

 おうたを うたうのも

 おえかき するのも

 だいすき みたい。

 だって

 ぼくより

 ものすごーく たのしそう だし、

 ものすごーく うれしそう なんだ。

 

 しずかに しているのも

 だいすき みたいだよ。

 さっきもね、

 ぼくの そばで

 しあわせそうに

 おひるね していたの。

 きっと

 あったかーい きもちに

 なって いるんだね。

 

 それにね、

 ぼくの かげさんは

 ぼくが ニッコリ していると、

 すごーく すごーく

 しあわせそうに ニッコリ するの。

    きみ って

    さいこうだね! 

 って、ニッコリ するの。

 まわりも このせかいも

 ニッコリさんで いっぱいに なるほどにね。

 きっと

 ぼくの えがお

 だいすき なんだね。

 

 そして そして

 ぼくの かげさんは

 お日さまとも

 おともだち なのです。

 だって

 お日さまが でてきたら

 かならず ぼくの そばに いて、

 お日さまと たのしそうに

 おはなし しているんだもの。

 きっと

 お月さまや お星さまや

 街路灯さんに 豆電球さんに

 ホタルさんや チョウチンアンコウさん、

 このせかいの

 いろーんな かがやくものさんたち ぜーんぶと

 おともだち なのです。

 

 それからね それからね

 きみの かげさんにも

 ぼくの かげさんにも

 みーんなの かげさんにも

 ちっちゃくって 

 とても とても かわいい

 お羽が あるのを

 ぼく、みつけちゃったの。

 

 もしかしたら

 もしかしたら

 

 かげさん って

 かげさん って

 

 天使さん

 なのかも しれないよ。

 

 



みどりいろの カメムシさん

 あのね

 ベランダの はしっこでね

 みどりいろの カメムシさんが

 ねむって いたの。

 

 それが 

 とーっても きれい だったんだ。

 きっと

 みどりいろの ピッカピカの こころで

 ねむって いるんだね。

 みどりいろの おくにで

 あそんでいる ゆめを みているのかしら。

 みどりいろの おやつを

 たべている ゆめを みているのかしら。

 

 もしかしたら

 みどりいろの カメムシさん って

 みどりいろの お国の 

 王子さまや 王女さま

 なのかも しれないよ。

 だって

 すなおで とーっても かわいい

 おかお なんだもの。

 

 おめめも

 お星さまの つぶやき みたいに

 プチュンと ちっちゃくって

 とーっても きれいで

 キラキラ していたの。

 きれいな おうたや

 きれいな おんがくを

 たーくさん もっている からだと

 おもうんだ。

 

 あしも 

 ものすごーく うつくしいの。

 まだ、いちども あるいて いないみたいに

 ほっそり していて

 ほんとうに うつくしいの。

 

 それからね それからね

 さわるとね 

 ツルツル していたんだよ。

 なん百万かいも

 なん千万かいも

 おふろに はいった みたいに

 とーっても ツルツル だったの。

 あまりにも きれいなので

 ぼくの むねが

 キューン って しちゃったよ。

 

 おなかも うすみどりいろで

 ほんとうに うつくしいのです。

 きっと

 からだの なかは 

 きれいな くうきさんで

 いっぱい なんだね。

 きれいな お水さんで

 いっぱい なんだね。

 

 あのね

 ぼく

 みどりいろの

 とても とても きれいな

 カメムシさんを みつけたの。

 

 ツヤアオカメムシ

 っていう すてきな

 おなまえ だったよ。

 

 きっと

 神さまたちが 

 みどりいろさんと いっしょに

 おつくりになった

 宝石さん なんだね。

 

 



春の あかちゃん みつけたよ

 春の あかちゃん

 みつけたよ。

 いしころさんの おむねの なかで

 ねむって いたの。

 さくらいろの もうふに くるまって

 しずかに ねむって いたの。

 いしころさんに

 やさしく まもられながらね。

 

 春の あかちゃん

 みつけたよ。

 いろえんぴつさんの おそばで

 おひるね していたよ。

 虹いろの おようふくを きて

 しあわせそうに

 おひるね していたよ。

 きっと

 春の ものがたりの

 ゆめを みているんだね。

 やさしくって あまーい

 春の ものがたりの

 ゆめを みているんだね。

 

 さっきもね、

 コップさんたちと いっしょに

 うれしそうに ならんで いたんだよ。

 コップさんの おともだちの

 オレンジジュースさんや

 いちごジュースさんや

 レモネードさんの おはなしを 

 たのしそうに していたの。

 だって

 春の

 とーっても あまーい においが

 おへや いっぱいに していたんだもの。

 

 それからね それからね。

 ちいさな ちいさな

 虫さんたちの

 おせなかにも のって

 うれしそうに とんで いたのです。

 どうやら 

 春の おくに から

 ちいさな ちいさな

 虫さんたちと いっしょに

 とんできた みたい。

 だって

 春の お花さんたちの

 かわいい えがお

 かわいい くしゃみも

 かわいい あくびも いっしょに

 のって いたんだもの。

 

 あのね、

 ぼく

 春の あかちゃん

 みつけたよ。

 

 あっちにも

 こっちにも

 たーくさん みつけたよ。

 

 そして そして

   こんにちは!

   いっしょに あびましょ!

 って

 春の あかちゃんたちの

 とーっても かわいい

 おこえが きこえたのです。

 あまずっぱい おこえが

 くすぐったい おこえが

 あっちからも こっちからも

 きこえたのです。

 

 きっと

 春の あかちゃん って

 ニッコリの こころで いると

 みつかるんだね。

 

 たーくさん たーくさん

 みつかるんだね。