明日はどっちだ

パリピになりたいアラサー

紅葉見てる場合じゃねえ!那須戦争博物館に行け!

連日多くの観光客で賑わう栃木県は那須高原

紅葉も色づき、ところによっては見ごろの時期が近づいています。カップル、ファミリー、友人同士…美しく彩られた木々に暫し心を奪われることと思います。

そんな那須高原にわたしの心をグッと掴む最高の施設があったので、備忘録としてまとめておきます。


その名は「那須戦争博物館

http://www.nasu-sensou.jp/


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パン屋さんやイタリアンレストランが立ち並ぶ閑静なリゾート高原に、日本国旗がたなびき、そして軍歌が響き渡っているという異様な佇まい。

文字通り、抑留経験者の館長が蒐集した戦争に関する資料およそ1万5000点を展示した博物館です。


大通りに面しているため、車でのアクセスは非常に容易ですが、入るか入らないかと言えば恐らく9割方の人間が見ないふりをすると思います。無理だよ…


ちなみに入場料は1000円。(子どもは無料)

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受付にいるマダムに入場料を支払うとチケットとともに、小冊子を渡されます。

「写真いっぱい撮ってね!」

日本の博物館としては異例の撮影OK。

マダムはとても気さくな方でした。


軍歌を背にゲートをくぐるのと、まず迎えてくれるのがコチラ。

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ざらしにされた砲弾の数々。

うわ〜大きい〜〜!


そして、

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ざらしにされたコクピット


既にお気づきかもわかりませんが、わたしたちの知っている博物館とは一線を画しているのです。

なぜならここを管理しているのは行政でも法人でもなく館長一個人。

学芸員?なにそれ美味しいの?

さあ、度肝を抜く展示の数々をご覧あれ。


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珍品!

商店街のプライスカードを彷彿とさせる蛍光色のカードに書かれる手書きの説明。


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大日本帝国軍隊創成期から第二次世界大戦終結までの旧日本陸海軍の制服たちが、所狭しとガラスケースに並べられています。

未使用の褌まであるよ!軍隊生活においてパンツはNGだったたようです。


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基本的に説明は手書き。味わい深いです。

記載されている内容も恐らく館長の経験則と知識によるもので、展示品も含めその真偽は神のみぞ知るといったところです。

本物?偽物?レプリカ?そんなん知りたきゃ自分で調べな!というストロングスタイル。細かいことを気にしたら負けです。


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屋内展示会場は、陸軍館と海軍館のふたつ。

どちらかというと陸軍館の方が気合いが入っています。


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幾度となく展示館の名前が変わっているらしい海軍館。


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いつの時代かは知りませんが、士農工商館時代の看板の素材は発泡スチロール。エコですね。


広大な敷地に展示?されている戦争関係資料たち。戦争に関するものならマジでなんでもあります。


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展示品にそのままガムテでキャプション入れるよ!


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かつてはちゃんとしていたのかもしれません


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どちらかというと鬼畜米英寄りの顔立ちのマネキン


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レコードくっついちゃう!!


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ケーキ屋さんかな…


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横井庄一さんのマネキン

腕が…


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クリーニングから帰還したままの軍服たち

ホコリがつかなそうで良いですね


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ニオイ対策も万全!

レモンの香りが会場を包みます。

お手洗いにあるのと一緒ですが!


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もはや展示品


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収蔵数が多すぎることによる弊害

これらが陽の目を見ることはあるのでしょうか。


戦争を経験し、風化しつつあるだろう出来事を後世に伝えようと蒐集を始めたのかは知りませんが、展示品には確かに館長の変態とも形容したくなるほどの執念が感じられます。


そしてここは戦争だけではございません。

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大きな木


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かつての生活を思い起こすことのできる品々も展示されています。


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館長これくしょん。

もはやビデオテープという存在が展示品の域という時代になってまいりました。


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宇宙服だって!

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馬だって!


なんでもあります。


どうやらここは博物館ではなく、館長の膨大なコレクションを、那須にふらりと遊びにきた人間に供覧している場所のようです。


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館長。毎年8月15日になると靖国神社を訪れているそう。


しかし、それにしては置いてあるものが(すべてでないにせよ)貴重過ぎました。

C級スポット、裏スポット、珍スポットなどと紹介して笑い、興味本位の人を一時的に呼び込むことは簡単です。だってここはまさにそんな施設。それ以外の何物でもありません。CどころかZ級です。

けれど、それで集客するには置いてあるものが(すべてでないにせよ)後世に伝えたいものばかりでした。

かといって、恐らく90は余裕で超えているだろう一個人にそれを任せるのは酷過ぎます。無理だよ…

一朝一夕で片付く規模でもなく、けれどぼんやりしていれば放置(展示)されている資料たちは虫に食われ、カビが発生し、蜘蛛の巣とホコリとともにひっそりと時代の中に埋もれ朽ち果てていくことでしょう。


ああ、今すぐにでも!せめて掃除だけでもしにいきたい!


ちょっと離れた渋谷の雑踏の中、そう考える昼なのでした。