公式集-基礎数学-3
3.三角関数
三角関数の基本公式
公式: 三角関数の基本公式(I)
この法則は三平方の定理から導き出せます。(その逆も然り)
上のように、半径とx座標、y座標は常に直角三角形を作り、三平方の定理が成り立ちます。
では下で、三平方の定理の証明方法を紹介します。
図の、一辺が の正方形の面積 を二通りの方法で表す。
-
一辺が の正方形だから
-
一辺が の正方形の面積と、4つの直角三角形の面積の和だから
よって、
高校数学の美しい物語というWEBサイトではこのほかに2つの証明方法を掲載していますので見たかったらこちらを参考にしてください。
僕はこの証明を見て、「こんな簡単な式にこれほどの証明が果たして必要だろうか。」と思っており、高1の時にdesmosを使って三平方の定理を原理的に追及しようとしました。(そのおかげでテストがズタズタになったわけですが)
すると分かったことがあって、 (単位円の軌跡を描く の座標に をかけたもの) の軌跡が下のように、半円を描くことがわかったんです。
●
●
つまり、次のような式が成り立つわけです。
なぜ右辺はこのような式になるのか?
まず、軌跡が半円になっているのだから の係数は 。
● の一回転につき、● が2回転するから の係数は 。
● が のとき、● は 。
軌跡の中心が 。
これらが組み合わさり、右辺のような式になる。
上の式の証明をします。
証明1: 計算
だから
2倍角の公式より だから
証明2: 図式化
の 座標を とする。
仮定より ・・・①
・・・②
①②より、 ・・・③
仮定より ・・・④
③④より、 ・・・⑤
仮定より ・・・⑥
⑤⑥より、 ・・・⑦
⑦より、半径 とおくと、
の 座標
よって成り立つ。
では、 ではどうなるかというと、
●
●
●
次のような式が成り立ちます。
上の式の証明は省略します。
上のアニメーションを見ればわかるように、● と ● は、 を対称軸として、線対称に動いています。
つまり、 と の平均は だということです。
もうわかると思いますが、その和は になります。
計算では次のようになります。
実際にDESMOSで表示してみました。実際にDESMOSに移動していろいろ遊んでみたい方はこちらをクリックしてください。
これを見たらわかるように、DESMOSってhtmlへの埋め込みが可能なんですね。今までSVGで頑張ってた僕はなんなんでしょうか。
公式集-基礎数学-2
続きです。ここでは導出の一部を書きます。
1.数と式の計算
複素数と共役複素数の和と積
この公式の重要なところは虚数単位が消えるというところです。(まあ当たり前ではあるが)
特に下の式は、非負実数になるます。
導出を以下に示します。(果たしてこの導出に存在価値はあるのか)
展開公式(II)
公式: 展開公式(II)
以下の式は複号同順である。
導出を以下に示します。
剰余の定理
公式: 剰余の定理
整式 のとき
以下に導出を示します。
因数定理
公式: 因数定理
整式 のとき
以下に導出を示します。
剰余の定理より、
二次方程式の解の公式
公式: 二次方程式の解の公式
のとき
導出を以下に示します。
二次方程式の解と係数の関係
公式:二次方程式の解と係数の関係
の二つの解を としたとき
証明1: 二次方程式の解の公式による証明
証明2: 因数定理による証明
二次方程式 の解を とするとき、因数定理より、次のように書ける。
係数比較法より、
①, ②より
①, ②より
二次式の因数分解
公式: 二次式の因数分解
の二つの解を としたとき
導出を以下に示します。
二次方程式の解と係数の関係を利用する
2.集合と論理
相加相乗平均の不等式
この導出方法は2つあります。個人的に2つ目がわかりやすくて好きです。
証明1: 計算
よって与式は成り立つ。
よって等式は の時だけ成り立つ。
証明2: 図式化
これです。
【相加平均と相乗平均】 pic.twitter.com/fks6AgIQMV
— 数学を愛する会 (@mathlava) August 26, 2019
は直径 の半分なのでそのような式になります。
青線の については以下の通りです。
タレスの定理より、 ・・・①
①より、 ・・・②
は共通 ・・・③
②③より、 ・・・④
①より、 ・・・⑤
は共通 ・・・⑥
⑤⑥より、 ・・・⑦
④⑦より、
よって、
公式集-基礎数学-1
題名の通りです。リストアップしました。
目次
- 複素数と共役複素数の和と積
- のとき、
- 展開公式(II)
- 剰余の定理
- 整式 のとき
- 因数定理
- 整式 のとき
- ( は の定数項の約数に をつけた数字のうちのどれかである。)
- また、次のように解釈することもできる。
-
多項式 が を因数に持つ
- 二次方程式の解の公式
- のとき
- 二次方程式の解と係数の関係
- の二つの解を としたとき
- 二次式の因数分解
- の二つの解を としたとき
- 相加相乗平均の不等式
- , のとき
- 三角関数の基本公式(I)
- 三角関数の基本公式(II)
- 三角関数の加法定理
- 2倍角の公式
-
三角関数の加法定理から導けるため省略
- 半角の公式
-
三角関数の加法定理から導けるため省略
- 積和の公式
-
三角関数の加法定理から導けるため省略
- 和積の公式
-
積和の公式から導けるため省略
それぞれの文字の部位
小文字は辺
大文字は内角
- 正弦定理
- の外接円の半径を とすると
- 余弦定理
- 三角形の面積
- ヘロンの公式
- 数直線上の内分点の座標
- 数直線上の 点 , に対して、線分 を に内分する点の座標 は
- 三角形の重心
- , , を頂点とする三角形の重心の座標は
- 2点間を通る直線の方程式
- 点 , を通る直線は
- 円の方程式
- 中心 からの距離が である円の方程式は
-
円の方程式
- 楕円の方程式
- 標準形(中心が原点 であるときの楕円の方程式)は
- 焦点 , からの距離の和が である楕円の方程式には、以下の式が成り立たなくてはならない。
- またそれは、長径が 、短径が の楕円の方程式であり、以下の式が成り立たなくてはならない。
-
楕円の方程式
- 焦点 , からの距離の和が である楕円の方程式には、以下の式が成り立たなくてはならない。
- またそれは、長径が 、短径が の楕円の方程式であり、以下の式が成り立たなくてはならない。
-
楕円の方程式
- 双曲線の方程式
- 焦点 , からの距離の差が である双曲線の方程式は
- また、以下の式が成り立たなくてはならない。
- 漸近線は
-
双曲線の方程式
- 焦点 , からの距離の差が である双曲線の方程式は
- また、以下の式が成り立たなくてはならない。
- 漸近線は
-
双曲線の方程式
- 放物線の方程式
- 焦点 、準線 からの距離が等しい放物線の方程式は
-
放物線の方程式
- 焦点 、準線 からの距離が等しい放物線の方程式は
-
放物線の方程式
- 同じ種類のものを含む場合の並べ方の総数
- 個のものの中に、同じものが 個, 個, , 個ずつあるとき、これらを 列に並べる場合の数は
- 組み合わせの性質
- 二項定理
SVG画像を使ってみました。
しかもアプリを一切使わず直接打ち込みました。
おかげでSVGに関してプロ並みになったのではないかと思っています。(井の中の蛙ですが)
これからSVGでアニメーションも加えていけたらなと思っています。因みに、双曲線はベジェ曲線では表せないのですべての点座標をJavascriptで出力しています。
javascriptでsvgを操作するとiOSで表示できないという問題があったので、すべての点座標を打ち込みました。。。
ここまででかなり字を打ったのでこのページは目次のみとします。導出は別ぺーじにて。
高校数学-忘れがちな計算過程
題名の通りです。リストアップしました。
目次
以上。
というのもこの後は内容が薄いので、目次で「あっわかるな」と思ったらスクロールしないのをお勧めします。
1.方程式
両辺を2乗した後、最後に検算する。
なぜしなければならないのかというと、2乗は絶対値になるという性質のためです。
例えば、仮に という式があったとします。
その両辺を2乗すると、
このように、ありもしない という式が出てしまいます。それを防ぐために検算が必要なのです。
例を以下に示します。
問:方程式 を解け。
解:
を与えられた方程式に代入:
左辺 , 右辺
よって 左辺 右辺
を与えられた方程式に代入:
左辺 , 右辺
よって 左辺 右辺
分母に変数がある場合、予め定義域を設定する。
その理由は0除算を防ぐためです。分母が0の分数は定義できないので、あらかじめそれを防ぐために定義域を設定します。
例を以下に示します。
問:方程式 を解け。
解:
分母から
だから
対数関数の時、真数条件を確認する。
別に真数条件を確認しなくても値は何かしら出せますが、例えば下のような対数関数があったとします。
変換
このとき、 が底ですね。
試しに、 にマイナスをつけて、 に を代入してみます。
するとこのように、虚数単位が出てしまいました。この単元で虚数単位が出てくるのは高校数学の守備範囲外ということですね。単純にめんどくさいですからね。
以下に例を示します。
問:方程式 を解け。
解:
真数条件を示す。
よって、
与えられた方程式は、
となる。両辺の真数を比較して、
真数条件より、
2.不等式
両辺を変数で割る場合、変数の値によって解が違うことを示す。
どういうことかというと、方程式の両辺を変数で割ると、不等号の向きが次のようになります。
- 変数 であれば、不等号の向きは変わらない。
- 変数 であれば、不等号の向きは変わる。
マイナスがついている数字で割るときは皆不等号を反対にするんですが、変数で割るとなるとそのまま計算する人が結構いると思います。
補足: 変数で両辺をかける時も気を付けてください。そうする機会があんまりないので補足という形で書きましたが。
以下に例を示します。
問: を について解け。
解:
すなわち である時、
すなわち である時、
の時、 , の時、
指数関数、対数関数
手順は3つあります。
- [対数関数]真数条件を確認する。
- 底をそろえる。
- 0>底>1の時は、不等号を反対にする。
3の説明は簡単です。
底が1より大きい場合、1乗,2乗,3乗,・・・とすると値は大きくなりますが、
0>底>1の時は、1乗,2乗,3乗,・・・とすると値は小さくなるからです。
例を以下に示します。
問: 不等式 を解け。
解:
真数条件は、 すなわち、 である。
与えられた方程式は、
となる。両辺の底が等しく、 底 だから、
3.部分分数への分解
公式: 部分分数への分解
以下の公式は左辺の分子の次数が分母の次数より低い時だけ成り立つ。
下記の公式はあるルールに従って構成されている。
ルール1: 分数式の分母を因数分解し、その因数が分母となる分数式の和に直す。
ルール2: 分母が 次式の分数の分子は予め 次式として設定する。
ルール3: 文字を含む因数が 乗の時、変換する分数式のそれぞれの項の分母にその因数の 乗、 乗、 乗 を設定する。
その際 次式の因数の何乗の分母でもその分子は 次式として設定する。
以下に例を示します。
4.常用対数による近似計算
この計算は現代では全く使いません。しかし、数学の教科書に載っており、そして僕もよく忘れるので書きます。
スマホ、PCがないかわりに常用対数表をもっているという非常に特異で稀な状態で役立ちます。多分一生使わないでしょう。
常用対数表は1以上10未満の0.01ごとの数の常用対数を調べることができる(その逆も可)ので、どうにかしてそのような数に分解していく必要があります。明確に言うと、例えば次の場合、
或いは
か のどちらかがわかればもう一方の値も知ることができます。
一般に、 を の真数、 を常用対数といいます。
以下に例を示します。
問: 常用対数表を用いて を ( , は整数 ) の形に直せ。 は少数第二位まで求めよ。
解:
の常用対数の値は、
よって、
であり、 でもある。常用対数表より、
終