うさろぐ日記

”アフリカ、旅、貧困” 人生を哲学するブログ

窒素、リン酸、カリ、適切な施肥量は?

窒素の適正施肥量

一般的には、25mg/100g以上のアンモニア態窒素含量があると過剰とされている。また、作付け前の土壌中の無機態窒素含量が高い場合は、元肥を減肥する必要がある。例えば、作付け後の無機態窒素が15 mg/100gあった場合、15 kg/10a (1000m2) つまり、15 g/m2の窒素施肥量に相当する。(作土の深さが10cmの場合)これは、化成肥料オール8で 1平方メートルあたり、180g程度散布した量と同等である。一般的な元肥施肥量は1平方メートルあたり150 - 200gなので、この場合は元肥は施肥しなくてもよいということになる。

きゅうりでは、生育中の無機態窒素含量が10mg/100g を下回ると収量が低下してしまうため、追肥重視の肥培管理が大切である。

ホウレンソウ等の葉菜類では収穫時の無機態窒素含量が5mg/100gを下回らないように管理することが、高品質な野菜を収穫するうえで重要となる。

 

リン酸の適正施肥量

一般的には20 - 100mg/100gの範囲内が適正な量といえるが、リン酸値が100mg/100gで減肥すると収量が低下することがあるため、150gm/100g で減肥するのが安全である。

有効態リン酸が300mg/100g とかなり過剰な場合には、マンガン欠乏症の原因となるなど生理障害を起こしやすくなるといわれているので、リン酸を無施肥とし、深耕によりリン酸肥料の少ない下層土と混ぜ合わせてやる必要がある。

カリウム、マグネシウム、カルシウム等の塩基類

カルシウム:マグネシウム:カリウムの日は65-75 : 20-25 : 2-10が適当である。一般には5:2:1が分かりやすい指標として利用される。これらは、ミリグラム当量(meq)の比で表される。参考までに土壌分析で用いられる単位であるmb/乾土100gで表すと

Cao:MgO:K2O = 278-315: 90-75: 14-371となる。 

 

なぜ日本の土壌は酸性土壌なのか?

酸性土壌とは

土を酸性にしている酸性物質で考えられるのは水素イオンやアルミニウムイオンである。pHメーターで土壌のpHを図る際に問題となるのが、土壌には土に吸着している酸もあれば、解離している酸もあるということである。解離しているものであれば、水を入れて振動させて出来た懸濁液に電極を差し込めば測定することが出来る。ここで、厳密にはpH7以下であれば酸性となるが、pH6.5-7というのは、現場ではほとんど影響を示さない弱い酸性となることから、pH6.5以下を酸性土壌ということが多い。ここで、土壌が酸性を示すということはこの液体に遊離の酸があるか、土の中の水と反応して酸性を示すような何らかの酸性物質があるかどちらかである。

 

この遊離の酸は有機酸*1であり、酸性物質はアルミニウム化合物であり、水素イオンは土壌粒子から完全に解離して存在しているが、そのような酸を活性酸と呼ぶ。一方、土に吸着されている水素イオンを潜酸性といい、これは塩化カリの溶液で処理してやらないと測定ができない。この水素イオンなどの活性酸は土壌酸性の強度を示し、酸性土壌として酸性物質を保持できる量、つまり箱の大きさを示したものが潜酸性または交換酸度という。

交換酸度とじゃがいもそうか病

じゃがいもそうか病は、じゃがいもの表面にかさぶたのようなぶつぶつが出来る病気であるが、対策が難しい病気でもある。この病気は収量への影響は少なく、食べられるので家庭菜園をやっている人は好いのだが、農家にとっては品質低下の原因となり、頭を悩ませる病気の一つである。

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左がそうか病に侵されたじゃがいも

出典:マイナビ農業

 

 じゃがいもそうか病の原因菌*2は、放線菌(ステレプトマイセス属)であることが分かっている。下記表からもわかるように、放線菌はアルカリ性の土壌を好む傾向が見て取れることから、じゃがいも栽培前に石灰をまいてアルカリ性に土壌を改良するのは、そうか病防除という観点からはよろしくない。

 

 

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土壌の微生物数に及ぼすpHの影響

出典:ホクレンの肥料

 と、話はそれたがこのじゃがいもそうか病、酸性域で発病が抑制されることが分かっているが、その際に水素イオン濃度を用いる測定方法pH(H2O)よりも、土壌の水素イオンやアルミニウムイオンの保持能力を塩化カリウムを用いて測定する交換酸度の改良のほうが重要であることが北見農試の試験で発見された。前述のpH(H2O)の測定では、土壌粒子から完全に解離して存在する水素イオンのみならず、土壌粒子の影響を受けて存在してる水素イオンも測定しており、土壌中の実態に近いことから近年では、こちらの測定方法が一般に利用される。以前は塩化カリウムを用いた測定方法が利用されていた時期もあったが、腐植質の多い黒ボク土では酸性を過小評価することから近年ではあまり利用されなくなってきた。また、作物の生育や土壌微生物の活動は土壌溶液の酸性、アルカリ性の強さに影響されるため、近年では純水を用いて酸性物質を抽出するpH(H2O)方式が土壌診断では用いられている。

 

なぜ、土壌はマイナスの電荷を帯びているのか?

土の固相を作っている、有機物や粘土が負の電荷をもっているからだが、その理由は、例えば鉱物から溶け出した4価の珪素(Si4+)がほぼ同じサイズの3価のアルミニウム(Al3+)で置き換わると、プラスの総量が4から3に減って、総体的にマイナスが増えていく。こうすることで、粘土の表面に負の電荷ができていく。

 

このように土壌は種類によって保持能力の違いはあるが(これはCECという値で表される)、そのネガティブの電荷をもつ手に水素イオンやアンモニウムイオンのような酸性物質で占められると土が酸性になる。このネガティブの手がすべてカリ、マグネシウム、ソーダ、カルシウムという塩基類で埋まると、これは水素イオンの供給がないことになるので、中性となる。そして、この塩基類の遊離の塩、とくに重炭酸塩が生じると、これがアルカリ性を呈するということになる。

 

なぜ、日本の土壌は酸性になるのか

大きな理由として、降雨量の多さがあげられる。日本では、平均して1,600mm - 2000mm程度の降雨量があり、太陽に熱せられて土壌から抜けていく水分である最大蒸発散量は年間800mmぐらいですので、これらの水は土の中を通て地下水に流れ、川へ排出され最終的には海へ抜けるということになります。水が地中へ抜ける際に、土壌にたまっていた塩基を溶かすことで酸性化していく。土壌中の養分の多くはカルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、カリウム(K+)のように、水に溶けるとプラスの荷電を持ったイオンとなる。土壌はマイナスに帯電していることから、これらプラスの塩基を保持することが出来るがそのくっつき易さは養分の種類によってことなっており、プラスが一つのカリウムより見つつのMgやCaのほうが強く保持される。新しい養分が入ってきた場合は、強く保持されている方が弱い方を追い出すことで入れ替わっていく。土壌酸性化の原因となる水素イオン(H+)は土壌にかなりくっつきやすいので、カルシウム等の養分を追い出して徐々に酸性化が進行することになる。

マイナスイオンは土壌に保持されないの?

さて、ここまで読んだ読者の方は、それではマイナスイオンはすべて流れてしまうの?という疑問を持った方もいるかもしれない。養分の中で硝酸(NO3-)やリン酸(H2PO4-など)のマイナスイオンはすべて降雨とともに流亡してしまうのだろうか?これまでは土の粘土や腐食には、マイナスに荷電があると説明してきましたが、実は少しのプラス荷電もあります。したがって硝酸やリン酸はこれらのプラス荷電の影響を受けます。その影響の程度は、CEC(陽イオン交換容量)と同様にAEC(陰イオン交換容量)で表されますが、AECの値はCECに比べ小さく、pHが低くなるほど大きくなります。AECは腐植と粘土含量が多い黒ボク土でさえ、CECの10%程度でしかない。

マイナスに荷電されている硝酸はどのくらい土壌に留まるの?

黒ボク土畑では土壌表面に施用された窒素肥料は、化成肥料であれ有機質肥料だあれ微生物によって分解され、最終的には硝酸となって浸透していきます。肥効の持続期間は、硝酸に分解されるまでの期間と土壌中に保持される期間に影響される。窒素が硝酸まで分解されるスピードは土壌温度によって左右される。一方、保持期間は下記図の通り、降雨とともに徐々にかほうに移動します。調査によると、降雨量約1000mmで1メートル移動し、その期間は約6か月かかったと言われています。つまり、3月頃に施肥された肥料は、1か月後に深さ20cmの根群に達し、2か月後には40cm下方に溶脱することを示していいる。一方、砂丘畑では黒ボク土の5倍程度早く、200mmの降雨で1メートル移動すると報告がある。そのため、窒素飛行を維持するためには土質及び降水量を考慮する必要があるといえる。

言い換えれば、硝酸は土壌表層から移動しやすいため土壌表層に施肥しても根域まで達するため、表層施肥でよいことが分かる。

次にカルシウムとマグネシウムですが、表土に施肥しても根域全体に浸透移行することがないため、元肥として入れる場合は根域周辺へのスポット施肥もしくは全総施肥をするのが効果的である。

最も移動しにくいのがリン酸であるが、もっとも溶脱しにくいのもリン酸であり、黒ボク土に多いアルミニウムに保持されると固定化して全く動かなくなり、数十年以上は土層内に留まることが出来る。したがって、黒ボク土では表土から浸透移行することが全く期待できない。施肥はできるだけ根の地悪に行くように元肥主体で施肥する必要がある。

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硝酸態窒素の移行速度

出典:https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/attach/pdf/tottori01-3.pdf

日本の土壌が酸性である理由

日本では、多量のアンモニア肥料が利用される。硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸カリウム、塩化カリウム等であり、これらの肥料は生理的酸性肥料であり、科学的には中性であるが、アンモニアを微生物が分解する硝酸への酸化の過程で、水素イオンが出てくる。また、土壌中で肥料成分が作物に吸収された後に残る硫酸イオンや塩素イオンなどの酸性の副産物も酸性化へ寄与しているとことなる。

 

*1:酸性を示す有機化合物の総称であり、多くはカルボン酸である。土壌が吸着している酸性物質がアルミニウム化合物である。

*2:似た病気に粉状そうか病という病気があるが、これは原生生物による病気なので、別の対処方法が必要である。

有効態リン酸の適正量と生育

リン酸は、他の塩基類であるカリや石灰などと違い交換態として土壌に保持されることはほとんどなく、土壌中の鉄やカルシウム、アルミニウムと結合して存在している。

 

同じリン酸として土壌中に存在するが、

カルシウムと結合 → 作物に吸収されやすい

アルミニウムや鉄と結合 → 吸収されにくい。

 

土壌が酸性に傾いていると土壌のなかにアルミニウムや鉄と溶けだしてきて、リン酸と結合する量が多くなり、逆にアルカリ性(pHが7.0以上)が高いと石灰と結合し難溶性となり作物に吸収されにくくなってしまう。

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PH チャート

参照:https://fluence.science/monitoring-ph-for-cannabis/

 

土壌条件とリン酸利用効率

日本の土壌は、関東以北や九州の火山の東側の台地などの傾斜地を中心に、黒ぼく土と呼ばれる土壌が広く分布しており、国土全体の19%の割合を占め、これは日本で一番多い土壌であり、国土全体の22%を占める灰色低地土の次に多い土壌である。

黒ボク土の主な母材は火山灰であり、これは活性のアルミニウムを多く含んでいる。土の表層では、この火山灰に有機物が分解されてできた腐食が結合し、団粒構造を形成しており、排水性がよい軽い土壌のため物理性がよい特徴がある。

 

一方、土壌中の活性アルミニウムはリン酸固定能力が高いので、作物は土壌からリン酸を吸収できずリン酸欠乏となることが多い。土壌のリン酸吸収係数が1500以上の土壌が黒ボク土に分類されるが、リン酸施肥量を増やして、作物にリン酸を吸わせることで高い生産性を維持してきた一方、近年ではリン酸過剰な土壌が多くみられるようになってきている。

 

水田状態では、畑に比べてリン酸が吸収されやすい状態となる。その理由は、土壌が湛水により還元状態になると難溶性のリン酸第二鉄が溶出しやすいリン酸第一鉄に変化するためである。

リン酸吸収と地温

リン酸は、窒素やカリと比較して低温で吸収されにくくなる特性があり、地温20℃から地温10℃になると吸収比率は10分の1に低下することがわかっている。下記表はトマトの養分吸収に及ぼす地温の影響をまとめたものであるので参照してほしい。

トマトの養分吸収に及ぼす地温の影響

地温(℃) 硝酸態窒素 (mg) リン酸 (mg) カリ (mg)
10 26.3 2.7 42.9
15 62 9.9 79.2
20 86.9 22.1 112.6
吸収比率 (10℃/20℃ 0.3 0.12 0.38

資料:杉山の表をもとに筆者作成

 

リン酸の施用効果の高い作物 → 玉ねぎ、インゲンマメ、レタス、ニンニク、サラダ菜、ホウレンソウ

施用効果の低い作物 → 小松菜、サトイモ、サツマイモ、大根、スイカなど。

 

小松菜やダイコンが玉ねぎやレタスよりリン酸の施用効果が低い理由は、リン酸肥料が少なくてよいということではなく、小松菜やダイコンはリン酸の吸収能力が高いことから土壌中の難溶性リン酸であるアルミ型リン酸等を吸収可能だからである。

 

各種野菜の収量とリン酸施肥の影響

たまねぎ

タマネギはリン酸の施肥量を増やすと収量向上効果が高いことが兵庫県農試の試験結果で示されている。

施肥効果としては、有効態リン酸が80mg/100gで収穫量が上限に達し、106mg/100gで最大となると、報告している。

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土壌有効態リン酸含量とタマネギ収量

資料:兵庫県農試提供

ホウレンソウ

ホウレンソウもリン酸施肥効果が高い作物の一つであり、土壌中の有効態リン酸含量が80mg/100gまではリン酸施肥とともに増収効果が見られたが、それ以上の施肥は効果がないことがグラフから見て取れる。

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土壌の有効態リン酸とホウレンソウの生育

資料:千葉県腫瘍農産物等施肥基準(2009)

レタス:

レタスは100mg/100g付近で収穫量が最大となる一方、それ以上の施肥は生育が旺盛となりすぎて、結球せず減収する結果となった。

 

ダイコン:

ダイコンは100mg/100g以上のリン酸施肥で減少傾向を示した一方、10-100mgでは大きな差を示すことはなかった。

有効態リン酸含量とレタス及び大根の収量との関係

資料:千葉県・千葉県農林技術会議(2002)

有効態リン酸の適正含量

下記表に、各種野菜の有効態リン酸の適正値を示す。

有効態リン酸含量が300mg/100mg以上の土壌ではリン酸は無施肥でよいとしている。

黒ぼく土と砂質土における各野菜の有効態リン酸含量の適正範囲

資料:千葉県農林技術会議(2002)

 

施肥窒素量と作物生育

アンモニア態窒素と硝酸態窒素

一概に無機態窒素と言っても、窒素には土壌中で存在する際に異なる形があり、その性質もさまざまである。

 

まず、化成肥料を畑に施した際は、アンモニア態窒素の形で存在していることが多い。土壌は-の電化を帯びている一方、アンモニア態窒素は+の電化を帯びているため土壌から流亡しにくい側面がある。

 

このアンモニア態窒素は、土壌中の硝化菌と呼ばれる一群の最近によって、アンモニウムイオン(NH4+)が亜硝酸イオン(NO2-)を経由して硝酸イオン(NO3-)へと分解されていく。

ここで、各窒素の組成式を見ていただければ明らかなように、アンモニウムイオンは+に荷電されており、硝酸イオンは-に荷電させている。つまり、硝酸態窒素は土壌と同じ-に荷電されており流亡されやすいということがわかるであろう。

 

各作物ごとに必要な窒素の種類

水稲は生育にアンモニア態窒素を好む作物である。水田は田んぼに水を張って栽培するため、土壌が酸素が少ない還元状態となっている。つまり、硝化菌の働きによってアンモニア態窒素を分解できないため、施肥した窒素はアンモニア態として田んぼに存在することとなる。それでも、稲が問題なく生育できるのはこのアンモニア態窒素を吸収できるためである。

 

一方、畑で栽培される野菜はこのアンモニア態窒素が多いと障害がでることがある。一般的には25mg/100g以上は過剰とされている。

 

通常、しっかりと耕されており、水が溜まっていないような畑では、アンモニア態窒素は、微生物の力を借りて硝酸態窒素まで分解されることとなる。そこで、畑の土壌ではこの硝酸態窒素濃度を測定することで、作物の生育に必要な肥料成分が土壌中に足りているのかを知る手掛かりとしている。

 

無機態窒素と土壌成分

一方、近年pHが低い酸性土壌であるがECが高い畑がハウス栽培をしている農家を中心に増えてきている。pHやECの説明は別の記事で詳しく述べるが、通常、pHが低いということは、土壌中に溶けている塩基類が少ないことを意味する。土壌に溶けている塩基類の主なものとしては炭酸やカルシウムである。そこで、この根本原因をしらなければここで石灰を投入してしまうが、注目していただきたいのはECが高いということ。ECとは、電気伝導率の略でこの値が高いほど、土壌の肥料成分は多いということを意味する。塩基類が低ければECも低くなるはずであるが、この圃場のECは高い。

各作物の硝酸態窒素濃度

ホウレンソウ:収穫時の残存無機態窒素は最低でも5mg/100g必要である。それ以下だと、収量の低下につながる。

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収穫時の残存窒素量と夏どりホウレンソウの上物収量

資料:北海道立農試

 

きゅうり:栽培期間を通して無機態窒素は10mg/100g必要であり、これ以下だと収量が低下する。つまり、きゅうり栽培においては、土壌中の窒素濃度を一定に保つような施肥管理が必要となるので、元肥主体というよりは追肥主体の肥料管理をしていく必要がある。肥料切れになると、花が落ちるなどの生理現象が発生する。これは、ピーマン等他の果菜類でも同様のことがいえる。

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きゅうりの最低窒素必要量

資料:北海道立農試

無機態窒素施用の目安は下記の表を参考にして、自身の土壌診断記録と比べてほしい

  アンモニア態窒素
(mg/100g)
硝酸態窒素
(mg/100g)
少ない 0.5mg以下 4mg以下
適正 1から5 5~15
多い 5から10 25前後
過剰 20以上 50以上

 

 

夏秋トマト栽培について

夏秋栽培トマトの日照時間は10日間の合計で60時間は必要となるが、梅雨時期の6月下旬、台風時期の9月は日照時間が短くなるので注意が必要となる。

日照時間が足りないと花が落ちてしまう等の生理障害が発生し、収穫量が減ってしまう。夏の高温期で着花不良がおこるような場合はトマトトーンを利用して、着花を促す。

トマトトーンの使用方法の注意点として、大玉トマトは、花房あたりワンプッシュ吹きかけてあげればよいが、ミニトマトの場合は各花ごとにトマトトーンを吹きかけてあげる必要があること。また、生長点にかかると生育が阻害されるので、注意して散布する必要がある。

 

生育ステージ

夏秋トマト栽培では4つのステージに分かれている。

4月定植の作型で説明すると、下記のようになる。

 

ステージ1:定植直後の低夜温期

ステージ2:梅雨の多湿期

ステージ3:梅雨明けの酷暑期

ステージ4:お盆以降の低夜温、秋雨、台風期

 

一概に、夏秋トマト栽培で、夏を越した栽培をすると言っても、上記のように4つのステージを超す必要があり、これが夏トマトの栽培を難しくしている。

 

作付け時期の違いによる元肥の管理

気温が低い時期に定植した場合は窒素が効きにくいので、元肥は多めに施肥(4月末から5月上旬定植)

地温が低いときは、微生物による有機物の分解が遅く、肥料が聞きにくく、地温の上昇とともに微生物の働きが盛んになり、肥料が効きやすくなる。

 

基本的には、1反あたり窒素:10-15kg, リン酸:5kg、カリウム:5-10kg

*1

 

5月中旬~6月定植の場合は地温が上がっているので、元肥を少なくする
  • 地温があがるので、微生物による肥料の分解が早くなるので元肥は減らす。
  • トマトは追肥型栽培の作物なので、定植から1か月分の肥料があれば十分。理想は窒素成分で5kgほど。

窒素成分で5kg がどの程度の量かを計算してみる。

家庭菜園でよく利用されるNPKオール8の肥料で計算すると、

5㎏ ÷ 0.08 = 62.5kg / 1000㎡ となり、1㎡あたり63gの施肥量となる。

 

家庭菜園をしている人だと、数本しか栽培していない人もいるかと思うので、これをさらにブレイクダウンする。

まずは、1㎡あたりのトマトの株数を株間を30㎝、畝間を70㎝と過程して算出する。

 

1m÷0.3m÷0.7m=4.76 となり、

1㎡あたり4.76株のトマトが栽培されていることとなる。

つまり、先ほど出した1㎡当たりの施肥量を1㎡あたりのトマトの本数で割ってやればよいので計算してみると、

63g÷4.76=13g/1株 となる。片手だと軽く一握りで、20g程度なので、片手で二株に肥料を与えればちょうどよい計算となる。

トマトの株元に施肥するのであれば、トマトの株元から10㎝程離れた場所に棒などで穴をあけ、その穴に13gの肥料を入れてやればよいことになる。

 

潅水方法

トマトの生育に合わせて水やりや肥料を施す位置を変えていく。

1. 定植時は株元

2. 3段開花期はベッドの肩

3. 収穫開始期は通路

 

定植後の管理

  • カルシウムは細胞壁を作るのに必要だが、定植食後は気温が低いため根から吸収することが出来ずらいため、カルシウム剤の潅水や葉面散布をしてやる必要がある。

カルエキスなどのカルシウム資材の散布

  • 生育初期は葉面積が不足しているため、芽欠きを急いで行わない。芽欠きは側枝の花芽が見えるまでに行えばよい

6-7月の潅水量について

1-2段開花期は温度も低く葉の数も少ないので1回あたり500ml/株で5-7日間隔

3-5段開花期には、葉の数も増え、実も肥大しているので1回あたり1000ml/株で2-3日間隔

6段開花以降は、1.5-3L /株の潅水が必要。6月以降は、曇りでも20℃、晴れていると25℃以上になるので、晴れたら潅水をする。

潅水は10時までに終わらせるのが良い

 

樹勢判断の方法

樹勢診断は朝に行うのがよい。朝畑に行って、生長点の形を確認してみましょう。

1.栄養不足:生長点が立っており、葉が水平に広がらず、直立気味になる

2.栄養が適切:葉っぱが水平方向を向いている

3.栄養過剰:葉っぱが茎の方向に向けて巻き込むようになる。下の段の葉がねじれる

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樹勢診断方法

参照:https://www.takii.co.jp/tsk/kateisaien/tomato.html

追肥の方法

10アール当たり1500-2000本で、N成分は、1回あたり1-2㎏施肥する。

オール8の化成肥料だと、2.5-5 g/株の追肥量が必要となる。

 

潅水管理(7-8月)

この時期の潅水は、植物への水供給のみでなく根へ酸素と肥料を届けるという意味でも潅水作業が重要となる。

潅水量の目安として

朝5時に1株当たり1リットルの潅水をする。

朝8時に1株当たり1リットルの潅水。

夕方5時に1株あたり0.5-1リットルの潅水

 

着花について

7月下旬以降の花は、秋の収穫物

開花から収穫まで約50日必要となる。

仮に8月1日に咲いたとすれば9月20日ごろの収穫となる。

 

*1:1反は991.74㎡で300坪となる。1アールは100㎡なので約10アール。
ちなみに、1坪は畳一枚分の広さで約3.305㎡となる。

コロンの使い方

それでは、コロンの使い方を見ていきましょう。

1、アイデアを紹介するとき

You are left with only one option: Press on until you have mastered it.

There is one thing you need to know about coleslaw: it looks and tastes like slurry. 

ここで重要なことは、コロンの前にくる文は独立した文であることです。

そして、コロンのあとでは自分の主張したいアイデアを記述します。

コロンのあとの文が、引用文であれば大文字で記述してください。

 

2、リストを紹介するとき

続いてのコロンの使い方を見ていきましょう。

The potion contained some exotic ingredients: snails'eyes, bats' tongues and garlic.

The magic potion contained sesame seeds, bran flakes and coleslaw.

 最初の文はコロンの前が独立した文章として成り立っており、コロンのあとに箇条書きの内容が来ていますね。コロンの正しい使い方です。

一方、下の文章はコンマの前が独立した文章になっていないため、コロンを用いることができません。

 

3、引用文の前

誰かが書いた文章を、自分の文章で紹介するときに使うことができます。

The director often used her favourite quotation from Monty Python: ' I wasn't expecting the Spanish Inquisition.' 

この際、引用文は大文字で書き始めましょう。

 

4、アイデアを強調したいとき

それでは、さっそく見ていきましょう。

The one thing mankind cannot live without is hope.

この文のコロンを用いて強調してみましょう。

 There is one thing that mankind cannot live without: hope.

どうでしょうか?

コロンを用いることで、ポイントがクリアになっていることがわかるかと思います。

このような表現を用いることで自分の主張をしっかりと読者に伝えることができるので、ぜひ使ってみてください。

しかし、使いすぎるのはマイナス効果となりますので、注意して使ってくださいね。

 

 

セミコロンの正しい使いかた

今日はセミコロンを使ったかっこいい文を書く方法を学んでいきましょう。

1、セミコロンですっきり

まずは、コンマで区切った文章を見てみましょう。

In the meeting today we have Professor Wilson, University of Barnsley, Dr Watson, University of Barrow in Furness, Colonel Custard, Metropolitan Police and Dr Mable Syrup, Genius General, University of Otago, New Zealand.

つづいて、セミコロンを用いて区切ってみます。

In the meeting today we have Professor Wilson, University of Barnsley; Dr Watson, University of Barrow in Furness; Colonel Custard, Metropolitan Police and Dr Mable Syrup, Genius General, University of Otago, New Zealand.

このようにセミコロンを用いることで文章の塊がわかりやすくなったかと思います。もう少し細かく見てみましょう。

一人目の出席者は

 Professor Wilson, University of Barnsley;

つづいて

Dr Watson, University of Barrow in Furness;

三人目は

Colonel Custard, Metropolitan Police

そして最後にDr Mable Syrupですね。

この場合は肩書や出身地までくっついているので少しわかりづらいですが、

アカデミックライティングではまねしたいところですね。

and Dr Mable Syrup, Genius General, University of Otago, New Zealand.

 

2、似ている意味の文章をつなげる

さっそく例文を見てみましょう。

Terry always slept with the light on; he was afraid of the dark.

この分は、二つの文章に分割できることがわかるかと思います。

Terry always slept with the light on.

he was afraid of the dark.

 または、接続詞を用いてつなげることもできます。

Terry always slept with the light on because he was afraid of the dark.

Terry always slept with the light on, as he was afraid of the dark.

セミコロンで文章をつなぐ際は、独立で完結した文章であることが大切です。

つづいて、コロンの使い方を説明しますので楽しみにしていてください。