今日も鳴くよ、君を想って
こんにちは!
今日も暑いですね…。
朝から暑くて、じっとり。
やる気まで蒸発して消えてしまいそうです。
とりわけ、やつらがうるさいといらいらしますよね。
そう、夏になると現れて、気の狂ったように泣き続けるやつら…。
蝉です。
先日、寝室に入ったら、ものすんごい蝉の鳴き声が聞こえて何事かと思えば、窓の冊子に一匹の蝉が止まっていました。
近くで鳴き声を聞くと、なおさら音はでかく、またその鳴き方が必死でちょっと引きました。。
んで、思ったのです。
やつらなぜこんなに鳴くかね!? と。
色々考えた結果、なんかなんともいえない気分になったので、まとめてみました。
土の中で3〜13年
諸説ありますが、我々が耳にする蝉のあのうるさい鳴き声。
あの声を発するに至るまでに、実に3〜13年間もの間、蝉は地中で幼虫として過ごしているそうです。
地表に出てからは、多くはおおよそ1ヶ月間、成虫として過ごすそうです。
鳴き声はアプローチ
やっと地表に舞い降りた蝉たち。
彼らの定め、それは子孫を残すこと。
必死に鳴いているあの声は、子孫繁栄の為に雄のセミが雌のセミに自分の居場所を知らせるものだったのです。
1ヶ月に人生かかってんだよ…!!!
土の中で、他の幼虫と一緒に仲良く潜っているなら楽しいかもしれないですけど、そうではないんでしょう?
一人で丸まっているわけですよね。じっと。
外に出る日を待ち焦がれて。
それも何年も。
そしてやっと、光を浴び、新鮮な空気に触れ、風を感じ、生きていくわけです。
長年ためてきたエネルギーを力いっぱい、命いっぱい放っていくわけですね。
そして、パートナーと巡り合い、自分の子を残し、命のバトンを繋いでいくことを目指しているわけです。
その間わずか1ヶ月。
極端にいえば、子孫を残すことができなかったら、自分のいのちが1人儚く消えていくだけ。
生物の共通の目的の子孫繁栄に何も寄与できず、つまりは存在価値を残せないまま命が尽きてしまうわけです。
人間だったら、子孫を残す以外にいろんな生きる意味があります。
というかそもそも存在自体が大きな意味です。
しかし、蝉の世界ではそうはいってられないのではないでしょうか。
誰とも恋をすることもなく、交わることもなく、たった1人だけで完結する世界の中で、静かに生涯を終えるのは悲しいではありませんか。
それも子孫繁栄が大きな使命であるならなおさらに。
大きなこころで、ともに
以上のことを踏まえると、蝉は命を授かった瞬間から与えられた子孫繁栄という使命のもとに、パートナーと巡り会うために命の限り大きな声で鳴いている。
そして、その時間はわずか1ヶ月ほどの時間しかない。
かれらが地中にいた何年もの月日も全てそのゴールへと繋がる貴重な時間だったわけである。
全てを意味あるものにするために、蝉ができること、しなければならないことは1つ。
新しい命を芽吹かせること。
全てが1ヶ月という短い時間にかかっている。
そりゃ、鳴きますよ、必死で。
そりゃそうだ。
どんなにうるさいと思われようが構うものか。
ライバルも多いんだ。
より大きな声で、より勇ましく。
この声を届けなければならない。
…そう思うと、あれだけうっとうしく感じていた蝉の声も、
やはりどこか儚い夏の風物詩として、とても愛しいものにも思えてくる。
頑張れ、蝉。