米代川のサクラマス 2021
2021年はトラウトアングラーとして復活の年にしようと決め、迎えたサクラマスの季節。
これまでに通ったことのある九頭竜川に行くか、新たな河川にチャレンジするか。
比較的行きやすい北陸河川、はたまた飛行機か長距離ドライブが必須な東北河川。
聞くところによると、米代川は本州の中でもトップクラスのサクラマス遡上量を誇り、かなり上流エリアまで堰堤などの人工的な魚止めがない。
また、九頭竜川のように漁協区間の縛りもなく、米代川ではサクラマス共通券があれば河川の全区域でサクラマスを狙うことができる。
調べれば調べるほど米代川への興味が湧き、大河"米代川"でのサクラマス釣行が決定した。
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2月から九頭竜川が解禁していたが、緊急事態宣言の発令に加え、思わしくない釣果が続いてることからサクラマス釣行を控えていた。
冬の間は過去の"Gijie"や"鱒の森"の米代川釣行を確認、さらにマップで気になるポイントをひたすらに探した。
また、水位チェックも欠かさず、遠征族では感じ取りずらい状況の変化にも気を配った。
3月下旬に緊急事態宣言が明け、初の米代川釣行がどんどん現実味を増す。
2年振りとなるサクラマス狙いに不足のないようタックルの準備を進めた。
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迎えた4月初旬。
4月2日の仕事終わりから車を走らせること8時間強。
4月3日の夜が明ける前には能代市に着いた。
少し暖かい日が続いたからか、雪代が強く出ていて水位も高い。
はやる気持ちを抑えて準備を開始。
相手はサクラマス。
いくら遠くに来ようとすぐに釣れないのは承知の上。
初めての米代川なので、今回はたくさんのポイントを見て、良い流れを見つけたらルアーを流す。
それをひたすらに続け、初の米代川釣行は終えた。
次はGW。雪代が落ち着いて、サクラマスが広範囲にいる状況で上流域を確認しに行こうと考えながら帰路に着いた。
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その数日後、知人から吉報が。
状況を聞くと、雪代が少し落ち着いて水位が下がっている。
その翌日も釣ったようで、益々状況が上向きに。
次はGWと決めていたが、やはり人の予定と魚の状況は合わないもの。
サクラマスを釣った知人に金曜日の昼に連絡をもらった。
「状況はかなり良い。必ず行ったほうが良い」と。
強く背中を押され、2週連続の秋田入り。
今回は岩手と秋田の県境で吹雪いていたため、片道9時間強のロングドライブ。到着した頃には少し明るくなっていた。
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1番最初に入ったのは流れが右岸から左岸に強く当たるポイント。
等間隔で釣り人がいたので少し間を空けてエントリーする。
近くのアングラーに聞くと明け方に釣果があったようだ。
自分が選んだポイントに魚がいることを確信し、その流れの前後に魚が着くポイントがないかひたすらに歩いて探す。
しかしながら流したいポイントには必ず人がいた。
仕方なく、そこからさらに上流の右岸から左岸に大きくカーブするポイントへ。
そこには人が一切おらず、自分だけ。
ひとまず辺りをゆっくり見て回る。
すると、太い流れの中でも一箇所だけ少し流れの速さが違う場所を発見。
おそらく何か沈んでいるのだろう。
そう予測し、狙う流れの上流側からゆっくりとルアーを流し始めた。
魚が着く場所と食わせたい場所を考えながら一投一投、流し方や流す層を変える。
少しアップクロスに投げ入れたシャロー系ミノーが下流に向かって上手く流れを掴んだ後、すぐに答えが出た。
ドンッと攻撃的なアタリからファイトが始まる。
掛かった瞬間、鱒特有のローリングをしたためサクラマスだと確信した。
瀬のような流れの速さではなく、ゆっくりとした太い流れだったが、下へ下へとサクラマスは抵抗する。
落ち着いて魚を寄せ、いざランディング。
すると上流側にダッシュ。
体の横を猛スピードで通り抜け、危うくバラしそうになる。
サクラマスやサツキマスなどの場合、流れがある場所では下流側からネットインすれば良いが、今回のように流れが緩い立ち位置では寄せてから苦労することがある。
フックの掛かり位置が見えたため、冷静を保ったままランディング。
最高の瞬間だ。
サクラマスの銀鱗が映えるように、と選んだ青のランディングネット。
こうして並べてシャッターを切る瞬間は最高に幸せな気分だ。
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今季はこの釣行の後から、まん延防止等重点措置により自粛ムードが強まり、さらには緊急事態宣言が発令された。
そのため、サクラマス釣行は2回計4日間のみとなった。
本来であれば夏まで米代川に通い、シーズンを通して米代川のサクラマスを追うつもりであったが、それは叶うことなくシーズンを終えた。
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九頭竜川は区間が短いものの、速い流れの瀬の釣りからゆっくり流れる太い流れまで、いろんなシチュエーションが楽しめる素晴らしい河川。
そこでの経験を活かして挑んだ大河、米代川。
米代川も片道8-9時間かけて挑むことに価値のある、素晴らしい河川であることを今回で知った。
また来年も米代川に挑むとともに、新たな河川に挑戦したいと考えている。
すべてはサクラマスと出会うために。
太田川のサツキマス
2018年4月中旬、僕は太田川へ。
”皐月鱒” ー名前の通り、5月になると海から生まれ故郷の川に帰ってくる。
僕は最盛期より少し早い時期から川に浸かった。
広島にあと何年居られるか、このシーズンがサツキマスを狙える最初で最後の年になると悟ったかのように...
2018年のシーズンを迎えるにあたり、1年前から準備してきた。
竿、リール、糸、ルアー...すべてにおいて不足の無いようにしたつもりだ。
実践では昨秋のスズキ狙いで太田川水系には毎日浸かったおかげからか、流れの釣りに対して苦手意識はなく、自分の思う場所、流し方で狙うことができた。
このシーズンにおいては密着取材も入っていて、4月下旬から5月上旬までの2週間は釣り画報の記者さんも同行。
釣った魚の写真を撮ってもらうことは過去にもあったが、釣りするところから同行してカメラに収めてもらうのはなかなかハードルが高い。
しかし、僕は「必ず釣る」と宣言した。
”難攻不落のサツキマス”と謳われているだけあって取材は難航。
釣り仲間が4月下旬に1匹釣り上げたことによって取材は成立したが、僕はまだ釣っていない。
焦る気持ちを落ち着かせ、休みの日は全て朝から晩まで12時間以上、時には14時間以上も竿を振った。
「何も分からない今はアタリがあるまでとにかく釣り場に立たないと先が見えてこない」そう自分に言い聞かせた。
それから幾度かアタリを取れるようになった。
そうして迎えた5月3日。
朝マズメに1度アタリがあり、「今日は何か得られるかもしれない」そう思った。
正午が過ぎ、先ほどよりも上流のポイントへ。
数日前に降った雨の影響を受けて増水していたが昼過ぎには良い水位に。
天気は好天、水温計は朝より2度ほど高い数字を示していた。
狙った場所は太い流れの効いていて、瀬が2-3箇所ほど続くポイント。
釣り下りながら小さな変化を丁寧に探った。
ダウンクロス気味にキャストしたルアーが下流に流れ、ターンした直後。
答えはすぐに出た。
反転してから強烈なダッシュ…
さらにローリングする銀色の個体。
流れに乗って右へ左へ走り回る魚を必死に止める。
僕がファイトを始めた直後に記者さんは川に飛び込んだ。そしてカメラを向けて何度もシャッターを切ってくれた。
興奮度も緊張感も最高潮の中、ランディング。
喜びが爆発し、叫んでしまった。
釣り上げたのはサツキマス42.5cm。
海から遡上したばかりの銀鱗輝く美しい魚体だった。
こんなに熱くなれる魚は今までにいなかった。
川で生まれ、海で育ち、生まれた川に帰ってくる…
そんなサツキマスの虜になってしまった。
また、ここから本流トラウトに夢中になるシーズンが始まった。
この模様は2018年の釣り画報6月号に掲載されました。
過去の記事ではありますが機会がありましたらぜひご覧ください。
街遊びなスズキ
2017年秋、待ちに待ったシーズンが来た。
瀬戸内海に面する広島市。中国地方の中心街に流れる太田川水系。そこでは秋になると大きなスズキが釣れると釣り師の中では有名である。
昔から何気なく耳にしていた広島のスズキ釣り。スズキに対しても、スズキ釣りに関しても熱くなることがあまりなかった自分にとって、関係のない話だと思い、客観視していた。
しかし2017年、広島に拠点を移し、何を釣るかと考えたときに思い浮かんだ。
噂で聞いていた「大きなスズキ(ランカーシーバス)」を釣ろう、と。
*ランカーシーバス:釣り人の見解ではあるが、ここでは80cmを超す大きなスズキを指す。
最初に狙いに行ったのは引っ越したばかりの4月。
広島のスズキ釣りに関して、前も後ろもわからない僕はとりあえず釣り場に足を運んだ。
最初、半月だけ同じ勤務地にいた釣りキチの先輩によると「秋が一番釣れる」と。
その言葉を信じ、「秋には必ず釣るんだ。」...と活き込んだものの、いつからが秋なのかと自分の感覚と自然環境の季節感が掴めないまま10月に突入。
転機が訪れたのは10月中旬。
今まで徐に竿を振ってきた僕は考えた。「とにかく冷静に釣り場を見て回ろう」
今まで何気なく見てきた川、橋脚、街。
魚の着き場をイメージしながらコインパーキングに車を止めては、竿を持たずに見て回る、良ければ一度竿を振る。良くない場合はまた地図を見返し、次のポイントへ。
そんな夜を過ごしながら僕の頭の中はスズキ畑へと変化していった。
ある日、地図を見ながら考えた。ベイト(捕食物:小魚,甲殻類等)は川の上流か下流か。
目星をつけたのは下流。
僕の家から40-50分ほどかかる場所だった。
そこに行くまで別の場所を探しながら向かったので着いたのは結局深夜12時頃。
何気なく結んだブラックバス用のビッグベイト。川の釣りに関しては得意ではなかったが橋のライトに照らされた明暗部にルアーを通すことができた。
その数投目だった。
明暗部にちょうどルアーが差し掛かった時、竿を通して強い衝撃に襲われた。
反射的に体が反応したが、合わせたと同時に途中で糸が切れた。
糸が高切れしたショックで頭が真っ白になる。なぜ切れた...
その直後、
ガバガバッ!! 水面が割れた。
ショックを受けていた僕の目の前で、今までに見たことない大きさのスズキが僕のルアーを咥えたままエラ洗いをして大きくジャンプした。
悔やんでも悔やみきれない僕は釣りたい一心でこう考えた。
「今日だ、今日しかない。」
しかし、今の道具では歯が立たない。
新しい糸を買うお金も持ち合わせていない。とにかく家に帰って道具を変えないと。
焦る気持ちを抑えて、来た道をまた4-50分かけて帰った。
家に着いて一番に探したのは糸。隈なく探したが新しい糸は持ち合わせていない。そこで見つけたのは3年前にカンパチジギングで使っていた使い古しのPE3号。
もうやけくそになって先ほど使っていた糸を全部捨て、使い古しのPE3号を100m巻いた。というか100mしか入らなかった。
次に探したのはルアー。
先ほど使っていたような大きなルアーはそれほど持っていなかったので、家の隅から隅まで探し、目を付けたのはGT用ルアーの入ったルアーボックス。
そこに入っていた大きなミノーを幾つか持ち、また家を出た。
車を飛ばして向かったのは大きな魚を逃したあの場所。
同じ魚とは言わないがまた釣れてくれると信じて...。
釣り場に着いたのは深夜3時過ぎ。この2-3時間ほどでかなり潮位が変わってしまった。
それでもベイトはまだいた。
結んだルアーはGT釣りの時に持って行っていた大きなミノー。糸はPE3号。
再開した一投目。反応はない。
二投目、明暗部ギリギリを通したとき...
ゴゴッ
鈍い当たりを感じた。
スズキだ。
逸る気持ちを抑え、無事にランディング。
デカい、デカすぎる。
今までに見たスズキのなかでは一番大きな魚体。
この魚は85センチを超す自己最大のスズキだ。
ここからは大きなミノーから一般的なスズキ用ルアーに付け替え、70cm超え、60cmと釣れてくれた。
僕にとっての記録級のスズキと出会えたこと。それが誰からか聞いた場所でも、聞いた釣り方でもなく、自分の目で見て、足で稼いで、釣り試して、辿り着いた一匹であること。
陸からの釣りの醍醐味を味わえたことにとても幸せな気持ちになった。
また、街中の川でこんな魚と出会えるだなんて...、街遊びの似合わない僕が最高な街遊びを見つけた。
そして、仕事が終わってから明け方まで釣りした僕はそのまま職場へと向かった。
中国山地のタカラモノ
2017年春、広島県へ。
社会人になりたての僕は知り合いのいない広島での生活で心も体も疲れていた。
そんなときに僕の心を癒してくれたのは一匹の魚だった---
今も昔も頭の中は釣りたい魚だらけ。
そんな僕が広島にきて釣りたかった魚...また、癒しとなった魚...それはイワナの亜種に位置図けられる「ゴギ」だ。
ゴギは中国地方に生息し、頭部に白斑が散在する少し変わったイワナである。
大学生の頃、イワナ属の一種「レイクトラウト」を釣ったことによってイワナへの興味が急速に増していた僕は中国地方に特殊なイワナがいることは把握していた。そして広島に引っ越す前から目を付けていた。
ゴギへのファーストアタックは意外にも早く、5月にやってきた。
関西を拠点に活躍の場を広げてきた広島出身の同年代アングラーが帰省してるとのことで、ひょんなことからゴギを狙いに行くこととなる。
約束の日。仲間と合流し、県北の山奥へと向かった。
車を停めたのは意外にも開けた場所。
「ココなの?」僕は沢の源流にしか生息してないものかと思っていた。
仲間は「ゴギは意外と近くにいるんです。何気ないところから飛び出してきますよ」と。
入渓後、交互に釣り上がる。いかにも居そうな淵からミノーにアタックする姿がなんとも逞しく、貪欲で、可愛らしくも思える。
最初はバラしを連発。なかなか釣り上げれない。
「このあたりが終わりに近いです。」
そう聞いた最後の淵。一つの大きな岩が沈む、入渓区間では一番の水深があるポイント。
そのポイントでの一投目だった。
大きな岩の陰にルアーが差し掛かったとき、軽く竿を煽ってルアーを操る。
その瞬間、
「出たっ!!」
2人して大きな声を出す。
狙いのゴギだ。
流石に良いサイズだと分かった仲間がネットを差し出してくれて無事ネットイン。
尺には届かないものの、なかなかのグッドサイズだった。
釣り上げた後はリリース。元気に帰って行った。
同じ魚好き、釣り好きの仲間と楽しい時間を共有できたことを幸せに感じる。
そしてこれからも釣り仲間とたくさんの楽しい時間を過ごせていけたらいいなと思うばかり…
あと1ヶ月半。
今シーズンの渓流釣りも解禁間近です。
今年もまた中国山地のタカラモノ探しに...
思い出のスズキ
今から2年半前、静岡に住んでいた時のこと。
当時は大学の授業が終わると友人と砂浜で待ち合わせ、ナブラ(小魚が水面に追われて海面が沸き立つ様子)を見つけたらそこを目掛けて走ってルアーを投げる-
今では考えられないほど海と密接した生活をしていた。
5月中旬、ハマチ(イナダ)が浜で釣れていると情報が入った。僕の大学では大学裏の海で釣果が上がるとどこからか話が回ってくる(笑)
同行者は中禅寺湖遠征を共にした友人。風が吹くとウインドサーフィン、風のない日は竿を持つ海バカである。
とある日、大学付近の砂浜には釣り人の姿がチラホラと見られた。
ナブラを確認するも中々釣れない砂浜での釣りにダレていた僕と友人。
この日はナブラが何回も接岸した。浜を走ってはルアーを投げ、また違うところでナブラが沸けば走ってルアーを投げ入れた。
だがいつも通り、魚からのコンタクトはなく、テトラ帯で待機。
その時、友人が波打ち際で僕を呼んだ。
「イワシ打ち上がってるで。近くになにかおるかもしれん」
それまでメタルジグを結んでいた僕は友人に隠れてミノープラグに付け替えた。
外洋向きに位置する砂浜、とても大きなテトラポットの上に立ち、ルアーを投げ入れる。
一投目、10メートル手前でルアーに何か当たった。
続いて二投目、先ほど反応のあったコースから少しズラして流す。
ゴッッ、っと糸を通して竿に伝わる衝撃。
そこから始まるテトラ際での攻防。
走りからして狙いのハマチではないと予想できた。
あまり糸にテンションを掛けると切れると思い、慎重にやり取り。そしてランディング。
苦手な砂浜での釣りで魚と会えた。
相手は川でよく狙っていたスズキ74cm。セイゴクラス(60cm未満)しか釣れなかった僕にとってメモリアルな魚だった。
写真は内股がキモいが許してほしい。
今まで何十匹、何百匹も釣ってきたうちのたった一匹の魚との出会い。
今でも付き合いのある学生時代からの友人との思い出。
魚とやり取りしたのはたった一瞬の出来事だが数年経った今でも思い出せる。こんな思い出の一匹との出会い、そして友人との思い出が今の自分の支えとなっている。
与那国島
2017年1月下旬,半年間滞在した西表島を離れて大学のキャンパスのある静岡県で卒業研究発表前後の1か月を過ごした.
その後2017年3月、再び八重山諸島へ.
与那国島に向かった…
与那国島に行くことが決まったのは今年1月,卒業旅行を計画していたときのこと.
適当に近場で釣りをすることも考えたが,大学生活の釣りのほとんどをビッグゲームに費やした僕は,大学生活中に遠征釣行をしなかったこと友人に遠征釣行の楽しさを知ってもらおうと思い,今回の遠征を組んだ.
GTをメインに遠征を組みたかったのが本音だが,国内で3月にGTはまだ微妙なシーズンかと思い,スピニングマーリンをメインにキャスティング・ジギングを島回りで行った.
新石垣空港に降りたのは大学1年生の時に初めて石垣・西表島遠征をしてからこれで3回目。
屋久島,トカラ,石垣・西表を含め,南西諸島に遠征したのはこれで7回目になる.
石垣で一晩を過ごした翌日,天候は大雨、爆風.この遠征で一番恐れていたフェリーの欠航が決まった.
ここまできて週2便のフェリーよなくにに乗れないことで1週間を無駄にしたく無かった僕らは急遽,新石垣-与那国の飛行機へとプラン変更を決めた.
これから与那国島に遠征・旅行する人には,移動時間短縮のためと欠航の心配の少ないプロペラ機に乗ることをお勧めしたい。
プランの変更はあったが予定通り与那国島に到着.
ここに来ても天候は最悪.そして海況は大荒れ.
日本最西端まで来てテンションの上がる僕らを与那国島は歓迎してくれていないようだった…
移動の疲れもあり,到着初日は宿でゆっくり休んだ.
そして釣行初日.予想以上にうねりが残り,朝に出船中止の連絡が…
居てもたってもいられない3人は近くの港へ.
もちろん釣れない(笑)
しかし与那国島1番の餌釣り師と出会い,磯釣りの有名ポイントを教えてもらったり,泳がせ釣りでカンナギ釣りの世界記録保持者である立釣魂の方とお話し出来たりと充実した1日となった.
そして次の日.実釣1日目.
移動2日,現地で1日を過ごして,4日目にしてようやく出船.
高まる気持ちを抑えてタックルの最終チェックを終えて,久部良港を出た。
まず,港を出てすぐのポイントでGTキャスティング.
自分にしか見えなかったが一瞬銀色の魚体がポッパーの真下で見えた!!
しかしバイトには至らない.
そのタイミングでジグを落としていた友人にヒット!
オフショアではタチウオジギングしか経験のない友人だったが冷静に寄せてキャッチ.
8キロほどのGTだった.
大きくはないGTだが,この魚のかっこよさ,引きの強さを味わってもらえた.友人の笑顔を見て僕も最高の気分だった.
もちろん,抱っこしてしっかりと鯵汁を浴びてもらった.
このままGT狙いでも良かったが,船長にお願いして早々に切り上げて沖のパヤオに向かってもらった.
今回のメインターゲットはカジキ.大好きなGT狙いを早く切り上げてでもこの与那国で釣りたい魚だ.
パヤオに到着してまず狙うのはキメジ(キハダの子供).
ジグを落とせばすぐに食ってくる.
釣ると船長が手際よくフックをセット.
そしてトローリング開始.
待ちに待ったスピニングマーリン.いつ来てもおかしくない状況.ワクワクが止まらなかった.
しかしすぐにヒットするわけもなく,開始から7時間が過ぎた午後3時.
長時間のトローリングで集中力が切れながらもタックルと海を眺めていると,少ししかテンションのかかっていなかったロッドが絞り込まれ,物凄いスピードでスプールからラインが出る.
来たっっ!!
僕と友人が慌てて船長に伝える.
このとき,餌を飲み込ませるためにベールをフリーにしなくてはならなかったが,一瞬遅れてしまい餌だけ取られてしまった.
呆気にとられる僕と友人.
こんなにも急に来て,なにもなかったかのように去っていった謎の魚に悔しい思いと,こんな海で釣りができる喜びが入り混じって複雑な気持ちだった.
この日のマーリン狙いはここで終了.
島回りでジギングを行った.
一流し目,石垣のしま釣り具で買ったメサイア350gにいきなりの強烈バイト.
ファーストランでかなり走られて,やっと止まってポンピングして5mほど寄せたところでセカンドラン.ファーストランより本気の走りをされてリーダーブレイク…
僕の腕にPE4号タックルでは与那国の魚に歯が立たないことを思い知らされた.
その後,友人二人にもヒットするがブレイクの連発だった.
マーリンメインの釣行だったためジグをあまり持って行ってなかったことを後悔しつつもシャクリ続けた.
そしてその日の最後の最後にまたヒット.
そういえばこの日,キメジ以外釣っていなかった僕に船長は「そろそろいい魚みせてよ~」と.
やめてくれ船長,言われなくても分かっているよ,と…
最初のランから見て,ほどほどのカンパチかと思っていたが,上げてビックリ.
19歳の夏以来,久しぶりのGTだった.まさかジギングで釣るとは…
なにはともあれ,大好きなGTを釣り上げて一緒に写真を撮れた.そして元気なままリリースできたことが嬉しかった.
実釣2日目.
この日は昨日より風が強まり,うねりも大きい.
前日同様,GTキャスティングをしてからマーリン狙いにシフトする予定だったが,GTキャスティングを無しにして朝一からマーリンを狙うために沖へ船を走らせてもらった.
最初にGTを釣り上げた友人は船に強いが,もう一人の友人はめっぽう弱い.
移動中は常にこの状態.アネロンは気休め程度のようだ.
この男,パヤオでキメジを狙うときに限ってツムブリばかり釣る.
2日間で余裕の2桁オーバー.もうマーリン狙いに行きたくないかのようにツムブリしか釣らない…(笑)
笑顔はこの時だけ.顔は白い.
ツムブリ男の話はともかく,この日もスピニングマーリンは厳しかった.
朝から8時間以上船を走らせてもらい,夕方4時過ぎになった頃.
バチンッとPEをセットしていたゴムが弾け飛んだ.
この日は昨日と違い,メインラインのPEを船後方のヒモに輪ゴムで仮固定し.ベールを返さなくてもすぐにラインが出ていくようにドラグセッティングを見直しての挑戦だった.
けたたましくなるドラグ.船長も慌てて出てきて操船してくれた.
そしてドラグ値を上げて,綱引きフッキング.ビッグゲーム特有のフッキングを数発かまし,強烈なファイトが始まった.
が,ファイト時間数分.
リーダーブレイク.
船長は,カジキのビル(角)に絡まってたんだね,と.
ブレイクした瞬間,何も考えられなくなった.
釣り人なら1度は夢見るカジキ.ここで初めてのカジキへの挑戦が終わった.
この日の夜,今回の遠征を応援してくれた大学の大先輩に電話をして今回の釣行の報告をした.
僕の尊敬する大先輩は落ち込む僕に,「カジキの引きを味わっただけでもすごいよ!お疲れ様!」と言ってくれた.
気を張って挑んだ遠征でメインターゲットにやられた僕は悔しい思いでいっぱいだったが,大先輩の言葉で救われた気がした.
今回の遠征釣行はここまで.
西表島に滞在していた頃,この遠征の日程が決定した時から釣りアニキと遠征後に飲み会をする約束をしていた.
そして石垣に戻って,釣り談義に花が咲いた最終日!
最高の時間でした!
学生生活最後の遠征が終わって,すぐにこの記事を書き始めたものの,書き上げるまでに時間がかかりました.
社会人になってからも,研究と釣りをやり込んだ西表のこと,トカラ列島・屋久島・石垣島のこと,鹿児島に訪れた際に仲良くしてくれたショアGTアングラーのみなさん,学生時代に関わってくれた先輩方、そして釣り仲間のことを忘れずに生活しています.
GTを追いかけ出してからいろんな人に迷惑をかけ,たくさんの人に助けてもらったので,早く一人前の大人になって皆さんに恩返しをしなければと思いながらも,今の生活では道が反れているのではないかといつも考えてしまします.
大物狙いと一般の生活の両立は難しいのかと悩んでばかりの生活です.
釣り場に行かないと成長しないのは重々承知してはいるものの,GTの住む海域に行けない歯がゆさ,悔しさ,情けなさ.
社会にでたばかりのガキがそんなこと言うなと鼻で笑われるかもいれませんが僕は本気です.
19歳から始めた大物釣り.絶対に辞めません.
2017.6.4 tumblrにて投稿
レイクトラウト part.2
レイクトラウト狙い、中禅寺湖チャレンジ初日の午後、いくつかの候補ポイントを巡るか午前に釣れたポイントに入り直すか。
悩んだ末に僕らは後者を選らんだ。
朝とは打って変わって、道が明るい。そんな中、駐車場のほうへ帰るアングラー数人とすれ違った。もちろん僕らより明らかに年上のアングラーばかりで普段なら背中を丸めて小さくなって挨拶しているところだがその日は違った。なんと言っても”あの”レイクトラウトを釣ったのだから!!(笑)
…とかそんなことは微塵も思っておらず、僕はすれ違うアングラーと仲良くなりたいなと思いながらポイントに向かった。
そんな夕暮れ前、偶然にも朝入ったポイントには誰もいなかった。(おじさんに最後あいさつできなかったな…(Part.1参照))
なんだかんだで15時ごろに釣り再開。朝のポイントで1投。
プロビアを遠投して、着底後の数アクション。。。
”食っちゃった!!笑”
しっかりとアタリを感じてフックアップしたので気持ちいい♪
そして朝とは違い(笑)、すんなりランディング。
1匹目よりサイズダウンしたものの、体色が明るくて鮮やかだった。
何度釣っても飽きない、素晴らしい魚なのかもしれないと感じた。同時に日光の観光資源としてお金を払って釣り場を利用、環境を保護することの意味を知った。
この一匹を釣った後、僕にも友人にもアタリはなく初日はこれで納竿となった。
ここで一つ、話が微妙に脱線するが話したくなったので書き足すことにする。中禅寺湖遠征の良い点として(悪い点はないが)、釣行時間に制限があることが言える。
これは釣り人なら誰しもが陥ることだと思うが、魚を狙うに際して遠征となると一分でも一秒でも長く釣り場に立ち、寝る間を惜しんでキャストしたくなる。これは良いタイミングで竿が振れないことにもなりかねない。(実際、トカラの堤防GTで経験アリ)
しかし中禅寺湖では朝5時から夕方6時まで(日によって時間が違うので要確認)、と時間制限が設けられているため、体を休める時間として、釣り場を休める時間として結果的に釣り人にも魚にも優しい遠征だと思うーー
釣りを終えた後は自分たちのルアーの引き出しを増やすべく、釣具屋へ(魚を釣った後は僕たちがルアーに釣られる番です)。
その後、中禅寺湖へと場所を戻し愛車スイフトの狭い車内で眠りについた。
次の朝、2時に目が覚めた。
目覚めてからすぐに車内でリーダーを組んだ後、ライターでリーダーの余り部分を燃やそうとしたときに火が付かない。何度試すも結果は一緒。ふと思い立って窓を開けると火が付いた。
車内の空気が薄くなっていたのだ…。
標高1200mに位置する中禅寺湖は4月でもかなり寒い。寒いが故に窓を閉め切って寝ていた。 後々調べていると、足を下にしたまま密閉された車内で一晩過ごすだけでも肺塞栓症になった例があるらしい。気を付けないと。。。
早々に準備をして釣り券販売所に並ぶ。
初日に良い思いをした僕ら(主に俺w)は再び初日と同じポイントに向かった。
やはり連日釣り人が入れ替わり立ち代わり入るポイントなだけあって2日目には先客がいた。それでも昨日のうちにそこのポイントの周辺の地形はある程度把握していたのでなんとかなる気がしていた。
しかし一つ不安が。
初日の時点で本命を釣り上げている僕は良いのだが問題は友人だ。友人が釣れるか釣れないかによって、これから栃木から静岡の復路6時間での車内の空気感が決まるのだ!!(笑)
ここで俺がまた釣って、友人が釣れないなんてことになったら高速を使って無心でぶっ飛ばして帰る以外方法が見つからない。
そんな冗談はさておき、開始時刻までの時間をゆっくり過ごしてから初日同様、スロースタートを切った。
開始早々、陽が上り切る前に友人の竿がしなる。
ついに来た!
体色の濃くカッコいい、本命”レイクトラウト”53cm!
やはり何度見ても美しくカッコいい。
この個体は鰭がオレンジ色、少し曲がった上顎でトラウトらしい顔つきだった。
自分が釣った魚ではなかったがたくさんの写真を撮らせてもらった。撮影が終わると元気が戻るまで焦らずじっくりと待った。元気が戻ったところでリリース。
この魚が帰っていくと同時に、短かったが濃い中禅寺湖での釣り遠征を終了とした。
ここで間違い探しのようなものではあるがPart.1のレイクとブラウンを持った写真を見てほしい。
今までFBやTwitterに写真を投稿した際には触れなかったが、初日の午前中はハットを反対に被っていたのだ(爆)
初レイクトラウトとのツーショットがこんなにも恥ずかしいことのなるとは。
寝起きだったことと初めての訪れた中禅寺湖を目の前にして緊張していたと言い訳をしておく…(笑)
2日目朝に心配していたことはすっかり忘れて、次の中禅寺湖遠征はいつにしようかと話しながら帰路についた。
今回の中禅寺湖遠征を行うに際してたくさんの方からアドバイスを頂きました。 本当にありがとうございました!!
来春も行けるといいな。
レイクトラウト part.1
遠い西表島からの投稿。
今でも中禅寺湖のことを考えてはレイクトラウトの記事を読み漁っている。
*記事を書きだしたら止まらなくなり、長くなりすぎたので飛ばし飛ばし読んでください…(笑)
今年4月、ツイッターを見ていると なにやらどデカいトラウトを膝に抱えている写真を発見。
発見してすぐ、去年から一緒にライギョ釣りをしている友人に見せたところ"パイクみたい!"と一言。
すかさず僕は"コレ(レイクトラウト)釣りに行かない?"と冗談交じりに言った。すると友人は"行こう!"と即答。
この会話をした1週間後には日光・中禅寺湖の湖畔に立つことになるとは…。
まだ男体山付近に雪の残る4月中旬。栃木県といえば日光東照宮くらいしか知らない僕ら2人は釣行予定日の前日昼から車を走らせて関東の釣具屋を巡った後、栃木県に向かった。
貧乏大学生の僕たちは高速代を節約するために静岡から下道で向かった。かなり時間はかかったもの憧れの魚(1週間程度の薄っぺらく思えるものですが…)を釣りに行くまでのこの時間は釣り師にとってテンションの上がる時間。(高校生が初めてのデートで待ち合わせ場所まで電車で向かってる時間と似たようなものw)
イニシャルD?湾岸ミッドナイト?で見たことある気がする、鬼カーブが連続している"いろは坂"を越えて見えてきたのはまだ夜で暗い中、月明かりで照らされた中禅寺湖だった。
ついに来てしまった。
大学生のノリというか、釣り師のフットワークの軽さというか、なんとも言えない暇な学生の突発的な行動で日本にここにしかいない魚"レイクトラウト"を求めて聖地まで来てしまった…。
そして極寒の中禅寺湖で朝3時に並ばず買えた釣り券をぶら下げて、前もって友人と作戦を練っていたポイントへ急いだ。
ポイントに向かう途中、僕たちの前を歩く1人のおじさんと出会った。その方は熊除けの鈴をつけていた。(熊よりも僕たちのほうがその鈴にビビっていた)
どうやら僕たちと同じポイントに向かっているようだ。そのおじさんに軽く挨拶をしたとき今の中禅寺湖の状況を教えてくれたが、僕たちをよく思ってないような反応だった。
そんなこんなで目的地に到着したときに次はそのおじさんから話かけてきてくれた。
さっきの会話とは一転、僕たちが中禅寺湖のことを何も知らないことを悟ったのか、僕らの持ってきているルアーを聞いてからポイントのことやどのようにして攻めればいいのかなど こんなペーペー大学生に教えてくれたのだ…(おじさん疑ってごめん!)
そして一級ポイントを譲ってくれた。(おじさんありがとう!!!)
そこから釣り開始までに腹ごしらえをして備える。
そして時間になり、釣り人たちが一斉にキャスト!…することもなく夜明けを待つかのように、魚が動き出すのを待っているかのように、中禅寺湖の釣り師たちはスロースタートなのだ。
開始時間から30分ほど経ってからキャストを開始。
だんだん陽が上がるにつれて明るくなる。水面に映る男体山が綺麗だ。
だだっ広い湖にスプーンをキャストするのは何とも気持ちいい。なにもわからないまま始まった釣りだが開始早々僕はブラウントラウト、友人はヒメマスをキャッチ。本命ではないがなんとか一匹釣れたことにより緊張が解れてお互い頬が緩む。
もしかするといい日に当たったのでは?と密かに妄想を膨らましていると数メートル先のかけ上がり付近でゴミが掛かったかのように重くなり、ロッドがしなる。
前もって調べているときに見ていたいろんな方のレイクトラウトの記事に書いてあったこの感覚、まさにその通りだった。
実際のところ、重みがロッドに乗ってから近くに寄せるまで必死だったというかテンパっていた。こんなにも早く釣れてしまっていいのかと。
しかしテンパっていたのは僕だけではなかった。友人は僕が魚を掛けたと分かった途端、ランディングネットを持って走ってきてくれていた。
そこまでは良かったのだが、友人も僕と同じく初めて見るレイクトラウトに興奮していたため早く取り込みたかったのか、駆け上がりを越えてすぐそこにいるレイクトラウト目掛けてズカズカと水中に入りだしたのだ…(笑)
“つっちゃん(友人)!!気が早いッッ!!(笑)”
咄嗟に言葉を放ったこの直後に僕は冷静になり、なんとか無事ランディング出来た。
キャッチしたのは正真正銘”レイクトラウト”60cmだった。
初めての中禅寺湖で初めてのレイクトラウトを目にした僕の手は震えていた。
”こんなにも綺麗でかっこいい魚がいたんだ”と。
この直後、友人が50cmのブラウンを釣り上げて午前の釣りは終了した。
午前だけでこの釣果でこの後の釣れるのか面白いのかどうかも分からない記事を読んでいただけるか不安ですが続いてPart.2を見ていただけると幸いです。
2016.11.24 tumblrにて投稿