ファミリーヒストリー 〜祖父が抱くのはまさかの〇〇〜
うちのおじいちゃんは現在91歳で、大病をしている割にけっこう元気。頭もしっかりしてる。
数年前からうちの実家で母が面倒を見ている。
ただ、ちょっとしたことでいつどうなるかもわからないし、話をするなら今のうちと思って、戦争の時のことを思い切って聞いてみた。
(1年前のお正月の話なんだけど)
海軍にいたという情報しか知らなかったので。
もしかしたらすごい戦艦に乗ってたかもしれないし…!
聞いてみたところ、いつもそばに持っている手帳から軍歴証明書をすっと出して見せてきた。
(私が手続きして証明書発行しようかなと思ってたのに…笑)
昭和19年5月に志願兵として入団。
当時16歳。
兄弟も多かったので志願したのだろうな。
舞鶴にいて、戦に出ることなく20年8月に終戦を迎えたらしい。
無事でよかった。
ただ、「この世界の片隅に」の呉のように、舞鶴も軍事基地として空襲がなかったのか聞いたところ、特になかったと言っていた。
※しかし、後で事実を調べたところ、終戦間際の7/29、30に舞鶴で空襲は起こり、死者や損害も大きい。当時不在だったか、思い出したくない記憶だったのかもしれない。
舞鶴軍港空襲
何年か前の正月に、家族で箱根駅伝を見ていて、ヘリカメラで江ノ島が映された時、急におじいちゃんが
「ここ行ったことあるわ」
と言い出した。
いつ?と問うと戦争中に行ったことのこと。
舞鶴だけでなく、横須賀の基地にも行ったことがあるらしい。
母からエライ人の荷物持ちをやっていたとの証言もあり、戦時中は各地へついて行っていたらしい。そのため、戦時中にしてはいいものを食べさせて貰っていて、比較的ふっくらしていたとのこと(笑)
おじいちゃん、私が上京するときに「関東なんて行ったことない」なんて言ってたのに嘘だったのか…!!!
終戦後、21年2月に臨時招集され復員局に所属し、引き揚げ船の乗組員として働くことに。
あのおじいちゃんが船で航海していたのかと思うと驚きだし、どんな心境で海を渡り復員兵を迎えたのだろうか…
迎えに行った先の国には降りることができないルールで、特に思い出はないようだった。
復員局解散後の22年6月以降は、下関などで魚雷の掃海作業をしていて、当時の写真を見せてくれた。
真ん中がうちのおじいちゃん。
船上らしきところで、仲間と3人で写っている。
小柄で童顔なのはこの頃から変わらない(笑)
どこで撮ったか聞いたら、呉ではないかとのこと。背景の山の形を見て、どの場所で撮影したのか特定できるといいな。
(呉に詳しい方教えてください)
で、この写真をよくみると、おじいちゃんが何かを持っている。
「何持ってんの?」
「これ、猿や!」
えっ…猿?wwwwwwwww
なぜ、なぜ猿なんだ?
猿を船上で、、、飼ってた??
ニホンザル?それとも南の島でもらってきたのか???
病気とか大丈夫なん???
えっ?えっ???
一番驚いた。
その後、猿がどうなったのか聞かなかったが、おじいちゃんはこの写真に写っているひとりから誘いを受けて、逓信局へ。
掃海は1年ほどやっていたらしい。
それでもまだギリギリ10代。
その後、婿入りし、勤めていた電電公社は民営化時(私が生まれた頃)に退職。
おばあちゃんが営んでいた個人商店を手伝う。
以上。
激動とは言わないが、なかなか濃密な10代後半を送っている。
おじいちゃんは孫の私から見ても、人懐っこい感じでいろんな人に親しくされる、いわゆる愛されキャラ。
そんな人柄と周りの人たちのおかげで、戦中戦後を無事に送ってこれたのかなと思う。
詳しく聞けたわけではないけど、ファミリーヒストリーを知ることができてよかった。
おじいちゃん孝行になればよいのだけど。
怪奇大作戦「京都買います」
仲間たちとの新年会的な飲み会で遅くなってしまい、昨日は更新できなかった。
いかんいかん。
今日のニュースで、特撮作品の脚本を書いていた上原正三さんが亡くなったと記事になっていた。
ウルトラQなど、昔の特撮作品は大人も考えさせられるような内容のものが多かったとのことで、ぜひ見てみたいと思っているのだが、なかなか機会もなく。
記事を読んでいて、「怪奇大作戦」の脚本も書かれていたとのことで、以前に見た「怪奇大作戦」の「京都買います」という回が無性に気になって、今日ネットで久々に見ていた。
(数年前にBSでリメイク作品を放送していて、その際にオリジナル版を数本見て以来)
改めて見て、すんごい作品だなと。
仏像を愛する女性が登場するのだが、狂気と哀愁を纏っている。変わっていく古都・京都の姿を悲しみ、若者たちから京都を「買おう」とする。
詳しいストーリーは、ぜひ動画でご覧いただきたい。(24分)
動画を見てられない人へ、ざっくりあらすじはこちら。
最近読んだ本(建築の本と白洲正子のエッセイ)で、京都タワーの景観について、作られた当時は批判的な意見が多かったと読んだ。
私にとっては生まれた時からあるものを疑う余地もなく、そんなもんだと思っているので、タワーへの批判は正直ピンときていない。
ただ、「京都買います」を改めて見て、古くからある文化や景観の急激な変化を受け入れられない人が、その当時いたのだと実感した。
ストーリーでは国宝の仏像が姿を消す…というSFエピソードに「ええーっ!?」と思ってしまうが、「京都なんて売っても構わない」という署名を集めたというのは現実味がある。
この作品は最高傑作と評されており、古い作品とはいえ、今でも古びず見ていられる。
実相寺昭雄監督作品で、登場人物の哀しみ、複雑な心情がしっかりと伝わってくる。
それにしても、
牧…すごくいい男。好き。
また、かなりたくさんの京都の寺でロケしていて、どの寺か考えながら見てみるのも楽しい。
是非。