焚き火 diary

火と向かい合う。自分が見えてくる。

初!インフルエンザ

この数十年、冬場の寒い時期でも風邪をひかず、小中高と皆勤賞という元気なことだけが取り柄だったこの私が、とうとうデビューしてしまいました。

 

『インフルエンザ』

 

生まれて初めての感染です。(たぶん)

昨日はなんと、父の一周忌の命日で、何となく朝から神妙な気持ちでいたのですが、それ以上に変な寒気がするなーと思っていました。 まさか、ちょうど1年だし、父が戻って来た??なんて能天気な想像をしていたのですが、普通に出勤するつもりで着替えもし、朝食も食べ、普段より少し厚着して出れば寒くないかなーと思って、それでも一応熱だけは測っとくかと体温計を脇に突っ込んだら・・・即、39.5度の表示が!! 体温計上ではこれまでに見たこともない数字だったので、一瞬フリーズしてしまいました。

 

これは仕事どころではないと、そのまま病院に向かい、案の定『インフルエンザA型』の診断書をいただいて帰って来た次第です。

 

病院横の製剤薬局で、吸入型のインフルエンザ薬を購入と同時に即服用させられ(薬局で薬を服用させられたことがなかったので、最初ビックリしました。 それだけインフルエンザは感染力が高いということなんでしょうね。)、とにかくしっかり休息するようにという指示と、特に発症からの3日間は「人に会わない&出かけないように」と再三注意を受けて帰ってきました。(5日間の出勤停止の話をされた時、不覚にも!少しうれしそうな様子を見せてしまったからかもしれません。)

 

人それぞれに発症後の様子は違うとは聞いていましたが、私の場合は高熱(悪寒)と咳がメインで、その熱も帰宅後少し眠ってから測ってみたら平熱までおさまっていたので、あまり苦しい思いをしなかったのが幸いでした。 それでも、咳だけがどうにも収まらず、まだ続いている状況です。 たぶんですが、発症直後に病院に行くことができたのと、まだ体力があるので重症化しなかったのが良かったのだと思います。

 

実は最初、インフルエンザの診断を受けた時、正直ほっとしました。 『父に移さなくてよかった』と。 今、父が生きていたら、抵抗力の弱まっている体ではすぐ感染してしまったと思います。 そうしたら、きっと命に関わっていたことでしょう。 そんな父を見なくて済んだことに、なぜかものすごくほっとしたのです。

 

一人になって、やっと自由に病気になれる。

こんなことを思っては、やはり罰当たりでしょうか。

 

父が亡くなって、昨日でちょうど1年。 

やはり昨日、父は戻ってきていたのだろうと思います。 そして、父から『これからは自分のことを優先して、体をちゃんといたわって生きていきなさい』と言われたような気がしています。

 

 

青木ヶ原

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最近は仕事の休みの日は、もっぱら蝶の標本整理か、お世話になっている先生の研究のお手伝いで富士山麓に通っています。先日は、昆虫の生態調査で青木ヶ原樹海に行ってきました。

 

どうもこれまで、私の中でイメージがあまり良くなかった青木ヶ原

昔のテレビで、「自殺の名所」という紹介のされ方をすることが多かったからかもしれません。 

鬱蒼とした木々。 方位磁石を狂わせる溶岩地帯。 一度入ったら二度と帰ってこられない森・・・。 これまでのイメージはこんな感じですかね。

 

でも本当の姿は、全然違っていました。

一言で言ってしまえば、長居したくなるくらい、心の落ち着くいい森。でした。

(あ~だから、ここで命を終わらせようとする人がいるのかもしれないなあ。。。)

 

私の住む八ヶ岳周辺の森とは全然雰囲気が違います。 うまく言えませんが、もっと混沌とした感じ。 でも、観光で入れるエリアにはきちんと道も整備されているし、道さえ逸れなければちゃんと生きて戻ってこれます。(当たり前だけど) ただし、写真を見ても分かるように、360度同じような景色がどこまでも続くので、少し気を抜くと自分がどこに向かっているのか分からなくなる、というのも納得できました。 もしかしたら昔、この森に入って帰ってこられなかったというのは、この森の独特の景観が原因の一つなのかもしれません。

 

そして、方位磁石を狂わせるというのも嘘ではないようです。 ただそれは、磁石を岩の上に置いた場合だけ。 胸元の高さで見るぶんには問題ないとのことですが、やはり無防備にどんどん奥まで進んでいけるような森ではないようですね。

 

2時間ほどあれこれ調査して森を抜けたら、雪を抱いた富士山が待っていました。(残念。写真撮ってくるの忘れたー)

 

まだまだ私にとって未知の場所。 青木ヶ原のほんの端っこに入っただけで圧倒されて帰ってきました。 富士山エリア、懐の深さが半端ないです。 すごいわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

蝶がつなげてくれたもの

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父のコレクション。 蝶の標本。

数にして標本箱数10箱! 膨大な量です。 

 

今回、ご縁があって、環境省の研究機関がその標本をすべて引き取ってくれることになり、その事前準備で一個体ずつのデータを集めることになりました。 

種の同定。 性別。 採集地。 採集年月日。 採集者。

一個体ずつ、すべてデータ化して、標本と一緒に研究機関に提出するのです。

昆虫については全くの素人の私には『無謀』の一言ですが、なんとありがたいことに、父と私の共通の知人であるW先生が、一緒に同定&データ化のお手伝いをしていただけることになりました。

 

W先生は元高校の生物の先生で、これまでに研究所の所長や鱗翅学会の理事などをされている方。 海外の専門誌に論文を投稿されるような超偉い先生ですが、すごく気さくな先生で、時におやじギャグを混ぜながら、素人の私にも分かるように、名前の由来や食草の分布地、種ごとの性別の見分け方など、専門的な話をたくさんしてくださいました。

 

朝9時から夕方5時前まで。 

一日みっちり、二人して我が家に缶詰になって、とりあえず標本箱6箱、約300個体の同定が終了しました。 

 

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(『ギフチョウ』だけでこんなに! 同じ種でも、雄雌の他に採集地や栄養状態でかなりの個体差があることを知りました。)

 

蝶の標本に囲まれての一日。 ルーペ片手に蝶をじっくり観察するなんて、何十年ぶりのことでしょう。 ああ。 なんかいいなあ。 ひたすら蝶を観察して終わる休日。

 

父が残した標本も、面倒だと捨ててしまえばそれで終わりだったご縁でしたが、今回こうして繋がったことが、何よりとてもうれしいのです。

 

まだまだ先が長いプロジェクト。 あと何回か先生には我が家に通っていただき、データを最終整理して、来年の春ごろには完成&データを提出する予定です。 

いやあ。。。どうなることやら。 

でも、絶対楽しい。 楽しい予感しかしません!

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう

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北海道に住む大学時代の友人から、今日うれしい荷物が届きました。

私からの喪中のはがきを受け取った彼女が、私を心配し気遣ってくれるお手紙を添えて送ってくれたもの。 彼女のお気に入りの食材やスパイスの数々。 そして私の大好物の六花亭のお菓子も入っていました。 彼女の、気取らない、でも優しい心遣いがうれしくてありがたくて、涙が出ました。

 

今から、私もお気に入りの便箋でお礼状を書こうと思います。

メールだけのお礼は、彼女に対して失礼な気がするのです。

 

 

 

 

 

 

 

尊い日常

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今朝目が覚めて、寝室から外を眺めたらこんな景色が広がっていました。

雪の後の澄み切った空気の向こうに、朝日と富士山。

 

あ~幸せだな~と思いました。

我が家のある集落は山の上だし、まわりには何にもない田舎ですが、こういう景色をごくごく日常として見られるというのは、本当に本当に、尊いことだと思うのです。

 

 

最初の冬の日

朝起きて、この景色!

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手前のベランダの手すりにはすでに10センチ以上積もっていました。 昨夜12時ごろ寝る前に外を見た時には全く降っていなかったから、深夜から明け方にかけて降り続いたのでしょう。

 

昨日までわずかばかり残っていた紅葉の葉の色も、一晩の雪ですっかり姿を消してしまいました。 昨日までの秋の気配は一瞬で消え失せ、ただただ冬の雪のにおいだけがします。

 

今日は本当は出勤日だったのですが、雪の影響で会社が臨時休業となり、私も急きょ仕事がお休みになりました。 ストーブの上でお湯の入ったやかんの蓋がカタカタ小さく鳴る音を聴きながら、父の遺した書籍や昆虫標本の整理をして一日が終わりそうです。 

 

夕方になって、少し、足元が冷えてきました。 こういう時は体を芯から温めるオリジナルチャイティーが私の定番。 メインのスパイスに加えて、しょうがのスライスと、黒コショウを多めに加えます。 コショウは都度、乳鉢ですりつぶして使います。 今日はピリッとしたコショウの刺激を感じたいので、しっかりと細かくなるまですりつぶしました。 気分によって、加えるスパイスを変えるのが私流。 足したり引いたり実験みたいで、しかも意外なおいしさを見つけられるのが好き。 

 

雪が降っても降らなくても、このお茶を毎日飲むようになったら、私の冬の始まりです。 

今年はこんなに早く、冬が来ました。 

その分、春も早めに来てくれるといいなあ。