TARO BLOG

住宅設備のインターネット販売を行う、サンワカンパニー代表取締役社長山根太郎のブログです。山根自身の取組みや日々感じていることを発信していきます。

上期決算発表について

先日、2022年9月期の上期決算ならびに通期の業績予想を上方修正した旨、開示しました。
コロナ禍においても計画を上回る成長が出来たことに、お客様、取引先の皆様、株主の皆様、そして社内のスタッフへ感謝申し上げたいと思います。

 

ですが、我々はまだ何も成し遂げていません。
せっかく上場させてもらっているのだから、これから成長加速期の3年間で更なる利益成長を市場に示した上で大きな金額を調達し、次の投資を行い飛躍すべきだと思っています。それが上場している意味だとすら感じています。

 

そして、今回決算発表と同時に当社始まって以来のM&Aを発表しました。すでに契約も実行済みで現在経営統合作業中ですが、こちらに関してもグループ企業の一員となった「ベストブライト社」の収益力を活かしつつ、当社のECサイトで施工まで単一価格で注文できるようにインフラを整える上では非常に重要な案件です。決してハウスメーカーになるためではなく、EC企業として突き抜けるための投資です。先日、福岡にて経営陣交代の挨拶の場を持ったのですが、ある事情で止むを得ず会社を手放すことになった創業社長の涙で言葉にならない挨拶を聞き、彼らの思いも背負ってグループで経営していかなければならないことに大きく責任を感じました。

 

また、5月30日には3Dプリンター住宅の実現に向け、「セレンディクス社」との業務提携を発表しました。せっかくオーナーシップを持って長期ビジョンで経営をするからには、世の中の価値観や概念が大きく変わるようなビジネスを志すべきだと考えています。こちらは少し足が長い話にはなってしまいますが、直近の利益計画を狂わせることが無い範囲で未来への投資やチャレンジも着実に行っていきたいと思っています。

 

最後に、業績は好調ですが、全く満足も慢心もありません。それは単に会社の業績を上げるだけでなく、経営理念とビジョンを実現しなければ何の意味もないからです。住宅や建築業界をユーザー本位に替える、そして持続可能社会を実現する業界に変える。道半ばどころかようやく山の麓に到着したところです。皆さん引き続き応援よろしくお願い致します。

 

くらしを楽しく、美しく。

20代のうちにやっていて良かったこと


「20代のうちにやっておけば良かったこと」について教えて欲しい、と広報からリクエストがありましたが、あまり後悔していることも無く、別にほとんどのことは今からでも出来ると思っているので、「20代のうちにやっていて良かったこと」について話をしたいと思います。

 

まず、最もやっていて良かった経験は、テニスの遠征で延べ20か国、そしてイタリアに2年、上海に2年と海外の多くの国を訪れ、また現地で生活をしたことです。

 

大学の授業に行こうと駅に着いたら、いきなりストライキで電車が動かなくなったり、電車で寝ていたら荷物を全部持ち逃げされたり…。

いかに日本の当たり前が特別で素晴らしいか、改めて感じたことを覚えています。

 

また、当時としては嫌な出来事・辛い経験ではあったものの、今となって大きな糧になっているのは、自分がマイノリティの立場になったことがあるということです。

 

とある国に遠征をした時のこと、大会の公式ホテルを予約していたにも関わらず、なぜか外国人選手だけオーバーブッキングで部屋が無いと言われ、見ず知らずのロシア人と1ツ星・2ツ星どころか星なしホテルに相部屋で宿泊しました。

その部屋のシャワー室はなぜか排水口が無くて、寝室が水浸しになったのは衝撃でした。

 

またイタリア南部を訪れた際には、私がアジア人ということで、中国人を揶揄するような言葉を叫ばれ、石を投げられるということがありました。

 

日本人として生まれて日本で生活する分には感じることはほとんどありませんが、自分がマイノリティの側になり、自分の力ではどうすることもできない「人種」を理由に差別をされるという経験を通して、その理不尽さ・やり切れなさを強く感じました。

もちろん、当然そのような人ばかりではなく、本当に親切にしてくれた人も沢山いました。

 

だからこそ経営者として組織を作る際に、全ての人を尊重できる組織にしたいと思っています。

昨今、女性の幹部比率や、性的マイノリティ、外国籍の方の登用などが議論されていますが、そもそも国籍や性別による違いよりも、我々個人の個体差の方が遥かに大きい。

要は、誰であろうが相手を尊重するということが一番大切なのではないかと思います。

 

くらしを楽しく、美しく。

社長就任当時と今

2022年もあっという間に2か月が終わってしまいました。

そして、今年の6月で私も代表に就任して8年となります。

特に何かキッカケがあった訳でも無いのですが、会社規模も大きくなり、新しい社員も増えてきたので、少しこれまでの8年を振り返ってみようと思います。

 

就任当時は30歳で、東証マザーズの最年少社長でした。総合商社の一般社員からいきなり上場企業の社長になったので、とにかく右も左も分からないという状態でガムシャラでした。8年経った今の方が知識やスキル、経験があるのは勿論ですが、若くて何も知らなかったから思い切って出来たことも沢山あると思っています。また、本当に多くの起業家やアトツギの先輩に助けていただいて今日があります。(それもあって、頼まれたメンターや顧問等は基本的に断らないようにしています。恩送りです。)

 

社長就任当初は、朝早く出社し、フロアを回って全員に挨拶して、全ての会議に出席して、指示を出して、ランチも全ての部署とメンバー日替わりで行って、残業して、同じく残業していたメンバーと夕食を食べて、歓送迎会には必ず出席するという日々でした。

 

最近入社してくれたスタッフからすると信じられないかも知れませんね。

 

今や、会社に来るのは週に1度か2度で、それも要件が済めばすぐに退社してどこかへ行ってしまう。廊下やエレベーターで一緒になっても、挨拶と他愛もない世間話の他、一切仕事の話はしない。

 

それは、どうすればステークホルダー全員と質的・量的に均等にコミュニケーションが取れるかという事を考えた結果です。基本的には直接コミュニケーションは取らず、発信はブログやSNS、社内報などを通じて社内外均等に行うと決めています。

 

また昨年から社内評価制度も大きく変更し、定期昇給の廃止、総合職賞与は支給月の振れ幅を従来から大幅に変更し、下限と上限の差が相当月数出る形になっています。努力しようがしまいが評価がほとんど変わらないのであれば人間は易きに流れるのが自然です。この30年間日本の生産性が上がらなかったのは終身雇用・年功序列が原因であることは明白で、過去の貢献ではなく、今必死に未来を創ろうとしている人が評価されるべきだと考えています。

 

ただ最後に一つ強調しておきたいのは、就任以来、マネジメントスタイルこそ変わったものの、スタッフに対する想いや、サンワカンパニーで為すべきことに対する情熱が揺らいだことは一度もありません。会社に毎日来なくても困らない組織が作れていますし、社内に居ては出来ない視座の高い業務のため飛び回っています。

 

その証拠に、構造改革期を抜けて成長加速期の初年度となる今年、これまでの一旦の成果がステークホルダーの皆さんにお見せできると思います。

 

勿論それでもまだ我々は何も成し遂げていません。まずは日本、そして世界の人々のくらしで最も必要とされる企業集団になるべく、今後も法人・個人共に成長し続けたいと思います。

 

くらしを楽しく、美しく。