千早回について(観る前に読むの禁止)

涙もろい素直な自分が感動した一方、もう片方がぐちぐち言ってたのでちょっとdis混じりメモ。
感動に水をさされたくない人は読まないこと。



*マスコミの報道描写への疑問
スキャンダルになるとしたら千早が弟見捨てたうんぬんではなく家庭の不和とか離婚とかそっちの方面に焦点が当たるはず。
なぜなら当時子供だった彼女をそういう方向で叩いても世間の共感は得られないだろうから。

*千早の母親への疑問
なぜあのタイミングで何を意図して春香にスケッチブックを渡すよう頼んだのか。
クライマックスから逆算すると妥当に見えても時系列に沿って考えると今ひとつ腑に落ちない。


例えば千早の罪悪感というのは自分のせいで弟を失い、家族の不和まで招いてしまったということであり、それを彼女は弟のために歌うことによって罪滅ぼしをしようとしている。
家庭の不和というのは息子を失ったことを巡って父母の間で確執が生まれたことだろうし、その様は千早にとっては自分を責め立てるような気持ちにさせられるような光景だったはず。
千早がマスコミの報道で歌えなくなったのはつまり家を出ることで遠ざけてきたそういった光景が再び襲いかかったせいだろう。


また千早が弟のために歌い続けることを自らに課すまでにもプロセスがあって、恐らく彼女は弟を失った後、どこかでそれを見つけ出したのだと思う。
人前で歌い、彼らを魅了することが今は亡き弟の意志を継ぐことであり、同時に自らを赦す唯一の手段である。
それを見出してから彼女はこれまでずっと歌い続けてきた、といったところだろう。


私がなぜ千早回に感動をしつつ同時に違和感をも感じてしまったのか。
その理由は「スタッフさん、『亡くなった弟が姉になにを望んでいたかというのを千早が思い出す』というクライマックスから逆算してストーリー作ったせいで必要なものまで削っちゃってませんか?」ってことだと思う。
特に母親の描写が足りないことは私にとってカタルシスを削ぐ大きな理由になってるような気がする。
せめて千早が母親と何を巡って言い争っていたのかもうちょっと描かれていれば、と思わずにはいられない。
また春香との関係についてもそれは言えるような気もするのだけど、この辺は一番客観的に見づらい部分なので今は割愛。今後の課題で。



いや、割愛したらいけない部分なんだけど「はるちは」って思い入れ強すぎて語りづらいのなんのって。