師走に置いてかれる

小説だったり映画だったり主に作品の感想が多めだと思います

『グランド・セフト・オート:トリロジー』面白かったランキング

グランド・セフト・オート:トリロジー』および『GTAシリーズ』のネタバレに注意

 

 

 

 

 

2021年11月12日に、ロックスター・ゲームスより発売された本作。2000年代に発売された『3』、『バイスシティ』、『サンアンドレアス』をリマスターした決定版。

筆者はバイスシティ→3→サンアンドレアスの順にクリアした。『GTA5』のみプレイ済み。

 

 

1. サンアンドレアス

順番として一番最後にプレイした本作。前2作をやる中で、操作性やシステム面で苦しいと感じる部分が多かったのだが、操作性はともかく、システム面ではおそらくこのサンアンドレアスで、5にまで続く箱庭の中での遊びが確立されたという気がする。

前2作では、あまりストーリーを進める以外の遊びが少なかったのだが、本作は筋力や体脂肪などのシステム的に基礎的な要素が追加され、序盤からやれることが多く、RPGに近いような遊びが楽しかった。

ストーリーは若干長いという気がしないでもないのだが、これもやはり遊びの要素が増えたことで結果的には楽しくプレイできたと思う。前2作とは比べ物にならないほど広がったマップを駆使した、横断的な物語は冒険に近かったと感じる。

評判通りの傑作だというのは間違いないが、ゼロのミッションであるラジコンの操作性は、正直にゲームとして破綻してるレベルで不快なものだったのが残念ではある。しかしこれはクリアに必須のものではないので、スルーすることも可能。

 

2. バイスシティ

クリアした順番としては一番最初なのだが、実は最初は発売順に3をクリアしてから次に行こうと思っていた。詳しくは後述するが、3の古典性にビックリしてしまい、まずバイスシティからやろうということになった。

操作性やシステムの面で特に3と変わった部分はなかったと思うが、マイアミをモデルにした舞台の雰囲気が3とは正反対な陽気なものだったので、より軽い気持ちで進められた気がする。

ゲームとして特に特筆すべきところはないのだが、トリロジーの中だとストーリーが一番好きではある。どうやら元ネタとして映画の『スカーフェイス』があるらしく、これは事前に観ておいたほうがほうが楽しめたのかもしれない。

ちなみに前述したラジコンのミッション以上に鬼畜だと思った『Cop Land』というミッションがあり、これを機にチートを解禁した。ラジコンの様に操作性が悪いというものではなく、単純に難易度が鬼畜だったと思う。

 

3. 3

トリロジーの中で一番最初に出た作品であり、GTAが3Dゲームになったという原典的な作品なのだが、それがゆえになかなか全体的に厳しかったという気持ちが強い。

前述したように、順番通り本作からプレイし始めたのだが、まずとても酔いやすいというのが一番しんどい部分ではあった。これについての原因は分からないのだが、バイスシティサンアンドレアスでは、長期の銃撃戦やラジコン以外ではおこらならなかったので、やはり何かしら未発達の部分があったのだろう。

またミッションもやはりレベルデザインが良くはなく、あまり良くない操作性と相まってかなり難しいゲームという感じがある。これは3だけでなくバイスシティにも共通のことだが、ミッションを失敗した場合、一番最初からやり直さなければいけないシステムがより苦しくしている。

 

総括

2024年現在において、とくに最新作である『5』をプレイ済みの場合は、システムの面で不便だと感じるところが多いのは間違いないだろう。

しかしながら、どの作品もGTAとしての楽しさや面白さというものは、粗がありながらも確かに存在していると感じる。特にストーリーやミッションの内容に関しては、この頃からとても愉快で格好良いものとして完成している。

最新作である『GTA6』が2025年に発売されるということだが、それまでに少なくとも『GTA4』はプレイしておきたい。

 

小市民の日々『冬季限定ボンボンショコラ事件』

『冬季限定ボンボンショコラ事件』および『小市民シリーズ』のネタバレに注意

 

 

 

 

 

米澤穂信による小市民シリーズ第6冊目であり、長編四部作の掉尾として2024年に刊行された本作。同シリーズとして2020年に巴里マカロンの謎が刊行されたが、これは短編集であったため、長編としては2009年刊行の秋季限定栗きんとん事件から15年越しの完結編となる。

 

 

栗きんとん事件までの着地点

そもそもとして、栗きんとん事件を通して二人はある程度の答えを見つけているのでは。それは妥協案といえるようなものであったかもしれないが、小鳩くんも小佐内さんも、今の時点では、お互いがお互いに必要であり、それが結局のところ、小市民を目指すうえでの最善だとしていたはずだ。

小市民を目指す者たちという命題に対して、栗きんとん事件を経てたどり着いた境地はある程度の強度を持っており、シリーズとしてここで終わったとしても、明かされていない事実は残っているが、それでもあまり問題がなかったのではないか。

それでも完結編であろう冬季を出すのであれば、勝手な想像ではあったが、私は二人が結局のところ小市民であり、それとは形容できない、およそ特別な者ではないということを、絶対的に突きつける話になると思っていた。

 

罪の整理

小鳩くんと小佐内さんの、小市民を目指すきっかけになったという過去。小鳩くんによればそれは罪であり、明確に古傷でもあるという。これは巴里マカロンまでの時点で、シリーズファンであれば誰でも承知している部分であっただろう。

春季限定いちごタルト事件が刊行されてから20年、ついに明かされたその過去は、本人が言うように間違いなく失敗という以外にない。彼の知恵働きは明確に日坂祥太郎を傷つけ、その知恵働きも、堤防の密室から逃げた点で万能ではなくなった。

加えてそれが及ぼしたかもしれない影響に、3年後の小鳩常悟朗は晒されることになる。最悪の結果にはならなかったかもしれないが、それでも、小鳩くんは自分が及ぼしたことに対して、自覚的にならざるを得ない。

小佐内さんにとっても、中学時代の轢き逃げ事件は失敗であったという。しかしこれはあまり詳細には語られない。単純に復讐が出来なかったことと、麻生野さんに対して不利になったということだと思うが、もしかしたら小佐内ゆきにとって、これが人生で初めての敗北であったりしたのだろうか。

冬季限定ボンボンショコラ事件を経て、結果的に、小鳩くんはこの過去を清算したと言える。しかしそれは、清算できたというカタルシスで満たされるようなものではなく、どちらかと言えば諦念に溢れたものに見えた。

 

小市民可能性

小市民というものを定義してそれを二人に当てはめる場合、小鳩くんには当てはまるのかもしれないが、小佐内さんには当てはまらないという感が、どうしてもある。彼女は、何をもってそうだということは難しいかもしれないが、なにかしらの一番星を掴めるほどに力を持った存在だと言うのは、これまでの物語を知っていれば不自然ではない。

小鳩常悟朗は、知恵が回るしそれに対しても一定の自信があるけれども、成人への過程で、やはり自分の力の限界を感じ取れてしまうという境界にいる者だ。彼が小市民を目指したのは、自分の性分によって二度と失敗をしないためでもあるが、この限界を直視しないためのものでもあるのだろう。そもそもこの精神性自体に、とても小市民性があるようにも思える。

本作において、小市民を目指すきっかけである過去は語られる。しかし、実際に小市民を二人が誓う場面は描写されていない。そのため憶測の域をでないことだが、おそらくそれを言い出したのは小鳩くんで間違いないのではないか。それを持ち掛けられた小佐内さんが、それを承諾するような形で、私たちの良く知る小市民が誕生したと考える。

承諾したのだから、小佐内さんがそれを望んでいるというのも嘘ではないのだろう。しかし、この小市民を目指すという物語で、それを破ろうとするのは決まって小佐内さんではなかったか。

小佐内さんの復讐の性分は、小市民であろうとするモットーと相容れないものだ。彼女は、何かをされたらそれをやり返さないと気が済まない星の下にいて、それは自制と真逆の性質を持つ。

つまるところ小佐内ゆきは、性格が根本から変わるようなことがない限り、小市民になることはほぼ不可能だ。彼女は本質からして小市民ではなく、そしてその力量も伴っている。それはつまり特別な者だ。どれだけ少なく見積もっても、小市民とは決して言えない。

小佐内さんは自分の行く手について、いつか小鳩くん以上の者が現れればそちらに付くだろうと言っている。小鳩くんも同様のことを思っていたが、小鳩くんはおそらく、高校三年間を経た上でなら、小市民であること、特別でないことを完遂できる。対して、前述したように小佐内さんの場合は無理があるのだ。

普通に考えれば当然のことだが、小市民を目指した二人は、同じ存在では決してない。似ているところがあるように見えても、本質的にやはり異なる。きっぱり言うなら、小佐内ゆきは限りなく特別に近く、小鳩常悟朗は普通であること、小市民に寄っている。

 

自己犠牲的ヒーロー

本作の冒頭、小鳩くんが小佐内さんを突き飛ばしたのちに轢き逃げに合う場面で、小鳩くんは自分がヒーローに憧れていたというようなことを独白する。

若干野暮なのかもしれないが、彼が言うヒーローとは身体的超能力や肉体的優位をもつ戦うスーパーヒーローではなく、謎を解くことで虐げられたものや弱者を助く名探偵だろう。

過去を回想し終えた病室で小佐内さんと再会し、感謝を伝えられた時にも彼は独白する。完全無欠なヒーローに憧れたことはあっても、自己犠牲によって人々を助けるヒーローに憧れたことはないこと。しかし自分がそうしたことを。

彼は特別な者ではない。傑出した知恵働きによって人々を救う名探偵には、見えているかもしれないのに届かない。しかし彼は、彼の持つ最大限の力で、確かに小佐内さんを助けたといえる。

小佐内さんは明確に、小鳩くんのことを次善だと言う。彼女が言うには、白馬の王子様のような最善が現れるのを信じているのだと。最善の者であれば、小佐内さんを助けた上で、自分も無傷に難局を凌いだかもしれない。しかしそんな者がいたとして、小鳩くんが憧れたように、颯爽と去る以外あるのだろうか。

 

冬の終わり

一年、一回りの、終わりと始まりを告げる除夜の鐘と共に、物語は幕を引く。やはり気になる事として、小鳩くんは小佐内さんに誘われて京都へ赴くのかというのが、やはり未来に対する最も大きな命題なのだと思う。これは分からない。しかしだからこそ言えるが、分からないというだけなのだ。

小鳩常悟朗は、高校生活の終わりに伴って小市民としての関係性が終わることを、少なくとも危機だとは思っていない。彼は間違いなくそれで当然だと思い込んでいる。その点で言えば、たとえ大学を京都にしなくても彼にとっては問題にならないはずだ。

京都に行った場合は言うまでもなく、それがいつになるかは分かるはずもないが、小佐内さんが最善を見つけるまでは、おそらく高校生活と同じような平穏な日々が、彼を待っているだろう。もっとも小佐内さんが大学で速攻最善を見つけて、一年後には立場がなくなっている可能性は否定できないが。

つまり、小鳩くんに関して言えばどちらの顛末になろうが特段の問題はない。少なくとも、たとえば小佐内さんと別れてしまうことに対する彼の感慨は、直接的には見受けられない。そのため正確なことは言えない。

では小佐内さんはどうだろう。彼女は、たとえそれがスタンドプレイ的な詭弁だったとしても、心が傷つけられたため償ってもらうという、お馴染みの因縁を吹っかけている。これが真実なのか冗談なのかというのは、やはり五分五分ではあるのだが、それでも、それをしてしまったという部分で、小佐内さんは一旦下手にいるのではないか。

小鳩くんは、受験が一年延びたことに対する諦めによるものかもしれないが、小佐内さんがこの先どうしようが特段気にしていない。対して小佐内さんは、前述したように小鳩くんとの関係を断ち切らない行動をとっている。

巡っている。これは今までと同じではないのか。小佐内さんは、復讐の念に駆られていつでも一足先に動く。小鳩くんは、好奇心のためであれ信条のためであれ、彼女によって発生する謎に向かっていく。

小鳩くんにとってどちらを選んでも良いのであれば、それは当然、小鳩くんが決めることが出来るのだ。中学時代の罪も、小市民になるという信条も、そして小佐内ゆきも、鐘の鳴るにまかせて小鳩常悟朗は眠っていく。

 

総括

正直に言えば、読み終わった段階では夏季限定や秋季限定の読後にあったような、楽しさや悲しさによる衝撃は薄かった。ミステリとして特に衝撃というわけでもなく、語り手の小鳩くんが入院しているという構成上、物語の大半が回想であり動きは芳しくない。健吾も最初しか出てこないし、ちょっと気になっていた瓜野くんがどうなったという描写もない。ただただ四部作が終わる寂しさの中で読み終えて、これは良かったのかどうかわからないという気持ちだった。

しかしながら、読み終えて色々なことを考えていけば、間違いなくじわじわと、これは掉尾に相応しい作品だと思えるようになってきている。そしてもっと、小鳩くんと小佐内さんが一緒にいるところを読みたいという気持ちも、ファンならば当然沸いてくる。けれどもそれは危険な気がする。一巡した上で、それでもまた先を描けば、それでは本当に、永遠に終わることがないと錯覚してしまうのではないだろうか。

小佐内ゆきに関しては、分からない。彼女は長編四部作が完結した現在でも、まだまだ底の知れなさを内包している恐ろしい人物ではあるのだ。しかし小鳩常悟朗に関しては、この四部作を通して、彼にとって最も重要な時間を垣間見たというように感じる。

小市民をめぐる物語は、完結におよそ20年の歳月を要した。人が成人になるほどの時を要して完結したというのは、少し途方もないようではある。終わらない物語にも魅力はある。それに甘んじる気持ちも、ごく自然なものだろう。それでも終わらせるというのは、とても怖いことではないかと思う。小市民シリーズを世に送り出してくれた作者に、ただただ感謝したい。

『素晴らしき日々 ~不連続存在~』個人的好きなルートランキング

素晴らしき日々 ~不連続存在~』本編のネタバレに注意

 

 

 

2010年3月26日に、ケロQから発売された本作。2018年7月20日にはフルボイスHD版も発売された。筆者は同社の他作品をプレイしたことはなく、またアダルトゲームに対する造詣が深いわけではない。

本記事では、フルボイスHD版で追加されたシナリオも含めた全7ルートを、楽しめた順にランキングにして紹介する。もっともこの作品はルートごとの関りが強いため、純粋なそれぞれに対する評論にはならないかもしれないが悪しからず。

 

 

1. Jabberwocky

順番としては4番目に当たる本ルート。前のルートであるLooking-glass Insectsでも様々な謎がだんだんと解き明かされていく兆候があったが、本ルートでおそらくここまで積み重ねられたほとんどの謎が明言化される。

間宮卓司を媒介とした由岐と皆守の実態。若槻姉妹の真実など、正直に言えば物語としての種明かしはこのルートで爽快なほどに行われるため、以後のシナリオがほとんど消化試合の様な心持ちになってしまった部分もある。

しなしながら、それでも良いと思わされるほどに、謎が解けていく快感と共に、とても楽しさに満ちたルートであったのは間違いない。

Looking-glass Insectsの希実香ルートで存在感を放っていた皆守の実態が知れたことも嬉しかったし、コンピレーションとして今までフォーカスされなかった羽咲との絡みも、とても幸福感のあるものだった。そしてなにより、Down the Rabbit-Hole以来ほとんど姿が見えなかった水上由岐が戻ってきたという興奮が確かにあった。

由岐から見えなくなってしまい、孤独に暮れる皆守を由岐が抱きしめるシーンは間違いなく全編を通して一番だと言える。ちなみに一週目で羽咲のほうの選択肢を選んでしまい、あとで逢瀬をみることになってしまったことはかなり後悔が残る。

個人的には、このルートの悠木皆守に愛着が沸きすぎて、実際には黒髪で長髪の彼は皆守ではなく卓司のほうであるという設定があまり好きではない。

2. Looking-glass Insects

順番としては3番目のルート。まず、前のルートで間宮卓司の狂気を一人称でこれでもかと見せられているため、本ルートで登場する爽やかナイスガイな間宮卓司を見てたまげたし、そしてそこから推測される真実も伴って、加速するように面白くなったと感じる。

しかしながら、高島ざくろ本人の結末を描くルートとして、結末を知っていてもなお、そんなものを飛び越えていく胸糞なルートでもあった。あれが共通のルートとして起こったことだという設定に決めた制作人には畏敬の念を示したい。

そしてそれの反動かのように紡がれる、多幸感に溢れた希実香との百合ルート。百合に関してはただただ最高だったため強いて言うこともないが、このルートの間宮卓司のカッコよさには痺れた。

3. It's my own Invention

順番としては2番目。このルートは、Down the Rabbit-Holeも含めて全てのルートの基盤になっているようなルートなのだろう。おそらく、"素晴らしき日々"とはどのようなVNかというのを示すのであれば、このルート以上の適当はない。

前述したように、狂気性に溢れた間宮卓司の一人称を嫌になるほど鬱屈としたものであるし、Looking-glass Insectsまではいかないものの、このルートでも胸糞な描写、というよりもなんというかやはりまともではいられないような描写が多くある。

その中でもただただ謎だけが深まっていくので、これを超えればおそらく最後まで読み切れるのだが、ここで頓挫するという人がいたとしてもあまり驚かない。

それでも全てを読み終えた上で、このルートでのプレイ体験はとても作品として無比の存在ではあると感じる。間宮卓司がもたらす狂気というよりも、彼の持つ不可解性をそのまま体験させるような表現はとても秀逸だろう。

このルートでも希実香と関係を結ぶようなルートがあるのだが、ここで本格的にこの希実香というキャラクターの、本筋から若干外れているからこそ醸し出される安心感と可愛さを実感し始めたのを覚えている。個人的にED自体がとても好き。

4. Down the Rabbit-Hole

最初のルートであり、少し奇妙なルート。とても軟派なように始まる非現実的恋愛シュミレーションが、だんだんと得体のしれないものに覆われていく感覚は迫力があった。

個人的に全編を通して一番トラウマになっているのは、やはりアトラクションの場面だ。ここから一気に世界に対して疑問を持ち始める感覚があった。

そしてクリアした今となっては、夢の世界から抜け出す際にざくろが綴る独白がだんだんと身に染みてくるよう。夢の世界は実際どういう時間軸なのか未だに理解できていないが、それでもとても意味のあるルートなのは分かる。

夢から抜け出した後のルートに関しては、これはIt's my own Inventionと合わせて基盤的なルートなので、あまり固有の感情はない。

5. Knokin'on haven's door

フルボイスHD版が発売されるにあたって、追加で収録された後日談のようなルート。どういう意図なのかは分からないが、立ち絵を表示しての進行ではなくスチルを切り替える形の進行になっている。

内容がどうということとはあまり関係がないし、これは本編でもその傾向があったと思うが、特にこのシナリオでは、若干会話の部分で冗長な場面が目立つ。

しかしこれは既にオリジナルをクリアした上で、数年越しに『素晴らしき日々』に触れるファンへのサービスという側面もあるのだと思うので、合点がいかないわけではない。それでも間延びしてる感じは否めなかった。

とはいえ、現行で出ている『素晴らしき日々』の物語の完結として、やはり最後の場面はとても価値のあるものだろう。確実に世界を生きていく間宮皆守と、特に何もしない、ただ一緒に歩く存在としての水上由岐。このコンピレーションは本当に素敵だし、それを顕在させるかのようなクレジットの絵が最高。

6. JabberwockyII

オリジナルとしては最終章にあたる6番目のルートで、EDも3つある。

前述したように、個人的にはJabberwockyで盛り上がりすぎて、その後であまり盛り上がれなかった感覚がある。このルートでは全ての始まりである過去の話も語られるが、それらも概ね知っているか推測できることだったため、あまり入り込めなかった。

間宮卓司が飛び降りたことに対して、どのような対処によってそれを退けるのかというのも期待していた部分ではあったが、特に感慨があるようなものではなかっただろう。

素晴らしき日々エンディングで語られる哲学性は、しっかりと物語の締めに相応しいものだった。しかしその上で見ることに出来る終ノ空2エンディングで、さらに謎が深まる形になったのは若干消化不良であるような気もするが、考察のしがいがあるものであるとは思うので、意図的なのかもしれない。

7. Which Dreamed It

順番としては5番目のルートで最終章JabberwockyIIに直接繋がる。それゆえに前座感が拭えないし、新しく示される事実や出来事も特にない。

加えて分岐もないため、本当にただ終わりへ向かうために読み進めなければいけないようなルートなのが少し惜しい。Jabberwokyの濃密さを少しこちらに分けることが出来れば良かったのではないか。

 

総括

前述したように、そこまでVNに対する造詣も深くないし、ましてや電波系の傾向が強い作品は本作が初めてだったのだが、It's my own Inventionを超えてからはかなり楽しい体験ができた。

本記事では主にシナリオに焦点を当てて書いたのだが、哲学性の強い作品故に、まだまだ書けることがあるような気もする。またサウンドドラックも全体的に素晴らしく、内容とギャップのあるヒーリング感の強い曲の数々はとても耳に残っている。名曲と名高い『夜の向日葵』も、作品を知っているのと知らないのとでは少し違った存在感を表す。

ルート間の温度差はあれど、最終的にとても良い作品に出合ったという感慨は間違いなくある。繰り返し読みたくなるようなゲームではないが、素直に盛り込まれた哲学性から様々な啓蒙を得たような感覚さえある。OSTを聞けば、いつでもこの素晴らしき日々を思い出すことが出来るだろう。

 

『比翼恋理のだーりん』個人的好きなルートランキング

STEINS;GATE関連作および科学ADVシリーズのネタバレに注意

 

 

 

科学ADVシリーズ2作目であり、シリーズでも屈指の人気を誇るSTEINS;GATEのファンディスクとして2011年6月16日に発売された本作。タイトルから推察するに所謂ギャルゲーとしての側面が強いと思っていたのだが、実際に全ルートを制覇した総括としては、そこまでラブロマンスとして踏み込んだものではなかったという印象がある。

本記事では本作の全6ルートを楽しめた順にランキングで紹介したいと思う。筆者はSTEINS;GATE本編に加え、フェノグラム、ゼロをクリア済み。現行で発売されているSTEINS;GATE関連のゲームとしては、今作が最後ということになる。

 

 

1. 星屑のデュプレット(まゆりルート)

本編をクリアしたのがもう随分と前のことなので、最初からまゆりが好きだったのかどうかは分からないのだが、ゼロやフェノグラムを経ていく中で、確実にまゆりが好きなキャラクターになっていった実感がある。

本編におけるまゆりの役割は、作中で本人が気にしているように若干重荷というか、苦しいことの象徴になっているということが少なからずあるだろう。その中で育まれた彼女への感慨は、よくよく考えてみればあまりフェアのものではないのではないか。これは本編では正ヒロイン的である紅莉栖とは、逆の作用が発生していたといえる。

完全な勘違いだったのだが、私はてっきりフェノグラムが発売された後にだーりんが発売されたと思っていた。実際にはその逆だ。加えてゼロもプレイしているため、まゆりが報われてほしいという感慨は、予想以上に強いものだったのではないかと思う。発売された時点での、ファンの感覚を正確に感じることは不可能だが、本作のまゆりルートはその願いを満たすものとして申し分のないものだった。

ほとんどパラレルという関係上、物語に対してあまり真剣になれない感覚が序盤は強かったのだが、だんだんとラブロマンスに開けていく展開はとても緊迫感があった。

まゆりとオカリンの関係性の中で、やはり特筆すべきことは人質をめぐる信頼にあるだろう。本編では強調されていたと思うが、この関係性がある種の呪いのようなものになっているという節もあるにはある。しかしながら、まゆりが人質であるという二人の共通認識は、世知辛い物事に囚われなければ呪いというよりは約束なのだ。

この約束をいつまで続ければ良いのか、またいつまで続けられるのかという絶対的な命題に対して、今作における解答はとてもカタルシスがあるものだった。

個人的に、まゆりが祭りで迷子になるたびに、オカリンが助けてくれたことを語る場面が地味にハイライトだと感じている。泣いた。

 

2. 楼閣都市のネプシュタン(フェイリスルート)

ゼロから登場した比屋定真帆を除けば、純粋に一番好きなキャラがフェイリスだということを最初に断っておくが、おそらくそれを別としても、6ルートの中でフェイリスのルートはとても満足度が高いと思う。

これは後述のルートにおける若干の問題なのだが、ギャルゲーのようなゲームではあるのにキャラクターをかわいいと感じる場面がそこまで多くないと感じる。つまり言いたいことは、このフェイリスのルートでは少なくとも満足できるだけの可愛いシーンがあったということだ。

可愛さという観点で言えば、フェイリスというキャラは少し狡いキャラクターではあるだろう。猫耳で猫語尾でメイドでピンク髪で声もかわいい。萌要素が詰まっている。

しかしフェイリスを敬愛してやまない人々ならお分かりだと思うが、実際にはこれらの目立った要素が鳴りを潜めている状態こそ、フェイリス・ニャンニャンの真骨頂なのは言うまでもない。

本作におけるそれらの描写も、新鮮味はないかもしれないが、満足のいくものだったと思う。ハイライトはやはり頭を撫でまわしたりしてじゃれあっているところだろう。

 

3. 黎明曙光のレシオ(萌郁ルート)

桐生萌郁というキャラクターは、あまり恋愛的に好かれやすいとは言えない。色々な要因があるとは思うが、やはりそれはほとんど喋らないことに起因する。喋ったとしてもゆっくり喋るため、これはVNとしてはあまり心地が良いものでもない。

しかし本作だーりんはファンディスクであり、おそらくそれを最低限許容できないプレイヤーはあまりいないだろう。少なくとも本ルートをクリアまでやった者には。

まゆりのルートを除いた中で、もっともギャルゲーとして成り立っている気がするのはこのルートだ。後付けなのかもともとあったものかはわからないが、彼女はとても奇怪でそして楽しい性格や性質を持っていることが惜しみなく表れている。

本編にも登場したボロアパートで一緒にカップ焼きそばを食べるくだりなど、なんとみすぼらしい体験だとは思ったが、それでもそれをもっともらしく感じさせるのが、桐生萌郁というキャラクターの妙だろう。

 

4. 根源のアガペー(鈴羽ルート)

本編においてただのサブヒロインの域にはとどまらないほどインパクトを残し、かなり重要な役どころを務める鈴羽だが、本ルートにおいて特質すべきことはほとんどない。

どっちかといえばこのルートは鈴羽のルートというよりはダルのルートなのではないかという感慨がある。ゼロで聞いた気がするあのプロポーズはおそらくここが初出だったのだと思うが、あれが聞けた時は少し嬉しかった。

ラブロマンスという観点で言えば、倫理的にどうなのかはわかりかねるが、未来からきたという性質上とても可能性を感じるような展開だったのではと思う。

個人的には、オカリンが嫉妬していると思われてラボがギスギスしているところがとても印象的ではある。あとBTTFパロディ。

 

5. 永劫回帰のレゾナンス(紅莉栖ルート)

正ヒロインであるわけで、やはり外伝であっても存在感はとてもある。いつも通りオカリンとの小競り合いは健在であるし、そういう意味では全ルートに渡って少し支配的ですらある。

しかし肝心の本人のルートは、あまり心地の良いものではない。オカリンとの絡み自体は前述したとおりいつも通りであるため、ある程度のクオリティではあるのだが、シナリオ自体はとても丁寧とは言えないし、爽快でもない。

牧瀬紅莉栖における問題点は、がっつり関わってくる本編が文句なしにマスターピースであったことであり、あれを超えるラブロマンスを単体として作り上げることは、おそらくパラレルである限り不可能の近いことではないのか。

 

6. 愛と幻創のシナジー(るか子ルート)

はっきりと言っておく必要があるのだと思うが、るか子は素晴らしいキャラクターであり、そして彼女が抱える感情もとても身に迫るものではあるのだ。STEINS;GATE本編および彼女のルートをクリアした者はそれを分かっているはずだ。

しかしこのルートのシナリオは、るか子とは関係のない部分でただただ雑然としていて読んでいてまったく楽しくない。ドラゴンが見えるというのは少し面白い要素ではあるのに、ギミックはともかくそれに対する解決の展開に起伏がなさすぎるし、なによりるか子と何か関係があって、ましてや彼を可愛いと言える場面が一つでもあったのだろうか。

ただただ無為に文字を読まされるだけの退屈なルートだった。るか子に対して居たたまれない気持ちさえ生まれた。

 

総括

STEINS;GATEの関連作は、本編の出来が良すぎることもあってあまり高い評価を得られてはいない。正統的な続編であったゼロはともかくとして、実際にフェノグラムや本作だーりんはファンディスクの域を出ない。

おそらくSTEINS;GATEが好きで、その中でもキャラクターが特に好きという人でない限り、やる価値は少なからずあるのかもしれないが、楽しめるかどうかは微妙なところだ。

今回取り上げた比翼恋理のだーりんは、正直に言えばフェノグラム以上に稚拙なゲームであるとは思う。しかしながら、まゆりのルートだけは、シリーズとして間違いなく作られたことに価値があるのも事実だろう。ゆえにまったく無駄な作品というのも正確ではない。

この記事を書いている2024年時点で約13年前のゲームであり、その時点でSTEINS;GATEの存在感は比類なきものであったのは容易に想像ができる。その後もフェノグラムやゼロと続いていき、一応完全新作の予告もされているという今の状況で、完成した絵を飾るようにまゆりのルートを観測できたことは素直に嬉しい。

科学ADVシリーズの流動は、最近ではあまり芳しいものではない。どのプロジェクトが生きているのか死んでいるのかも定かではないが、それでもシリーズが続いていくのであれば追いかけていきたい。

 

 

ゲーム発売日順(KH)

KINGDOM HEARTS

1→チェインオブメモリーズ→2→358/2DAYS→コーデッド→バースバイスリープ→3D→キー0.2バースバイスリープ→3→メロディオブメモリー

 

KINGDOM HEARTS(完全版あり)

1→(1FM)→チェインオブメモリーズ→2→(2FM)=(Re:チェインオブメモリーズ)→358/2DAYS→コーデッド→バースバイスリープ→(Re:コーデッド)→(バースバイスリープFM)→3D→(HD1.5)→キー→0.2バースバイスリープ=(HD2.5)→(アンチェインドキー)→(HD2.8)→(HD1.5+2.5)→(ユニオンクロス)→3→(クロスダークロード)→メロディオブメモリー

 

⚫︎備考

・20231012 KHに記入漏れの0.2バースバイスリープを追記

D +で見れる映画シリーズの公開順

 

 

MUC

アイアンマン→ハルク→アイアンマン2→ソー→ファーストアベンジャー→アベンジャーズアイアンマン3→ダークワールド→ウィンターソルジャー→GotG→エイジオブウルトロン→アントマンシビルウォー→ストレンジ→リミックス→ホームカミング→バトルロイヤル→ブラックパンサー→インフィニティーウォー→ワスプ→マーベル→エンドゲーム→ファーフロムホーム→ブラックウィドウシャンチー→エターナルズ→(ノーウェイホーム)→マルチバースオブマッドネス→ラブ&サンダー→ワカンダフォーエバー→クアントマニア→GotG3

 

 

STAR WARS

新たなる希望→帝国の逆襲→ジェダイの帰還→ファントムメナス→クローンの攻撃シスの復讐→フォースの覚醒→ローグワン→最後のジェダイ→ハンソロ→スカイウォーカーの夜明け

 

 

PIXAR

トイストーリー→バグズライフ→トイストーリー2→モンスターズインク→ニモ→インクレディブル→カーズ→レミー→ウォーリー→カールじいさん→トイストーリー3→カーズ2メリダ→モンスターズユニバーシティ→インサイドヘッド→アーロ→ドリー→クロスロード→リメンバーミー→インクレディブルファミリー→トイストーリー4→2分の1→ソウルフル→ルカ→レッサーパンダ→バズ→マイエレメント

 

X-MEN

X-MENX-MEN2→ファイナルディシジョン→ウルヴァリン→ファースト・ジェネレーション→SAMURAI→フューチャー&パスト→デッドプール→アポカリプス→LOGAN→デッドプール2→ダーク・フェニックス→ニューミュータント

 

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ

白雪姫→ピノキオ→ファンタジア→ダンボ→バンビ→ラテンアメリカの旅→三人の騎士→ファン・アンド・ファンシー・フリー→メロディ・タイム→イカボードとトード氏→シンデレラ→ふしぎの国のアリス→ピーター・パン→わんわん物語→眠れる森の美女→101匹わんちゃん→王様の剣ジャングル・ブック→おしゃれキャット→ロビン・フッドくまのプーさん(完全保存版)→ビアンカの大冒険→きつねと猟犬→コルドロン→オリビアちゃんの大冒険→オリバー→リトル・マーメイド→ゴールデン・イーグルを救え!→美女の野獣→アラジン→ライオン・キングポカホンタスノートルダムの鐘→ヘラクレス→ムーラン→ターザン→ファンタジア2000→ダイナソーラマになった王様アトランティスリロ・アンド・スティッチ→トレジャー・プラネット→ブラザー・ベア→ホーム・オン・ザ・レンジ→チキン・リトルルイスと未来泥棒→ボルト→プリンセスと魔法のキス塔の上のラプンツェルくまのプーさんシュガー・ラッシュアナと雪の女王ベイマックスズートピア→モアナと伝説の海→オンライン→アナと雪の女王2→ラーヤと龍の王国→ミラベルと魔法だらけの家→ストレンジワールド

 

『なつもん』の印象的な台詞

 2023年7月28日に発売された、『ぼくのなつやすみ』などで知られる綾部和氏が原作などを担当するこのゲーム。発売前の盛り上がりはそうでもなかったが、自由すぎるゲームシステムが少なからず反響を呼んでいるように思う。

 今回はこの『なつもん』の気に入った台詞を上げていきたいと思う。当然ネタバレも含まれているので悪しからず。

 

 

殿方がよくつかう

女の人と仲良くなるための手段ね!!!

by純子

 馴染み深いお姉さん枠。15歳というのも同じかな。

 

うん!…ねえ豚がいるよ!

byサトル

 謎の豚推し。

 

ここはまだ裏庭よ

…そっちこそ 以外に怖がりなのね

by純子

 流れが最高。シチュエーションも最高。

 

でも サトルくんの めーよのために

かけっこ競争は しないでおいてあげる!

byヒデコ

 微笑ましい。ちなみにガチでかけっこクソ速いヨースケは許さん。

 

しっかし男の子って

いくつになっても男の子よね

by助手ちゃん

 館長と助手ちゃんの結末気になったけど、ほとんど決まり切ってるからいいのかな。

 

バーカ!

他のお客様のプライバシーに

関しては 一切お答えできません!

by今日子

 安心感がありすぎるおばちゃん枠。けっこう快活というのが良い。

 

ボク なつもんになれるかな?

byサトル

 鮮やかなタイトル回収だった。そしてこの文字の並びは少しグッとくる。

 

ねえ ハニー出ておいでよ!!!

筋肉痛になるまで

いっしょに 腕立て伏せしようよ!

byトコトコ

 爽やかにキモい。気持ちはわかる。

 

とにかく 主人公の女の子が

かわいいんだ!

by谷地頭

 謎の強キャラ感を発していると思ったら、前作主人公みたいな立場の人。もっと掘り下げて欲しかったとも思うけど、これくらいがちょうどいいかもしれないとも思う。

 

怖いのはキライなの!!!

byラブちゃん

 今作外見最強の人。銀河系も司ってる。

 

お医者さんごっこ!!!?

by助手ちゃん

 !!!?←これ

 

あなた わたくしに

ケンカ売ってるんですか!!!?

by今日子

 今日子さんと探偵の絡み好き。このあたりで今日子さんの魔性感が増してくる。

 

でも 教えません!!!

いじわるなので!

by今日子

 ニコッ。

 

我々はどこからきたのか?

我々は何者か?

我々はどこへ行くのか?

byたびの

 ヤバい!10歳にさえヤバいと思わせる魅力がある。

 

んーん!

女の人と仲良くなるための口実でしょ

by純子

 んー!!!私は先の世代の人だけど、20世紀の15歳かわいすぎるだろ!

 

私なんだか ナガセさんの

しゃべりかたが 好きになってきました…

by純子

 わかる。

 

星空に 銀河鉄道を見たときから

私は 大人になりはじめたのかも

しれない

by駅員さん

 電車とバスのことばっかり話す駅員さん。声優がぼくのなつやすみ1のボクくん役である進藤一宏氏らしく、そのキャラにこれを言わせるのが憎いね。そして演技がめっちゃ上手い。

 

なんだ小学生か…

ヒマでうらやましいな 夏休みなんだろ

by秀人

 全体的にヒール感強めの新聞記者。このキャラの声優もぼくのなつやすみ3のボクくん役である千葉翔也氏らしい。RPGなら黒幕してそうなほどヒールだった。

 

結局オレたちってどこに行くんだっけ?

オレたち自身がわかんないぞ!

byヨースケ

 ノルウェイの森

 

おじさん 家に帰ったら

かつ丼大盛り 食べるんだ

byオモチャ屋

 腹減る。

 

意味なんて ないよ!

キミ 私のこと好き?

byそらよ

 終盤に差し掛かるあたりで出てくるお姉さん枠。個人的に過去作を意識しすぎて絶対なにかの調査に来てるんだと思ってたけど、とくになにもないはず。たぶん。

 

決めるのは ボクだ!!!

byサトル

 Yes。

でも工場長はずっとそれを信じて

あんなに頑張ってるんだ

by主任

 個人的に今作で一番の衝撃はこれ。なんだそれはと。

 

そうか

おまえ ひとりぼっちか…

by秀人

 ん?君もか?

 

答えは 20年後のおまえが

俺に教えてくれ!

by山じじい

 この人もやっぱり声が手伝って、より直接的に前作を思わされてしまうキャラ。それにしても歩くの早すぎる。

 

塔よりも おねえちゃんと

純子ねえちゃんの話が知りたいな

byサトル

 キマシタワー。

 

うん!でも 大昔のことさ!

もう思い出さなくてもイイんだ

by谷地頭

 強キャラ。

 

まさか 今よりもエッチなやつじゃ

ないだろーな?

byトコトコ

 赤タイツはエッチだろうよ。

 

サトルくんは2番目になってくれる?

by純子

 はい。

 

あの~ それは赤ちゃんが

びっくりするから やめておこうね

by駅前ママ

 やっぱり出産イベントもあった。

 

おまえも歴史に残るような

エライ人物になれよ!

まあ 無理だろうけど…

by山じじい

 私のサトルは語り部になった。

 

その夜 僕が寝るまで

純子ちゃんは明日葉荘へ

帰ってこなかった…

byナレーション

 これはマジでどういうことなんだ。ずっとブランコにでも乗ってたんだろうか。

 

せっかくお互いに独身なんだし

もう少し ひんぱんに

会いましょうね

by今日子

 私が確認しただけでも3人の男とフラグを建てる今日子さん。魔性すぎる。

 

…あのね!何年かかってもいいから

サトルくんの未来が決まったら

おねえちゃんに教えてほしいな

by純子

 頑張らないとなサトル。

 

 

 前後の会話がないので上手くまとめられていないかもしれないが、とりあえずこんなところかと。台詞に注目すると、やはりこれは綾部氏のゲームだということがなんとなく分かる。願わくは、ぼくなつ5で同じことがやりたいと思う。