2007年4月19日
今日はわたしはインタビュー関連の仕事。
「10年後の夢は、家族仲良く健康に」と語られる。
わたしは泣きたくなる。
カメキチは、ヘモグロビン7以下だと輸血をするといわれたけれど、6を切るまで待ってもらうことにしたという。
ヘモグロビンの推移を見ていると、A病院からなだらかに下がっている。ショック。本当に入院してからというか、病気が分かってから、ひとつもいいニュースがない。なんとかよい軌道にのせたい。
貧血と熱。熱は1日三回のロキソニンと一回の座薬をもってしても、38℃になる。
便は潜血反応有り。腸間膜に腫瘍があるから、仕方ないが、他からも出血の可能性アリ。ゆくゆく調べないととのこと。
ああ、カメキチ。どうなっているの。ああ、困ったよ。どうしたらよい。
笑って読み返せるときはくるの?
カメキチの退院は、輸血関係のため、のびることに。
カメキチは結婚記念日はお家で過ごせると思っていたのに、とがっかりする。
そんなこと・・・忘れていた。
さすがアニバに強いカメキチ。
ああ、どうか、今、辛くても我慢するから、カメキチを助けて。
夜、カメキチの会社の上司から、ご祈祷?の申し出のメールをいただく。霊媒師っぽい。うーん。でもお金はいらないと言ってくれている。
かめきち、このまま死んじゃうのかなと弱気になる。
なにしろ貧血で動く気がしないらしい。
S先生は、輸血すると元気になるよと言う。でも出血が止まるわけではないから、継続的に輸血になる。
とすると、肝臓も心配になる。ああ、どうか回復基調にのせたい。
光がほしい。
カメキチがいなくなったら、わたしは本当にひとり。
カメキチが今死んでいいはずがないよ。助けて。
2007年4月18日
やること
・問い合わせ1 公立病院 温熱
・問い合わせ2 大学病院 免疫療法
抗がん剤5日目。熱はまだ下がらず、38度台。座薬。
カメキチはそれでも熱が下がらないことに困惑。
問い合わせ1の病院は、冷たかったなぁ。
学会のを読むと、悪性胸膜中皮腫とか、肺がんじゃないか、ここは。
それに肺だけ温めると、副腎の腫瘍が育つスピードが速まるとか、おっかないことを言っていた。
2のほうの大学病院、免疫療法の先生は親切だった。
都内のクリニックとは全然違う。あちらは営利団体だからだろうって。好感が持てた。
標準治療をがんばるように。
状況は難渋すると思う。
大きい腫瘍は消えないと。
カメキチは目がうつろで、先生が回診にきたときだけ声が大きく、見栄っ張り。
「熱がでて大変だろうけれど頑張っていこうね」と先生にいわれる。いい先生だ。
どうしたら希望がみえる軌道にのせてあげられるのかな。
親戚に「胃じゃなくてよかったな。胃は食べられないんだ。吐いちゃうらしい」と言われる。本当に的外れのひどいことを言う。こちらは命がかかっているのに、無知もいいところ。
今日は義理兄弟くんがきたが、義父は「さ、帰ろう。飯食おうと言っている」だって。昨日は「ウナギ食べたい」とか。思いやりがなさすぎる。
脚のマッサージをして、効くのか?とか。
カメキチがいなくなったら、わたしは本当にひとりぼっちだ。
2007年4月11日水曜日
カメキチは、わたしの母にいらついている。
「手術になるか、検査結果を聞いて買える」とか、親戚に「検査疲れで・・」とか、カメキチの病状を必要以上に詳しく言っているし、自分の病気の心配だけすればいいのに、僕に気を遣うのが嫌だと。「同居は難しいねえ」って。
仕方ない、病人同士。一家に病人ふたり。この家はどうなっているんだ。
夜、病院でH先生から説明。やはり腸間膜は免疫染色で肺がんの転移。
大腸がんだったら、二つともは大変だけれど切除と思ったけれど、転移なので手術適応なし、抗がん剤で様子を見守り進行が止まっているようなら手術も考えようと。
なんで副腎に止まっている間にここにこれなかったのかと思うと、悔しくて涙が出た。
カメキチはそれを絶望と言うが、違うんだよね。
他に方策はないのか。
採血して外泊。明日から抗がん剤に戻る。
もとのA病院の主治医にカメキチは電話。A病院に戻るのはOKだが、火曜日になるという。一週間後。抗がん剤スケジュール優先で、B病院で受けていくことにした。
2007年4月10日
朝、カメキチが、「客がきたときはくま子の母はあいさつだけで部屋に入ってくれていいのに」というから、「そうは行かない人なんだよ」ともめて険悪。
義父母が来ると行っていたが、下で待ち合わせにしてもらった。母はわたしにあいさつにだけでもいけば、というが、行かない。
母はゲルマ温浴へ。だいぶ身体がおかしいという。部屋で寝たきり。
カメキチが帰ってくるが、口をきく気もしない。義父母とは近所の美術館に行ったそうだ。そこにもビワの木があったときか。もっと洋風の庭を想像していたからずいぶん違った、ネコ好きにはたまらん場所だろうと言っていた。
夜、東京バレエ団の白鳥の湖へ。カメキチは昼間でかけたからやっぱり止めるといっていたが、当日券が売っているからというので二人で出かけた。
会場についたら、当日券売り場に並んでいると「連れが来れなくなったから買ってくれないか」とチケットを差し出された。
S席、5列目30-31。当日券はSは売り切れ。Aは一階の後方。B席ははじっこだけ。値段もあるし…。そうしたらカメキチは「Sだとぼくたち予算オーバーなんで」と言ったら、「Aはいくらですか?Aの値段でも」と言ってくれたので買うことに!
前から5列目。ばっちり。こんな近くははじめて!表情までよく見えた。
一昨年観に行った別の日本のバレエ団のくるみ割り人形は好みではなかったけれど、全く違ってこれはよかった!!
最初は日本人だけだと小さいなあと思っていたら、カメキチ曰く、「王子様顔」の王子様が出てきた。すごいデカイ。お尻も引き締まっていてかっこいい!
みんな健康そうだ。白鳥が出てきたら、これまたデカイ!王子を食う存在感だった。でも神秘的ともいえる暗いシーンが多くて怖くもなり、涙が出てきた。
衣装も振り付けもよく大満足。カメキチをバイオリン、オケがいい、音がチャイコフスキーとよく合っていると喜んでいた。一昨年いった第九がこの楽団だったみたい。
帰宅すると、母がしんどそうだった。豆のご飯のたけたにおいからもう嫌になっていたみたい。抗がん剤から1週間経つのになあ。大変だなぁ。カメキチも「大変だよ」と言っていた。
カメキチは肺を痛がる。顔をしかめて相当の痛みのようだ。昨日、32歳で肺がんの人のブログを読んだ。亡くなっているから避けていたけれど、読んでみたら自分の意見をしっかりまとめられてテレビや講演の批評もする聡明な人だった。惜しいと思った。骨や肺に転移して、最後副腎に。そうしたらカメキチのように38.5℃とか熱が出て、あっという間に亡くなったみたい。辛い。
明日はいよいよだ。検査の結果発表。
今日の白鳥のチケットもついていたし、ついていることがとても多い。神様お不動様お父さん、どうぞカメキチと母をお守りください。