BLW⑤ 離乳食期のうんち・食べ物の消化について
赤ちゃんのうんちは離乳食が始まるまで、母乳で育てているとどろっとしたやわらかい黄色いうんちで、
ミルクで育てているとそれよりもやや黒っぽく形のあるうんちが出ます。
離乳食が始まると形ができてきて、色が濃くなり臭いもきつくなります。
うんち漏れもほぼなくなります。
- 食べ物が消化されずに出てくる
うんちに未消化の食べ物が混ざっていても基本的には問題ありません。
赤ちゃんが食べ物を消化できていないというわけではなく、赤ちゃんの体がその食べ物に慣れて分解に必要な酵素を作り出していることを示しています。
しっかり噛めるようになるにつれてうんちの中の食べ物は分かりにくくなってきますので心配しなくても大丈夫です。
BLWの筆者は問題ないとしていますが、心配であればより細くしてみたり、小さいサイズにしてみてください。
BLW④ 手づかみを成功させるコツ
食べることが楽しくなければ食は進みません。
離乳食は生きていくための練習の1つですが、
ただガイドに沿ってご飯を食べさせればいいというわけではないのです。
「食べること」を苦にさせてはいけません。
BLWに興味がない人でもここの項目は自分の子の離乳食や普段の食事に取り込めるところがあるのではないでしょうか。
- 初めのうちは「食事=遊び」の時間である
大人でも食べたくない時に口に食べ物を突っ込まれたら嫌な気分になるでしょう。
食事の時間は「経験」の時間でもあります。
見てるだけだったり、遊んでるだけでも大丈夫です。
ご飯を食べない大人はいません。
赤ちゃんの食欲にはムラがあります。
食べなかったらミルクや母乳で補填してあげれば問題ありません。
離乳食が始まっても授乳は欲しがるだけあげます。
赤ちゃんは自分のペースで授乳の量や回数を減らしていきます。
- 赤ちゃんも一緒に
できるだけ大人も同じものを食べるようにしましょう。
赤ちゃんは近くの大人を見ています。
新しい食べ物を口に入れるきっかけにもなります。
- 赤ちゃんが掴みやすいものを
くさび状、スティック状。
細長いやわらかい肉が適切です。
数種類用意し、赤ちゃんに好きなように選ばせます。
食べムラがあるため、多めに用意しておと安心です。
BLWを始めた最初の数ヶ月はほんの少ししか食べない赤ちゃんも多いです。
- 汚れ対策をしっかり
初めからは上手く食べられませんし、
赤ちゃんは食べ物をわざと落としたりこぼしたりもします。
床はビニールシートや汚れてもすぐに拭けるビニールのようなマット、
木のイスも座面と側面の間にご飯が入り込んでしまうので
ビニールシートなどでガードしてしまうのがおすすめです。
夏ならオムツ一丁にシリコンビブ、冬なら長そでの洗えるビニールエプロンで仕上げてみてはいかがでしょうか。
- 食事の時間を楽しく
赤ちゃんにはたっぷりと食事の時間を与えてあげてください。
家族全員で食卓を囲みましょう。
食卓でリラックスして楽しめる時間があれば
赤ちゃんは食べ物をさわったり調べたり実験したりするようになります。
そうして新しい食べ物に挑戦していき、食事の時間が待ち遠しくなります。
まとめ
・食事は遊びの時間でもある
・離乳食は母乳やミルクに追加するもの。
授乳は赤ちゃんの好きなだけ続ける。
・大人も赤ちゃんと同じものをなるべく食べる
・初めからはたくさん食べない
・赤ちゃんの食べやすいやわらかさ、形状のものを数種類準備する
・食事の時間に余裕を持つ
・家族全員で食事を
赤ちゃんにとって、これから長い付き合いである「食事」が楽しいものになるといいですね。
BLW② 大人のご飯に手を伸ばしたら離乳食を始めるサイン
日本では、離乳食を始める基準は「舌の突き出し反射がなくなってきたら」「大人が食べているところをじっと見るようになったら」などの基準があります。
BLWでは6ヶ月を迎える頃から赤ちゃんが手に取れる所に手づかみできる食べ物を置き、好きなように食べたり調べさせたりできるようにします。
- まずは真っ直ぐ座ること
離乳食で気をつけなければならない1番のことは誤飲誤嚥です。
喉に詰まらせないために、椅子にもたれることなくまっすぐ座ることが重要。
自力でおすわりができない場合には大人が腰を支えて座らせると良いです。
- 始めは一緒に食卓を囲むことから
大人がご飯を食べる時に同席させます。
膝の上でも大丈夫です。
赤ちゃんがお腹が空いている場合には先に授乳済ませてから同席させます。
まずは食卓の雰囲気から自然に学ばせましょう。
- 食べ物で遊ばせる
掴みやすい食材を手の届くところに置き、自由にさせます。
始めは3、4種類の食べ物を出すことを提唱者のジル・ラスプレイは勧めています。
量も少量から。
少しずつ増やしていきます。
赤ちゃんがミルクや授乳を望んでいるときは食べ物に興味を示しません。
空腹時は避けましょう。
食べても食べなくても大丈夫。
赤ちゃんのペースに合わせてあげましょう。
食べ物を拒絶した際はまだ必要としていないというサインです。
その場合は無理せず、食卓を一緒に囲むだけにしましょう。
まとめ
- 食事に興味を持つきっかけを作る
- まっすぐ座れるようになってから食べ物を近くに置いてみる
- 誤飲誤嚥、食べ物が喉に詰まることがあることを留意し、目を離さないこと
BLW① イギリスから来た新しい離乳食メソッド「BLW」
最近歯科医師の間で話題になり勉強会にでかける先生もいる離乳食法「BLW」。
ドロドロの離乳食ではなく、固形のものを掴み食べから始めさせる離乳法です。
家族で食卓を囲み、
大皿から赤ちゃんの目の前に掴み食べできる食材をいくつか取り分けて置き、
赤ちゃんは好きなものを選んで食べます。
赤ちゃんは自分で調整しながら食事法を獲得していくというメソッドになりますので、
えづいたり吐き出したりすることもありますが
じきに赤ちゃん自身の力でしっかり食べられるようになります。
BLWはイギリスの助産師兼保健師である ジル・ラスプレイが提唱したBaby-led Weaning、赤ちゃんが主導の離乳メソッドの略です。
歯科会では「0歳からの矯正」と例える人も。
「赤ちゃんが何を与えるか」ではなく、「赤ちゃんが自分で食べるにはどうしたらいいのか」
BLWはここに重点を置いた考えになるので、歯科でBLWに触れる時は食べ物の固さとか調理法ですね。
今までもその辺は小学生や保育園の子などにチラッと触れていることではありましたが、これからは歯が生えだした赤ちゃんにも指導していく医院が出てくるかもしれません。
食べやすくしたり掴みやすくした食事を用意し、赤ちゃんに自由に食べさせることで
体の機能の向上や幸福感や満足感も期待できます。
人は前歯で食べ物を嚙み切ることで
幸せを感じるホルモンが出ています。
スプーンで受動的に食事を与えるより、
赤ちゃんに選ばせ、自分の力で食べさせる方が食事への積極性や好奇心が上がりやすいのではないでしょうか。
BLWのメリット
- 赤ちゃんが楽しめる
掴み食べにより、食べる量と食べる速さを赤ちゃん自身で決められます。
自分の好きなように口の中で混ぜ食いをしたり、 ゆっくり味わったりすることはきっと楽しいはずです。
- 家族と一緒に食事ができる
家族と食卓を囲み、同じものを食べ、家族の団らんに加わるということは 家族関係、社交能力、言語発達、食生活等の向上が期待できます。
大人が1人で食べるよりも誰かと食べる方が楽しいと感じるように、
赤ちゃんもまた誰かと食卓を囲んだり
食事を分け合ったりすることに幸せや
喜びを感じることができます。
- 食べ物について学べる
- 食べ物を信じる
- 安全な食べ方を学習する
食べ物を口に入れる前に調べたり、口の中で調整して飲み込んだり。
噛み方が器用になることで消化能力の向上にも役立ちます。
- 食欲をコントロールできるように
赤ちゃんが自分で満腹を感じ、自分で食べるのをやめることで
将来的な食べ過ぎも防ぐことが期待できます。
- 手と目の協調運動、手指の器用さの向上
やわらかいものを握りつぶさずに掴んだり、滑りやすいものを落とさずに掴んだり。
大きくなってからも役立つ能力です。
- 自信がつく
自分で掴み、口に運ぶことによっていろいろな味や舌触りを報酬や成果として受け取ります。
- 準備が簡単
大人は取り皿に分けたあとで味付けしたり、
赤ちゃんに取り分けた後に味付けすることによって支度の負担が減ります
- 赤ちゃんの偏食と食事中の争いがない
- 外食が楽
もちろん、ただ大人と同じものを与えればいいというわけではありません。
赤ちゃん自身の体ができあがっていない時期に無理やり食べさせると誤嚥や誤飲も危ないですが、精神的な苦痛にも繋がります。
また、準備する食べ物にも注意や工夫が必要です。
次回は赤ちゃん自身の準備と、BLWのやり方について解説していきます。
BLW③ 手づかみ離乳食指標
※日本の基準とは異なります。
BLWを始める
BLWでは6ヶ月の赤ちゃんは免疫システムや消化器官が成熟していて、色々な食材を食べさせることを推奨しています。
BLWでの基準となる食事を月齢別にまとめていきます。
6~8ヶ月
- 大きめのフィンガーフード(縦5cm、横1~2cm)
- 細長い形をしたやわらかい肉、野菜、果物
- オムレツ
- 肉や大豆のハンバーグ
- 小粒のやわらかいもの(ひき肉、やわらかいご飯)
- ソースが絡んだパスタなどのつるつるしたもの
- イチゴのようなやわらかいもの
7~9ヶ月
- フィンガーフードと細長い肉
- 小粒のやわらかいもの、つるつるしたもの
- より小粒のやわらかいもの
- ディップ
- さくさく、ぽりぽりしたもの(生のパプリカなど)
8~10ヶ月
- 上記の食べ物のほか、米、えんどう豆、レーズンなどのより小粒な食べ物
- 赤ちゃんがお皿やフォークを使う(遊ぶ)時期になるかもしれない
9~12ヶ月
- さまざまな形や舌触りを持つ、健康的な多種多様な食べ物
11~14ヶ月
- 健康的ならなんでも良いが、形・舌ざわり・味を持つ食べ物
避ける食材
「〇ヶ月から」など書いてある赤ちゃん用の日本の食品は
ここに含めなくて良いかと思います
- 未調理、もしくは軽く調理した貝やエビなどのシーフード
胃への重い感染症を避けるため
- サメ・メカジキ・マカジキ
汚染物質、水銀を含んでいる可能性あり
- 生のブラン(小麦ふすま)とブラン製品
- カフェインを含む飲み物
- 豆乳
高濃度のアルミニウムと植物性エストロゲンが含まれていると書いてありますが日本においてはどうなのか、確かなデータは見つけられませんでした。
厚労省において豆乳を制限する記載はありません。
- 炭酸飲料
- 希釈していないフルーツジュース
phが高いため虫歯になりやすい
- ハチミツ
ボツヌリス症を避けるため
- 深刻なアレルギーの恐れのあるもの
喉に詰まりそうな食べ物は加工
- サクランボやオリーブなどの果実は種を取る
- ブドウ・サクランボ・ミニトマトなどの小さくて丸いものは4等分か2等分に
- 細い骨・皮・軟骨は取り除く
- 魚は骨をよくチェックする
- 輪切り(ニンジン・ソーセージ)は避け、半月形にする
- ナッツ丸ごとは3歳までは避ける(挽いたナッツやナッツバターはOK
与える食事はバランスの取れた食べ物を数種類与え、赤ちゃんに選ばせてあげることが重要です。
幼い頃に試した食べ物の味や舌触り多種多様であるほど大きくなってからいろいろな食べ物を楽しめるようになります。
食べ物を「与える」のではなく、「提供する」「目の前に置いてみる」感覚で色々な食材への機会を作ってあげてください。
赤ちゃんが自分で食べたいと思った時に食べたいものを自由に食べさせてあげることが大事です。
↓①手づかみのメリット
http://terauribou.hatenablog.com/entry/2020/07/12/211803
↓②離乳食のスタートのサイン
http://terauribou.hatenablog.com/entry/2020/08/02/223427
LIONの高いハミガキ粉と安いハミガキ粉を比較しました
衛生士である自分が普段使いしているLIONのSP-Tジェル。
歯の表面のバイオフィルム取れてる感じがすごく気に入っております。
気がついたら2年以上使っています。
歯科用なので薬局などでは販売されていません。
同じくLIONのシステマシリーズから出ているシステマEXハミガキ。
こちらは薬局などで手に入る市販タイプのものです。
色が似ているので成分も似てるのでは?
実際に買って比較してみました。
[SP-Tジェル]
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
イプシロン-アミノカプロン酸
酢酸トコフェロール(ビタミンE)
フッ化ナトリウム
[システマEXハミガキ]
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
イプシロン-アミノカプロン酸
ラウロイルサルコシンNa
フッ化ナトリウム
3つの薬剤が共通して使われています。
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)は歯の表面に貼り付いているバイオフィルムを超えて歯を殺菌してくれます。
マイフェイバリット成分。
イプシロン-アミノカプロン酸は歯ぐきの炎症を抑える成分です。
フッ化ナトリウムはお馴染みのフッ素ですね。
ちなみにSP-Tジェルのみに配合されているビタミンEは血行促進のため、システマEXハミガキにのみ配合されているラウロイルサルコシンNaは口臭を予防するための薬剤です。
SP-Tジェルのツルツル感はイソプロピルメチルフェノール(IPMP)によってもたらされるもの。
歯周病の方向けと書いてありますが殺菌力が抜群なのでムシ歯予防にも!
何より磨き心地が良い!
まずは市販のシステマEXハミガキからイソプロピルメチルフェノール(IPMP)を試してみるのはいかがでしょうか?
最新おすすめデンタルグッズ [歯科衛生士レポ]
2017年10月21日、福井で近畿北陸デンタルショーがありましたので、そこで見つけたおすすめを紹介します。
お家でより高濃度のフッ素を! ライオン『check up jel』
ホームケア用はフッ素が多くても1000ppm(←フッ素の濃度)でしたがついに1450ppmが出ました!
チェックアップジェルは歯磨き粉ではなく歯磨きの仕上げに塗るものです。
研磨材は入っておらず、味はグリーンガム。
ミントの爽快感が1分程口の中に残る爽やかな感覚でした。
フッ素の濃度的に、6才臼歯の頭が出始めた子に使ってほしい一品。
毎日使うには教科書的には濃度が濃いと言われるだろうが、1人1本使い切る分には体に影響はないでしょう。
心配なら「生えかけ~2年以内の永久歯だけ塗る」でも可。
問題はミント味なので人を選びます。
使い方は
歯ブラシ・フロス
↓
うがい
↓
洗った歯ブラシでチェックアップ塗布
がおすすめです。
ミント味が嫌な方はこちら
(バナナ味は500ppm、その他は950ppm)
安心と信頼のウェルテック社の新製品、コンクール クリーニングジェル
半年程前に出た商品ですが、それ以降コンクールシリーズは新作を出していないのでピックアップ。
2年程前に出た歯科専用の研磨材のホームケアverがクリーニングジェル ソフト。
↑取り入れている歯医者は数知れず。私も愛用しているウェルテック社の自信作。
クリーニングジェルはステイン除去に特化した歯磨き粉。
もったりしたペーストがステインを吸着してくれます。
泡が立ちにくいのでステインが気になるところに時間がかけやすいです。
味はほんのりグレープフルーツ味+ほんのり薬剤でスーっとしないので不快感が少ない歯磨き粉です。
週1~2回の使用で効果がでるので、こちらを使わない日は水のみでもOKです。
フッ素は入っていないのでインプラントにもおすすめ。
タバコ・コーヒーなどで着色が気になる方はぜひ。
ステインも取りたいしフッ素も入っていたほうが良いという方はコチラ↓
GC社の大人気歯磨き粉です。
歯科衛生士 パート面接服
こんな服装で2ヶ所で内定もらえたのでスーツを持っていない衛生士さんや助手さんはこんな感じでOLさんみたいな服装にジャケット羽織るくらいでいいのかなと。
鞄は旦那の皮のスーツ用のものを持って行きました。
歯医者で歯を削ってる時の水はただの水by歯科衛生士
歯医者で歯削ってる時に出てる謎の水ってガチでいるの?????
↑こんなタイトルの記事をみかけました。
歯を冷やしながら削らないと摩擦で熱々になって神経にダメージを与えてしまいます。
なので水で冷やします。
歯石取るときに水が出るのも摩擦熱を冷やしてるのです。
歯を削るときに使う水はただの水道水ですのでご安心を。
水自体は飲んでも害はありませんが金属等の不純物が混じっていることが多いので飲まずに口の奥に貯めておいてうがいで出してもらうのが良いかと思います。
歯周病がひどい方には水にコンクールを混ぜて歯周ポケットをお掃除することもありますよ。
↑これを水に混ぜて歯周ポケットをお掃除することもあります。
コンクールシリーズはweltecさんの自信作ゥゥゥゥ!!
↓歯科でしか使えませんがコンクールPMTC大好きです