イワトビペンギンの生態
基本情報
名前:イワトビペンギン(Rockhopper Penguin)
分類:ペンギン目 ペンギン科 マカロニペンギン属
生息地:インド洋南部、南大西洋
体長:50㎝前後
体重:3.0㎏前後
寿命:約20年
見た目
目の上にある黄色い飾り羽が最大の特徴で、ペンギンの中では小型種になり大型種の皇帝ペンギンと比べると体長は2分の1ほどのしかありません。目はくちばし同様赤色をしているため「かわいい」見た目ではなく「かっこいい」といった感じです。また性格は見た目通り攻撃的で、ペンギンの中では最も気象の荒いペンギンかもしれません。
両足で岩場をジャンプしながら移動することで有名ですが、イワトビペンギンも普通に歩いたり走ったりします。たまに両足ジャンプでしか移動しないと思ている人がいますがそうではありません。
生息地について
イワトビペンギンの生息地はかなり広いですが、実は生息地や特徴によってイワトビペンギンは3種類に別けられます。
南アメリカ大陸の南端の近海に生息するのがミナミワトビペンギンで、オーストラリアやニュージランド周辺に生息するのがヒガシイワトビペンギン、そしてヒガシイワトビペンギンの生息地の周辺に生息するのがキタイワトビペンギンでこれら3種を相称して「イワトビペンギン」といいます。
絶滅危惧種
年々数が減少し3種の中でもミナミイワトビペンギンは危急種に、キタイワトビペンギンは絶滅危惧種に登録されています。ミナミイワトビペンギンの主な生息地であるフォークランド諸島での減少は特に激しく、全体を見ても頭数は減少傾向にあり絶滅危惧種への登録が危惧されています。
もっと深刻なのはキタイワトビペンギンで過去40年で60%以上も頭数が減少し絶滅危惧種に登録されています。そのため保護や頭数減少の対策が積極的におこなっわれてはいますが、減少原因も明確ではなく頭数減少に歯止めがかからない状態となってしまっています。
繁殖
イワトビペンギンは崖で囲まれたような島で繁殖をします。オーストラリアのマッコーリー島や南大西洋にあるゴフ島などが良い例で、イワトビペンギンの繁殖地となっています。
崖に面した島で繁殖するため当然ではありますが崖を登らなくてはいけません。イワトビペンギンは名前の通り両足で岩をジャンプたり、ヒレやくちばしを使い上手に登っていきます。
オスはメスよりも先に繁殖地に向かい枝や小石を集め簡単な巣を作ってメスの到着を待ちます。メスはエサをいっぱい食べオスの待つ繁殖地に向かいペアをつくり2つの卵を産みます。卵は2つですが最初の卵より2つ目の卵のほうが大きいため、最初の卵は破棄されてしまうことがほとんどで1ペアに1匹の赤ちゃんが誕生することになります。
抱卵も給餌もオスとメスが交互に行います。ヒナは成長してくるとクレイシュというヒナの集まりを形成し、オスとメスがいない間は自分たちで自分の命を守ります。
最後に
イワトビペンギンは見た目の特徴方知っている人が多いと思います。イワトビペンギンを追ったドキュメンタリーも多いので是非一度「イワトビペンギン」で検索してみて下さい。
意外に知らない「ペンギンが飛べない理由」
ペンギンが飛べないのは知ってるけどどうして飛べないのかを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?そこで今回はペンギンがどうして飛べないのかを調べてきたので紹介したいと思います。
全てのペンギンが飛べないのか
まずは「ペンギンはすべて飛ぶことができないのか」ですが、全18種のペンギンが空を飛ぶことができません。見た目からからは飛べる気配がないので飛べなくても納得なのですが、「鳥類」は飛ぶのが当たり前と思っているからペンギンが飛べないのが不思議なのだと思います。
なぜペンギンは飛べないのか
ペンギンは飛ぶための翼がひれのようになっていて飛翔能力は0です。よって鳥類にもかかわらず飛ぶことができません。飛ぶことのできない鳥類は他にもダチョウをはじめ40種ぐらいいますがどれも飛翔に必要な翼が退化して飛ぶことができなくなっています。
おそらく飛べない鳥たちは飛べなくなったのではなく、飛ばなくなってしまったのだと思います。
ペンギンの祖先は飛べていた
現在のペンギンの体にみられる進化の形跡を見るとペンギンの祖先は間違いなく飛んでいたそうですが、なぜ飛べなくなったのかというのははっきりとはしていないようです。考えられる可能性としては環境の変化により空を飛ぶよりも海に潜ったほうが都合がよくなったから次第に飛ばなくなっていったというのがあるそうですが、それでほぼ間違いない気がします。
もしペンギンが今も飛んでいたら
ペンギンが今のままの姿で空を飛ぶのはほぼ不可能だと思いますが、仮にその姿でそのままの潜水能力のまま飛べるとしたら猛禽類よりもハンターだったかもしれません。皇帝ペンギンが群れで空飛んでいるとことを想像するだけでぞっとします。でもやはりペンギンに飛ぶ必要性というのは見当たらないものです。
最後に
ペンギンが飛べないのは飛ぶことをやめたため翼が退化し飛べなくなったからです。そのぶん海の中を自由に飛び回り生きています。飛ぶことより潜ることを選んだペンギンが飛べなくなってしまったのは何も不思議なことではありませんでした。
皇帝ペンギンの生態解説
基本情報
分類:ペンギン目 ペンギン科 オウサマペンギン属
生息地:南極周辺
体長:120㎝前後
体重:30㎏前後
寿命:約20年
餌:魚介類
天敵:シャチ,ヒョウアザラシなど
見た目
現存するペンギン種の中で最も大きいのが皇帝ペンギンで、雛の頃は顔が白く体は灰色をしていますが、大人になると顔は真っ黒になり体の色は背中側は黒く、お腹側は白くなります。
皇帝ペンギンは王様ペンギン(キングペンギン)に見た目が似ているためよく間違われますが、王様ペンギンのほうが少し小さかったり、体の色やくちばしの長さなど細かいところで違いがみられます。
潜水能力が高いのに浅いところが好き
皇帝ペンギンは鳥類の中では最も潜水能力が高いといわれていて水深500mまで潜ることができます。潜水時間も20分と潜水能力の高さが目立ちますが皇帝ペンギンが深水500m近くまで潜ることはめったにありません。むしろほとんどの皇帝ペンギンが深水200m以下までしか潜らないそうです。その理由としては深くまで潜る目的がないから(諸説あり)らしいですが、それならなぜ潜水能力に長けているのかと疑問も生まれます。進化の過程で潜水能力が落ちたのか、それと上がっていったのか気になるところではあります。
世界一過酷な子育て法
皇帝ペンギンは1万羽近くの群れで繁殖地に向かい、そこでオスとメスがパートナーを探します。皇帝ペンギンは基本的に一夫一妻制で1組のカップルが1つの卵を産みます。鳥類なので1度に3個ぐらいの卵を産みそうなのですが、あの大きい体で1つしか生まないのは不思議なことです。
卵を産んだメスは海に帰るので卵の面倒を見るのはオスの役目となりますが、なんとオスは2ヵ月もの間ただひたすら卵を温め続けるのです。時にはマイナス50℃まで気温が下がる環境で何も食べずに卵を温め続けるのはすごいことです。
雛がかえるころになるとメスが戻ってきて子育てはバトンタッチとなります。雛がかえってメスが戻るまでの間、雛のご飯はオスの粘膜が剥がれ落ちた「ペンギンミルク」と呼ばれるものを与え育てます。
メスが戻るとオスは海に帰るわけですが海から遠く離れて地で子育てをしているため海に帰るのは大変なことです。さらに2か月以上の絶食期間で体重は半分近くも落ち体力はほとんど残っていません。そのため海に戻ることができないオスペンギンもいるのです。
最後に
皇帝ペンギンの生態を調べるとやはり「世界一過酷な子育て」という情報が目立ちますが、本当に大変だなと思うかぎりです。特にオスに至っては過酷すぎるぐらいの子育てです。可愛い裏面にこんな子育てがあると水族館やテレビで皇帝ペンギンを見る目が少し変わりそうです。