『月記』

小瀬村卓実の備忘録。キャリア論と経営論を残します。

サービスをローンチして1週間が経った

はじめまして、アサインで代表をしている小瀬村卓実といいます。

先日、AIキャリアシミュレーションである『VIEW』と言うアプリをローンチして、1週間が経ちました。

 

休日に入り、少し余裕ができたので、サービスローンチを経験しての所感を備忘録として残していきます。

 

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メディア掲載を50以上の媒体に掲載いただき、大きな反響をいただいた。

まだまだ改善点も多いが、初期の利用者数拡大により、サービス改善を早めることができている。

 

なぜPRを最大化できたのか

我々のようなベンチャー企業が、NewsPicksYahoo!ニュースを始め、多くの有名媒体に掲載いただけた要因は以下の2つだと考えている。

1.ローンチに向けてのメディア交渉

アプリのサービスはよほどのビックニュースがない限り、ニュースバリューは開始時が最大になる。

PRへのリソースもノウハウも少ない状態で、ピークを迎えてしまうため、つい逃しがちである。

 

記事掲載はドミノ倒しのように広まっていくため、どれほどの広がりを見せるかは予想がつかなかったが、

プレスリリース案をもとに、各メディアに対し、きちんと事前にアプローチに行ったことが功を奏した。

 

私自身、広報経験が無く、PRの現場感を持っていたわけではなかった。

その経験の少なさを考慮し、広告代理店の方に任せると言う判断を早めにしたことが良かったように思う。

 

メディアとのコネクションはもちろん、PRにおける常識や現場感を知らずに掲載をお願いすることは、今考えるとかなり難易度が高い。

 

2.取り上げる価値のあるサービスか

一方で、ただ単にメディアにアプローチするだけでは難しく、

中身が取り上げるに値すると考えてもらう必要がある。

 

サービスのコンセプトを考える時点で、顧客への価値を突き詰める必要がある。

もしコンセプトが緩い場合は、広告代理店の方に頼む時点でお断りされることもある。

彼らも仕事をするからには、結果が出すことにこだわりを持っている。

 

良いサービスを作り、訴求に落とし込む必要がある。

 

まだまだAIは古くない

メディア関係者の方からは、

「今やAIはよく聞くワードであり、取り上げてもらえる事はないだろう」

と言うアドバイスを頂くことがあった。

 

もちろん、その考え方も正しい。今やAIを使ったサービスは珍しくない。

だが、実際に蓋を開けて感じたことは、メディアはあくまで読者を意識しており、

その読者にとってAIは多くの方にようやく認知され始めた、関心のあるトピックである

ということである。

 

AIを集中して取り上げる記者さんや媒体もまだまだ多く、AI活用をきっかけに掲載に繋がることも多かった。

ベンチャー企業のPRは、最先端を切り開くだけではなく、盛り上がっているワードの追い風を借りるのも手だ。

 

今までにない尖った訴求を作ろうと躍起になることは、ターゲットの縮小や、顧客ニーズからの乖離にも繋がりかねない。

 

イメージがサービスを象徴する

無形のプロダクトであるVIEWは、UIにこだわりを持って作られているものの、

中心の価値は「体験」であり、わかりやすい「モノ」としての要素は少ない。

 

だからこそ、サービスを通して実現したいことや、その価値をきちんとイメージに落とし込む必要があった。

 

メインビジュアルとして、デザイナーさんと質の高いものを作りあげたことで、

PRとして本気であること、取り上げるに値する信頼性があると思っていただけたように感じる。

 

ブランドが未確立で、無形商材の場合は、メインビジュアルは重要になる。

 

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アプリのダウンロードはこちらから

「VIEW - 20代転職者向けAIキャリアシミュレーション」をApp Storeで

 

今後の投資判断こそが重要

PRを伴うローンチをしたことで、ユーザ数が拡大するのはもちろんだが、

同時に増えたのが、いわゆる「営業」からの問い合わせである。

 

営業を受けるのは、世間的に嫌がられる傾向にあるが、

個人的には企業としての引き出しを増やしてくれる機会だと考えている。

 

〇〇駅を広告でジャックしませんか、

エンジニアの採用を活性化させませんか、

魅力的な提案をいただくことも多い。

 

ただし注意しなければならないのは、

ローンチ時のPRを成功させることと、収益を上げる事業作りは全く別の問題であるということである。

 

メディア掲載され、反響を頂く中で、どこか上手くいっているような感覚に陥り、

ついリターンのない投資をしてしまいやすい。

特に調達後など、手元に資金があるときは尚更である。

 

PRはユーザの認知と利用を促すことができるが、

サービスとして顧客価値を提供できているかどうかが重要となる。

 

ユーザからのフィードバックを受けられた事は、サービスとして大きな一歩ではあるが、

今後も長期目線で顧客価値の改善に取り組んでいきたい。

 

サービスの中心は常に「顧客」である

ローンチを経験し、顧客価値の重要性を再認識している。

 

転職アプリとして、顧客価値を高めることに全力を注ぎたい。

・よりパーソナライズされたキャリア提示

・より広いユーザ層に対応する収録シナリオ

・より簡単で手間のかからないUI設計

VIEWの修正方針は明確で、まだまだ改善点も多い。

 

サービスとして顧客価値を高め、収益を生み、さらなるサービス改善に投資をしていきたい。

長期目線で、顧客価値を追求することを忘れないようにしたい。

 

結局自分のスマホ見たときに、大切にしているアプリは人から勧められたものばかりだ。

人に勧めたくなるような、優れたサービスを実現していきたい。

 

優れたサービスは、必ず成功する。

豊かな人は、幸せになる権利を持つ。

 

本日は以上です。

AIキャリアシミュレーション『VIEW』の今後

はじめまして。アサインで代表をしている小瀬村卓実です。

今回は、昨日ローンチしたVIEWというアプリについて書いていきます。

 

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50を超えるメディアに掲載していただき、大変うれしく思う一方で、改善点も多く頂くローンチとなった。

VIEWのもたらす価値と、ローンチを経験して感じたことを中心に、備忘録として残していきたい。

 

そもそもVIEWとは?

VIEWは経歴と価値観を登録すると、その方の天職を診断してくれるAIを活用したiOSアプリ。

 

価値観に合ったキャリアシナリオをランキング形式で確認でき、それぞれのキャリアを歩んだ場合の年収推移や業務内容、ロールモデル等を確認した上で、その領域の専門エージェントに相談することができます。

 

ダウンロードはこちらから▼

「VIEW - 20代転職者向けAIキャリアシミュレーション」をApp Storeで

 

VIEWの目指す価値とは?

多くの転職アプリが存在する中、

VIEWの役割は

「あなたの天職へのアクセスを容易にすること」

だと考えている。

 

20代にとって、転職は「よくわからないもの」という印象が強い。

 

自分の選択肢を把握したり、

自分に合うキャリアを探したり、

相談すべき相手を見つけたり、

 

こういったことが、相当な手間をかけないと難しい現状がある。

 

我々人材業界としても、ビジネスモデルの影響もあり、現状では十分な転職支援を実現できていない。

シニアと比べ年収が低く、可能性も広い若手は、面倒な顧客と思われやすい。

 

しかし、若手こそキャリアの大筋が決まる大事な時期であり、本来的にはキャリア支援が最も必要である。

VIEWを通し、転職の選択肢や自身に合うキャリアへ、もっと簡単にアクセスできるようにしていきたい。

 

VIEW AIは、その方の経歴から取り得る選択肢を洗い出した上で、価値観によってランキング付けを行う。

現時点でのAIは、あなたのキャリアを断定することができないが、おおよその選択肢を提示することはできる。

 

現職で働きながら行うことが前提となる転職活動では、少ない手間で自分の選択肢を俯瞰できる事は価値があると考えている。

 

VIEWは、あくまであなたをサポートする立場であり、最後は自由意志が大事になる。

 

VIEWの最終的な目標は、

「あなたが受けるべき企業が1分でわかる世界を実現すること」

である。

 

本当はエージェントにも注目してほしい

メディアではAIによる診断がフォーカスされるが、相談できるエージェントにも、かなりこだわりがある。

 

前述したように、AIはあくまで選択肢の提示に過ぎない。

そこから先の選考や意思決定、さらには転職後のキャリアを見据えて誰に相談すべきなのか、

という問いに答えられるサービスにしたい。

 

我々もエージェントとして実績を残していく中で、優秀なエージェントについての情報も集まってくる、今回のサービスでは、各領域のトップエージェントのみにお声掛けをしている。

 

昨年度ビズリーチトップの若狭さんを始め、各領域で実績を残しているトップエージェントの方々にご協力いただいている。(リンクは弊社取締役と若狭さんの対談)

 

liiga.me

 

若手こそキャリア支援が必要、というビジョンに共感し、親身な転職支援はもちろん、

エージェントの登録資格も、若手の転職支援サービスでは最高水準の実績を要求している。

 

誰に相談すればいいかがわからない現状から、少しでも前に進めるようにしたい。

 

ローンチをしてみて感じたこと

正直な話、ここまで多くのメディアに取り上げていただけるとは想像していなかった。

 

掲載に伴い反響も大きく、個人的にはいくつかの改善点に気づかされる経験となった。

 

シナリオのカバー範囲を広げなければならない

自身のキャリアに向き合いたいと言うニーズを持つ方は、非常に多様な経歴を持っている。

カバー範囲以外のユーザ様が使ったときに、アプリが落ちると言う事態が発生した。

 

twitterにて、

IT以外の開発が全部まとめて職種R&Dしかなくて、ソフトウェアエンジニア以外エンジニアではないという圧を感じる」

という投稿を目にしたが、これは僕らが悪い。

 

ハイクラス層のフロント職種を中心にカバーしていたが、多様な職種に一刻も早く対応すべきと感じている。

 

若手の転職アプリを提供するからには、レコメンドの精度はもちろんだがその幅の広さも至上命題である。

 

(アプリが落ちた方は、3/1以降に1.0.4へアップデート頂けますと幸甚です。問題なく動作するよう改善します。)

(シナリオ提示が不十分な方、3月中にシナリオ数の大型アップデートを行います。もうしばらくお待ちください。)

 

チュートリアルを整備すべき

VIEWは、既存のアプリとアプローチが違うために、当然UIも異なっている。

 

現在のインターフェイスでは、ユーザへの説明が不十分と感じている。

 

診断を終えシナリオのランキングを見た後に、詳細をチェックしたり、エージェントに相談したり、と言う機能を十分に利用して頂けていない。

 

特に、無料でトップクラスのエージェントに相談できると言う機能への導線は、よりきちんと整備する必要がある。

 

良いこともあった

課題や改善点が身に付くが、様々な方から温かい言葉もいただいた。

 

取引先や登録エージェントの方々はもちろん、過去に転職支援した方からも

「同僚にも勧めます!」

といった言葉をいただけた時は本当に嬉しかった。

 

過去2年間にわたり粛々とエージェント事業としての実績を積み上げ、その経験を還元する方法を考えていく中で生まれたサービスである。

今までよりもオープンに、多くの人に価値を提供できる会社にしていきたい。

 

多くの方のご支援をいただき、サービスローンチまで進むことができました。少しでも恩返しが出来るよう頑張っていきます。

 

今後について

1分で受けるべき企業がわかる世界」の実現に向け、ますます改善を重ねていきます。

 

シナリオのカバー範囲改善、バグの修正、アンドロイド対応、新卒領域への拡大、やることが山積みですが、着実に進めていきます。

外部資金の調達も視野に入れ、スピード感のある改善をお約束します。

 

今後とも、何卒VIEWをよろしくお願い申し上げます。

 

本日は以上です。

 

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小瀬村の連絡先:t_kosemura@a-ssign.com

若手転職におけるAIは「組み分け帽子」となる

今回は、若手転職業界におけるAIの価値について考えていきます。

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タレントマネジメント領域ではHRtechのサービスが数々台頭している一方で、転職支援領域でのAI活用はまだまだ進んでいない。

 

この記事では、転職者とエージェント企業、それぞれの観点での若手転職の実態とAIがもたらす変化について書いていく。

 

人材業界は若手軽視?

20代で転職活動をした方ならわかるかと思うが、

「エージェントに会うなり、すぐに求人を提示された」

という感想を聞くことが非常に多い

 

それも、自分のやりたい仕事と言うよりは、

今までの仕事に似ていて、自身が戦力になりやすそうな仕事を紹介される傾向にある。

 

他にはないかと聞いても、

「この辺りの求人しか応募できるものがない」

と言われると、転職者としては反論しにくく、ガッカリして帰る方も多いだろう。

 

こういった顧客対応の裏には、人材業界のビジネスモデルが作用している。

 

エージェントや転職サイトの多くは、年収に紐付く成果報酬モデルでマネタイズしている。

そのため、若手は人材業界から見て、単価も安く経済性が釣り合いにくい対象と思われがちである。

 

経済性を成り立たせるために、人材業界全体として若手の転職支援は、

工数をあまりかけずにグロスで大量に扱うと言う方向に進化してきた。

 

だからこそ、初回の面談で求人を提示し、対策があまり必要ないような、

今までの延長線上にある仕事を紹介するエージェントが多くなっている。

 

もちろんエージェントの中には、

「若手こそキャリア支援が必要である」

という問題意識を持ち、質の高いサービスを提供する会社も存在する。

 

しかしそういった企業は、領域特化型である、小規模なブティック系エージェントに多い。

せっかく親身になってくれるエージェントに出会えても、得意領域と希望転職先がフィットしない場合もある。

 

ただでさえ転職者に情報が入りにくいこの人材業界において、

転職者が自分の相談すべきエージェントに出会うのは多くの労力を要する。

 

現職で活動をしながら行うことが前提である転職において、そこまでの手間をかけられる人は少ない。

結局誰に相談しても良いか分からず、今と似た仕事から選ぶしかないという実態がある。

 

AIは「組分け帽子」になり得る?

具体的に転職業界にAIがもたらす価値と言うのは、

「自分に合う仕事へのアクセスがしやすくなる」

ということであろう。

 

技術発展により度合いは変わるが、

「自分が受けられる企業はどこなのか?」

「自分に合っている企業はどこなのか?」

「誰に相談すれば良いのか?」

といった問いへの答えがより簡単に手に入る。

 

いわば、キャリアの「組み分け帽子」としての役割である。

 

AIの典型的な活用方法の一つとして、属人的な優れたノウハウを汎用化すると言う方法がある。

医者による判断をAIで、といった専門家の知見を多くの人に簡単に届けることがポイントだ。

 

人材業界のキャリアカウンセリングは、まさにこの典型的な事例である。

 

転職活動のモバイル化が進み、キャリア情報へのアクセスのしやすさはより重要になってくる。

 

AIは、自身の要望や価値観といった好みに関する情報と、経歴やスキルといった応募要件に関わる情報、この双方を踏まえて理想のキャリアへのアクセスをより容易にするだろう。

 

一方で、アニメや小説になるようにAIが人の職業を決めると言った世界はしばらく先になるだろう。

 

エージェントとして多くの転職者を支援していく中で、転職には、その方の自由意志が非常に重要であると感じている。

今後変わっていく可能性はあるが、今のユーザはAIに決め付けられることを許すほど、AIを信用してはいない。

 

しかし、現段階でもAIは転職活動をより手間のなく、有意義にすることには十分貢献するだろう。

 

エージェントは工数戦争から脱却する

このAIによる効率性の向上は、実は我々エージェント企業にも大きなメリットをもたらす。

 

内情が知られていない業界だが、エージェント企業は工数戦争に苦しんでいる。

 

転職希望者の方と会うために、スカウトを1通ずつ手作業で送るのがスタンダードとなっているが、返信率は1%に満たないことも多い。

 

100通も連絡して1人からも返ってこないコミュニケーションツールが今の時代にあるだろうか。

(丁寧にはてブでご指摘くださった方がいたので追記:各DBでもちろん返信率は異なりますが、若手向けDBになればなるほど返信率は落ちる傾向です。各DBの批評になるため個別名はあげませんが、DB別の平均返信率は、0.5%-8.0%ですね。20%の返信率は素晴らしい数字)

我々エージェントは、転職者の方が携帯をチェックする時間を狙い、1ヵ月に200通以上のスカウトを送っている。

 

スカウト作業と双璧をなす非効率性が、転職者とのミスマッチである。

エージェントには、それぞれ得意領域があり、そこから外れる転職者には十分な支援ができない。

 

スカウトの段階で出来る限りターゲットは絞っているものの、若手の場合は希望職種が幅広く選択されていることも多く、いざ会ってみると支援対象ではない方であることも多い。

10人の方と会い、1人決まれば良いエージェントだと言われている。

 

このスカウト送信とミスマッチを乗り越える現状の手段が、「マンパワー」である。

 

AIがそれぞれの転職者の適性や要望によって一時的な振り分けを行うことにより、エージェントとしての本来的な役割であるキャリアカウンセリングや転職市場の情報収集に時間を使うことができる。

 

当然AIによるマッチ率が向上は、採用企業にも同様の良い作用を生み出す。

 

中途採用の内定率は数%水準となっていることが多く、人事や現場の方の工数肥大はどの企業においても悩みになっている。

 

AIの本質が「判断」にあるとすると人材業界はAIの進化が発揮されやすい業界である。

AIが一次的な「組み分け帽子」としての役割を果たすことができれば、転職者・エージェント・採用企業全ての良い価値を実現できると考えている。

 

若手転職を支援する企業として、より良いキャリアの実現を「技術」と「人」の両面で支援できるよう取り組んでいきたい。

 

本日は以上です。

他人の価値観で生きるな

こんにちは、アサインで代表をしている小瀬村です。

今回は、キャリアにおける価値観の役割、重要性について考えたいと思います。

 

実はこの「価値観」、キャリアプランニングにおいては中心となる要素であり、

アサインでは、この価値観こそキャリアを考える上での最重要の要素と捉えている。

 

価値観という言葉は、やや曖昧であるため、

まずは我々の考える「価値観」の定義をご紹介したい。

 

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キャリアにおける「価値観」とは?

キャリア戦略上の「価値観」とは、

・あなたがやりがいを感じる基準

・あなたの本質的な強み

だと捉えている。

 

この記事では、まず1つ目にフォーカスして話をしたい。

 

価値観とは、

「何に価値を感じるのかという観点」であり、

キャリアを選ぶ際の本来あるべき判断軸であると考えている。

 

人生100年時代と言われるように、キャリアが長期化する中、

大きな割合を占める仕事を何にするのかと言う問いは、

ますます重要になってくるだろう。

 

しかし、多くの人が自身の価値観を理解し、

キャリアの指針とすることができていないように思う。

 

なぜ自身の価値観が理解できないのか?

 

この価値観を正しくとらえるために、

最大のハードルとなるのは、世間の目やブランドといったものである。

 

その代表的なものが、「就職偏差値」であり、

ほとんど全ての若手がその存在を認知している。

 

各企業に対し、そのブランドや就職難易度が偏差値として表現したもので、

ネット掲示板では、勝ち組・負け組といったような議論が日々行われている。

 

自分がやりたい事は何かを考える上で、

こういった世間の画一的な基準、つまり、

「他人の価値観で意思決定をする人」が増えているように思う。

 

実際に、今の世の中で自分の価値観を捉えることは、そう簡単では無い。

 

いかに自分の価値観を捉えるか?

キャリアをテーマに考えると、どうしても企業ブランドや年収が頭をよぎり、価値観をとらえるのは難しい。

 

そのため、自分のキャリアを考えるステップを

1.自身の価値観を把握する

2.その価値観に合うキャリアを選ぶ

と明確に分けてしまい、

 

価値観を理解する目的では、

趣味や休日の過ごし方といった仕事から離れたテーマで考えることをお勧めする。

 

例えば、

 

本を読む、それも特定のジャンルや作者ではなく、幅広く読書する方は、

1つの領域を追求するよりは、多様なものに触れる仕事の方が合っている。

 

人にプレゼントあげることが好きな人は、

自分が得をすると言うことよりも、相手が喜んでいる姿を見る、

共感性が活きる仕事があっている。

 

といった具合だ。

 

こうして自分の価値観を把握した上で、

エージェントや求人サイトを活用し、

自分の価値観に合う仕事を探すと言うのは非常に良いアプローチだ。

 

20年以上生きている中で、その方の価値観と言うのは間違いなく形成されている。

つまり、大切なのは、形成された価値観をきちんと認識して、

キャリアの意思決定に反映させていくということである。

 

価値観を考えてみたものの、

イマイチ捉えることができないという方は、

 

ストレングスファインダーのような書籍を活用したり、

エージェントのキャリアカウンセリングを受けたりすることも、ヒントになるだろう。

 

就活ルール廃止や、副業自由化の流れもあり、

今後キャリアはより一層オープンになっていくと思われる。

 

多くの機会に触れるチャンスが出てくる中で、

いかに就職偏差値といった他人の価値観ではなく、

自分の価値観で切り開いていけるのかというのが重要であり、

「偏差値vs価値観時代」とでも言えるのではないかと考えている。

 

心から楽しい、誇りを持って人に話せるような仕事をしている人を増やすことが、

弊社のミッションであり、この記事がキャリア検討の第一歩となれば嬉しい限りである。

 

本日は以上です。

企業経営における「発明」とは

今回は、事業経営における発明について書いていきたいと思います。

 

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経営における発明で最も有名な考え方は、ジェフベゾスの提唱する発明であろう。

 

彼はアマゾンの経営において

「顧客視点」

「発明」

「長期目線」

と言う3つを重んじている。

 

今回は、その中での発明について考えていきたい。

 

なぜ「発明」が重要なのか

事業を成功させていく上で、発明は不可欠なものだと考えている。

 

他の会社とは異なったアプローチで、顧客の求めるものを提供する。

 

この顧客価値を高める新たなプロセスこそが発明の中身である。

 

シェアと言うものは、大きな目線で見ると市場の中のどれほどの顧客が自社のサービスに受け入れられるかと捉えることができる。

 

既存の市場シェアを変え、自社のシェアを伸ばしていくためには、今までにない顧客価値を作り出し、市場にそのサービスの是非を問う必要がある。

 

既存の市場の奪い合いで、ただ利益を減らすだけの価格競争や、PR合戦に終始する事は長期的に見て、その企業の発展をもたらすのではない。

 

経営における「発明」はどのようにするのか

まず大切な事は、顧客を見ることである。

 

顧客は常にニーズが充足された時、新たなニーズを持つ。

つまり、いつだって充足されていないニーズは存在する。

 

ジェフベゾス曰く

「顧客は常に求めている」

のである。

 

シェアの定義が、顧客にどれほど受け入れられるのかと考えられる限り、その発想の中心は顧客でなければならない。

 

一方で気をつけなければならない事は、顧客のニーズを聞きそれを具体的なサービスやプロダクトに落とし込むのは企業の仕事であるということである。

 

顧客をよく観察すると、彼らの求めていることがわかる。ただしそれを解決するプロダクトについて顧客はアイディアを持っているわけではない。

 

目の前にソリューションを置いて初めて、顧客はそれが気にいるかどうかを答えることができる。

 

逆に言えば、差別化を意識するあまり、十分に顧客ニーズが充足されている領域で、顧客便益を高めることのない新サービスのローンチは成功しない。

 

新しいサービスは、既存サービスを模倣するのに比べ当然ヒット率は下がる。

だからこそ、価値があり、市場の大きな割合を取りうる。

一方で、競合のサービスを模倣することができず、顧客にフォーカスしなければ成功にはなり得ないと言う性質も持つ。

 

せっかく事業を経営するのであれば、顧客に対し、より良い価値を提供できるようなアプローチで取り組みたい。

 

本日は以上です。

企業経営を「進化論」から考える

皆さんは、ダーウィンの進化論をご存じだろうか。

 

今回は、経営者として「種の起源」を読んで考えたことを残したいと思います。

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進化論自体は、義務教育でも扱われるかなりメジャーな理論である。

 

”生存闘争の中で、自然淘汰がなされ、より生存確率の高い種が生き残る”

 

と言うのが中心となる考えである。

 

ふと読むことになったこの本だが、生物学的な面白さに触れるだけでなく、経営者として意識すべき教えがあると感じた。

 

経営は意識的な工夫で進化する

稲盛和夫氏の言葉に、

「今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる」

というものがある。

 

日々の会社としての経験の中で、工夫を積み重ねていくことの大切さを説いている。

 

進化論から読み解けることとして、変異による環境適応をしない種は、淘汰されてしまう、と言う内容がある。

 

生物としては、無意識的に長い年月をかけ、進化していくことができる。

 

一方で、会社の経営と言うのは、生物の進化と比べると、時間的に短く、意識に左右される度合いが大きい。

 

意識的に工夫を重ね、企業として変化していく心構えがないと、つい現状維持になりがちである。

特にある程度の売り上げが安定し始めた企業はそうなりやすい。

 

変化の大切さと、淘汰の存在をきちんと認識して、企業としても日々の工夫、その先にある進化を目指していきたい。

 

大きな市場で勝負せよ

また、これは進化論の中心的な議論では無いのだが、非常に印象に残った記述があった。

 

“ガラパゴス諸島のような、独自の環境で作られた生態系に、大きな世界からの外来種がやってくると滅ぼされてしまう。”

 

と言う内容である。

 

ガラパゴス化と言う表現が、用いられたように島国である日本はクローズな競争環境であるとも言える。

 

日本人として、つい日本人ならではの特性や環境いかし戦っていることを考えてしまうが、おそらくグローバルで戦う場合には日本の勝者でなく、アメリカの勝者が勝つことになるだろう。

 

そう考えると、グローバルで勝ちに行く企業を作るのであれば、初めから世界を相手に戦うべきであると思う。

 

日本だけ特定の事業領域が先行して成り立つ事は少ないと思うし、日本をきちんと押さえた後に世界に打って出るという順番では、世界市場で勝ってきた企業には勝てないのであろう。

 

意識的な工夫と、大きな市場と言うキーワードを忘れることなく、今後の事業運営や選定に生かしていきたい。

 

本日は以上です。

 

ASSIGNでは、一緒に働けるメンバーを募集しています。

興味のある方は、お気軽にご連絡くださいませ。

https://goo.gl/forms/T0wdHOK6ywTGc43j1

「まぁ、いいか」という魔法の言葉

こんにちは、アサインで代表している小瀬村です。

 

今回は、特に30代以降のキャリアを考えるときにキーワードとなる「まぁ、いいか」という言葉について書いていきます。

 

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「まぁ、いいか」と言う魔法の効用

歳を重ねるにつれて、より地に足のついた考え方ができるようになる。

 

これはキャリアの観点で見るとある意味で良い部分でもあり悪い部分である。

 

若い頃には自分が主人公のように感じ、自分と同じ歳で活躍するスポーツ選手が出てくることでさえ何か嫉妬してしまうこともあっただろう。

 

それが、いつの時からかそれが当たり前になり、様々なことに対し、「まぁ、いいか」と自分を納得させることが多くなってくる。

 

この言葉は、自分の人生を肯定して、幸せに生きるための人間に備わった緊急装置だと考えている。

 

魔法には副作用がある

ファンタジーの世界とは違い、現実では魔法を使うための対価が存在する。

 

「まぁ、いいか」の魔法は、自分を納得させる力を高めてくれるとともに、自分の可能性を制限することに繋がる。

 

キャリアにおける様々なことに対し、この呪文を唱える度に、自分を納得させる力が高まっていくのだ。

 

日本人の仕事へのやりがい水準は世界的に見ても低い。

世界最下位!日本人の「仕事満足度」はなぜ低いのか | STAY GOLD! リーゼントマネジャー岡田兵吾の「シンガポール浪花節日記」 | ダイヤモンド・オンライン

 

本当の意味で自分に合ったキャリアを探すことを忘れ、

今歩んでいる道を肯定するキャリアにして欲しくない。

 

上司のため、会社のため、世間からの見られ方といった、

他人の価値観に従うと言うのは、ある意味で大人になるということであろう。

 

魔法を使わないために

自分に合ったキャリアを現実として歩むためには、明確なキャリアプランが必要になる。

 

特にキャリア全体の大きな方向性を決める20代は大切な期間だ。

 

転職市場では、

30:その領域での3年以上の経験を求められる

35:その領域での社外に通用する実績を求められる

こういったマイルストーンを理解した上で、自分の価値観や目指す将来像に合う仕事を考え、アプローチショットを打っていく必要がある。

 

朝早くから夜遅くまで、日々上司や会社のために頑張っている人こそ、

3年目の終わり」や「5年目の終わり」といった区切りでは、あなた自身のために時間を作って欲しい。

 

本日は以上です。