喜怒哀楽

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人生に思い悩む人へ、不思議な力のある本〜マスターの教え〜

新年明けましておめでとうございます!

今年の目標を立てたいと思いある本を読みました。

 

自分の中でとても大切な本です。

 

マスターの教え 著:ジョン・マクドナルド

マスターの教え 文庫版

 

この本。

とっても大切にしている本です。

内容はとっても簡単で面白い。

そして人生に迷っているときやモヤモヤするときの手助けとなってくれる本です。

 

僕もこの本に何度も助けられています。

この本の冒頭で

ページの中に、説明のできない「何か」が確実にあります。そしてそれが素晴らしい霊力を持ち、読者にダイナミックな確信と気づきを与えてくれます。 

 と始まります。

 

初めて読むときはなんだこれ?

と思っていましたがこの本にはその力があります。

これは言葉では説明のできない、とても不思議な力。

 

実際に手にとって熟読するしかありません。

 

去年はコロナで大変な一年でした。

新しい一年を迎える準備としてこの一冊をお勧めいたします。

 

 

芸術は爆発だ【太陽の塔】

宵山万華鏡を読み終えても森見ワールドから抜け出せないぼくが手に取ったのはこの本でした。

 

太陽の塔 作:森見登美彦

太陽の塔(新潮文庫)

 

なんとこの本が森見さんのデビュー作ということで楽しみにしていました。

そして読んでみると仰天。

最初っからこんなにすごい世界観を作っていたのか!!

芸術は爆発だ!」と言わんばかりの力作。

いやーすごい。と思いながら読み始めした。

 

まさに12月のこの時期に読むべき本。

クリスマスという独り身にとっては最大の敵ともいえるイベントに向かっていく日々を主人公と愉快な仲間たちとともに進んでいきます。

 

いやーそれにしても出だしから主人公のクセが強すぎて。笑

元カノを研究対象という名目でストーカーしたり。

紳士でありながら変態であったり。

5回生なのに休学中だったり笑

そんな主人公もクリスマスが近づくにつれいろいろな出来事に揉まれていきます笑

 

やっぱり森見さんの小説の京都の町の使い方が好きで地図を見たりしながら読み進めていくのは楽しい。

それに聖地巡礼のように実際に出てきたところを巡るのも楽しいなぁ

森見さんのお話を読んでいると本当に京都ならこんなことが起きるんじゃないか?

とちょっと期待してします自分がいたりします。

 

ええじゃないか騒動、楽しそうだったな。笑

 

 

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次も森見さんで!

 

 

 

地図必須。来年は行きたい祇園祭【宵山万華鏡】

いろいろな小説を読んでいましたがなかなか抜け出せない世界観がありまして。

それは森見ワールド笑

夜は短しであの世界に足を踏み込んで以来忘れられずにいました。

今回はそんな森見ワールド全開なお話。

 

宵山万華鏡 作:森見登美彦

宵山万華鏡 (集英社文庫)

 

はい!戻ってまいりました。

森見ワールド。

この世界観クセになるんです。

そして今回の宵山万華鏡も森見ワールドが堪能できる一冊でした〜

 

舞台はもちろん京都。祇園祭宵山が舞台!

いや〜ホルモーでも宵山が出てきているから早く宵山を体験したい。

宵山の不思議な雰囲気の中で万華鏡のようにいろいろな主人公が不思議な体験をする短編集。森見さんの独創的な世界観と宵山の不思議な雰囲気が醸し出す本当にありそうでないようなお話はどんどん読み進めてしまいます。

 

そしてなんと!

これが一番驚いたのですが。

夜は短しと同じ世界のお話。

深く言うとお楽しみが削がれてしまうのでお伝えいたしませんが。

夜は短しのあの人が出てきます笑。

 

それにしても森見さんは京都の町を使いながら表現するのがうますぎる。

京都移住者としては地図が必須であり、その場の雰囲気を想像しながら読んでいく作業が楽しかったりします。

聖地巡りというか京都に来たら自然と聖地巡りになっているような。

 

個人的に好きだったお話は宵山劇場。

発想がおもろすぎておいっとなる笑

あそこまでしてくれる?友人が欲しいなぁと思いつつそれは学生までかな?とも思ったりしています笑

 

そんなこんなで不思議な世界に再入場してしまった僕は次の本も森見さんの本を選びました。

 

乞うご期待。

 

 

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こんな行事を体験してみたい【夜のピクニック】

ホルモーを読み終えなんだか学生気分な僕は次なる本も学生ものにしようと決めていました。

ちょっと前に題名と冒頭の入りが面白そうで買った本を読むことにしました。

 

夜のピクニック 作:恩田陸

夜のピクニック(新潮文庫)

 

 

 

みてくださいこのブックカバーを。

なんだか素敵なにおいがします。

 

チョロチョロと読んでいくとどうやら高校生のお話でこの高校では修学旅行の代わりに夜通し歩く歩行祭というおおきな行事があるそう。

舞台はこの歩行祭。ただひたすら友達と歩くという行事。いやぁ、楽しそう。一回高校生に戻ってこんな行事をしてみたい!とも思うのだけどそれは体験していないからで実際に修学旅行の代わりの行事と考えると最悪なイベントだ……。

作中でも同じような描写があるのだけど卒業生は皆揃って修学旅行なんかより歩行祭が良かったと言うそう。主人公たちもそれはないだろと思いつつ最後の行事に向かっていく。

 

小説初心者の僕ですが面白いと思える小説は決まって世界観にどっぷり浸かれる。

まるでその世界で一緒に過ごしているようなそんな気分にさせてくれる。夜のピクニックはまさにそれ。

主人公の融と友達として関わっているみたいだったし一緒に歩行祭という一大イベントに参加しているようだった。というのも、この小説には大きな事件や大きなアクシデントがない。

ただただ、伝統として行われている歩行祭のたった一回に参加している。そして、平凡に友達と歩いているだけ。それなのに関わらずおもしろい。なんでかわからないけどおもしろい。

特に大きなことでもないのだけれど些細な気持ちの変化や友達とのリアルな会話が実際に歩行祭に参加しているという気分にさせてくれるからだろうと思う。

 

歩行祭は夜も歩く。

その中で生み出される名言というか格言が高校生が言いそうだけれどもなんだか本質をついていて立派だなぁと思ってしまう。

 

その中でも心に残っている言葉がある。

 

主人公の融に対して親友の忍が説教をするシーン。

どこか俯瞰して見ているような冷静さのある融に対しての一連の会話が思わずおぉ〜となってしまうような深さがある。

 

忍は従姉妹のはなしをした。

小学生の先生をしている従姉妹からすすめられた本を読まずにいたが高校生になってようやく読んだ。

その時に思ったのが『しまった、タイミング外した』おすすめされた時期にも意味があってその時に読んでいればその本は一生の宝物になったのにと。

「だからさ、タイミングなんだよ」

「あえて雑音をシャットアウトして、さっさと階段を登りたい気持ちは痛いほどわかる。だけどさ、雑音だって、お前を作っているんだよ。雑音はうるさいけど聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、あとからテープを巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない。おまえ、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって後悔する日が来ると思う」(略しています)

これは心にぐさっときました。

雑音か〜確かに大人になっていくにつれて雑音から避けていた気がする。

子供の頃はそんな雑音も気にせずに生きていたはずなのに大人になってからは嫌な雑音からは積極的に逃げていた。そして、できるだけ耳を塞いで聞こえないようにもしていた。

この言葉に出会ってから日常にはいろいろなものが転がっていてその一つ一つが自分をるくっているんだ。と思えるようになった。

 

それは些細なことだけれどもとっても大切なことだと思いました。

 

 

 

 

ホルモォォォォ〜〜〜〜〜〜【鴨川ホルモー】

夜は短し歩けよ乙女を読んでから

あー京都の町って良いなぁと思っておりました。

そこで次なる本は京都ものであり、なんだか変な匂いのするこの本にしました。

鴨川ホルモー 作:万城目学

鴨川ホルモー 「鴨川ホルモー」シリーズ (角川文庫)

 

 

 

はい、このブックカバー。

面白いに決まっている。中身を見ていないのにそう断言していました。

そしてそれと同時に”ホルモー”ってなんだよ。と変な目でこの本を読み始めました。

 

 

読み始めると、学生の懐かしい空気感が蘇ります。

しっかりと京都を舞台にしたお話なので実在の大学も出てきてなかなか良い感じ!

そして徐々に明かされる”ホルモー”についてのこと。

とても奇妙でなんだこれ?と主人公と同じような気持ちになりながらも読み進めていきます。

 

そして、主人公がヒロインに一目惚れするところがストーリーのキーポイントでもあるのですが、一目惚れポイントがなんと”鼻の形”。。。。

読みながらどんな性癖だよっとツッコミつつ、でも確かに大切な要素ではあると納得もしつつ笑

とにかく主人公が鼻に対する解説をしている内容からしてもかなりの”鼻愛”がありますね万城目さん。顔立ちならぬ鼻立ちが良いとか言ってるし笑

 

そんなこんなで内容は小説初心者の僕でもスラスラ読めるような内容でどちらかというと漫画のような雰囲気で進んでいきます。読めばわかりますが小説じゃなくて漫画で読みたい。。。とも思ってしまいます笑

 

青春な懐かしいさを思い出したい時に読みたくなる一冊でした。

 

それではホルモォォォォ〜〜〜〜〜〜!!

この世界観はなんだ!【夜は短し歩けよ乙女】

ついに本が届きましたよ〜

じゃん!

 

夜は短し歩けよ乙女 作;森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 

読書の習慣のなかった僕でも小耳に挟んだことのある作品名の舞台はなんと京都!

今年から京都が好きすぎて移住した身としてはなんとしてでも読みたい!

ということでネットでぽっちと購入。

いつ届くかなーとコンビニ人間を読みながらソワソワしておりました〜

 

そして届いてすぐに読み終えてしまいました。

読んだというより、夢のような世界に迷い込んで気づいたら目が覚めていた。

そんな感覚でした。

 

それにしてもまたすごい世界観で。

文体もなかなかの癖があり読んでいて楽しかった笑。

 

リズミカルな展開で先輩と後輩乙女ちゃんの交互の描写で物語は進んでいくのですが、片思いしている時のむずむずするあの感じに共感の嵐。それに加えてギャグ要素もあり終始飽きることのない面白おかしいお話でした!

 

京都のいろいろなところが出てきて移住者にとっては勉強になりました笑

先斗町の感じとか古本納涼祭とか(行ってみたいな......)

恥ずかしながら先斗町の読み方を初めて知りました。笑

あと糺の森も。笑

 

そして何より僕は後輩の乙女ちゃんが好き過ぎる。

ファンタジーな世界のお話であるからリアルな世界にはいないような子なんだけれども、それが良い。

現実でロボットステップをされても困るし、酒飲みなのも嫌なのだけど乙女ちゃんの純粋さはなぜだか好きになってしまう笑

すっかり主人公の先輩と同じような気持ちで彼女を追いかけておりました笑

 

そしてナカメ作戦。もっと早くこの言葉に大出会えていたら片思いが楽しかっただろうに笑

 

無機質で論理的。【コンビニ人間】

ネットで小説を買ってそれが届くまで何を読もうか。
と考えていたら本棚に薄くてすぐに読み終わりそうな本が!
それが

コンビニ人間 著:村田沙耶香

コンビニ人間 (文春文庫)



この本は一言で言うと不思議な感覚になる。
主人公自体は無機質で論理的。
コンビニも無機質で効率的。
なのに何故か表現が豊かなのが面白い。
主人公の無機質な感じも相まって周りの風景がリアルに描写されている。

これは僕が食品系工場で働いた時の感覚に似ている気がする。
食品を扱う場合、当たり前だが消毒などをして清潔にしてから生産ラインに立つ。
髪の毛が落ちないようにするための帽子は何重にもなっていてマスクもしているから目元しか見えない。
突然ユニフォームはみんな一緒。パッと見るとそこにいる人みんなが同じになる。
そして、人間味を削ぎ落とされた気分になる。仕事内容も単純で同じ作業の繰り返し。

それなのに人間味を削ぎ落とした空間だからこそちょっとしたことに敏感になり、人間らしさを感じることが多くなる。
モノを渡すときの手の重みやちょっとした掛け声の質に人間らしさを感じるようになる。
きっとそれは無機質だからこそ気付く点であって、コンビニ人間の描写もこの感覚に近い。

序盤はクセが強いなぁと読み進めていたが、終盤に近づくにつれてそのクセもなんだか理解できるようになってきて気づいたら共感していた。
とくに、誰もが感じたことがあるであろう社会の圧。
それをうまく登場人物のキャラクターに合わせて表現されていて社会の縮図のようだった。

これを読んでから社会を見渡すと不思議な気分になる。

体力がある時にしか読めない小説【ノルウェイの森】

読書の秋と言うことでここ1ヶ月本を読んでいます。

本を読んで中身を忘れてしまうのは悲しいので今どう思っているか書き留めていきたいと思います。

 

秋になってとても過ごしやすくなったからか何かしたい気持ちに。

ふと、そう言えば読書なんかいいかもしれない。読書の秋だし本を買うのにちょうど良いのかもしれないと思い近所のTSUTAYAへ。

小説コーナーでいろいろな本が並んでいる中目に止まったのが

ノルウェイの森 著:村上春樹 

ノルウェイの森 (講談社文庫)

 

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赤と緑のブックカバーが印象的で思わず手に取った。

冒頭を読んでみるとその表現が美しくて映像として頭の中に入ってくるような感じがした。飛行機のBGMがビートルズノルウェイの森で主人公の回想になるのだが、そこから回想シーンに一緒に入っていくようだった。

そこまで読み、気付いたらレジに並んで急いで自転車を漕いでいた。

 

家について読んでみるととても面白い。

村上春樹の独特な言い回しがクセになる。

そしてその言い回しやストーリーの作りからとても体力のいる小説だ。と序盤は思っていた。

読み進めていくと村上春樹ワールドに順応したのか読むための体力は必要なくなった。どんどん読めるし先が気になる。その代わりに世界観に没頭してしまい普段の日常まで村上春樹の言い回しのようなことを考えてしまったりする。それもまた面白いのだけれど笑

この作品はとても深いテーマで愛について、生と死についてそんなことを考えさせれらる。話自体はどんよりとしていて暗いムードが多くテンションは上がらない。たまに明るくなる場面では長いトンネルを抜けたような生きた心地がするのだけどまたすぐにトンネルに入ってしまう。その繰り返しがクセになってしまう。

気付いたら上巻を読み終えていて、またTSUTAYAへ行った。

 

この話の中に出てくる女性はみんな癖がある。でもなぜだかみんな好きになれるような気がする。冷静になった考えてみると癖の塊すぎてまともに話せないんじゃ?と思うけれどなぜだか魅力的でへんなパワーを持っている。なんかこの感じがリアルな恋心と似ている気がして読んでいる間は恋をしているようだった。

中でも緑と言う登場人物はとっても面白い子。女子校で育ってきたからと男の子のあれこれを単純な疑問として主人公に投げかける。その投げかけが内容自体はかなりアウトなのだけどあまりにも素直で直球でなぜだか好きになってしまうような変な感じになる。

 

話も終盤になりどんどん心がギュッとなるような展開に。今の僕には言葉では言い表せられないこのもやもやする感情にさらに畳み掛けるようにもやもやする。

 

なんだかもやもやしてきたのでここまで。 

英国王のスピーチ 〜やっぱりコリン・ファース〜

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https://movies.yahoo.co.jp/movie/338127/

英国王のスピーチ

監督 : トム・フーパー
キャスト : コリン・ファースジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター

シングマンを見てコリン・ファースの魅力に虜になり鑑賞。
以前から気になっていた作品だったのでちょうどよいタイミングでした。

予告など全く見ない派なので見る前はカッコよいスピーチをする英国王のお話と思いきや……
良い意味で期待を裏切られました笑

ストーリーはわかりやすくすんなり映画の世界観に入り込めます。そして、ジョージ6世が英国王になった時代の第二次世界大戦前のヨーロッパの情勢などの予備知識があるともっと楽しめたなぁと、それにしても最近この時代の(ヒトラー系、イミテーションゲームとか)作品をよく見ている気がする笑

そして!見所の主演コリン・ファース
期待を裏切らない演技力!
表情から立ち居振る舞いまでこんなに表現力のある役者さんは滅多にお目にかかれない。
シングルマンの時もそうでしたがコリン・ファースの表情の演技が好きすぎる。どうしたらあんなにリアルに表情を操れるのだろう?

そして、映画中ずっと気になっていた助演のジェフリー・ラッシュさん。どこかで見たことあるけどなんだっけなぁと思ったらパイレーツのバルボッサでびっくり笑




映像 : ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ストーリー : ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
コリン・ファース : ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


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シングルマン〜美しすぎる映画〜

最近は映画を毎週見るのが習慣になっています。

 

ということで。。。

面白いと思った作品を紹介していきたいと思います。

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Yahoo!映画

シングルマン(2019)

監督:トム・フォード

キャスト:コリン・ファースジュリアン・ムーアマシュー・グードニコラス・ホルト

 

まず一言。

とても美しい。。。

美しさとストーリーの深さからすぐに二回目の鑑賞をしてしまった。

 

一つ一つの描写、立ち振る舞い、物の配置の全てが美しい。

画面の色彩によって気持ちを表しているのが斬新でみていてストレスがなくとても好きだった。現実の世界でみている景色の見え方をうまく表現していて映画に入り込んだようだった。

さすが、トム・フォードさん。

美しさを追及する世界にいる人が作り出す作品は細部までこだわり抜かれていて無駄がない世界だった。今まで見てきた中でダントツで美しい作品。

 

ストーリーはメッセージ性の強い内容。

人生とは?過去とは、今とは、未来とは。生と死。愛。

主人公と周りの生活感のギャップ、苦悩している時に感じる密閉感をうまく表現している。そして誰でも陥ったことのあるであろう孤独。いろいろなことを考えさせられる。

 

コリン・ファースの演技は最高の一言。

色気と表情、立ち振る舞い、オーラが作品とマッチしていて心地よい。

序盤の表情がアップになるシーンは30秒ほどだがシングルマンの世界に一気に引き込まれる名演技であった。

コリン・ファースのあの佇まいはなんなのだろう?

キングスマンでもこの人はすごい紳士的だと思っていたのだけれどさらに洗練されている。

紳士の見本のようなあの雰囲気。

カッコ良すぎて見惚れてしまう。

コリン・ファース主演の作品を見てみようと思う。

 

 

ネタバレなしはここまで。

ここからはネタばれありなのでまだ見ていない人はお気をつけて。

 

 

 

 

この作品は本当に色使いが素敵すぎる。

恋人の死から思い悩む毎日を過ごし、過去に囚われて生きる未来に意味を見出せずに死を決意した朝。

世界は色あせていてつまらない1日が始まろうとしている。

いつものように準備をし恋人にしか見せれなかった本当の自分を隠して演じ切らなければいけない世界。家を出たら始まってしまう。そんな後ろめたさかから始まるが。。。

死を意識することによって見えてくる世界がある。

近所の家族の賑やかさ、メイドさんのおっちょこちょい。

イライラしてしまうけれど最後の日だしちょっと踏み込んでみるジョージ。

そんなことの積み重ねをしているうちにいつの間にかジョージの心に変化が生まれる。

過去に囚われて色あせていた世界に生きる喜び、世界の美しさが広がる。

「今」を感じることによって「生きる」実感が戻ってきたかのように。

気付いたら夜になっているのに景色はどんどん色鮮やかになっていく。

終盤は色あせた世界を忘れて今を生きていこうと決心するが。。。

そんな決心も束の間。病気で倒れてしまう。。。

この終わり方がとても良い。。。

 

死を意識することのよって最後の日くらい気持ちよく終ろう、この世界に悔いを残さず終ろうと踏み込む姿がとてもリアルで映画ということを忘れてしまう。

よく映画を見ていると矛盾点や過剰な表現によて冷めてしまうことがよくあるがこの作品はそんなことが一切ない。シングルマンという世界観に、ジョージの気持ちにいつの間にか引き込まれていき1日を一緒に体験したかのような気分にさせてくれる。

 

特にスモッグの空に夕焼けが綺麗に映えるシーンは心の中の靄と重なり好きなシーンだった。特にスペイン人が「スモッグは危険だけどこうやって綺麗になることもある」みたいなことを言うシーンでは恐怖も見方や時間を変えてみれば綺麗にうつることもあるよと言うメッセージを感じる。

 

 

 

 

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