血行をよくする食物・飲み物

ビタミンEDHAEPAクエン酸といった栄養素には、血管を拡張させて血行を良くし、新陳代謝を促進する作用があります。
また、砂糖の含まれない無糖の炭酸水(発泡水)にも血管を広げて血行を良くする働きがあります。

  • ビタミンEを多く含む食べ物は、「ごま」、「アーモンドなどのナッツ類」、「アボカド」、「かぼちゃ」、「うなぎ」、「オリーブ油」などがあります。
  • DHAEPAを多く含む食べ物は、アジ、サバ、イワシ、サンマなどの青魚類です。
  • クエン酸を多く含む食べ物は、レモン、梅ぼし、グレープフルーツなどの酸味のある食物です。
  • 砂糖類は身体を冷やす効果がありますので、炭酸水は砂糖の入っていない無糖のものを飲みましょう。
  • タマネギやニンニクに含まれるアリシン、ショウガの辛み成分であるジンゲロールなども、血液循環を促し、カラダを温める働きがあります。
  • <ポイント>
  • たまねぎ、にんにく、しょうがは身体の温めと血行促進の両効果が期待できるので積極的に採る
  • 大豆食品や根菜類を食べる
  • 甘いものを食べ過ぎない
  • チーズを除く乳製品、カフェインの多い飲み物、夏の食べ物、南国のフルーツなどは控えめに

「この食品は絶対食べない」といったふうに決めてしまうと摂取品が限られてしまいストレスの元にもなります。あまり深く考えずに温め食品は多めにメニューに取り入れ、冷え食品は少なめにするといった程度で良いでしょう。

体の冷えと肩こりの関係

  • 体が冷えて血液の流れが悪くなる「血行不良」の状態になると、背中の痛みの大きな原因である背中の筋肉痛肩こりの発生率が非常に高くなります。

これは、血行が悪くなると、筋肉が固くなったり、栄養が十分に届かなくなることで、"こり"や痛みが生じるためです。

夏場は気温が高いので野外での防寒対策は必要ありませんが、オフィスや建物内ではエアコンやクーラーがガンガン効いている場所が多いのでしっかり対策を講じましょう。

まず、冷房からの冷風が直接からだにあたらないようにします。特に、首、肩、背中、腰に気をつけましょう。
吹出口の向きを変えたり、首振り機能を使うほか、肩にショールを羽織るなどの対策も効果的です。
全身が冷えないよう、ひざ掛けやカーディガンを利用するのもよいでしょう。

 

冬場は寒いからといって厚着をすれば良いとは限りません。
重ね着のしすぎや、きつめの下着や服は、体を締め付けて逆に血行を悪くしてしまいます。また重いコードなども重みで肩こりの原因になります。軽くて動きやすい服装で保温する必要があります。

ダウンなどの軽くて断熱効果の高い素材の衣類を着たり、ヒートテックなどの保温効果の高い素材のインナーを利用したり、帽子、手袋、マフラーなどで外気が衣服内に入るのを防ぐ工夫をすると良いでしょう。

 

  • 温熱療法

体の芯から温めるために、38~40℃くらいのぬるめの温度で20~30分とゆっくり長めに入浴しましょう。
保温効果の高い入浴剤や、リラックス効果のあるアロマオイルを加えるとより効果的です。
シャワーは熱過ぎない温度で患部に直接当てましょう。水圧によるマッサージ効果も期待できます。

 

蒸しタオルは、濡らして硬く絞ったタオルを電子レンジで30秒~2分加熱して患部にあてます。
時間はタオルの大きさによって違いますので、最初は小刻みに取り出してみて、何分くらいが丁度良いか確認しましょう。
熱すぎる場合は乾いたタオルなどで包んで使いましょう。

カイロは貼るタイプのものを下着や衣服の上から貼ります。コリもあるなら温湿布がなお良いです。

いずれも患部が「熱い」ではなく「暖かい」と感じる温度で使用するのがポイントです。それほど熱く感じなくとも長時間直接肌に熱が加わると低温やけどの危険性があります。
一日15~30分を目安にして、ズキズキとした痛みや患部の腫れが見られる場合は逆効果ですのですぐにストップしてください。

温熱療法については別項で詳しく解説しています。

 

体を動かすことは、全身を温めて新陳代謝や血行を良くするだけでなく筋肉も鍛えられるため、冷えや筋肉のコリ対策にはうってつけです。

軽めの運動やスポーツを定期的に行うのが望ましいですが、室内で体操やストレッチを行ったり、近所を散歩したり、家事をたくさん動くよう意識して行ったり、通勤時に歩く時間を増やすといったやり方でも十分効果があります。

マッサージも、患部を温めたり固まった筋肉をほぐすことができます。冷えが慢性的なものなら鍼灸も良いでしょう。

 

  • 体を温める効果がある食べ物

ゴボウや玉ねぎなどの「根菜類」には身体を温める作用を持つものが多くあります。
根菜とは食用部が地面より下(土中)にあるものです。また北国原産の食物にも温め効果のあるものが多いです。
逆に南国原産の食べ物や甘い食物など身体を冷やす効果のある食物もあるのでこれらは避けるようにしましょう。

 

種別 身体を温める作用のある食物 身体を冷やす作用のある食物
野菜・海藻 ゴボウ、人参、やまいも、ねぎ、たまねぎ、れんこん、かぼちゃ、にんにく、しょうが、にら、しそ、うど、ふき、よもぎ、漬物、佃煮、わかめ、塩こんぶ、ひじき、のり 大根、レタス、白菜、ほうれんそう、トマト、ピーマン、きゅうり、小松菜、なす、たけのこ、春菊、かぶ、こんやく、いんげん、みょうが、なめこ、ところてん、モズク
果物 さくらんぼ、ぶどう、プルーン、梅、なつめ、栗、乾燥果物 バナナ、パイナップル、みかん、レモン、メロン、トマト、キュウリ、スイカ、柿、梨、グレープフルーツ、マンゴー、パパイヤ、キウイフルーツ
穀類 ごま、あわ、ひえ、そば 小麦、大麦、白米、白パン
飲み物 紅茶、番茶、ほうじ茶、日本酒、赤ワイン 牛乳、ビール、ウイスキー、焼酎、コーラ、ジュース、コーヒー、ココア、緑茶
動物性食品 赤身の肉、卵、チーズ、塩干し魚、赤身の魚、白身の魚、淡水魚、鯉、塩辛、数の子、するめ、たこ、いか、明太子、ちりめんじゃこ ハム、ベーコン、ソーセージ、鯨肉、かまぼこ、ちくわ、くらげ、マグロ、バター、マヨネーズ、クリーム
調味料 味噌、しょうゆ 白砂糖、化学調味料、化学薬品、ドレッシング、酢
菓子類   チョコレート、アイスクリーム、ようかん、カステラ、あんぱん、アメ、キャラメル、甘納豆

 

同じ食物でも、火を通したり、塩漬けにしたり、発酵・乾燥させることで身体を温める効果をもつようになります。また、砂糖を代表とした甘味料を使った甘い食物・お菓子類は、総じて身体を冷やす効果があるものばかりなので食べ過ぎないようにしましょう。

白米や小麦といった主食類も身体を冷やすものに分類されていますが、あまり神経質になることはありません。身体を温める効果のある食物をおかずに多く取り入れて調整しましょう。

肩こりと戦ってきた人類の歴史

肩こりと腰痛の歴史はかなり古く、二足歩行を開始した人類の宿命と言われております。 紀元前2900年から紀元前1759年に栄えたとされる古代シリアの農耕遺跡で発見された腰の骨は変形しており、腰痛に苦示していると言われております。それが、現在確認できる肩こりと腰痛の始まりであります。人間が歩きながら獲物を追っていた狩猟生活をやめ、重労働の農耕を始めて以降、急速に増えだしたと考えられています。

 

肩こりと腰痛の爪あとは、世界各国にみられます。中国北部の新石器時代の遺跡からは、ツボを刺激することを目的とした鍼のように尖っている石が発見されました。紀元前1000年頃のバビロニア時代では、食用植物や水、シナモンの汁、牛乳などを加えてペースト状にしたものを皮膚に貼り付けて使用。紀元前4世紀頃のギリシアでは、古代ギリシア医学の父、ヒポクラテスとその一派がパップ剤を作り出したと言われております。当時は古代オリンピックが開催されるなどスポーツが盛んに行われており、選手の体の手入れのためにマッサージや、パップ剤等の外用剤が進化してきました。

 

600年代、中国の唐の時代には、灸やツボが大きく発展。日本の奈良時代では、大宝律令を改訂してつくられた「養老令」で、揉み療治である「按摩(あんま)」を積極的に奨励したのであります。平安時代に著された日本最古の医学書『医心方』には、生薬を細かく割り、竹簡で覆ったものを患部に貼ると傷が癒えるとの記載が残されており、これがパップ剤に該当すると考えられております。そして戦国時代には、生薬とごま油を混ぜあわせ和紙に塗ったものを使用するようになりました。

 

時代は飛びまして1760年代。産業革命により人間の労働は軽減されているのにもかかわらず、なんと肩こりや腰痛は増加! 原因は筋肉を鍛える機会が少なくなったことにあります。その後、自動車が普及! 悲しきかな、腰痛、肩こりは増加する運命へ。

1900年代の初めには、アメリカで泥状パップがつくられ、1970年代に日本へ。それを元に開発したのが現在のパップ剤であります。ストレスも大きな要因のひとつとされる現代人の肩こりと腰痛に大きく貢献しているのであります。

ちなみに、1910年(明治43年)、夏目漱石が書いた『門』の一節に「指で圧してみると、頸と肩の継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝っていた。」とあります。一説によると、「肩が凝る」という言葉は、夏目漱石の造語とも言われています。それ以前は肩こりを示す用語が日本にはありませんでした。この言葉が生まれたことで、多くの日本人が肩の筋肉が固くなる症状を自覚するようになったと言われているのであります。

病院以外で肩こりを診てもらう

病院以外で肩こりを治療できる施設には以下の施設があります。

接骨院

柔道整復師法で認められている「柔道整復」「接骨院」「ほねつぎ」は、国家資格である柔道整復師が治療を行う施設です。検査・診断は行われません。事故や怪我などで生じた肩こりの場合は、こちらの受診をおすすめします。ただし、慢性的な肩こりなどの慢性疾患の治療の場合は、健康保険適用外になりますのでご注意ください。

鍼灸

鍼灸院」は、「はり師」「きゅう師」という国家資格を持つ施術者が、東洋医学に基づいた鍼灸治療を行う施設です。検査・診断は行われません。肩の張りによる痛みの軽減、肩こりの予防などの場合は、こちらの受診をおすすめします。鍼灸院の治療の場合、保険を適応した治療が可能ですが、医師の同意書または診断書が必要になります。なお、保険が適用可能な病名は、五十肩、頚腕症候群、頸椎捻挫後遺症、腰痛症、リウマチ、神経痛などです。

指圧・あん摩マッサージ

あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持つ施術者が、東洋療法による指圧・マッサージを行う施設です。関節の可動域を広げたり、筋力を増強して症状の改善を目指します。オーバーユースや姿勢の悪さが原因と思われる肩こりや、肩こりの予防などの場合は、こちらの受診をおすすめします。こちらも鍼灸院と同様に、保険を適応した治療には、医師の同意書や診断書が必要となります。

そのほかの民間療法に属するもの

  • カイロプラクティス
  • 整体院
  • クイックマッサージやアロマサロン
  • これらは、日本の法律上、医療(医療類似行為・代替医療を含む)に属さない民間療法施術になり、施術者は公的な資格を保有していません(民間による資格を有する場合はあります)。そのため、保険はすべて適用外となります。肩の筋肉の張っている、全身の疲れを解消したい、リラックス・リフレッシュしたいという場合は、このような施設でもいいでしょう。

    それぞれの病院の診療科や、病院以外の施設の特徴を把握したうえで、肩こりの状態やそのほかの症状の有無、通いやすさなど自分の状態と希望に合わせて選びましょう。

肩こりを治す病院の選び方

肩こりには、他の病気と関連して発症する場合もあるので、肩こり、頭痛、手や腕の痛みやしびれ、口が開きにくいなどの場合は、病院での検査を受けてください。以下では、具体的に何科を受診すればよいのか、また、病院以外で肩こりを治療できる施設について以下で解説します。

肩こりは何科を受診するべき?

整形外科

肩こりは、まず整形外科に行くとよいでしょう。

整形外科は、捻挫や骨折以外にも、筋肉、関節、神経系などの体を動かす時に使われる部位の異常についても診療範囲となっています。

整形外科では、問診や触診による診断や、X線(レントゲン)撮影による検査を行い、原因に合わせた治療が行われます。もし、さらに詳しい検査が必要であれば、整形外科の先生から他の科を紹介されるケースもあります。

神経内科

肩こりよりも、めまいやふらつき、手足の震え、しびれ、声が出ないなどの症状が気になる場合は、神経内科で診てもらうとよいでしょう。神経内科では、診察検査で筋肉や末梢神経、脳、せき髄に異常があるかどうかを調べます。症状の原因を調べ、脳の問題であれば、脳神経外科へ、筋肉、骨格の問題であれば整形外科へ、耳の問題であれば耳鼻科へと、専門の科へ紹介してもらい、それぞれの原因に合わせた専門的な治療が行われます。

脳神経外科

これまでと違う激しい肩こりや首の痛み、ひどい頭痛や嘔吐などの症状をともなう場合は、脳神経外科で診てもらうとよいでしょう。脳神経外科の場合、脳や背骨、せき髄についての検査、診断が行われ、脳、脊髄腫瘍や脳の血管系の疾患があった場合、手術などが行われます。

 

セルフマッサージで肩こりを直す方法

鎖骨のマッサージ

鎖骨の下にあるくぼみを押さえて、肩を上下させたりくるくると回したりすることで、胸部一帯にある筋膜がほぐれて肩がすっきりします。

(1)親指以外の4本の指をそろえ鎖骨の下のくぼみに当てて、中指に力を入れて押す。

(2)鎖骨の下を押したままで肩を上下する。10回繰り返したら、鎖骨に沿って場所を少しずらして3セット行う。

(3)次に、鎖骨の下を押したまま、肩をくるくると回す。これも押す場所を鎖骨に沿ってずらして3セット、各10回ずつ行う。

ほぐしマッサージ

(1)腕の力を抜いてだらんと下げ、肩のほぼ中央、筋肉が盛り上がったところのツボ(肩井、ケンセイ)を反対側の手指で押さえる。

(2)ゆっくり深呼吸を行う。息を吐くときに肩井を押す。これを3回くりかえす。

(3)再度、ゆっくり深呼吸を行ったら、肩井を押しながら息を吐き、腕をゆっくりと前に上げていき、真上まで上げて後ろへぐるっと回す。これも3回くりかえす。

(4)肩井の周囲を軽く6~7回揉んで筋肉を柔らかくする。

(5)反対側も同じように行う。

首まわりマッサージ

(1)首を横にひねった時に、ひねった方向の反対側の首すじの鎖骨から耳の下に出る筋肉(胸鎖乳突筋)の下のほうを反対側の親指と人差し指で軽くつまむ。

(2)深呼吸したら、息を吐くときにつまんでいる部分を引き上げる。

(3)少し上に移動し、筋の真ん中あたりをつまみ、同じように深呼吸をして、息を吐くときにつまんでいる部分を引き伸ばす。次に、さらに上、エラのあたりも同様にマッサージする。

  • (4)最後に筋の下から順に軽くつまんで離す、という動作をくりかえしながら上へ移動し、エラの後ろまで続ける。これを3回くりかえす。

肩こりの原因

肩こりの原因は筋肉の中で酸素が不足し、乳酸等が作られ、筋肉が硬くなり、コリやだるさを感じるのです。

筋肉の疲れ

そもそも人類と肩こりの歴史は古く、私達人間が猿から進化する段階で

二足歩行をし始めたことが原因とされています。

人の頭部は4~5kgの重さがあり、それを首と肩の筋肉で支えています。

そうするとやはり筋肉は疲労を起こします。

 

寒さ

冬の寒い時期は、運動不足や縮こまった姿勢をとりがち。血液の流れが悪くなります。

目の疲れ

首から肩にかけての筋肉のこりは、目の疲れからくることもしばしば。コンピューターを使うなど目を酷使している人は要注意。

 

悪い姿勢

読書、パソコン作業など前かがみの姿勢は頭の重さを最も受け易く、同じ姿勢をとりながら指を動かす作業は、肩周辺の筋肉を常に緊張させ続けます。

 

ストレス

ストレスが原因で肩こりを訴える人が、とくに女性で増えています。