現実の経済を前提とした経済原理

あなた自身の経験に照らし合わせて確かめてください

長崎新聞 書評掲載

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

長崎新聞の7/30の紙面で書評を掲載していただくことになりました。

それを記念して7/29の午後五時より数日の間kindle版のデータを無料開放することとしました。

この機会にぜひダウンロードし読んでみてください。

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

多くの人に拡散していただいて、様々な意見を頂けたらありがたく思っています。

download版:kindle 249円(税込)

書籍版:5/15発売 1944円(税込)

読み方

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

この本はいわゆる小説などのように一気通貫に読んでもらう読み物として書かれたというより、どちらかと言えば、学術論文を意識して書かれたものになります。

そのため、通常の読み物のように読んでいただくと読みづらく眠くなるかもしれません。もちろん、私の文章力の無さが一番の問題でしょうが(笑)

そこで今回は私のおすすめの読み方を書いてみたいと思います。

 

この本で書いていることは言わば、「象を見たことがない人に、言葉で象を説明している」様な物です。

なので、大きく言えば全体像を把握して、そこから興味のある細部をその関係性を意識しながら読み進めていただくのが良いかと思います。

具体的には(象に例えて言えば)

ステップ1:この本が「経済は助け合い」である事を全体を通して説明している本だという意識を持っていただく。(象のことを話していると意識してもらう)

ステップ2:序章とまとめを読んで全体がどのような構成になっているかを外枠として立体的に意識してもらう。(象が大きくて灰色な動物であるという様な大枠のイメージやこの本で象のどういった面をどのように説明しているかといった事を把握してもらう)

ステップ3:第一部を読んで「経済は助け合い」であると言う意味をご自分の経験と照らし合わせて理解してもらう。(身近な動物との対比?)

ステップ4:目次や第二部、第三部のあらましをもとに興味のある箇所から読んでもらう。その際、随時各章のまとめや結論などを活用して、全体の中でどのような関係性になっているかを把握しながら読んでもらうと良いかと思います。(鼻がどうなっているかとか、力がどのくらいある。あるいは象が自然に与える影響といった各論を興味に応じて読んでもらう)

*ステップ2と3を入れ替えてみても良いかもしれません。

 

 『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

多くの人に拡散していただいて、様々な意見を頂けたらありがたく思っています。

download版:kindle 249円(税込)

書籍版:5/15発売 1944円(税込)

第五部:経済学の現実

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『23 結論
 以上記した様に、まずもって経済学に対する認識が一般の人々と経済学者では大きく違っている。基本的に一般の人々は、経済学が現実の経済に対する学問だと考えているが経済学者はそう考えていない。
 中でも主流派とよばれる数理経済学は非常に現実から乖離しており現実の経済に対しては誤った理論である。また、それら主流派を批判する非主流派とよばれる多くの理論は、主流派に比べると現実に近づいているが、とはいえ、その非主流派も含め、現在までの多くの経済理論は根本的に現実の経済を扱おうとさえしていない様に見える。
 経済学史的に本論を位置づけるなら、アダム・スミスからカール・メンガーへの流れの先に位置付けられると考えられる。経済学批判に関しては、批判的実在論者に同意するものであり、その整合性も高いと考えている。他にも、今までとは違うアプローチで現実に適合した理論を探そうと、その方法論から模索している進化経済学などには共感を覚えるものである。しかしながら、批判的実在論者達も進化経済学者達も今までの理論の代わりとなるような新しい理論は提案できていない。そこで、今までの理論の代わりとなる新しい経済の基礎理論として本論を上梓する。』

 

 『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

多くの人に拡散していただいて、様々な意見を頂けたらありがたく思っています。

download版:kindle 249円(税込)

書籍版:5/15発売 1944円(税込)


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20 失業

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『20.1要約
 本章の目的は、失業の意味を明らかにし、その要因を考察することである。従来の主流派経済理論では、失業は起こらないことになっている。つまり、従来の主流派経済理論では失業について明らかに出来ない。そのため、本論を下に失業の意味を明らかにし、その要因を明らかにすることを通して、考察を行う。加えて失業のもう一つの側面でもある被助の喪失や不足についても考察を行う。本論の考えに従えば、失業とは加助を行う機会を持たない状態である。また、現在使われている失業という言葉には、職を失うという意味での動的失業と職を持たないという意味での静的失業の2種類がある。また要因として、大きく二つに分類が出来る。一つは、助け合い自体が行われるかに関わる絶対的要因であり、もう一つは、合意にかかわる相対的要因である。細かくは、動的失業が起こる要因として個別に3つの要因が考えられる。一方、職を持たない静的失業は自然状態である。つまり、職を持たない状態こそが本来の状態である。そこから職を持つため、すなわち自然状態である静的失業状態を解消するためには、7つの壁があり、それぞれの壁を乗り越えることで静的失業状態は解消される。そのため、その7つの壁が静的失業の要因と考えられる。また、それぞれに加助側・被助側を要因とする理由が考えられる。
キーワード:失業、動的失業、静的失業、絶対的要因、相対的要因』

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

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書籍版:5/15発売 1944円(税込)

19 計画経済と市場経済:価値観と判断力

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『19.1要約
 本章では、計画経済が破たんし市場経済が生き残った理由を、第三部の経済の仕組みを基に明らかにする。従来の経済学で言われている諸説では、市場経済の方が計画経済に対し、生産性において優っている事が、その理由とされるが、それは誤りである。このトピックに関して大きな論争を巻き起こした経済計算論争の経緯、および実際の統計データを基に、その誤りを指摘する。その上で、本論の考えを基に、価値観に違いの生まれる現在においては、多様な方向性を見出すことが出来なかった計画経済が破たんし、それが可能であった市場経済が生き残った事を示す。また、計画経済的な政策を採った他の事例でもこの説明が有効である事に言及することで、その説を補強する。
キーワード:計画経済、市場経済、方向性、価値観、経済計算論争』

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

多くの人に拡散していただいて、様々な意見を頂けたらありがたく思っています。

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書籍版:5/15発売 1944円(税込)

18 価値のパラドックス:二つの側面

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『18.1要約
 「役に立つ物ほど価値は高いはずなのに、そうとは限らないのはなぜか」価値のパラドックスと呼ばれるこの疑問は、長い間経済学において議論されていた疑問であった。現在では希少性の原理に基づき、限界効用理論を使うことで説明が出来ると考えられている。しかしながら、この説明は、この疑問に本質的に答えたものではない。本章では、前章までの経済の仕組みをもとに、この疑問への本質的な説明を試みる。その違いは二つの側面の認識にある。
 結論を言えば、みんながやって欲しい事(被助の側面)でも、誰でも「出来る」もしくは「やりたい」と思う事(加助の側面)は評価が低く、みんなが「出来ない」もしくは「やりたがらない」事(加助の側面)はより評価が高くなる。つまり、価値のパラドックスとは、被助の側面だけで考えていたためパラドックスに見えていただけである。
キーワード:価値のパラドックス、二つの側面、希少性、限界効用理論』

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

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書籍版:5/15発売 1944円(税込)

第三部あらまし

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『この第三部では、第二部で見てきた歴史の中から、経済の仕組みを知る上で重要と思われる要素を取り出し、それらの意義や関係性を明らかにすることで、経済の仕組みを明らかにする。

あらまし

 第10章では、助け合いを行うメリットを再確認する。このメリットを要約すると、専門化による生産性の増加と助け合いの規模の拡大に伴う多様性の拡大ということが出来る。

 第11章では、助け合いの原動力とでもいうべき生産について、その関係性が明らかにされる。その関係性とは生産=労働量×生産性で表される。労働量は労働時間と意欲および家畜などの外部労働から成っている。生産性は内部能力と外部能力および人工物から成っており、投資によって上がる。この分野に関しては従来の経済学でも研究が進められており、それほど目新しいものではない。

 第12章は、助け合いの方向性について書かれている。この方向性という要素は、従来の経済学に欠けていると思われる要素である。この方向性を端的に表すなら「何をして助け合いを行うか」である。方向性の中には更に、被助と加助の二つの側面があり、被助の側面は「何を助けてもらうか」であり、加助の側面は「何をして助けるか」である。この二つの側面が一致する事で助け合いは行われている。助け合いが意味を持つためには、被助の側面に一致するような加助の側面が求められる。しかしながら、高度な助け合いを行おうとすると被助の側面を予測して行う必要が出てくる。また、被助側も自らが必要とする被助を知る必要があるが、そこには価値観と判断力という混同して使われがちな二つの要素を考慮に入れる必要がある。

 第13章では、先の方向性を決める方法について書かれている。本論では、人類史の考察から大きく三つの助け合いの仕方について言及している。一つは、自然な助け合いであり原始の時代から我々が行い、現在でも助け合いと聞いたときに思い浮かべる形態である。もう一つは、グループによる助け合いであり、計画経済や国の活動である政治はこれにあたる。最後が、取引の助け合いであるが、現在で言う市場経済などがこの代表である。本論では、以上の三つに特に言及しているが、他の助け合いの仕方も存在していると考えられる。また、これらの助け合いは個別に存在しているのではなく、互いに補完するように存在しており、この補完関係が社会を構成しているとも言える。

 第14章では、助け合いの範囲について説明がなされている。略奪・差別・奴隷制度や愛国心グローバル化エコロジーといった問題はこの範囲をどう捉えるかで説明される。

 第15章では、貨幣に関し、その意味や価格について今一度説明がなされる。貨幣とは「助け合いの媒介物」であり、その意味は「助けた証」であり「助けてもらう権利」である。また、価格とは被助側・加助側双方が合意に達した時につく相対的なもので、経済学が考えるような客観的な数値ではない。そのため、互いにとって合意が生まれる範囲でなら、いくらでも成立しうる。

 第16章では、現在の経済の仕組みに触れている。ここでは特に現代経済の代表主体である国や自治体、および企業について、その仕組みを簡単に明らかにしている。』

 

 『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

多くの人に拡散していただいて、様々な意見を頂けたらありがたく思っています。

download版:kindle 249円(税込)

書籍版:5/15発売 1944円(税込)