クィア理論入門公開連続講座(2011)


またしても大変ご無沙汰いたしております。
というかここにいらっしゃっている方はもう殆どいらっしゃらないのでは。

とは思いつつ、現時点で他に媒体が思い当たらず、宣伝の時だけで毎回大変申し訳ございませんが、昨年に引き続きまして、本年もクィア理論入門公開連続講座のお知らせでございます。

昨年とは講師が変わりまして、講座の切り口というか焦点もまた、多少変わることになります。
また、昨年と比べると多少ではありますが、時系列よりはテーマごとの設定になる予定です。

今年のテーマは「可視性」です。ドラァグやカミングアウトから、女性/女装ということ、さらに障害学やギャル論まで、どう繋げて行くのか、ご期待いただければと思っております。

対象は10代後半より上の方です。そういう授業はうちでは開講されていないんだよねという学部学生の方、社会人の方、高校生の方、学校は好きではないのよねという方も含め、どうぞ御気軽にお越し下さいませ。

昨年も書いたことですけれども、ゆっくりゆっくり、興味はあるけど詳しくは知らないのよねという方々が、とりあえずきっかけとするために集まってくださる場に、少しずつ育てていくつもりでおります。どうぞよろしく御願いいたします。


クィア理論入門公開連続講座



クィアという言葉は聞いたことがある、
ジェンダーセクシュアリティをめぐる議論に興味がある、
もう少し詳しく知りたいけれど入り口が見つからない、
そういう方に向けて、
クィア理論入門の連続授業をおこないます。


昨年度とは異なる講師、異なる切り口で、すすめて参ります。


皆様の御参加をお待ち申し上げております。



講師:井芹真紀子(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程、フェミニズムクィア理論)



クィアな可視性をめぐるポリティクス



2011.10.19 イントロダクション


2011.11.02 沈黙=死:エイズ危機とドラァグ


2011.11.16 見えない差異:フェムレズビアントランスセクシュアル


2011.11.30 クローゼットってなに?:パスとカミングアウト


2011.12.14 選ばないことを選ぶ:クィア障害学と特権的身体


2012.01.18 女性が女装する:ギャルの商品化とホモノーマティビティ



時間:水曜 19:30~21:00



場所東京大学駒場キャンパス18号館1Fメディアラボ2



対象:10代後半以上の方



お問い合わせ先東京大学大学院総合文化研究科 清水晶子 qstudieskomabaあっとgmail.com
(「あっと」を@に変えてご利用ください)



なお、この公開授業は、科学研究費補助金(基盤C)「日本におけるクィアスタディーズの展開」〈クィアと教育〉部門の研究事業の一環として行われます。

12.4 黒い彗星★国際連帯声明に賛同を表明します


例によって例のごとくでご無沙汰いたしております。

色々と取り紛れておりますうちに、石原が!石原が!石原が!という事になったりしておりますが、これについてはとりあえずまたそのうちに書ければ良いなと思っております。

というわけで、今回は、12.4 黒い彗星★国際連帯声明(12.4 黒い彗星★救援会の記事より)への賛同表明でございます。

私たち「12.4黒い彗星★救援会」は、2010年12月4日、渋谷駅近くの路上で起こった事件について、世界中の差別と闘う人々に訴えます。


日本人レイシストによる民族差別デモに単身抗議した「黒い彗星」こと崔檀悦(チェ・ダンヨル)は、レイシストたちに集団暴行を受け、全治3週間の大けがを負いました。にもかかわらず、警察は、暴行の加害者を放免し、暴行の被害者であるかれを「暴行容疑」で逮捕したのです。


(冒頭部抜粋:全文は上のリンクにてご覧下さい)


わたくしは、フェミニストとして、クィアとして、日本で生活をし、日本国籍を持つものとして、日本が排外主義や人種主義へといっそう傾いていく時に切実にその生活と安全を脅かされるものを愛するものとして、そのような時に自らの生活と安全をも脅かされるものとして、上の声明に連帯を表明いたします。

同時にまた、cMasak氏による上記声明への賛同記事の指摘にも、賛同を表明します。わたくしはcMasak氏の記事を読むまでこの動画を見ていませんでしたが、フェミニストとして、クィアとして、排外主義や人種主義に強く反対を表明するのと同様に、排外主義や人種主義に反対するものとして、セクシズムやホモフォビア、トランスフォビアに強く反対を表明していきたいと思っています。

もちろんそれはつまり、排外主義や人種主義に反対する「黒い彗星」氏あるいはその支持者/友人のみに向けられるべき要請ではなく、それこそ例えば石原都知事の同性愛嫌悪発言を批判するフェミニストクィア、あるいはLGBTにも向けられる要請だと理解しています(何と言っても石原都知事朝鮮学校を無償化対象に含めることに公に反対を唱え、そして、東京都は朝鮮学校への補助金を凍結すると決めたのですから)。そしてわたくし自身もまた、その二重の意味において要請を受けているのだ、と。

この記事のタグが[lgbtq]になっているのは、そういう事でもあります。

クィア・スタディーズ入門公開講座、会場変更のお知らせと御詫び

クィア・スタディーズの入門公開講座ですが、初回の教室が小さ過ぎて、参加者の皆様には大変御迷惑をおかけいたしました。

次回からの会場変更が確定しましたので、お知らせいたします。

会場は、初回と同じ東京大学駒場キャンパス18号館ですが、18号館ホールを使用いたします。初回講義をおこなった建物の入り口向かいにある、もう一つの入り口から、お入り下さいませ。

また、参加者を「高校生以上」と記載してありますが、「高校に在学中の/高校を卒業した」方というわけではありません。興味のある話題であれば、多少抽象的な議論や難解な本であってもかまわない、という10代後半かそれより歳上の方、に御参加いただければと思っております。

表記にあやまりがありました事を、御詫び申し上げます。

クィア・スタディーズ入門公開講座、今後の予定


クィア・スタディーズ入門公開講座の今後の授業予定をお知らせいたします。本来授業開始前には御伝えするべきところ、遅くなりまして申し訳ございません。

  • 1/26 現代において「政治的」であるというのはどういうことか?:クィア研究の展開と課題

クィア・スタディーズ公開入門講座第一回終了

本日の〈クィアスタディーズ公開講義〉初回、50人を超える参加者の方にお出でいただき、無事終了いたしました。参加下さった皆様、ありがとうございました。

また、こちらの予想人数が少な過ぎたために、お越し下さった人数に対して教室が小さすぎましてご不便を御かけいたしました事、御詫び申しあげます。

授業それ自体についても、そもそもあそこはわかりにくかった、ここはこうして欲しかった、などの御批判もあるかとは存じます。本日の授業後、また授業に続く検討会でも、多くのご示唆をいただきまして、大変ありがたく存じます。今後とも、是非多くの御意見を御寄せいただければ幸いです。

授業内容についてはネット公開はいたしませんが、頂いた御意見や議論については、後日まとめて御報告を申し上げる予定でおります。

手探りで出発したプロジェクトですが、皆様の御意見や御批判を受けつつ、地味に地味に息長く続けて行きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

クィア・スタディーズ入門公開講座のお知らせ


え〜と、何かとものすごく広報が間に合っていなくて実に実に急なお知らせなのですが、下記のような連続公開講座を11月より開始いたします。


ゆっくりゆっくり地味にはじめて、クィアって要するに何よ、クィアスタディーズって要するに何やってるのよ、という、興味はあるけど詳しくは知らないのよねという方々が、とりあえずのきっかけとするために集まっていただける講座に、少しずつ育てて行ければ、と思っております。

対象は高校生以上です。そういう授業はうちでは開講されていないんだよねという学部学生の方、社会人の方、学校はあんまりねという方も含め、どうぞ御気軽にお越し下さいませ。

初回はさすがに急過ぎるという方でも、興味がおありの向きは、是非お誘い合わせの上、第二回からでも御参加下さい。


クィア理論入門一般公開連続授業〉


クィアって何?
クィアスタディーズって何をする学問?
どんな事柄をあつかって、何を言ってきたの?


クィアという言葉は聞いたことがある、
ジェンダーセクシュアリティをめぐる議論に興味がある、
もう少し詳しく知りたいけれど入り口が見つからない、
そういう方に向けて、
クィア理論入門の連続授業をおこないます。


皆様の御参加をお待ち申し上げております。


講師:川坂和義(東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程、クィア理論)


日時:全八回、水曜日19:30-21:00
2010年 11/10, 11/24, 12/8, 12/22,
2011年 1/12, 1/26


対象:高校生以上
クィアスタディーズを専門となさっている博士課程在学中の方は、聴講だけではなく講義後の検討会への参加をお願いいたします)


場所東京大学駒場キャンパス18号館1Fメディアラボ2


お問い合わせ先東京大学大学院総合文化研究科准教授 清水晶子 qstudieskomabaあっとgmail.com
(「あっと」を@に変えてご利用下さい)


なお、この公開授業は、科学研究費補助金(基盤C)「日本におけるクィアスタディーズの展開」〈クィアと教育〉部門の研究事業の一環として行われます。

丼を投げる人が批判されたらブログを管理する人が尻尾だけ切って知らん顔をしている件


ご無沙汰しております。


ええと、各所で既にエントリがあがりまくっているので細かい説明は省きますが、「ゲイカップルに丼投げたよ!と書いた芸能人(で良いのかしら)のブログに批判が集まったら、結構色々管理してるはずのブログサイトがそのブログだけとっとと閉鎖して知らん顔な件(プラスしてブログ閉鎖された人が〈ホモ狩り〉するぜと脅迫している件)」(長過ぎる)について。


この一件については、Wikiまとめがありますので、詳細はそちらを御参照下さい。

【牛丼男瓜田純士まとめ】ヘイトクライム/ヘイトスピーチとその放置は許さない!

瓜田純士の件:牛丼を投げつけたゲイが友達で「ふざけてただけ」だというのは本当か?とか、そういうことが問題なんじゃないよね(あたしが女とセックスする話はシモの話じゃなく人生の話なの)

瓜田純士、アメブロ強制退会か? 公式ブログに「仕返しに出る」「今晩からでもゲイ狩り」等書き込み(みやきち日記)


一応該当するアメーバブログの意見・要望フォームみたいなものから、意見を送りました。というか、既に前に送ったのですけれども、閉鎖から脅迫という流れになって、まだまだ口をつぐんだままのアメーバブログサイバーエージェント社)の対応はどうなのかな、と言うことで、改めて。しつこいですすみません。


で、送ったのはそれで良いとして、長文になったし、「とりあえず当人叩こうぜ!」みたいな盛り上がりが一部にあるのはわたくしはちょっと違うのではと思っているし、枯れ木も山の何とかでブログエントリのようにネット上で公開されている見解が多い方がちょろっとは役にたつかしらという淡い期待もあるしで、ここにも載せておきます。


っていうかこういう文章苦手なのですわたくし。なるべく一行を短く!という事だけに専念していたら何を書いているのか良くわからなくなった気がいたします。


とりあえずそういう事でございますので、あらまあこれは酷いわね(わたくしの書いたものにせよアメーバブログの対応にせよ)とお思いの方は、アメーバブログのフォームから、御意見御要望など御寄せいただければ幸いです。


あ、あと。


これはこれで酷いとわたくしは思ってはいるのですけれど(だからこういう事もするのですけれど)、そして芸能人の公式ブログを管理するブログサイトの問題というのはちょっと特殊事例でもあるのですけれども、今回の発言自体については、もしそれが事実でなくネタであるとすれば(という噂もあるらしいので)、こういうヘイトスピーチって女性とか在日外国人とか障害者とかにおきかえると実はかなりあるよね(まあ、LGBTターゲットのものも結構ありますけれど)、と思わないでもございません。それは、だからガタガタ言っても仕方ないよねという事では勿論ないのですけれども、女性や在日外国人や障害者に対する、政治家とか政治家とかタレントとかタレントとかの気軽なヘイトスピーチ(て矛盾してますけれど、あるような気がいたします)にも、せめてこのくらいの批判を向けるようにしておかないと、という自戒だけで、例によってまとまりなく。


アメーバ芸能人公式ブログにおける瓜田純士氏のヘイトスピーチおよび脅迫の掲載と、それに関する御社の対応について、お尋ねいたします。


瓜田純士氏が、御社の運営されているアメーバ芸能人公式ブログで、ゲイ男性に暴行をふるったことを自慢するように取れるエントリを掲載なさった事はご存知であろうと思います。


瓜田氏の暴力行為は、それが事実であれば勿論看過されるべきものではありませんし、更に、同性愛という特定の属性を理由とした暴行(「昼からゲイはないよ」「生理的に受け付けない」等の記述があります)を誇るような記述は、たとえ暴行が事実でなくあるいはネタであったとしても、その属性を持つ集団に対する侮蔑と攻撃に満ちた、きわめて差別的、脅迫的なものです。


ただ同時に、(私自身を含め)アメーバブログの問い合わせ/利用規約違反報告フォームから意見を送ったり、ブログやツイッター上で批判をしたりしていた人々の多くが問題として指摘していたのは、瓜田氏の記述それ自体だけではなく、アメーバブログ側の管理が入っているはずの芸能人公式ブログでこのようなエントリが放置されていること、また、そのエントリに対する批判コメントが承認されず、暴行に喝采を送るコメントが幾つも承認されて掲載されていたことでした。


アメーバブログの利用ガイドラインには、禁止事項として、「(17) 人種、民族、性別、信条、社会的身分、居住地、身体的特徴、病歴、教育、財産等による差別につながる表現・内容を掲載、または他の会員へ送信する行為」とあります。


このガイドラインに照らし合わせ、更に芸能人公式ブログという性質を考えた時、アメーバブログでは瓜田氏の当該エントリを適切であるとお認めになったのでしょうか。言葉を変えれば、アメーバブログとして、セクシュアリティを理由とした暴行を誇るようなヘイトスピーチは、「差別につながる表現・内容」とはみなさない、という判断をなさったのでしょうか。その点について、アメーバブログとしての、あるいはサイバーエージェントとしての、公式な見解を明確にして頂きたい、というのが批判側の要望でした。


ところが、残念ながら今の段階では、アメーバブログとしてもサイバーエージェントとしても、このエントリの掲載についての公式見解は一切表明なさっていません。その反面で、単にまず当該エントリを削除し(これについては瓜田氏の記述が正しければ、運営担当から削除を要求されたものと取れます)、続けて瓜田氏のブログ自体を閉鎖するという対応をなさっていらっしゃいます。


ブログ閉鎖についてはアメーバブログのご判断ですが、少なくとも私自身は瓜田氏のブログが閉鎖される事を望んでいたわけではありませんし、ましてや、ヘイトスピーチの対象となった人々や批判者に対して削除や閉鎖の根拠も示さぬまま、とかげの尻尾を切るように問題となったブログを閉鎖することを望んでいたわけではありません。


このままでは、ブログ閉鎖の理由が、アメーバブログ、あるいはサイバーエージェント社が、当該エントリをガイドラインにおける「差別につながる表現・内容」に相当するとみなしたことである、とは見えません。むしろ、アメーバブログとしては問題を認識しなかったが、抗議が来たので面倒な表現は排除した、という印象を与えかねません。


実際に、瓜田氏はブログ閉鎖前の最後のエントリで、批判とりまとめの中心となった方に対し、「確実に"お礼参り”行くからよろしく」と、暴行を予告する脅迫をしており、アメーバブログガイドラインに違反した事が閉鎖の理由であるという理解はなさっていないようです。(そもそも、この時点になってこのような脅迫エントリが掲載されたまま一定期間放置されていたこと自体、驚くべきことだと思います。)


アメーバブログとして、あるいはサイバーエージェント社として、この件についての公式見解を表明し、当該エントリが「差別につながる表現・内容」に相当すると認めたのが閉鎖理由であることを明確にして下さることを強く期待いたします。それは、不当な差別に反対するメッセージを発信して企業の社会的責任を果たすことでもあり、御社と御社が提供されているサービスへの信頼度を高めることにもなると存じます。


サイバーエージェント社のサイトのCEOメッセージには、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと、「コンプライアンスを重視」して行く、とあります。どうかそのメッセージの精神に則り、適切な対応をおとり下さいますよう、お願いいたします。