生活保護を受けていた私がもう二度と戻りたくない理由
家庭の事情で小学校低学年の頃から半年ほど前まで、私は生活保護と障害年金で暮らしていた(障害年金は成人後だが)。
そこからまず生活保護を抜けて週2回程度のアルバイトを始め、そこからの少しの給料と障害年金だけで生活をするようになり、現在は正社員としてフルタイムで働く毎日を送っている。
そんな私の現在の生活をどう感じているかと問われれば、正直なところ働かなければいけない平日が辛く、稀にではあるが休日出勤も伴うため週末さえ気が休まらない。
しかし、この辛い仕事をさっさと辞めてしまってまた生活保護に戻りたいかというと、そんな気持ちは全く無いのだ。
確かに生活保護を受けていれば、世の大半の人が憧れているであろう、働かずに毎日好きなことだけをする生活が出来る。
だが、生活保護受給者には自由がいくらでもあるようで実際にはまるで自由が無いのだ。
全く働かずに生活保護を受けて最低限の収入だけで生きていると、やはり憲法で保証されている最低限文化的な生活よりも豊かな生活がしたくなる。
ところが、考えてみれば当然なのだが、生活保護を受けながら働いて得た給与はそのまま月々の受給額にプラスされるわけではない。
私が一時期に生活保護を受けながら(もちろん申告をした上で)アルバイトを詰め込み、ひと月で23万のアルバイト給与を稼いだ時に手元に残る金額として増えたのは、僅か約4万円。
働いても働かなくても同じ額の金銭しか持てないとなるとさすがに誰も働かなくなってしまうので、「勤労控除」という名目で生活保護受給者が働いて収入を得た際にいくらか手元に残させてもらえるのだが、その上限が約4万円なのである。
そんな縛りがある中でもバリバリ働いていけるモチベーションが、私には持てない。
もちろんそれだけが理由ではないが、人並み以上の生活をしたいのであれば生活保護はそんなに良いものでもない、と実感を伴って理解している私がまた生活保護に戻りたいと思うことは、この先まず無いだろう。