2020-06-21 ユーザー中心的なイントラネットの再設計: 成功を準備するための11のステップ 元記事 www.nngroup.com このドキュメントについて 理解のためのメモ。完訳ではありません。(けど、随時補完してゆくつもり) ニールセン・ノーマン・グループとは 要約 イントラネットを設計する前に、リーダーを指名し、ステークホルダーと連携し、ユーザーのフィードバックを得て、イントラネットのビジョンを導こう。ユーザーに関わるコンテンツを制作し、正しいチームを結成しよう。 チーム リーダーを指名する リーダーがいることで、責任の拡散(だれもやらない状況)を防げる。 イントラネットチームを集める 必要なスキルを特定 IA(情報アーキテクチャー)、検索、コンテンツ戦略、UX戦略、インタラクション設計、サービスデザイン、プログラミング、ユーザー調査、ワークショップのファシリテーション、イントラネットの PRとマーケティング 問題になっている状況を発見する イントラネット再設計の触媒を特定する 再設計の理由をきちんと見極めているか否かで、再設計のステップは容易にも困難にもなる。 ユーザーリサーチの結果をレビューし、新たなレビューを計画し、実施する 改善を測る指標を決めること。 リサーチ手法の例 コンテクスチュアル・インクワイアリー(文脈的質問法) ユーザーインタビュー タスクアナリシス 定量的ユーザーテスト フィードバック分析 サイトのアナリティクス 組織のデジタル環境(エコシステム)をマップに書き出す ユーザーが使っているツールを棚卸しする。 その上でどのツールを残すか、変更・統合するか、置き換えるかを決定する。 ビジョンと連携 (アライメント) ステークホルダーを巻き込む ビジョンとゴールを連携(Align)し、合意した上で、ステークホルダーからのサポートを得ることが目的。 ステークホルダーの声を聞き過ぎないように気をつけ、ユーザーへの直接調査で補完すること。 イントラネットのビジョンに関して、ステークホルダーと連携(Align)すること。 ユーザーは変化を嫌う(Change Averse)ので、再設計の考えには早めに馴染ませる。 リソースを用意する リソースを割り当てる スモールチームで始めたなら、フルサイズに拡大するとき。 リソースには時間、人、技術を含む。 イントラネットチームがふだん使うことになる、ユーザー中心的な記事(Artifacts)を制作する ユーザーストーリーやアジャイルバックログの存在により、コンテキストへの再接続が容易になる。 現状と将来像のジャーニーマップ ペルソナ トップタスク 現状と将来像のサービスブループリント ジョブリスト(ジョブ理論のJobs-to-be-done) システム計画と運営計画を立てる デザインシステム(ブランド、コンテンツ、UIのガイドライン、UIパターンライブラリとそれぞれのコード)を計画しておく 早めにアイデアを広める 機会を捉えてアイデアを広めること デザインゴールをチームメンバーに伝達するのに役立つ(デザイン)キット 新しいデザインの計画についての動画 イントラネットの名称や、アイデアを募集するコンテスト など 検討すべき訳語 Align … 「連携」に統一したが、”Align with XXX on YYY.” は ”XXXとYYYについての意識を合わせる” (”ビジョンとゴールについて、ステークホルダーの意識をすり合わせる”)などとしたい箇所も。「調整」(「両利きの経営」での訳語)ではしっくりこないのは確か! Stakeholders … これも日本語にしにくいよね。代表者(図の中に”representing Team A…”とあるので)としていたけど、現状「ステークホルダー」。 Artifacts … 「人工物」ではさっぱり意味がわからない。文脈により「記事」、「コンテンツ」、「制作物」とした。 Reestablish context … 「コンテキストを再構築する」これもこれではわからない。(「コンテキストへの再接続」としている。) Agile backlog … まだ理解していないので直訳のみ。 わたし(うへい)の学びと問い プロジェクト遂行のためのリーダーシップの存在と、ビジョンに関する合意形成(アライメント)を重視しながらも、「ステークホルダーの声を聞きすぎるな」(=ユーザーの直接調査を重視せよ)としているところに、人間中心の思想が貫かれている。 4節のリサーチ手法、および9節のユーザー中心的制作物のトピックは、樽本 徹也先生のUXリサーチの道具箱がほぼカバーしている。樽本先生さすがです。 ビジョン、と上でもさらっと書いているが、実は組織で合意可能なビジョン、ゴールを形成するのが一番大変なこと。「リサーチ(4節)」はインサイトを掴む材料の提供に過ぎないので、そこから「ビジョンと合意形成(6節)」に進むにはギャップがある。 この記事では「(合意可能な)ビジョンがある」ことを前提にしているが、本来は丸々別トピックが必要。ミミクリの唱える組織ファシリテーション論(CCMモデル)は丁度ここのギャップを埋めるものだと思う。 問い: 「ビジョンと合意形成」はいかに進められる? アジャイル・バックログとはどんなもので、なぜ必要か?