ユーザー中心的なイントラネットの再設計: 成功を準備するための11のステップ

 
元記事

www.nngroup.com

このドキュメントについて

要約
イントラネットを設計する前に、リーダーを指名し、ステークホルダーと連携し、ユーザーのフィードバックを得て、イントラネットのビジョンを導こう。ユーザーに関わるコンテンツを制作し、正しいチームを結成しよう。
 
チーム
  1. リーダーを指名する
    • リーダーがいることで、責任の拡散(だれもやらない状況)を防げる。
  2. イントラネットチームを集める
 
問題になっている状況を発見する
  1. イントラネット再設計の触媒を特定する
    • 再設計の理由をきちんと見極めているか否かで、再設計のステップは容易にも困難にもなる。
  2. ユーザーリサーチの結果をレビューし、新たなレビューを計画し、実施する
  3. 組織のデジタル環境(エコシステム)をマップに書き出す
    • ユーザーが使っているツールを棚卸しする。
    • その上でどのツールを残すか、変更・統合するか、置き換えるかを決定する。
 
ビジョンと連携 (アライメント)
  1. ステークホルダーを巻き込む
    • ビジョンとゴールを連携(Align)し、合意した上で、ステークホルダーからのサポートを得ることが目的。
    • ステークホルダーの声を聞き過ぎないように気をつけ、ユーザーへの直接調査で補完すること。
  1. イントラネットのビジョンに関して、ステークホルダー連携(Align)すること。
    • ユーザーは変化を嫌う(Change Averse)ので、再設計の考えには早めに馴染ませる。
 
リソースを用意する
  1. リソースを割り当てる
    • スモールチームで始めたなら、フルサイズに拡大するとき。
    • リソースには時間、人、技術を含む。
  2. イントラネットチームがふだん使うことになる、ユーザー中心的な記事(Artifacts)を制作する
  3. システム計画と運営計画を立てる
    •  デザインシステム(ブランド、コンテンツ、UIのガイドライン、UIパターンライブラリとそれぞれのコード)を計画しておく
  4. 早めにアイデアを広める
    • 機会を捉えてアイデアを広めること
      • デザインゴールをチームメンバーに伝達するのに役立つ(デザイン)キット
      • 新しいデザインの計画についての動画
      • イントラネットの名称や、アイデアを募集するコンテスト
      • など
 

検討すべき訳語
  • Align … 「連携」に統一したが、”Align with XXX on YYY.” は ”XXXとYYYについての意識を合わせる” (”ビジョンとゴールについて、ステークホルダーの意識をすり合わせる”)などとしたい箇所も。「調整」(「両利きの経営」での訳語)ではしっくりこないのは確か!
  • Stakeholders … これも日本語にしにくいよね。代表者(図の中に”representing Team A…”とあるので)としていたけど、現状「ステークホルダー」。
  • Artifacts … 「人工物」ではさっぱり意味がわからない。文脈により「記事」、「コンテンツ」、「制作物」とした。
  • Reestablish context … 「コンテキストを再構築する」これもこれではわからない。(「コンテキストへの再接続」としている。)
  • Agile backlog … まだ理解していないので直訳のみ。

わたし(うへい)の学びと問い
  • プロジェクト遂行のためのリーダーシップの存在と、ビジョンに関する合意形成(アライメント)を重視しながらも、「ステークホルダーの声を聞きすぎるな」(=ユーザーの直接調査を重視せよ)としているところに、人間中心の思想が貫かれている。
  • 4節のリサーチ手法、および9節のユーザー中心的制作物のトピックは、樽本 徹也先生のUXリサーチの道具箱がほぼカバーしている。樽本先生さすがです。
  • ビジョン、と上でもさらっと書いているが、実は組織で合意可能なビジョン、ゴールを形成するのが一番大変なこと。「リサーチ(4節)」はインサイトを掴む材料の提供に過ぎないので、そこから「ビジョンと合意形成(6節)」に進むにはギャップがある。
  • この記事では「(合意可能な)ビジョンがある」ことを前提にしているが、本来は丸々別トピックが必要。ミミクリの唱える組織ファシリテーション論(CCMモデル)は丁度ここのギャップを埋めるものだと思う。

問い: