【Illustrator】アートボードをオブジェクトの大きさに合わせる方法

今回は知らなくてもいいけれど、知っていたら作業効率も良くなるちょっとした操作方法について紹介したいと思います。

アートボードのサイズを調整したい場合、いくつかの方法があるかと思います。
1つはツールバーから「アートボードツール」を選択して直接アートボードのサイズを調整する方法。直感的に操作ができるの非常に便利です。
その他では直接サイズ入力をして正確に変更を行う方法もあります。

今回はアートボード上に配置されたデザインやオブジェクトに合わせて一気にサイズ変更をする方法について紹介します。

オブジェクトのサイズに合わせてアートボードを調整する方法

まずアートボード上にオブジェクトを配置します。
「オブジェクト」→「アートボード」→「オブジェクト全体に合わせる」の順で選択をします。

このようにオブジェクトの大きさに合わせてアートボードも自動で調整がされます。

オブジェクトがどのような形でも横×縦の大きさに合わせてアートボードが調整されるようになっています。

オブジェクトが複数ある場合のアートボードの調整方法

アートボード上にテキストやデザイン、画像など複数のオブジェクトがある場合、アートボードを調整する手段は2つあります。

①オブジェクト全体を認識してアートボードを調整する

これは先ほど紹介した方法と同じ手順で行い、配置されているオブジェクトの最も外側に合わせてアートボードが調整されます。

②対象のオブジェクトを選択してアートボードを調整する

複数あるオブジェクトの中から選択したオブジェクトに合わせてアートボードを調整する方法です。

「オブジェクト」→「アートボード」→「選択オブジェクトに合わせる」の手順です。

今回はアートボードをオブジェクトの大きさに合わせる簡単な方法について紹介しました。
アートボードについては過去にいくつか記事を書いているので合わせて参考にしていただけるとありがたいです。

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スミベタとリッチブラックの違いとは?

印刷で表現する黒にはいくつか種類があります。
その中でも一般的なものが「スミベタ」と「リッチブラック」です。

どちらも一見するとただの黒色で違いが分かりづらいのですが、同じ黒は黒でも使用するインクが違う理由からデザインによってスミベタとリッチブラックのどちらが最適かといった相性もあります。

今回はスミベタとリッチブラックを選ぶときのポイントや注意点などを紹介していきます。

スミベタとは?

スミベタはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクでKのみを100%使用した黒色です。
K1色を使用した黒色なので版ズレの影響もなく、テキストの印刷など細かいデザインの印刷に向いています。

スミベタの注意点

他のインクを重ねていないスミベタはオーバープリント処理がされますので注意が必要です。

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オーバープリントについてはこちらの記事を参考にしてみてください。

スミベタの下に重なって配置されているデザインは印刷を行うとぼんやりと透けて見えます。データ上では確認ができず、事前に知っておかないと防ぐことが難しい印刷トラブルです。

特にパターン柄などの背景が重なっている場合は見落としがちで注意が必要です。
ただ、スミベタにCなどのインクを少し入れることでオーバープリントは防ぐことができるので対策も可能です。

リッチブラックとは?

リッチブラックはCMYK4色のインクを掛け合わせて表現される黒色です。
配色の比率は様々ですが当社ではC30% M30% Y30% K100%を推奨しています。

リッチブラックは4色のインクの掛け合わせということもあり、はっきりとした濃い黒色で印刷され、面積の大きなベタ印刷も綺麗にしあがります。

データ上では同じ黒色に見えるスミベタとリッチブラックですが、印刷してみるとスミベタの方が少し水で薄めたような黒色であることが分かるかと思います。

リッチブラックの注意点

リッチブラックは4色の掛け合わせなので版ズレが起こりやすくなります。

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版ズレは紙の収縮などによって各色の印刷位置が僅かにズレることによって起こります。
リッチブラックはCMYK4色を使用した黒色なので版ズレが起こりやすく、また4色がズレることになるので目立ちます。

そのためリッチブラックはテキストなどの線が細いデザインには不向きで、ベタ塗りなど面積の大きなデザインに適しています。
テキストには先ほど紹介したスミベタの使用をおすすめします。

 

今回はスミベタとリッチブラックの違いについて紹介しました。
同じ黒色でも特性を知っておくことで使い分けることができますし、印刷トラブルを防ぐことにもつながりますのでぜひ覚えていただければと思います。

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ギフトボックスの必須アイテム『仕切り』について紹介

ギフトボックスは季節やテーマに合わせて、そのお店がおすすめする商品が詰め合わせされていて、プレゼント用として購入することが多いので見た目の特別感も大事ですよね。

種類の異なる商品がギフトボックスの中には収納されるので、1つ1つがどういった商品なのか存在感を持たせるために、こういったギフトボックスには「仕切り」が使われることが多いです。

アソートされた商品を種類ごとに分けるための仕切りであったり、1つの商品を目立たせるために仕切り、商品を固定させるための仕切りなどギフトボックス以外でも仕切りが必要な場面は多くあります。

今回は商品にスポットライトをあてる黒子のような「仕切り」について紹介をしたいと思います。

仕切りの用途について

冒頭でも少し触れましたが、仕切りを使う目的は様々です。

商品の仕分け

仕切りの用途として最も多いのが異なる商品同士を分けるための仕切りです。
1つのパッケージの中に複数の異なる種類の商品が入る場合、種類ごとで分けたほうが商品を購入した側としては使いやすいですよね。

ギフトボックスのような商品の詰め合わせだけでなく、例えば小型家電や雑貨など製品自体がパーツで複数に分かれていたり、取扱説明書などの付属品が一緒に収納される場合でも仕切りを使って収納する場所を分けることもあります。

商品の固定

もう1つがパッケージの中で商品が動かないようにしっかりと固定するための仕切りです。

固定する目的もいくつかあり、1つは商品が箱の中で動いて損傷しないように仕切りを使って固定することです。仕切りを使って固定することで仕切り自体が緩衝材になるので、ピッタリサイズの箱よりも少し余裕のある箱に仕切りを入れる方が商品を保護することができます。

固定するもう1つの目的は、商品のアピールのためです。
ギフトボックスなどでよく使われますが、収納する商品の数に対してあえて大きめのパッケージを使用し、仕切りを用いて商品を固定することで存在感を際立たせることができます。
ギフトボックスならではの特別感や高級感を演出することができますし、店頭でのディスプレイとしても活躍してくれます。

仕切りの種類

山型

最もシンプルかつ汎用性の高い仕切りがこの山型になります。
主に商品を分ける際に用いられる仕切りで、様々なジャンルの商品の仕切りとして使用できます。

瓶などの仕切りとして使用すれば仕切りそのものの役割はもちろん、瓶同士の接触を防ぐ緩衝材の役割にもなりますのでおすすめです。

中ゲス

商品を1つずつはめこんで固定するための仕切りです。
商品の存在感を際立たせることができるのでギフトボックスなどにもおすすめです。

その反面、スペースを多く取ってしまうので数量の多いパッケージには不向きの仕切りです。

製作する際には商品の寸法に合わせて型を作る必要があるので製作者側との綿密なやり取りが必要になるでしょう。

格子型

主にビール瓶やワインボトルなどの酒類や、調味料のボトルなどの収納の際に用いられる仕切りです。

商品を分けるというよりも瓶同士の接触を防ぐための緩衝材として使われます。
運搬用のダンボール箱の中に入るものがほとんどなので仕切り自体も頑丈なダンボール素材で製作することがほとんどです。

仕切り製作の注意点

仕切りは商品それぞれの寸法に合わせて設計をします。
寸法に加えて、数量や収納する向きによって仕切りの形や大きさも変わります。
そして仕切りの仕様が決まったら外箱(パッケージ)の設計も必要となります。

このように通常のパッケージよりも製作者側とのやり取りが増えますので、製作を依頼する側も事前にパッケージの全体像を具体的に決めておかないと想定していたよりも製作開始まで時間がかかってしまうということもあります。

 

今回はパッケージのクオリティを上げてくれる「仕切り」について紹介しました。
求めるクオリティに比例して、依頼するハードルも少し上がってしまいますが、仕切りのあるなしでは実際に商品を手にする方が感じる印象にもかなり違いがあるはずです。

当社ユーパッケージでは上記で紹介した仕切りの型以外にもどんな型でもお受けしています。
どのように依頼をすればいいか分からない方でも、当社のスタッフがピッタリな仕切りを提案することもできます。
ぜひ一度ご相談いただければと思います。

【お知らせ】『データ作成サービス』1周年を記念して全プラン無料となります!!

2023年4月より開始した『データ作成サービス』が1周年を迎えるにあたって、今回全プラン無料でご注文が可能となるキャンペーンを始めます!

データ作成サービスの詳細については過去の記事をご参考ください。

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パッケージの印刷データ作成に必要なIllustratorをお持ちでない方も、印刷する画像やテキストなどの素材をご提供いただくだけで当社がパッケージデザインを作成させていただくというサービスです。

従来は各プランに沿った料金設定がされていますが、今回のキャンペーンでは全て無料となるので大変お得となっています!

パッケージを製作したくてもデータ作成が難しく、なかなか踏み出せなかった方もこの機会にぜひご注文してみてはいかがでしょうか?

キャンペーンの期間は2024年4月1日~2024年6月30日までとなっています。
ご注文方法などご不明な点がありましたら当社までご連絡いただければご注文手順などご案内させていただきます!

ご注文お待ちしております!

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ニス加工とPP加工の違いとは?

印刷面を保護する目的であったり、高級感を表現したりなどひと手間加えるだけで印刷物のクオリティを高めてくれる表面加工。
その中でもニス加工とPP加工はポピュラーな加工方法で、どちらを選べばいいのか悩んでしまう方も多いのではと思います。

似てるようで異なるニス加工とPP加工の違いを今回は紹介したいと思います。

ニス加工とは

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以前ニス加工について紹介した記事です。
詳細な内容についてはこの記事を参考にしてください。

ニス加工とは印刷物の表面に液体のニスを塗布することで表面をコーティングする加工のことです。マットとグロスの2種類があります。

ニスによる自然な光沢感が得られ、同時に印刷物を傷や裏写りなどからも保護することができます。

ニス加工のメリット・デメリット

◎メリット

・低コストで印刷物の保護が可能
・自然な仕上がり

ニス加工は表面加工の中でもコストパフォーマンスに優れているので、安価に仕上がりのクオリティを上げるには最適です。
また、液体を塗布する加工なので他の加工に比べて仕上がりに異質感がなく、紙本来の質感を損なわない仕上がりが期待できます。

◎デメリット

・耐久性、耐水性は低い

やはり液体による加工なので他の加工に比べて耐久性高くありません。また経年劣化による変色なども起こす可能性がありますので、その点については予め知っておいた方が良さそうです。

PP加工とは?

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PP加工についても以前に紹介した記事がありますのでご参考ください。

PP加工はポリプロピレンのフィルムを印刷面に熱で圧着して表面をコーティングする加工です。ニス加工と同様にマットとグロスの2種類から選ぶことができます。
印刷面の上にフィルムの層ができるので、ニス加工に比べて耐久性は非常に高くなります。

PP加工のメリット・デメリット

◎メリット

・耐久性、耐水性が高い
・マット、グロスの選択で仕上がりの雰囲気が変わる

耐久性が高いのはもちろんですが、一番のメリットは印刷物の仕上がりの決め手になるということです。
マットPPは落ち着いた高級感のある仕上がり、グロスPPは発色良く鮮やかな仕上がりになります。ニス加工だと何だか物足りないなという仕上がりでも、PP加工をすることで格段に印象が変わることもあります。

どちらの加工もデザインによって相性はあるので校正などで事前に確認してみるのも良いかもしれません。

◎デメリット

・コストがかかる
・反りができる

ニス加工に比べるとコストは高くなります。
また、熱による圧着を行うので、熱の影響で紙が反ってしまう可能性があります。

ニス加工とPP加工を選ぶときのポイント

・コスト
・耐久性
・デザインとの相性(仕上がりの雰囲気)

コスト面ではニス加工に軍配が上がります。また弊社ではニス加工もPP加工も同じ納期で受けていますが、他社ではニス加工の方が短納期で仕上がることが一般的です。
そのため低コストかつ短納期で製作したい場合はニス加工がおすすめです。

耐久性を求めるのであればフィルムでコーティングしてしまうPP加工がやはりおすすめです。裏写りや傷などを防ぐ目的であればニス加工でも十分な効果を発揮しますが、背割れの防止や耐水性を求めるのであればPP加工の選択になります。

最後にデザインとの相性や仕上がりの雰囲気に関しては好みの問題でもあるので、この加工がベストというものはありませんが、どういった仕上がりをイメージしているのか、パッケージに限れば高級感を表現したいのかどうなのかによって選択してもらえればと思います。

 

今回は代表的な表面加工のニス加工とPP加工についてあらためて紹介をしました。
どちらも印刷物を保護するという面では同じですが、それぞれで加工方法は異なりますので目的に合った加工の選択をしてみてください。

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【Illustrator】手のひらツールを使ったイラレ作業中の画面移動の方法

今回は知ってたら便利だなと思えるイラレ操作について紹介したいと思います!

イラレを使って作業をしているときに、作業画面の移動はどうされていますでしょうか?
キーボードで操作されている方、スクロールバーを使われている方など、人それぞれで使いやすい方法があるかと思います。
作業画面の移動方法はいくつかありますが、その中でも個人的に一番楽だなと感じた方法を紹介します。

基本的な作業画面の移動方法

上下の移動

画面の上下移動は基本はマウスホイールで操作されることが多いかと思います。
他には作業画面の横にあるスクロールバーで画面移動となります。

左右の移動

先ほどの上下移動の操作にCtrlキーを加えると左右の移動ができます。
これも同じくスクロールバーでの左右移動が可能です。
スクロールバーはマウスの動きによっては移動幅が大きくなるので細かく動かしたい場合はマウスホイールを使った移動がオススメです。

手のひらツールが一番便利

基本的な上下左右の移動方法について簡単に紹介をしましたが、結局一番便利なのは「手のひらツール」を使うことです。

手のひらツールは、画面左側にあるツールバーに表示されている白い手のひらのアイコンが目印です。

手のひらツールはスペースキーでショートカット

画面移動しようとするたびにわざわざツールバーから手のひらツールを選択するのは面倒だという方!
もちろんショートカットがあります。

画面上でスペースキーを押してもらうと、矢印などで表示されていたポインターが手のひらのマークに変わります。
スペースキーを押したままドラッグをすると上下左右自由に画面移動ができるようになります。

文字入力時はAltキーで

手のひらツールを使う上で注意すべき点が文字入力時はAltキーを使うことです。

先ほどと同じように文字入力時にスペースキーを使うと文字と文字の間にスペースを打ってしまうだけとなります。
そこでAltキーを使うことで文字入力時でも同じように手のひらツールを使った画面移動が可能となります。

 

いかがでしたでしょうか?
今回はちょっとした便利なイラレの操作方法について紹介をしました。
ぜひデザイン作成の際に役立てていただけたらと思います。

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【Illustrator】「クリッピングマスク」の使い方

デザイン作成に携わったことがある人、これから勉強してみようという人であれば一度は耳にしたことがある「クリッピングマスク」機能。

「なんだか難しそう…」
「やってみたけど上手くできない…」
そんな方も多いはず。

IllustratorPhotoshopで使われる機能ですが、Illustratorに焦点をあてて使い方と注意点について紹介します。

クリッピングマスクとは?

省略して「マスク」と呼ばれるクリッピングマスクですが、写真や図形などのオブジェクトを好きな形で切り抜く機能です。

厳密に言えば切り抜くのではなく、形に合わせて不要な箇所を隠す機能なので、クリッピングマスクを解除することでいつでも元のオブジェクトに戻すことができます。
そのため、マスクをかける位置や切り抜く形の修正などが簡単に行えるのもクリッピングマスクの便利な特徴です。

クリッピングマスクの使い方

では実際にIllustratorを使ってクリッピングマスクの機能を使って切り抜いてみます。

1. 元になる素材と図形を用意する

2. 図形が最前面になるように素材と重ねる

図形が重なっている以外の部分はマスクで見えなくなります。

3. 「クリッピングマスクを作成」で完成

素材と図形が重なった状態で2つともを選択し、「オブジェクト」→「クリッピングマスク」→「作成」の手順。もしくは選択された状態で右クリック→「クリッピングマスクの作成」で可能です。

クリッピングマスクの位置を修正する方法

先ほど紹介した通りクリッピングマスクの機能を使えば素材を表示する位置の修正も可能です。

クリッピングマスクを解除して図形の位置を調整する方法もありますが、この方法ではマスク後の状態をイメージしづらいのでマスクされた状態から修正を行います。

ダイレクト選択ツールを使用して、表示されている素材の部分をドラッグすると図形は固定されたまま素材だけを動かすことができるので、表示させてい箇所の微調整が可能です。

クリッピングマスクの注意点

トリミングしているわけではない

トリミング機能は画像や図形などを切り取って形自体を変える機能ですが、クリッピングマスクは切り取っているのではなく不要な部分を隠す機能なので、元の素材は変形せずに存在しています。

ただ、クリッピングマスクはこれまでに紹介したように微調整など修正がきくので細かな作業が必要な場合に向いています。

データサイズが大きくなりがち

マスクをかけることで素材のサイズも小さくなっていると勘違いしがちですが、隠しているだけなのでデータサイズにも変化はありません。

そのためあまり乱用しすぎると結果的に膨大なデータサイズとなってしまい、印刷など出力する際に使用できないといったこともあります。

多用する場合はクリッピングマスクではなくトリミングでサイズ自体も小さくしてしまった方がいいかもしれません。

 

今回は「クリッピングマスク」の使い方について紹介をしました。

クリッピングマスクがどういった機能なのかを把握できれば使い方もすんなりと理解ができるのではないでしょうか。

ぜひ活用してみてください。

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