踊り場で日帰りで。

こんばんは。12/23のアドベントを担当しますurokogumoです。

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ぽっぽアドベントの参加は今回で4回目です。

2019年はハイローの轟のこと。

urokogumoon.hatenablog.com

2020年は前田公輝さんの初写真集、Podcast『OVER THE SUN』、Netflixドラマ『保健教師アン・ウニョン』について。

urokogumoon.hatenablog.com

2021年は女性芸人とオアシズの大久保さんが素晴らしかった映画『浜の朝日の嘘つきどもと』について。

urokogumoon.hatenablog.com

年末になるとどうにも焦燥感にかられますが、ぽっぽアドベントのおかげでリボンをほどいて箱をあけるようにアドベントを読むことができて毎日ワクワクしています。さて私のNEW WORLD。

空気階段の踊り場

私は朝起きるとすぐラジオをつけ、メイク中、通勤中、就寝前、SNS中と暇さえあればなんらかの周波数を受信している。以前から聞いている番組は継続してマイペースに聞いているが、空気階段の踊り場は今年から聞き始めた。

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空気階段を知ったきっかけはテレビで見た「定時制高校」のコントだった。


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定時制高校の生徒ハルト(もぐら)の声はだみ声すぎて全く聞き取れないのだが、そんなハルトを同じクラスのアオイ(かたまり)は気になっており、授業中こっそり手紙のやりとりする。ハルトの声はなぜか手紙のなかでもノイズまみれだが、アオイは彼の言葉を理解することができる。最後に手紙を折りたたむ、かたまりの丁寧な手つきが胸に残った。

空気階段の単独ライブツアーに行きたいと思ったが、大人気ゆえに希望公演はとれず、思い切ってずっと行きたかった岡山へ旅行も兼ねて遠征した(岡山はかたまりの故郷である)ライブは本当に素晴らしく、ずっと笑いっぱなしで最後のコントは思わず胸がぐっとなった。遠出して良かったなと思った。会場は川にほど近い市民文化ホールで終演後、かたまりは「僕は小さい頃ここでムーミンをみました」と話していた。

空気階段のラジオは二人が色々ダメであることはさておき、圧倒的にチャームがあり、下ネタは多いが、女性蔑視の話はほぼなく、聞いていてストレスが少なく、お互いの話に対して聞き上手であるところも好きだった。そして二人とも恋というものを心から信じているんだな、ということをラジオや単独公演から感じた。番組開始時はアルバイトをしていた2人もキングオブコント優勝、結婚や離婚などライフステージの変化もリアルタイムで流れるので大河ドラマを見てるような気持ちになる。でも二人が楽しかったや面白かった、と話すことがいつも瑞々しいのは変わらない。もぐらが大阪芸術大学の寮の思い出を語る話が特に好きだ。

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初めての岡山は、酷暑で予定通りに巡ることはできなかったが、岡山駅の回りの小さなお店、素敵なミニシアター、美術館など気になるものがたくさんあったので機会があったらまた行きたい。私は旅行と同じくらいお土産を見ることが好きなのだが、岡山駅では名物のお菓子がばら売りされていて色々買えてとても嬉しかった。

f:id:urokogumoon:20231221230702j:image今年放送された『犬神家の一族』のロケ地となった吉備津神社の長い回廊。

f:id:urokogumoon:20231221230736j:image新幹線の駅のホームで食べたぶっかけうどん。もちもちでおいしい。テイクアウトして新幹線のなかで食べることも可能。

f:id:urokogumoon:20231221230859j:imageカキオコとホルモン焼きうどんを天秤にかけて後者に。鉄板から食べる焼きうどん最高。

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帰りの新幹線に乗る前に滑り込みで食べた桃のパフェ。

私は大九明子監督が大好きなのだが、作品の特徴としてお笑い芸人がよくキャスティングがされるというのがある。ドラマや映画に出るお笑い芸人は、コメディパートを担うことが多いが、大九監督作のなかでは芸人の根っこのチャームが発揮されていると感じる。本人役で出ていることも多く、2022年の『ウェディング・ハイ』には空気階段が本人役出ていた。劇中の登場人物が空気階段のローカル番組を手がけている設定で、終盤、二人が何気なく再登場するのだが、それまでの物語の流れで、二人が笑顔で発する言葉にぐっときてしまった。なんてことない台詞でそれまでも劇中で繰り返されてきた言葉なのだが、ラジオで感じる下手くそでもダンスを続けるような2人の人間賛歌が溢れていた。大九監督は今年「家族だから愛したんじゃなく、愛したのが家族だった」の脚本・演出を手がけており、こちらにはトレンディエンジェルのたかしが本人役出てていたのだがそちらもとてもよかった。


・ゆっきゅん『日帰りで』

宇多田ヒカルの「Making Love」という歌がある。

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眩しさや高揚感を感じるようなメロディ、最後は木漏れ日のなかで微睡むようと終わっていく曲で歌われている内容は遠い地に引っ越してしまう友人への想いを歌ったものだ。私は歌詞を読んだとき、日本の曲で友情の歌があるんだと思った。私が知らなかっただけかもしれないが、私が触れてきたものは大体恋愛を歌ったものだった。そして他にも友情の歌があるといいなと思っていたとき、出会ったのがゆっきゅんの『日帰りで』という曲だった。知ってからほぼ毎日聞いていた。

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ゆっきゅんは先の空気階段のかたまりと同じく岡山出身のDIVAでアトロク(※1)経由で名前だけは知っていたが、本格的に知ったのはPodcast番組『Y2K新書』(※2)だった。「隕石でごめんなさい」が配信されたタイミングでそのキャッチーな曲と歌詞に惹かれ、その流れで『日帰り』を知りそれからほぼ毎日聞いていた。

 

なんか誰かのカラオケ履歴

眺めてるみたいな 人生だったの

つまんなかったよ 君と会うまで

荷物が多い 君と会うまで

引用元:ゆっきゅん『日帰りで』

 

荷物が多い君、と友だちを表すところに相手への愛おしさを感じるし、落ち込む友人にハグでもなく、ハンカチを差し出すでもなく「この店を変な空気にしていいよ」というところが優しい。プラットホームでアイスクリーム食べて踊って海にいってiphone投げて拾って夜と朝の合間の青く澄んだ空気のなかで海岸沿いを歩く二人の景色。

大丈夫 妙な道をまっすぐ行けば

引用元:ゆっきゅん『日帰りで』

初めて友人と行ったゆっきゅんのライブ会場は、心の安全を感じる空間だった。歌もパフォーマンスもMCも最高で、機材トラブルもトークで繋ぎ、この人は瞬きしてる間にスターになってしまうだろうなと思った。当日披露されたラブリーサマーちゃんのリミックスver『は聞いた瞬間から大好きな曲すぎると感じ『日帰りで』と同じくらい今も聞いている。


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この曲をエンドロールにした最高のシスターフッド邦画が見たい。写ルンですでキャスト同士が撮り合った写真がスタッフロールと一緒に出てくるやつ。アンコール『日帰りで』を歌う途中、ゆっきゅんが舞台からとん、と飛び降りた瞬間、『けいおん』の最終回の卒業ライブで唯ちゃんが机で作ったステージから飛び降りたときのような瞬間最大風速を感じた。ゆっきゅんは観客の間に自然にできたランウェイを練り歩き「気圧を私があ・げ・る!」とみんなが声をそろえた瞬間をスポットライトが照らしていて、私は煌めくこの空間をずっと覚えていたいなと思った。走馬灯を自分でマッシュアップできたら絶対に入れようと思った。それから自分も手を動かして何か作りたいと思う衝動もあった。公演後、参加したチェキ会で「Y2K新書でゆっきゅんを知りました」と話したら「ありがとー」とチェキに「Y2K新規」と書いてくれた。

財布にいれっぱなしの古いカードのような「当たり前」を差し出し続けるこの社会で自分の形を知ることはすごく難しい。長い間「これ以外は不正解なのか」という気持ちにされ、自責に費やされたことは不愉快でどうやれば復讐できるのかと時々考える。多分それは、このまま生き残ることだと思う。そしてゆっきゅんのような歌に巡り会うと、目の前が灯るように感じる。

さて明日12/24はちゃんあずさんです!一段と寒くなってきましたので皆様どうぞご自愛ください。そして良いクリスマスを!

※1  TBSラジオ番組『アフター6ジャンクション』現在は放送時間が変わり『アフター6ジャンクション2』として放送中

※2 小説家の柚木麻子、振付師の竹中夏海、DIVAのゆっきゅんの3人がY2Kに対する愛を語るトークPodcast番組。全11回と真夏のSP後、惜しまれながら一旦最終回を迎えた。

最近あった3つのいいこと

 

こんにちは。お久しぶりです。urokogumoです。

gizmoooooさんから「最近あった3つのいいこと」というバトンを頂きました。

最近あった3つのいいことの話 - 頭の中のさまざまのこと

https://gizmooooo.hatenablog.com/entry/2022/08/05/210006


①『HiGH&LOW THE WORST X』公開間近


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轟が帰ってくる。大量の新キャラたちが怒涛のアクションをきめる予告編はもはやヤンキーだらけの秋の合同大運動会で私の血圧は上がっている。ザワ続編決定のその日から私の生活グラフは「轟を心配する」が占めていて、轟が辻や芝マンと元気ならそれでいいという気持ちと村山さん卒業後の轟であることに心が四散しそうになっている。あと鬼邪高のプールが想像の数倍汚くて良かった(あの世界は強い学校ほど汚いのか)ザワ6で急に発生した轟の釣り好き設定が続投らしいこと、大量に登場する新キャラの1人に轟と因縁があること、プリレジェで前田さんの相棒だった(サンマルチノは不滅)板垣瑞生参戦で「心が忙しい」と呻いてる。謎の食材と鉄板ってなに。全日がごはん食べるシーンよりも抗争で鉄板が大活躍にベットしている。

 

②新しいポーチを買った


ポーチを入れるポーチを入れるポーチもあるくらいポーチを持ってるけど新しいコスメ用のポーチを買った。多分、おばあさんになっても私は荷物を小分けにするのだと思う。

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プラザで買ったオレンジメッシュのシンプルなポーチは使いやすくて大変気に入っている。メイク直しのやり方がわかっていなかったので、この機会に持ち物を見直そうとゆきりんの動画を再生したら「私が持ち歩いているのはこれ」とどでかメイクボックスが出てきた。


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ちなみにこちらは今年買ったアディクションのイエローチークと可動域が広いスパイダーマン

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手持ちのチークと重ねるとほんのり明るくなってすごく良い。ベスコス候補です。

 

③ぼる塾の動画がたのしい

ぼる塾のYouTube。田辺さんおすすめのお菓子をみんなで食べたり、酒寄さんのお誕生日をお祝いしたり、あんりちゃんが手料理を振る舞ったり、はるちゃんがふざけまくったりどれも楽しい。ぼる塾は「お茶飲む?」と声をかけたり、さりげない優しさや思いやりがメンバー間にあるのがとてもいいなとほのぼのする。


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多分それが仲良しだけど個々でも楽しく過ごせていて、依存しすぎないグループの雰囲気を出しているのだと思う。酒寄さん著『ぼる塾日記』はあまりにも面白くて、読み終わるのがもったいなくて少しずつ読んだ。猫塾(ぼる塾の前、田辺さんと酒寄さんのコンビだった頃の名前)のネタ中に酒寄さんが倒れてしまった話が特に良いので是非。

 

 

最近良かったのはポップコーンを食べながらお話をする田辺さんの動画と田辺さんが酒寄さんに手作りのチャイを振舞う動画。サムネイルがすでに良い。


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養成所時代、酒寄さんが田辺さんの底知れぬ面白さと魅力に気づき(田辺さんは無自覚)心から信じて今日のブレイクまで繋がったことがしびれるなと思う。残念ながら終わってしまった『ぼる塾のいいじゃないキッチン』のフライドポテトの回(好評につき3週にわたって放送された)は私が2021年最も声を出して笑った番組なので機会があれば是非みなさんに見てほしいです。

 

あと辛ラーメン焼きそばをカリカリになるまで焼いて食べるとすごくおいしい(ただ相当辛いので苦手な人は注意してください)

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不安に丸呑みにされやすい上に自分で不安をこねて焼いて自分に納品してしまうところもあるのでバトンを頂いて楽しかったことを可視化できたのはとても良かったです。ザワXについては期待と不安と不安と不安なのでもう明日公開してほしい。

 

全く関係ありませんが、現在個人的に「普通と感じるおやつ」について会う人たちにアンケートをとっています。この場合の普通は「人からもらったら食べる」「自分では買わない」「(高級と安価などの)味の違いがよくわからない」等です。ポジティブでもネガティブでもない自分にとって凪でフラットなおやつは何か。

ちなみに私はフィナンシェです。

 

最後に

バトンは嵐のカップリング曲ベスト15の記事が素晴らしかったまどりさんに回します(アイドル研究史のためにぜひ残して欲しい記事)

https://hagornmo1367.hatenablog.com

 

読んでくださってありがとうございました。

暑い日が続きコロナもまだ落ち着くことがありませんがどうぞご自愛ください。皆さまが心安らかで楽しい日々を過ごせますように。

いろんな女たちがいるということ 2021年の女性芸人と『浜の朝日の嘘つきどもと』

みなさんこんばんは。12/22のぽっぽアドベントを担当しますurokogumoです。

ぽっぽアドベントの参加は今回で3回目。

毎年12月はこのアドベントで毎日ワクワクしています。

ちなみに私は2019年はハイローの轟について書きました。

2020年は轟を演じた前田公輝さんの写真集、Spotify番組『OVER THE SUN』、Netflixドラマ『保健教師アン・ウニョン』について書きました。

さて、今年のテーマは「私の望みの歓びよ」

私の2021年ですが、引き続きコロナ下で人に会う機会が制限され、ハイローの動きもなく、じゃあ何をしていたかなと考えるとノグボナーラをよく食べていました

正式名スパイシーノグボナーラは韓国のインスタント麺でタヌキのキャラクターが目印のノグリの派生品です。ノグリ+カルボナーラ=ノグボナーラ。映画『パラサイト』を見てチャパグリが食べたくなり、ノグリと間違えて購入したことがきっかけでしたが海鮮のコクと辛さ、ジャンクなチーズ味がたまらず、すっかり夢中になり見かけてはまとめ買いしています。韓国インスタント麺はお湯を入れて3分以上かかるものが多いけど、麺がもちもちで、辛さにも奥行きがあり、レンジで作るものが多いのも面白いなと思います。今のところ竹輪、もやしと一緒に煮て、万能ねぎ、フライドオニオン、卵黄をトッピングするのが一番好きな食べ方です。冷凍のシーフードミックスを入れてももちろん美味しいです。韓国ドラマでよくみる蓋をアイスのコーンのよう丸めてれんげ代わりにするのは熱すぎてできませんでしたが、インスタント麺片手に友だちとオンラインで深夜までおしゃべりするのは大変愉快でした。

*ノグボナーラはかなり辛い商品のため、苦手な人は気をつけてください。

 

さて私の歓びは、女性芸人の活躍です。
今年は『トゲアリトゲナシトゲトゲ』『ぼる塾のいいじゃないキッチン』(2021年9月「ぼる塾の煩悩ごはん」からリニューアル)『キョコロヒー』と女性芸人が中心の番組が一気にスタートとしたことがとても嬉しかったです。

特に「キョコロヒー」の日向坂46齊藤京子とヒコロヒーという組み合わせは少し前であれば、アイドルと女性芸人で対立演出にされそうだったものが、かといって和気藹々するわけでもなく、法事のときにしか会わない年の近い叔母(ヒコロヒー)と姪(齋藤京子)のようで(叔母は姪がお茶うけのチータラを全部食べようとしているのを喫煙所から見ている)(もしくはクラスが違う帰宅部でごくたまに一緒に帰るような仲)親密でなければ不仲とされる、属性が違うと対立関係にされる、かつてのテレビのどちらでもなく、女二人の凸凹したトークを展開していく様がすごく面白いし、見ていて嬉しいなと感じます。

 

女性芸人でいえばもう1つ、今年のベスト映画『浜の朝日の嘘つきどもと』のオアシズ・大久保さんが素晴らしかったです。

映画やドラマの女性芸人はテレビのキャラクターの延長を演じていることや姉御肌的なキャラ、イケメンと組み合わせという企画ものが多い印象でした。(『地獄でなぜ悪い』の友近、『犬猿』のニッチェ・江上、『福福荘の福ちゃん』森三中の大島さんのような作品もありますが)

『浜の朝日の嘘つきどもと』あらすじ

南相馬市に実在する映画館・朝日座。閉館を決意する支配人・森田(柳家喬太郎)の前に茂木莉子と名乗る若い女性(高畑充希)が突然現れる。経営を立て直すために東京からきたというが、閉館の意向を変えるつもりはないと森田は追い返そうとする。茂木はある人との約束できたと食い下がり・・・というお話。

大久保さんが演じるのは茂木莉子(本名:浜野あさひ)の高校時代の数学教師 田中茉莉子先生。あさひが放課後、学校の屋上で思いつめているところに声をかけ、何を聞くわけでもなく「一緒に映画でも見よう」と誘ったことをきっかけに二人の交流は始まる。

やがてあさひは転校し、転校先の学校に馴染めず退学。家にも居づらくなり、茉莉子先生の家を訪ね、そこからふたりの同居生活が始まる。

茉莉子「フィルムの半分は暗闇。だから映画好きには根暗が多いのかもね」

引用元:映画『浜の朝日の嘘つきどもと』本編台詞

茉莉子先生はあさひに何があったか聞かず、親にきちんと連絡させた上で自分の家に住まわせる。そして学校の放課後の頃と同じように一緒にお菓子やご飯を食べながらいろんな映画を見る(私はこの映画のフードシーンがどれも好きなのだが、特にあさひが初めて茉莉子先生の家を訪ねた時、茉莉子先生がお茶でもお菓子でもなくパナップとスプーンを「はい」と渡すシーンがたまらなく好きだ)生徒からの信頼も熱い優秀な教師でもある茉莉子先生だが、男にはだらしなくフラれては『喜劇 女の泣きどころ』を見ながらやけ食いをする。でもまたボーイフレンドができるとあさひにお金を渡して外泊してもらい、合間であさひの勉強も見る。

そんなある日の夜、あさひは自分の家族が震災後どのように壊れていったか初めて胸の内を吐露する。その時、茉莉子先生がキッチン越しにあさひを見つめる目はとても真剣だった。その後、2人はバッティングセンターに行き、茉莉子先生はバットを構えながら自分が自分の家族からどのように逃れてきたかをさらりと話す。

二人の楽しい同居生活はやがて終わりを迎え、あさひはすっかり映画好きになって配給会社に就職するがそこに茉莉子先生が病に倒れたという知らせが入る。あさひは病院に駆けつけ、茉莉子先生から「お願いがある」「南相馬市にある朝日座という映画館を立て直してほしい」と頼まれる。

 

私はこの映画を見るすこし前に『我は、おばさん』(岡田育著)を読んだので「こんなに早く素敵なおばさん映画が見られるなんて!」とちょっと感動した。

縦でも横でもなく「斜め」の位置から子供に関わるおばさんは、親でないからこそ、親でさえ過剰と感じるようなことをしてあげたくなるものだ。後先考えず、損得感情抜きに、身勝手に。親ではない誰かから与えられたものが、少女たちにとって実用性を超えた心の「お守り」になると信じて、かつて自分が追い求めていたものを、上乗せして贈ってやるものなのである。

引用元:岡田育著『我は、おばさん』より

茉莉子先生はあさひに縦でも横でもなく「斜め」から関わるおばさんだった。血のつながらないおばから受け取ったものが宿ったあさひの顔からはかつての心もとなさは消えていた。

大久保さんが演じるからこそ出る、茉莉子先生の大人としての責任感の強さ、程よい距離であさひに接するドライさ、男に対しての甘さ、嘘のない優しさと達観。

「浜野!垢抜けたね!きれいになった」
久々にあさひと再会した茉莉子先生から明るく発せられたその台詞に、今までいろんな場面で助けてくれた年上の女性たちの顔が重なって、私はちょっと泣いてしまった。

 

テレビや映画のなかの女性たちは属性は同じだけど別の生き物だと思っていた。
自分と似た人なんて見つからなかったし、自分よりはるかに細くて綺麗な人が見た目を揶揄されているのを見るたび辛い気持ちになり、自分とは程遠いものや望んでいないものが女のスタンダードのように定義されてることにも違和感があった。
そのなかでいろんな体型の女たちがいる女性芸人に私はずっと心を寄せていたと思う。彼女たちがコンプレックスを背負い投げして笑いに変えて場の主役になる様はかっこよくて心のなかでいつも拍手を贈っていた。でも女性芸人がパートナーがいないことを嘆き、アイドルや女性アナウンサーに噛みつき、イケメンを有り難がる役割に徹する様は見ていてずっとモヤモヤしていた。

2021年はその構造がどんどん壊されていくのを目撃しているような1年だった。現実が『夢で逢えたら』(吉川トリコ著)の続きのような世界になっていると思う。今年のTHE Wは女叩きネタもほぼなく、みな性別関係なくのびのびとワールドを展開していて去年以上に熱い大会だったし、何より全員かっこよかった。

いろんな女たちが当たり前のようにいて、好きなことをのびのびやっている。

そんな女性芸人の景色に私は希望を感じる。

 

さて明日12/23はrucoさんです!それではみなさん良いクリスマスを。

少し先に松明が見えるのだ。

こんばんは。12/23のぽっぽアドベントを担当しますurokogumoです。

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あの素敵な企画ぽっぽアドベントカレンダーが帰ってきた!(しかも大幅ボリュームアップ!)ということで今年は12/23を担当します。ちなみに去年はハイローの轟と出会い脳が焼かれた3年間の集大成を書きました。

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今読み返しても当時の熱がそのままで様子がおかしい文章なのですが色々な方から感想を頂き大変嬉しかったです。

 

さて今年のテーマは「変わったこと/変わらなかったこと」です。

みなさん触れられている通り、今年はコロナで変わらざるえなかったことが多かったです。私自身は仕事や家族に大きな影響は出なかったものの日々のニュースに落ち込み、今まで以上に現政権に対する怒りがわいた1年でした。自分の魂を温めているものは「不要不急」と言われるものなんだなと思いました。友だちになかなか会えない1年でした。ありがたいことにネット上の交流やオンライン飲み会はあったけど、実際に顔を合わせて会話をする時の筋肉とか友だちと話すときにあけるとっておきの箱のようなものがずっとしまいっぱなしの1年だったと思います。ドラえもん、各家のドアに直結しているコーヒーとクッキーが美味しいカフェを出してよ。また心配なく対面できる日が来るのなら、そのカフェで終電を気にせずたくさん話がしたいんだ。

 

さて、変わらなかったこと。3つあります。

①推しが推しであったこと。

昨年は、ハイローの轟についてのみ書いていたため演じる人、前田公輝さんに触れていませんでした。私はハイローで轟を見るまで、前田さんを知らなかったのですが、演じる轟と違い非常に明るくフレンドリーでお喋りが上手な前田さんを見て「俳優ってすごいな」と何度目かの言葉を呟く日々です。ザワ公開以降、雑誌掲載やメディア出演も増え供給が激しく嬉しい限りなのですが特に2020年素晴らしかったのは写真集の発売!

前田公輝 ファースト写真集 『 Bright 』


歴代の推したちで写真集のようなものがなかったわけではないのですが、アート傾向が強く、ブレとか手のアップとか一番かわいい写真が小さいとか「アートだから」と当時は飲み込んでいました。前田さんの写真集は果たしてどんな内容か少し不安もありつつ楽しみにしていましたが!これが!まじで!素敵だった!元々自身のチャームを把握・研究されている人だなと思っていたのですが、自分と求められている自分のバランスをとりつつ、長い芸能生活を一山越えた肩の力の抜けた感じが絶妙で。写真集は恋人目線のものが多いのかな?となんとなくイメージしていたのですが、前田さんの写真集は馴染みの場所を巡るものでリラックスした表情が多く、淡いストーリーが心地よい写真集でした(インタビューも読み応えあり)あまりの良さに友だちと緊急オンライン会合を開催。約4時間白熱しました。白黒写真がとても映える人だと思ったので、第二弾はモノクロや雪景色、大きな動物といる写真が見たいです。京劇メイクも。よろしくお願いします。あと別件で林遣都の邪悪なイマジナリーフレンドを前田さん(金髪)が演じるドラマが見たいです。よろしくお願いします。

 

写真集の話から時をさかのぼるのですが、ザワ公開より前に『青の帰り道』(藤井道人監督)の監督とゲストによるトークイベントがあり、前田さんを生で見る機会がありました。前田さんは映画には出演されていないのですが、監督の過去作『悪魔』に出演しています(こちらもすごく面白かったです。大野いとの怪演)『青の帰り道』は非常にヒリヒリした内容で、なりたかった自分になれなかった若者たちの話なのですが、見終わる頃には心がぐちゃぐちゃになっていて、そんな時に監督と前田さんが出てきたので心が追いつきませんでした。前田さんが過去に出演した『悪魔』の現場の話を交えつつ『青の帰り道』の演出や俳優について「そこ聞きたかった!」と思うポイントを質問されていて推しに会えた以上に映画トークイベントとしてめちゃくちゃ良かったなぁとしみじみ思いました。前田さんも話していましたが本作は工藤夕貴が特に素晴らしく、娘役の清水くるみとのシーンの何気ないセリフなど忘れがたいシーンが多かったです。

 

2020年ハイローはNetflix配信がスタート!新作は『6 from HiGH&LOW THE WORST』のみでこちらには轟は出演していないため、今年は供給はありませんでしたが2019年にもらったものがあるので心穏やかに年を越せると思ったらまさかの「轟の趣味は海釣り」という情報がドラマ内で発覚(By辻芝)勝手に卒業した村山さんを本マグロで殴るのか、辻と芝マンのためにコバンザメを釣ってくるのか、そもそも相手の話を最後まで聞かずに首を狙って蹴りを入れるあの人に魚を待つことができるのか、本当に釣りなのか轟と眠れなくなっています。

 

②おばさんたちが自由に楽しく生きていることそれはシスターたちの希望となる

私は毎日何かしらラジオを聞いているのですが、とりわけ大好きなアトロクについては前回記事にまとめました。

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もう1つ好きな番組が『生活は踊る』です。コロナ下で心が不安定な時も『生活は踊る』を聞いていると不思議と心がととのうように感じました。今年の頭からコロナ情報も丁寧にまとめ発信していて緊急事態宣言下では家にいる子どもたちに向け合間合間で「手を洗おうね」と声をかけていたのも忘れられません。ずっと好きな番組でしたが、今年は特に寄り添ってもらえたなと思います。

www.tbsradio.jp

特に相談は踊るのコーナへは本気で悩みを送ろうと文章にまとめたこともあります。結局、アウトプット行為で悩みを客観視するとができ解決に至りましたが、悩みの大小関係なくしっかり受け止めて解きほぐすスーさん&パートナー陣の手腕にいつも感服しています。生活は踊るの好きなところはまたいつかまとめられたらと思うのですが、今回取り上げたいのは10月からスタートしたスピンオフ番組『OVER THE SUN』

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生活は踊るのジェーン・スーと金曜パートナー(*現在は第5週のパートナー)である堀井美香アナウンサーコンビによる『生活は踊る』よりもざっくばらんな番組なのですが、番組全体がやがて向かう中年女性の世界を松明のように照らすもので、ロールモデルがなく、まるでいないものかのように扱われ、不安しかなかった先の世界から「どっこい元気にやってるからゆっくりおいで」と明るく手を振ってくれるような番組です。同じクラスだったら絶対友達にならなかったけど、中年になって知り合えたから仲良くなったと話すスーミカコンビも最高で、スーさんと知りあう内に堀井さんがフェミニズムに覚醒し「ありがとねー!私あなたに教わらなかったら知らないまま死んでいく女だったわ!」と明るくお礼を言う回もめっちゃ熱かった。堀井さんが葬儀の司会をいつかやろうと思っているという話からスーさんが「じゃあ私が出家するから二人でスクーターで各家に回ろう」と話していて、そんなドラマいつか見たいなぁと思いました。メモリアル司会者と尼さん。得意なことを仕事にしている中年女二人のバディドラマいつか見たい。

 

③やさぐれ魔法少女『保健室のアン・ウニョン先生』

Netflixでこの秋配信スタートした『保健教師アン・ウニョン』 

一見普通の教師の主人公アン・ウニョン。実は人には見えない「ゼリー」が見える。そんな彼女が学校内で起こる不思議な事件を自身の力で解決していくという物語。おもちゃの剣やBB弾銃を使って正体不明のゼリーをぽこぽこと倒す姿ととぼけた劇伴もあいまって、最初は楽しくて不思議なドラマの印象でした。

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話は変わりますが、私には偏愛している映画が2本あります。『私はゴースト』と『プリデスティネーション』です。

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ドラマと原作を読み終わった後、それらの主人公とアン・ウニョンは重なるように感じました。『私はゴースト』は地縛霊になった幽霊の視点から描かれるホラー、『プリデスティネーション』は残念ながら何から話してもネタバレになるため割愛しますが、この映画を見て私は主演のサラ・スヌークのファンになりました。サラ・スヌークは運命に殴られる役が多いのですが本作は特にそれが際立っています。作品のジャンルこそ違いますが、アン・ウニョンも『私はゴースト』のエミリーも『プリデスティネーション』の 主人公も共通しているのは過酷な運命にあること、そして道の先に望んだものは決してないことを知らされることです。一方で彼女たちがそれでも前進し続けることも共通しています。『私はゴースト』のエミリーは冒頭で促されて呟いた「I am a  ghost.」をラストでは自らはっきり発し、『プリデスティネーション』の主人公はひっそりと発声練習を、アン・ウニョンは同じ運命にある少女の肩から荷をおろし、自分はおもちゃの剣を握る。

 

今年、変わらなかったことは推しが推しであること、ラジオが好きであること、それから信じてきたものをこれからも信じることだったと思います。自分が行く道を正解にするしかない。20代頃、ただ前に進むだけで、周りから目減りさせられるような気持ちに散々なり、時限爆弾を抱えているような苦しさがありました。それらの正体はこれから少しずつ言葉にしていくつもりです。道の先の松明は増えているように感じます。そしていつか自分も松明になるつもりです。どこに行こうともどっこい生きてるぞとかかげるつもりです。

 

さて明日はクリスマス・イヴ!アドベントを担当されるのは、rucoさん、君山さん、犬飼さんです。ではではみなさま良いクリスマスを!

 

 

 

 

聴けば見えてくる2020

みなさんこんばんは。urokogumoです。

今回は以前からずっとまとめたかったラジオの話について書きました。私は、中学の時、兄の部屋から流れる伊集院光のラジオを壁越しに聞いてからラジオが大好きで、今もメイク中、通勤中などほぼ毎日ラジオを聴いています。特に好きな番組は、TBSラジオの「アフター6ジャンクション」通称アトロクです。

前身番組である「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」が終了し、週一から月〜金の帯番組に変わると知ったときは「数々のマニアックな企画はなくなってしまうのか」と不安になりましたが、現在はそんな不安があったことを忘れるくらい、毎日が特濃情報の洪水です。

 

放送も2年目に突入。各曜日パートナーアナウンサーの個性も極まってきており、得意分野によって特集が振り分けられているように感じます。放送はradikoであれば、音楽等ノーカットでそのまま聞けます(ただし放送から1週間以内)過去のアーカイブはラジオクラウド聞けます。また今年の4月放送分からはspotifyでも聞けるようになりました。

 

以下、私の大好きな神回(すぎてラジオクラウドでDLした)を紹介します。

ギャルと電子工作、どちらも自分から程遠いカルチャーの融合があまりにもかっこよかった回。「電子工作をやるギャルを探している」と相棒を求め続けたエピソードもしびれます。放送内で紹介される作品の動画は番組公式Instagramで見られます。この放送を聴いてから電子工作をやってみたいとずっと思っています。夢はザワ応援上映用にぴかぴか光る轟ボードを作ること。
トミヤマ先生が着ている居酒屋セーターを数年後、塩野瑛久が着るとは思わんかった。トミヤマ先生やしまおさんがどんな服を着ているかは放送を聞いてからHPで答え合わせするのをおすすめします。宇垣さん(通称:総裁)の「服にあだ名をつけている」という話で、私も自分の服に「ピエロの練習着」「アコーディオン奏者」と名前をつけていたのを思い出した。

高校演劇についてまったく知らず、偏見すら持っていたのでまさかこれほど今を反映させたテーマが演じられているとは知らなかった。この放送を聞いていたから、NHKで『フートボールの時間』を見ることができました。めちゃくちゃ、めちゃくちゃよかった・・・!!この回では、自身も演劇部だった日比アナ(通称:国民の孫)が演劇部に対する熱い思いを語っていて、それまで、日比アナは優等生という印象でパーソナルな部分は見えなかったのですが、この回以降、オープンマインドに語ることが増えたと思います。日比アナの高校演劇に関するロングインタビューは高校演劇ZINEに掲載されていて、放送を通して日比アナを知った後だと、よりぐっとくるインタビューなので是非(TBSストアで購入可)

サムネイルの写真は、RHYMESTER「After 6」MVにアトロクパートナー陣が出演した際、日比アナが突如、クマス(熊崎アナ)とタカキ(山本アナ)の二人を見て船が出航し構図を指定して写真を撮り始めたもの。このエピソードから、BLとは何かを考える回。福田先生の日本でなぜこれほど同人文化が花開いたかの話がとても熱い。 

 劇団雌猫をゲストに「私たちはなぜメイクをするのか?」ついての回。私がタマフルおよびアトロクを聴いていて胸がぐっとなるのは、とてもセンシティブな話について誠実に語り合って、世間が固定化してしまったものをふわりと飛び越える瞬間です。

『裸一貫!つづ井さん』『腐女子のつづ井さん』でおなじみのつづ井さんゲストの回。放送の少し前につづ井さんが公開したnoteの内容にも触れています。

実際につづ井さんはお友達と相撲をとってるそうです。最高。

山本アナのクソLINEの読み上げがどんどん背筋にぞわぞわくる回(山本アナは何も悪くない)1から10までセクハラの内容で、なぜそのようなLINEを送るのかと真面目に掘り下げつつ、クソLINEをどんどんお焚きあげしていく回。特集冒頭で宇垣さんがこれらのLINEに対して、はっきりと怒りを表明する下りがとても良いので是非。

2020年現在の神回です。延期になった今だからこそ考える古代オリンピック。冒頭の読み上げが、宇内アナの凛とした声もあいまって神々しく感じるオープニング。これを聴いた後だと、オリンピックの式で羽ばたく鳩を見て複雑な気持ちになる。

この放送を聞いて、今年は国内旅行をしながら各地の県立美術館を巡ろうと決めました。コロナが落ち着いたら是非行きたい・・・特に大分。

2分の1成人式の話が話題になった時から薄々疑問に感じていた感動教育について、こちらの回でもろもろ明らかになりギョッとした。私がいま小学生だったら頑固拒絶している・・・。

ザワ公開記念に開催されたハイローキャラクター総選挙。すべてのメールの熱量!様子が!おかしい!金淳さんの絹を裂くような悲鳴が響く波乱の結果に!私の推しの轟はどうなる!(もちろんメールは送った)

 

他にも面白い放送はまだまだざくざくありますので是非。何から聴くか迷う時は、金曜日の週間振り返りを聴いて、気になるものからピックアップするのも楽しいと思います(特に三宅監督の振り返りがオススメです)また各パートナー陣のキャラクターを知った後だと2019年1月の新春放談で各パートナーに宇多丸さんがインタビューする回があるのでこちらもおすすめ。宇垣アナ、日比アナの良いインビューに続く、宇内アナの「ニコ動でゲーム実況を見ていたらいつの間にか高校の卒業式を迎えていた」というエピソードの破壊力や、まるで最もパーソナルな質問かのように宇多丸さんが好きな色を聞くというしょうもない下りがあります。神回は宇垣さんの割合が高いですが、どのパートナーも本当に魅力的です。金曜日の山本アナ(通称:タカキ)の映画ランキングも個性が発揮されていたし(アカサカサカスの階段をジョーカーダンスで降りるタカキ)木曜担当の宇内アナ(通称:うなポン)はゲーム好きのためゲーム企画多めだし(ちなみに宇内アナは今年になるまで頭痛を感じたことがなく、宇多丸さんに「アンブレイカブルじゃないんですから」と言われる)私が一番好きなのは月曜担当の熊崎アナ(通称:クマス)が内容を理解しないまま読み上げるハイローのあらすじなので、月曜日にハイロー企画やってほしい。ちなみにこの熊崎アナは番組開始当初、どのカルチャーに対しても平温気味で、私はその平温の人の視線も大切だよなぁと思っていたのですが、ここ数ヶ月韓国ドラマにドハマりしてその様子をリアルタイムで聴いているのもとても楽しいです。

 

コロナで心がどうしても疲れる日々が続きますが、寄り添ってくれたのはラジオだと思います。聴けば見えてくる。それではまた。

2019年ベストコスメ

みなさん、こんばんは。urokogumoです。

ここ数年、Twitterにあげていた毎年のベストコスメですが、今年はブログを開設したのでこちらにアップしたいと思います。私自身、メイクについては「面倒だと思ったことはないけど、実際のところ違いはようわからん」「化粧品のデザインや色とかワクワクするけど、自分の顔との相性はようわからん」という気持ちでやっていたのですが、2年ほど前にさっしーが自身のお気に入りのコスメを紹介する記事をきっかけにメイクに対する意識が変わりました。

mdpr.jp

トップアイドルがメイク、というある意味手の内、バックヤードを惜しみなく明かす姿は当時の私には新鮮でした。でも一番よかったのは、さっしーが楽しそうにコスメやメイク方法を語るところ。私は、楽しそうに好きなものを語るのを見るのが大好きなので、メイクを義務的なものではなく、楽しむものと頭を切り替えられたのはこの記事が最初だったなと思います。というわけで2019年のロマンを買って地球を回したベスト。

1位 ルナソル アイカラーレーション 01 Twilight Sky

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 中2の夏休み明けの変貌を思わせる色、どうしちまったんだルナソルさん。購入予定はなかったのですが、BAさんの「このオレンジがめちゃくちゃ可愛いんですよ」という熱弁に惹かれ購入。全色パーティーカラーに見えたけど、実際に塗ると輝きがたおやか。とてもたおやか。弾けても我こそはルナソルなりを感じる1品。左下のオレンジをアイホールに塗ってきわに右下も可愛いのですが、左上のブルーとカーキのアイラインの組み合わせもおすすめとのこと。普段使いもできるし、組み合わせによってはバッキバッキの攻めのメイクもできます。最高。

2位 YSL ラディアントタッチ ハイカバー

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化粧直しのやり方がさっぱり分からず、なんとなくファンデを重ねたりしてたのですが、いまはこれ1本で解決。美容液が入ってるので艶もでるし、ペンシル型なのでポーチのなかで場所を取らない。私は、目の下のファンデが落ちやすいので、放射線状にぺぺぺと塗って、指で伸ばしてます。リピート確定の1本。

 

3位 ETVOS ミネラルアイバーム #シナモンオレンジ #アッシュグレイ #ラベンダーモーブ

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もともと気になっていたアイバーム。結果、通勤でほぼ毎日使用。とにかく使いやすい!発色も良い!質感が好き!バームのため、ブラシが使えずグラデーションはできないなと思っていたのですが、別の店の店員さんから「車のワイパーみたいに塗るとうまくできる」と教わり、毎日指で右左と動かして塗ってます。特にお気に入りはシナモンオレンジ。底見えしました。モカブランも追加で買おうか検討中です。

4位 B IDOL つやぷるリップ 束縛RED

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 動画の方も参考にしているNMB48 吉田朱里プロデュース B IDOLのつやぷるリップ第二弾 束縛RED。第一弾のほっとかないでREDも持っていて、とても良かったのですが、第二弾の束縛REDはプラム系の赤でめちゃくちゃ良かった。私は唇ガサガサ党で、リップクリーム必須なのですが、これは下地なしで塗れるのも良いです。ただ、はみ出さないように塗るのが難しいかな。あと第二弾の匂いはベリーが強くなっていて、香りが美味しい。プラスティックケースの手触りや、すっきりした可愛いデザインも好き。ポーチのなかで場所を取らないのもよく考えられているなぁと思う。来年にはアイシャドウも発売するということで、今から楽しみです。

5位 アンプリチュード コンスピキュアスネイルカラー19


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マニキュアは、当たりのものが豊富な1年だったのですが年の瀬に購入したアンプリチュードの色みがあまりに、あまりに最高。こっくりとした深みのあるオレンジ。年末、仕事で怒られながら「だが爪だけは最高」と思っていました。

番外編 NAILSINC 45セカンド トップコート

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『なぜ人は出かける直前でネイルを塗ろうとするのか』で新書を出したいくらい、速乾が売りのネイルよりも自分の気の短さ(普段はダラダラしているのに)が勝つ。結果、会う友達の前で手を高速で振ることでごまかしていましたが、このNAILSINCを購入して、そんなことが完全なくなったわけでもないけど、爪がつやっつやっに輝く。プチプラで購入したマニキュアも、このトップコートを重ねるとぴかっぴかになる。すごい。

 

以上!アイシャドウにしてもリップにしても、目も口をいくつあるんだと思いながら買ってしまいますが、きっと買っているのは化粧品ではなく、ロマンなんだと思います。

いつか韓国に行って韓国コスメをたらふく買ってみたい。

2020年も楽しく買い物ができますように。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

12/3 ぽっぽアドベント

みなさん、初めまして。urokogumoと申します。
はとさんにアドベントカレンダーの企画に誘って頂き、12/3を担当します。


投稿用に前から作りたかったはてなブログを開設しました。 タイトルの「ロマンを買って地球を回す」は私が衝動買いをした時に使うフレーズです。諭吉はfly awayしたけど、 この胸にロマンが残って、経済、すなわち地球を回したんだよ。という意味です。


さて、「私が動かされたもの」です(素敵なテーマですね!)間違いなく『HiGH&LOW THE WORST』の轟洋介です。 今ではすっかりハイロー沼で溺死している私ですが、 ザムをみる直前、2016年夏の自分に言ったら、絶対に信じてもらえないくらい私とLDHには距離がありました。『桐島、部活やめるってよ』で映画部が作った隕石を蹴飛ばすようなタイプの人たちだという偏見すらありました(実際、蹴っている人はヤマト役でお馴染みの鈴木伸之ですが)2016年9月、ザムをはじめて見た時。毎分で襲ってくる「正気かよ」のシーンの連続に頭がたいそうクラクラして、 終盤の回想から回想に入るインセプションな演出には「一体何を見させられているのだろう」と気が遠くなりました。でもド派手なアクション、物量力みなぎるキャラクター大量投下に、心が揺れ始め「これ以上沼、増やすわけにはいかないんで」と手刀を切りながら、最後まで駆け抜けようとしたのですが、ラストシーン付近で村山さんの「山王入れて」発言を聞いたときに思わず心のなかで立ち上がっていました。
「この話の設定2割も理解していないけどそれはないと思う!」

「後ろのメガネの子の気持ちを考えて!」

ドラマも見ていないので、その時は役名もわからなかったのですが、それくらい轟と村山の関係に深いものを感じていました。下は鑑賞直後のツイートです。


いてもたってもいられず、Huluに加入して、1ヶ月の無料期間に鬼邪高校メイン回であるドラマS2E7&E8を見て、デコピンシーンのただならなさの理由を理解して「村山さん、マジで轟の気持ち考えて」状態になって、駆け込みでザムをおかわりして、今に至ります(結局、Huluは解約してない)ザムで脳の一部が焼け落ちて、それから半年間、映画鑑賞に深刻な影響が出ていました。 特にひどかったのは『ハドソン川の奇跡』です。いつも没入して見てしまうクリント・イーストウッド作品なのに、 どうしても遠くから走ってくる集団(幻覚)がちらついていました(『ハドソン川の奇跡』は素晴らしい映画です)ちなみに私は毎年鑑賞した映画全部使ってマッシュアップを作成してるのですが、あからさまにザムおよび轟が贔屓された仕上がりになったのがこの年です。

www.youtube.com


続編『HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY』の鬼邪高校キービジュアルに轟が不在だった時、会社の非常階段で膝から崩れ、 不在の理由、村山さんによる「全日巻き込まない宣言」はめちゃくちゃ納得できるし、村山さんは大人だと理解しながらも集団のなかで戦う轟が見たかったなぁと残念に思っていました。 鬼邪高校スピンオフ製作が決定されたものの、詳細情報はその後しばらく明かされず 「監督が岩井俊二だったら、轟か関ちゃんが凄惨な死に方する」 「でも桜シーンがめっちゃ綺麗」 「村山さんと轟が海辺に散らばったトランプを追いかけるシーンが見たい」 と微塵も噂がない状態で勝手に妄想して、心配してました(久保監督でよかった)


2019年年明けに『HiGH&LOW THE WORST』公開日が10/4と正式決定され、 「上半期いらねえ」と思わず口走り、少しずつ解禁される情報に気持ちが乱れっぱなし(グラフにでもとっときゃよかった)特に不安だったのは、轟の立ち位置と村山さんとの関係性。 今回はLDH川村壱馬主演となるので、ひょっとして彼が鬼邪高校の頭になるために轟が当て馬のような扱いになるのではと幕張で見る当日まで不安でぐるぐるしていたのですが、もうねザワ最高だった。こんな完璧な形で推しが帰還するなんて思わなかった。満員の東京ドームで一言挨拶できるなら「轟を推してきて良かったです!ありがとうございます!」とマウントに一礼したいし、 団地の前で撮ったキャスト集合写真を玄関にかざりたい(なにも関わっていないけど) 映画の素晴らしさはもちろん、楓士雄含め新キャラクターは最高だったし、関連番宣やら応援上映、中の人たちからのSNSでの供給など、正直実感が周回遅れになるほど特濃の日々すぎて、3年間少ない情報を叩いて伸ばして薄めて生きてきた私は少し噎せています。



元・いじめられっ子だった轟にとって村山は、はじめて轟を敗者にしなかった相手だったと思います。だからこそ追いかけ続けたかった星のような存在で、一方村山さんにとって轟は、自分のなかにある情熱を思い出させた相手で、追いかけられることで心を燃やすことができたんだと思う。玉座は1つしかないため、 二人が横に並べることは永遠になく、村山さんの教えを轟が全て理解したときには村山さんはいないんだろうなと思っていた。

全日巻き込まない宣言が正式にされ、轟は村山に再度、タイマンを挑むけど 今度はデコピンにはとどまらず、徹底的にぶちのめされる。
中盤の河川敷のシーン以降、二人が同じ場所にいる場面はなく、村山さんたちが学校を去るシーンにも轟はいない。

化け物に近づきつつあった二人が、お互いに出会ったことで人間になって、 それぞれを開かれた未来に向かわせたなら、その出会いは紛れもなく特別だったんだと思います。 ラストシーン、村山さんは関と古屋とともに学校から外の世界へ、轟は戦いを通して増えた仲間達のもとへ向かいます。
星は交錯した、一度きり。
それは運命みたいなもので、二度と軌道を交わすことはないかもしれない。 でもお互いに起こったことは、一生に一度のことだったと思う。
だから今度は運命とは関係なく、自力で再会してほしいなと思う。
人間になった二人で。