ushiroaruki

ガマン強くなりたいな!

『インサイド・ヘッド』

TOHOシネマズ海老名にて、15:55の回を鑑賞してきました。

公開からしばらく経っているので満席ではありませんでしたが、親子連れ、学生、カップルなど幅広い層のお客さんが楽しそうに盛り上がって映画を待っている姿が目立ちました。普段あまり映画を見ない人が選ぶ映画としても無難だったんじゃないかなと思います。これか「バケモノの子」って感じかな。

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ストーリーは、ライリーという11歳の女の子の頭の中に住んでいる5人の「感情」たちが中心となって進んでいきます。特に上画像真ん中の黄色く光るキャラクター「ヨロコビ」は、ライリーの幸せを誰よりも望み、彼女に悲しい思いをさせないように、いつも楽しく暮らせるようにと毎日気を配ります。

一方で、右端の青いキャラクター「カナシミ」は、「感情」たちから疎まれ、「何もしないように」と言いつけられて抑制されてしまいます。果たして、ライリーにとって「カナシミ」は不要なのか。「ヨロコビ」と「カナシミ」の二人がライリーの頭の中で繰り広げる冒険を通して、その答えを探す映画です。

 

結論から言うと、どこにもなんにも文句がないくらい最高の映画でした。

ライリーが生まれ、「ヨロコビ」も生まれるところから物語が始まり、流れるようなテンポで舞台やキャラクターの紹介が行われます。世界観が結構凝っていて、ある種哲学的な物語であるにも関わらず、この冒頭の説明がスムーズなおかげで、全く違和感なく「感情」たちの日常に感情移入していくことができます。

彼ら「感情」たちがライリーの頭の中のコントローラーを操作すると、その「感情」にあった輝くボールが生まれます。そして、そのボールは蓄積され、ライリーの人格や性格という部分を作り上げていくのです。視覚的にパッとわかりやすく、またその表現が芸術的にも感じられて、スクリーンの前で思わず感心してしまいました。

まさに、「ピクサー、怖い!」(笑)

「ヨロコビ」と「カナシミ」が繰り広げる冒険は、そのままストレートに子どもたちの興奮をかきたてるアドベンチャー要素ですし、もっと深く視点を変えてみると、私たちが普遍的に持っている「感情」のこと、そして子どもの成長や親の愛についてまで考えることができる映画です。だって、ライリーに幸せになってほしい、大好きだから、と必死に頑張る「ヨロコビ」の姿は、悲しんでなんてほしくない、大好きだから、と「カナシミ」に怖い顔を向ける彼女の姿は、母の姿そのものなんですもの。

でも、ヨロコビは、母は、気づきます。子どもたちが大人になっていく上で、悲しむということもまた、必要なのだと。

だから、親子で夏休みに見に来るのに全くもってピッタリな映画なのです!(夏休み、終わっちゃったけど)

 

わかりやすいほどに記号化されたキャラクターたちも魅力の1つです。見た目の色にぴったりと合う個性の「感情」たちはもちろん、劇中出てくる「あるキャラクター」は、きっと見る人たちみんなのハートを掴んで持って行ってしまうと思います(笑)

私は今回吹き替え版で見たのですが、この「あるキャラクター」の声がたまらなく好きです。なんだか聞き覚えがあると思ったら、エンドロールを見て納得。なるほど。

「ヨロコビ」役の竹内結子さん、「カナシミ」役の大竹しのぶさんの演技も素晴らしかったです。大竹しのぶさんのあの声が、あんなにかわいらしくキャラクターの声として発せられることに感動しました。とんでもなくかわいかった!

 

文句なく楽しい映画体験をさせてくれる作品です。おすすめです!