どうしても。
周囲に関心を持ったら、拓ける世界の部分があるのかもしれないが、引き換えに失う感覚があるのだとすれば、そんなたかが一部分は欲しくない。十二分。いつからかなぜだか自分も知らないうちに虹が青になってしまったんだよ、この視界できみの反対色を探して切り取ってむしゃぶりつきあまりの諄さに吐き捨てること。そっちが望んでいないのはわかっているよ。でもね許してよ。僕だから。どうしても。
本日の日記
誰から発されたかもわからないそのひとことに疑問を投げかけ続けた。
後にそれが疑問ではなく自己だと気づくがどうだっていいのだ。
この感覚で生きられてよかった。この感覚で生きられない人じゃなくてよかった。
そんな小さなもので人を測ろうとしてしまうような、どうしようもなく小さく 尊みを失った人間たちへ
「遺憾」
後ろ話
君がそれを言おうが世界の何一つも変わらないように。
持ち帰れなかった空白を鮮紅で埋めただけ
乾いたらまた、立ち上がって
思い出話
別れ際 君は内臓を吐いたのに、
脳だけは吐いてくれなかった。
どうしても切り抜けたくて ずいぶんと前 捨てたゴミにしがみついてみた。ただこの景色が終わって欲しくなかっただけなんだ。曖昧を愛しすぎた結果だ。君を愛したことはなかったのにね。
あの五三日を忘れられずに
好きだった全てを呪い尽くし
現在から最も遠いところで邂逅して
魂だけで対話をしよう
幾日の日記
夢にも人との関係にも期限があること、自分の中で終われば手放してもよいこと、それのなにがひどいというのか。
恋話
ぼくはきみの世界で、雨にも晴れにもなれなくていい。きみの見る無数の色でありたい。
6月、きみと白線をたべた。
8月、きみと暗闇をのみほした。
11月、きみに消えてほしくなかった。
12月、きみと満月をたべた。
冬の音
自分の過ちを正すより早く、他人の後悔を探すための旅に出る。やがて自ずと立ち向かうことになるのが、十数年経っても何も見つけられない自分自身であった。それを正そうと思うことはなかった。いつの間に透明になった心の刺傷に、ある歳の墓参りからの帰り道。そんなものたちが襲ってくるようなこの気配を憶えている。人はなぜ、