Quick ICS Browserのご紹介
先月から公開しています、Quick ICS Browserを今更ながら紹介します。
Quick ICS BrowserはAndroid 4.0.3の標準ブラウザを拡張したブラウザです。Android 4.0以降を搭載した端末専用のアプリです。
開発の動機
Android 4.0の標準ブラウザはPC版Chromeとのブックマークの同期、PC版サイトのリクエスト、オフラインでページを読めるようにする機能など、元から機能が豊富です。自分の中で特に便利だと思っていたのがクイックコントロールという機能です。クイックコントロールとは画面の左端か右端に触れると扇状に沿ってアイコンが配置されたものが表示され、指をアイコンまでスライドさせ離すとアイコンの表す機能を呼び出すことが出来るというものです。
Galaxy Nexusなどの画面が大きい端末を利用している場合、画面の上端や下端に指を動かすという操作はコストが大きいです。しかし、クイックコントロールを使えば画面の中心部からそれほど指を動かさずに操作することができます。また、クイックコントロールがあればツールバーなどを表示する必要が無くなるので画面を広く使えるという利点もあります。
残念ながらAndroid 4.0.3のブラウザのクイックコントロールの項目は「新しいタブを開く」・「タブの切替」・「アドレスバーを開く」・「ブックマークを開く」・「メニューを開く」の5つしかありません。この問題は標準ブラウザを拡張した「ICS Browser +」というアプリが解消していたので、しばらくこのブラウザを利用していました。私は開いているページをはてなブックマーク公式アプリやInstapaper(Read it later系のサービス)に追加するアプリに対しよく共有していたのですが、共有するには「クイックコントロールを開く→メニューを開くを選択→ページを共有を選択→共有したいアプリを選択する」という手順を踏まなければならずとても不便に感じていました。事前に指定しておいたアプリに対し現在のページをクイックコントロールから1ステップで共有したいと思ったのがQuick ICS Browser開発の動機です。
Quick ICS Browserの機能紹介
上でも述べたように、Quick ICS Browserは標準ブラウザを拡張したブラウザなのでそれが持つすべての機能を当然持っています。標準ブラウザにない機能として以下の機能があります。
クイックコントロールに表示する項目の追加・削除と並び替え
クイックコントロールに表示する項目を大幅に増加
標準ブラウザにない項目
- Quick Share
- ブックマークショートカット
- タブを閉じる
- 戻る/進む
- ページを更新
- 現在のページをブックマークに追加
- フルスクリーンの切り替え
- 通知バーを開く
- ページ内を検索
- 新しいシークレットタブを開く
- 設定を開く
- 反転レンダリングの切り替え
- ユーザーエージェントの切り替え
Quick Share
事前に指定しておいたアプリに対して現在のページを即座に共有することができます。
使用例1 : はてなブックマーク公式アプリ
使用例2 : twitterクライアント
ブックマークショートカット
指定したブックマークをクイックコントロールに表示することができます。
画面の上部・下部においてはメインのものとは異なるレイアウトのクイックコントロールを表示することが可能
クイックコントロールに追加できる項目が増えたのは良いが、1つのクイックコントロールに多数の項目を追加すると各項目が小さくなり非常に選択するのが難しくなる。この機能を使えば最大3種類のクイックコントロールに項目を割り振れるので、たくさんの項目を追加しても窮屈ではなくなる。
クイックコントロールの自動サイズ調整
通常であれば、クイックコントロールを画面の上部や下部で表示するとクイックコントロールの一部が画面からはみ出してしまう。しかし、この機能を使えばクイックコントロールサイズを調整してはみ出さないようにすることが出来る。
画面端をタップできない問題の解決策
クイックコントロールを有効にしていると、画面端をタップしようとしてもクイックコントロールが表示されてしまいタップすることができない。そこで解決策を2つ用意した。
解決策1 : クイックコントロールを表示する領域の幅の調整機能
幅を1dpから50dpまでの間で調整できるようにした。デフォルトは10dp。この設定を1dpに設定することで画面の端付近に触れてもクイックコントロールは表示されなくなる。表示させるには画面の外側から内側に指をスライドさせるようにすると良い。この設定にすれば文字列を選択する際にクイックコントロールが邪魔になることも少なくなるだろう。
解決策2 : クイックコントロールを表示させて何も選択しなかった場合はタップとして認識
解決策1はクイックコントロールを表示させにくくなるという問題がある。人によっては使いづらくなってしまうかもしれない。その場合はこちらの解決策を利用すると良い。
ジェスチャー機能
左スワイプと右スワイプに機能を割り当てることができる。割り当てることが出来るのは、「戻る」・「進む」・「前のタブ」・「次のタブ」・「タブを閉じる」の5つ。反応するスワイプ速度を調整することも出来る。
テキストの自動折り返し機能(有料版の機能、ベータ版)
標準ではピンチズーム後、テキストの幅はズーム前と変わらない。画面に文字を収まるようにするには画面をダブルタップする必要がある。この機能を有効にするとピンチズームした後、ダブルタップせずにテキストを自動で折り返すことが出来る。図のダブルタップの部分が自動化される。
その他の機能
他の機能として、User Agentの変更やボリュームキーでのスクロールがある。
マーケットリンク
無料版 : https://market.android.com/details?id=net.virifi.android.quickbrowser
有料版 : https://market.android.com/details?id=net.virifi.android.quickbrowserpro
有料版のみにある機能
- バージョンアップ時に更新情報を非表示に設定可能
- テキストの自動折り返し機能