「神と神」の後に突如追加された鳥山設定、S細胞。超サイヤ人になるにはこの細胞が一定以上必要とのことですが、まとめるとこんな感じです。
・S細胞は全てのサイヤ人が持っている
・S細胞は穏やかな心を持っていると増えやすい
・S細胞が一定以上の量に達し、怒りなどをきっかけに爆発的に増えると超サイヤ人になれる
・S細胞の量は遺伝する
まず下から掘り下げていくと、悟天とトランクスが幼少時から超サイヤ人になれたのは、悟空とベジータが超サイヤ人になってから産まれた子だからと説明できます。未来のトランクスは若干覚醒が遅かったのですが、これは未来のベジータが超サイヤ人に目覚める前にトランクスが産まれていたと想定できます。
次に超サイヤ人への覚醒条件ですが、大前提として一定以上のS細胞が必要で、おそらく悟空はギニューとの戦いがの傷が癒えた時点でその条件を満たしていたのだと思われます。ベジータは細胞の量が足りなかったのか、怒りによって目覚めるタイミングがなかっただけなのか、微妙なところです(フリーザとの戦いでは怒る前に心が折れてしまったので)。悟飯はこの時点でブチ切れても覚醒できていないので、まだS細胞は足りなかったようです。
悟空はナメック星に向かっている間の重力修行後にかなり落ち着きを見せており、精神的にはこの時点でかなり穏やかさに磨きがかかっているように思えます。サイヤ人は瀕死から回復すると大きく戦闘力を増しますが、この時にS細胞も増えていると思われ、穏やかな状態であればその増加量も増大すると考えられます。悟空はこの頃に大きくS細胞を増やしたのでしょう。ギニュー戦後の回復は最後の一押しですね(ギニュー戦でも激しく怒っていれば超サイヤ人になっていたかも?)。
ベジータは当時は穏やかではなかったので、同じように瀕死からの回復を繰り返すだけでは悟空にS細胞の量で追いつけなかったのだと思います。覚醒できたのは、地球で穏やかになったから=ブルマとの出会いが大きかった可能性も考えられます。
悟飯はどの段階でS細胞の量が一定以上に達したのか不明です。人造人間が現れるまでの3年間や、精神と時の部屋では悟空と修行していますが、具体的な修行内容が不明なので、どのくらい悟飯が鍛えられていたのか分かりません。ただ、瀕死からの回復は何回かやってるかもしれませんね。
ブロリーは元の性格が穏やかなのでS細胞が増えやすい体質だったと思われます。超サイヤ人以前に大猿の気性がすぐに現れてしまうので怒りに爆発することが難しかったようですが、パラガスが殺された怒りで普通に覚醒していました。旧劇場版のブロリーは、突然変異で幼少時から驚異的な量のS細胞を持っていたというところですかね。パラガスからの遺伝とは思えませんので(笑)。
セルも超サイヤ人のようなオーラを発しており、悟空やベジータの細胞を持っているので、十分なS細胞を持っていたと考えられます。元になった悟空やベジータが超サイヤ人に目覚める遥か前の細胞なのですが、培養によって人為的に増えたという感じですかね。もしかしたらドクター・ゲロのコンピュータはS細胞を見つけていたのかもしれません。セルの気質が穏やかかと言われると微妙ですが、サイヤ人ほど好戦的でも残虐でもなく、紳士的っぽいところはあるので、まぁ悪のサイヤ人よりは増えやすい性格だった可能性は十分あります。
そして穏やかな心があると増えやすいという点ですが、悟空が下級戦士でありながらどんどん強くなっていったのは、S細胞が増えやすかったからだと考えることができます。悟飯が小さい頃から悟空以上の戦闘力を持っていたのは、悟空のS細胞を受け継いでいるだけでなく、S細胞が人間とのハーフだと更に増えやすい(そもそも気質が生まれつき穏やかなので)という可能性が考えられます(まぁ、今の設定を考えると悟飯の戦闘力の高さはS細胞ではなくビーストの力のような気もしますが…そもそもビーストがS細胞とどう関係があるのか不明です)。
鳥山設定ではS細胞が多いと戦闘力が高くなるとまでは言われていませんが、S細胞が超サイヤ人の力の源である可能性が高いことから、S細胞が多いと少しずつ超サイヤ人の力を引き出せるようになっていると考えることもできます。悟空がナメック星編で急激にパワーアップしたのは、サイヤ人の超回復の特性とS細胞の爆発的増加が相乗効果を生み出していたからなのかもしれません。映画「超サイヤ人が孫悟空」に登場する擬似超サイヤ人の悟空も、S細胞の量が微妙に足りてない状態で超サイヤ人に目覚める条件を満たした姿と説明できそうです。
だとすると、ベジータのS細胞の爆発的増加が始まったのは、リクーム戦後の傷を癒した後かもしれません。それまでは戦闘力3万程度だったのが、急に53万のフリーザに張り合えるくらいにパワーアップしていましたからね。ちょうど、悟飯たちと共闘し始めた頃からです。
また、悟飯が修行をほとんどしていないのに小さい頃から戦闘力が高かったのも、単純にS細胞の量が桁違いだったからということで説明できます。しかも怒りがトリガーになる点は超サイヤ人と同じですし、単純に悟飯がキレると凄まじい力を発揮するのは、超サイヤ人的な力を条件を満たさないまま使っていただけなのかもしれません。だとすれば超サイヤ人2になれたのも、怒りによってS細胞の力を引き出す才能が高いからだと理由づけできます。そう考えると、ビーストの覚醒条件もアルティメット化後にもう一度超サイヤ人の覚醒条件を満たすことなのかもしれませんね。まさに超サイヤ人よりも穏やかな精神を維持したままのパワーアップからの怒りによる覚醒ですし。
つまり、S細胞については以下のことが言えそうです。
・S細胞が増えると単純に戦闘力が上がる(瀕死からの超回復の効率が上がる)
・特に怒りによりS細胞の戦闘力上昇効果は激増する
悟飯は元々の性格が穏やかで、かつブチ切れた時に急激に好戦的になることから、最もS細胞の力を生かしていると言えそうです。まさにS細胞に愛された男。悟天やトランクスには怒りが足りないのでしょう(未来トランクスの超サイヤ人怒りはまさにS細胞の力を引き出した形態ということになります)。
穏やかな状態と怒りの関係は以下の通りです。
・穏やかな通常形態→(怒り)→超サイヤ人
・アルティメット形態→(怒り)→ビースト
未来トランクスはコミック版では「超サイヤ人3級の超サイヤ人2」と評されていたので、それが実質穏やかな超サイヤ人2だったのかもしれません。
この感じだと、悟空は身勝手の極意の状態でブチ切れればS細胞の力で更に上の形態になれそうな気がしますが…鳥山氏亡き今そこまで踏み込めるでしょうか。何か構想が残されていれば良いのですが。