海外に行くのはお金がかかる

こんにちは,海外渡航を目論んでいるニートです.先日のブログのつづきではないですが,Belgiumに行くためにどのくらいお金がかかったのかという話をしたいと思います.

飛行機代などは研究費から負担しますし,先方で学費を払ったりはしないですし,宿は短期滞在の研究者用の家宅をお借りできるとのことなので,当初はそんなにお金がかかるとは思っていませんでした.しかし,ほぼ手続きが終わった今の段階で考えると,それでも結構かかったなあという印象になったので,どんなことにお金がかかったのかをまとめたいと思います.ちなみに,塾のへっぽこ先生として5年間働き,生活費を稼ぐ傍でコツコツ貯めたなけなしのお金はきれいさっぱり無くなってしまいました.

  • 東京の家の引払い,引越し代
  • パスポートの発行料
  • ビザ申請のための健康診断
  • ビザ申請運営手数料
  • ビザ申請のための交通費,宿泊費
  • 保険の掛金

まず,東京で借りていたアパートを海外渡航している1年半の間キープしておく財力はなかったので,荷物を実家に移す必要がありました.引越しが多い年度末だったのでなかなか業者と連絡がとれず,数日間の間隙をみては電話を繰り返していました.ちなみに,名前は伏せますが始めに繋がった引越し会社は見積もりが18万円,次に繋がった引越し会社は見積もりが8万円と2倍以上の違いがあったので,いろんな会社に電話をかけてみることが大事そうです.もちろん後者の業者さんにお願いしたのですが,実際は見積もりよりもやや増えて9万円程度かかりました.

中高と野球をやっていて,大学では盆も正月も引きこもって数学をしていた私,実はパスポートの有効期限がとっくに切れていたので新たに発行する必要がありました.引越しの前に申請したので新宿のパスポートセンターに行きました.住民票が福島県にあっても然るべき書類を揃えることで他県でも申請は可能だとのことでした.パスポートは今後のことも考えて10年有効なものを発行したので16000円かかりました.

ビザ申請のための健康診断,採血・レントゲン・触診で締めて15000円程度かかりました.

ビザ申請運営手数料.これは数年前に値上げがあったそうで,留学ビザの運営手数料205ユーロ+海外送金手数料で合計27007円でした.ゆうちょ銀行からベルギーの口座に振り込みます.労働ビザの場合は205ユーロが300ユーロ強になるようです.

また,ビザの発行を待つ間にも何度か東京に行って手続きなり書類を書いたりなどをしないといけなかったので,その交通費と宿泊費で6万弱かかりました.

最後に,大学指定の海外旅行保険の加入に結構な額がかかりました.大学から補助が出たので,自分で払ったのは4万くらいです.

以上をまとめると,大体25万円くらい自分で負担したことになります.色んなところからかなり補助を受けつつ,抑えて抑えてこの金額なので自費留学とかをされる方は本当に大変なんだなあと思いました.

Belgiumで1年半ほど研究をすることになりました.

なんやかんやありまして,1年半ほどベルギーに滞在して研究することになりました.

 

このブログでは,主にベルギーでの研究生活について綴ろうかと思っています.

さて,この記事を書いている現在はまだ日本にいて,ビザが発行されるのを待っている状態です.先日ようやくビザの申請が終わり,書いている論文もほぼ完成を迎えたので,今日は久しぶりに研究を進めることが出来ました.

 

そのビザ申請のことなんですが,これが非常に大変でした.

ヨーロッパだからなのか,長期滞在だからなのかは分かりませんが,海外滞在経験のある先輩方に聞いたよりも遥かに手続きが複雑で,必要書類をそろえるのは結構苦労しました.

今後誰かの参考になるかもしれないので,以下に必要だった書類をまとめてみます.折角なので,ビザ以外に必要だった書類も載せてみようと思います.

ビザ申請:

  • 申請用紙(大使館から貰えます)
  • パスポート
  • 写真
  • 健康診断書
  • 無犯罪証明書
  • 収入の証明or保証人を立てる書類
  • 英文履歴書
  • 先方の大学からのinvitation letter
  • 日本の大学の在学証明書
  • 宣誓書
  • ビザ申請運営手数料の振込の証明書

大学:

日本学術振興会

ビザ申請の過程で取得に苦労するのは健康診断書と無犯罪証明書です.

健康診断書は大使館指定の病院(東京にある)または各県にある赤十字病院にて発行してもう必要があります.僕は福島県にある日本赤十字病院で健康診断を受けて発行してもらいました.大使館から英文で書かれた健康診断書の様式がファイルで送られてきて,それを印刷し病院に持って行って記入していただくという流れになります.僕は先に様式のファイルと自分で付けた簡単な和訳を病院側にメールで送ってアポイントを取るなどしました.

しかし,記入例が用意されていなかったことと,何を記入すればいいのか前後の文脈から明らかではない欄があったことが原因で,病院側が記入漏れをしてしまい,後述するアポスティーユのときに一悶着起きてしまいました.これから健康診断書を発行される方は,大使館に問い合わせて記入の仕方を説明していただくと間違いないように思います.

僕は病院というやつが大の苦手で,健康診断にどういった項目があるのか分からず不安だったのですが,僕が受けたのは採血による血液検査,胸のレントゲン,お医者さんによる触診でした.採血の際非常に緊張しましたが,全く痛みはなく時間もあっという間に終わりました.

 

無犯罪証明書は,住民票がある県の警察の鑑識課で発行していただけます.福島県の警察本部の鑑識課は山の中にあり,行くのが大変でした.パスポートとinvitation letter,住民票を持っていくと指紋をとってくださり,それを全国の犯罪者?の指紋と照合して犯罪歴を調査するようです.

指紋をとるスキャナーは超ハイテクといった感じで,感心して「僕,指紋とるのはじめてです!」と言ったら鑑識課のおじさんに「悪いことしねえ限りはとんねえからね!」と言われました.

1週間ほどすると無犯罪証明が発行されます(もちろん過去に犯罪歴がなければという条件付きですが).無犯罪証明書は厳封されており,開封してしまうと無効になるようです.

 

健康診断書と無犯罪証明書は外務省の公文書管理課というところでアポスティーユを受ける必要があります.アポスティーユには1日かかります.このアポスティーユは結構苦労して,健康診断書のアポスティーユを受けるためにはるばる福島県から東京の霞ヶ関に行ったところ,「健康診断書に発効日の記入が抜けているので受け付けられない」と言われてしまい,福島にとんぼ返りしました.翌日,赤十字病院に電話で問い合わせたところ,僕の健康診断書を発行した先生は3月末で退職しましたと言われ(健康診断を受けたのは3/31だったのです!)途方にくれました.最終的にはなんとかなりましたが,非常に肝が冷える出来事でした.

 

収入の証明or保証人を立てる書類について.宣誓書でも「現地で違法な就労をしない」というようなことを誓わされたので,おそらくこの書類もそういったことを未然に防ぐためのものなのだと思います.

大使館のはじめの説明によると,学生用の長期留学用のビザには保証人を立てる旨の書類または「現地の銀行にすでに一定額の貯蓄があること」の証明が必要だとのことでした.

そんなにお金は持っていないので後者はなかなか実現が難しいから,すると前者の保証人を立てる道を選択せざるをえませんが,これが非常にやっかいです.というのも,保証人を立てる場合,ビザ申請の際に保証人同伴で大使館に行かねばならないからです.多くの学生が保護者を保証人に立てると思いますが,保護者の方が遠方に住んでいた場合に都合を合わせるのはなかなか大変ですよね.保証人を立てる際には,その保証人の方が一定以上の額の貯金をもっていることなども同時に証明する必要があるようで,申請のための書類の量が一気に増えて大変そうです.

幸い,僕は特別研究員の給料があったので,その収入の証明を代わりに大使館に提出することで保証人を立てずにビザを申請することができました.大使館の方が話していたことによると.どうやら毎月奨学金が支給されている学生さんの場合も保証人を立てる必要はなさそうな感じでした.

 

長くなったので,また後日,残りの書類に関して書こうと思います.