はじめに
当ブログの性質上、作品の写真撮影は欠かせません
今までもいろんな撮影方法を紹介してきましたが
まだまだ反省点が残されたままでした
見直してみると、やはり画像全体が暗かったり、色調にブレが出たり安定しません
いわゆる明度彩度が低い 青かぶり 赤かぶり 黄色かぶり ってやつ
光源を強力にするため、本格的な照明を購入しようかと考えたりしましたが、これまた結構高い
一旦照明のことは置いといて・・・と
何かいい方法はないものか
そんな時、あるアイテムの存在を知りました
いつも何かとお世話になっておりますベテランはてなブロガーの
id:AzuLitchi らいちさんの撮影方法
この記事にグレーチャート(商品名:シルクグレーカード)なるものが登場します
本記事の予備知識としてご一読下さい
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銀一(ぎんいち)シルクグレーカードとは
[主な特徴]
●表面に反射率18%のグレー、裏面にホワイトバランスの設定に最適な反射率約50%のライトグレーをシルクスクリーンにて印刷し、用途の幅を広げたA4判グレーカードです。
●1平方メートルあたり400gのコシのある台紙にポリプロピレンコーティングを施し、その上から反射率18%のグレーをシルクスクリーン印刷することで作り上げた銀一オリジナルのグレーカードです。
●反射式メーターで露出を測るだけでなく、シルク印刷であるために他社品に比較して色転びが少ないので、デジタルカメラのグレーバランスを取るのに最適な仕様になっています。
●裏面はデジタルカメラ、デジタルビデオカメラのホワイトバランス設定に最適な反射率約50%のライトグレーを追加(Ver2)し、用途の幅を広げています。
《Ver.2の改良点》
ホワイトバランスのターゲットが白の場合、その部分が露出オーバーになりやすいため正しくホワイトバランスが設定できない場合があります。そのため露出オーバーになりにくいライトグレーで設定するようになりました。
グレー面よりもライトグレー面でホワイトバランス設定するとRGB値の分母が大きくなるためホワイトバランスの精度が向上します。
うーん素人の身としては、ちょっと何言ってるか分かんないですね
なので、この商品を実際にいろいろ試した結果
画像処理ソフトでの色調補正を、素人なりの咀嚼ではありますが解説してみたいと思います
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何が不満だったのか
さて
今まで撮った画像で何が不満だったか
ザックリ言うと
自分の目で見えている色と、写真の色がなんとなく違う
違和感を感じる
ことによる不満ですね
ではどうしたら自然に見えている色に近づけることが出来るのか
画像処理ソフトではヒストグラムやトーンカーブなどを調整する方法も紹介されていますが
↑↑↑こんなやつね
いろいろ弄っていると楽しいのですが、何が正解か分からない
基準が無いからです
色調を弄ってるうちに、自分の目が信用できなくなってくるんですね
「あれ?やっぱり赤っぽい、いや黄色っぽい?」ってな感じ
弄りすぎると画質も落ちてきますしね
夕焼け画像なんかだと、半ば捏造状態ですので何となく良さげな色合いをブチ込みます
こう言っちゃ身も蓋もないのですが、色調補正は適当です
一方
ペパクラモデルは設計段階においてPC上で着色した色を、出来るだけ忠実に皆様にお届けしたい
こういった色みのズレという不満を解消するために
基準となる色をあらかじめ被写体と一緒に撮影しておくのです
ここで登場するのがGIN-ICHI(銀一) シルクグレーカード
お値段も¥2000前後でなかなかリーズナブル
シルクグレーカードを背景として利用
上記らいちさん記事では平面の被写体の撮影方法が紹介されていますが、なんせデカい
私のモデラーとしての性格上、なんでも小さめに作る習性がありますので
意外とA4サイズの範囲に作品が収まることが多いんですね
ならばいっそ、背景として立て掛けておくだけで有効利用できるんじゃないか、と
では実際の撮影に移りましょう
例えば・・・
スマホのオート撮影などでお任せしちゃうと、結構ホワイトバランスが狂ってしまっていることがあります
スマホさんにしてみれば良かれと思ってやってるんでしょうけどね
この3つの画像
左は黄色み
右は青み
がかっているのがお分かりでしょうか?
このモデル
を撮影するにあたって、A4サイズのままのグレーカードを背景として立てかけています
カードとは言うものの、結構硬くて頑丈です
むしろ板状
撮影時に「なんか色味がおかしい」と思っても、この背景色を基準に後から補正することができるんです
専門用語を知らないので独自の表現を使って恐縮ですが
この絶対的グレーの物体
と一緒に撮影し、これを基準色とすることによって
彩度のニュートラル化
が可能になるのです
具体的な手順を、まず文章を中心に解説しますね
私が愛用しているのは、無料画像処理ソフトGINP
これで対象の画像を立ち上げた後
GIMPの上部ツールバーの【色(c)】をクリックすると一覧がズラっと降りてきます
そのうちの【レベル(L)...】をクリックすると【色レベルの調整】というウィンドウが開きます
3色のアイコンのうち、真ん中のグレーをクリックします
マウスポインターを画像上に持って行くと、このようなアイコンに変化しますので、本来グレーだった部分をクリックします
動画で示すとこんな感じ
黄色み→ニュートラルに補正
青色み→ニュートラルに補正
画像が小さくて申し訳ありません
( ´-`).。oO( キャプチャすると、マウスのポインター消えちゃうのよね)
黄色み画像、青み画像、どちらも全く同じ作業で彩度のニュートラル化が可能です
つまり
この作業によって
赤⇔青⇔黄色の偏りを気にする必要は無くなりました
あとは明るさの調整と彩度を上げるだけで肉眼で見える色調に近くなります
この方式は、結構前から実用化していまして
カード購入後の記事で、確認できる限り一番古いものはこちら
下に敷いても使えるぜ
以降の記事を読んでもらえば、このグレー背景の使用頻度が上がっていることが分かります
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大き目の被写体の場合
では立体構造物で、なおかつサイズが大きい作品はどのように撮影すれば良いのでしょう?
先ほどとは、ちょっと方法を変えてみます
購入したシルクグレーカードの商品説明を読んでみると
こういった使い方が紹介されていました
( ´-`).。oO( RAW現像、RAWデータがよく分からないが、今のところ関係無さそう)
なるほど
これなら光源が少々動いても大丈夫
このように2枚のカード形状と縦長の2枚に分割しまして
縦長の方をクリップで筒状に固定します
硬くて頑丈ですが、柔軟性も備えています
これを被写体の横に添えて写真を撮ると、あとから色調補正をする際の基準色になる
というスンポーですな
表がダークグレー(反射率18%とやら)裏がライトグレー(反射率50%とやら)
両方組み合わせてセットしておくと色調補正時に選択肢が増えます
まずはダークグレーを上に
一方
上の[主な特徴]にもありましたが、ライトグレーの面はグレーなのにホワイトバランスとして使用すると良さげ、とのこと ほむほむ
次は
3色のアイコンのうち、右側の白いのを選択します
ライトグレー筒の一番明るいエリアをクリックするとこんな感じ
ちょっとハレーションしてるような気もしますが・・・
ちなみにどちらを上にするのが正解かはまだ答えが出ていない
・状況に応じて変更
・または両方とも撮影しておく
ですかね
あとは明度、彩度を調整して不要な部分を切り取ります
使用後は
解体してこのようにクリアファイルに収納しておくと嵩張らない
普段は本棚の肥やしにでもしておきましょう
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他の方法として
さて、ここまで銀一商品の紹介をしてきましたが
どうしてもお金を使いたくない
という方もなんとかなります
例えば
たまたまなのですが、当工房の作業台は天板が
白です
つまり
雑に置いて
雑な照明で
雑に撮影した
なんなら昔の画像
だとしても
これこのとおり
テーブルの白っぽい部位を白と認識させることによって
彩度のニュートラル化が可能なのですよ
あるいは
こういったものを勝手に作りまして
プリンターの設定でモノクロ(白黒)印刷をおこない
ニセ銀一シルクカードを作ってしまうこともできます
で・・・す・・・が
家具であれば
白 ホワイト オフホワイト ホワイトウォッシュ アイボリー セラミック
マイナーなところではクリーミーホワイト オイスターホワイトなど
メーカーによっていろんな呼び名がありまして、それぞれが
完全な白
とは言い難い
またコピー用紙にしても
上質紙(白色度 約90%) 普通紙(白色度 約80%) 再生紙(白色度 約70%) 新聞紙(白色度 55%)
これもメーカーによって白さの定義が異なります
さらにさらに
あなたのプリンターのインク 本当に黒?
( ´-`).。oO( これも掘り下げないとイカンのですが、別稿で)
結局のところ、自分の目で見えている色が果たして本当の白なのか本当のグレーなのか信用が置けるなら使用可能ですが
もし疑心暗鬼になるようなら、本記事の冒頭に戻ります
自分の目が信用できない
そうなると
信頼のおけるグレーが欲しいですよね
はいどうぞ
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おまけ
さらに上のレベルを目指したい方はカラーチェッカー!!
白黒グレーだけでなく代表的な原色が並んでおり、強調したい色を基準色として
捏造色調補正出来る上級者向けアイテム
お値段なんと!!
販売価格: 22,550 円(税込)
・・・
ごめんなさい、値段分だけ使いこなせる気がしないので保留とさせて頂きます