会社員としての個

会社員でありながら、人生を成功させることが出来るとしたら、それはどのような人生なのだろうか。会社に、仕事にのめりこむあまり、家庭や健康を害する、というのは想像できる話だ。また、仕事に精をあまりにも出さなかったため、社内で不遇の扱いを受け、仕事に行くのが憂鬱になるケースもあるだろう。加えて、仕事で体を壊し、プライベートにも悪い影響が波及していく話も耳にする。こう考えていると会社員でありながら人生を成功させている人なんて、果たして世の中にいるのだろうか、と不安になる。

 

人生の成功とは何だろう。心身ともに健康であること。何かしらの達成感を得られていること。十分な休息をとれる環境にあること。愛する家族がいること。色々考えてみたけれど、おそらくこのあたりにあるのではないかと思う。つまり、会社員でありながら、これら4つを実現していくことこそ、僕たちの目指すべき状況なのだと言えるだろう。

 

心身ともに健康であること。これは仕事はそこまで関係がない気がする。もちろん、職場の人間関係や勤務環境が劣悪で心身を害してしまう会社員もたくさんいるだろう。しかし、少なくとも僕たちの会社であれば、そんなケースは稀である。職場の人たちも良識のある人ばかりだし、空調のよく聞いた清潔なオフィスで働けているし、帰る時間は完全に自由だ。つまり、心身共に健康であることは、自己管理によるところが大きいのではないだろうか。暴飲暴食を控え、バランスの良い食生活を心がけ、睡眠時間を十分に確保した規則正しい生活を送り、適度に運動をする。これを行うことで、「会社員でありながらも人生を成功させる」1つの条件を満たすことが出来る。

 

何かしらの達成感を得られていること。これは仕事か趣味かで達成することが出来るだろう。仕事にしろ趣味にしろ、心に余韻の残るような、本当の達成感を得るための道は険しい。達成感とは、自分や周囲の人間が、どれだけ自分を評価するかで決まる。その人の功績が、どれほど稀有なものかで決まる。稀有なことを成し遂げるから、僕たちは達成感を感じる。なぜそれが稀有かというと、誰も為しえないからだ。誰も為しえないのは、それが簡単ではないからだ。嫌なことに耐え、長い期間続け、人やものから良く学び、人のやらないようなことを長く習慣にして続けることで、初めて稀有な物事を成し遂げられる。成し遂げることで得られる達成感は、間違いなく僕たちの人生を彩る。よく耐え、よく学び、長く続けること。それが「会社員でありながらも人生を成功させる」2つ目の条件だ。

 

十分な休息を取ること。これも自分次第であると思う。僕たちの会社は帰る時間など完全に自由なわけだから、やろうと思えば19:00には眠りにつくことが出来る。また、平日に多少休めなかったとしても、必ず週休二日は確保されている。その時間で休息を取ること、休息の取れるような所に足を運ぶことは、絶対に可能だ。だから、無為なことに時間を使わず、休息を意識することで、自分次第でこの条件も必ずクリアすることが出来る。

 

そして、愛する家族を作るということ。これは、前半3つを行えていれば、きっと後からついてくる。逆に、前半3つを行えていないのに、家族を作ろうとしても必ず失敗する。幸せと気力と充実感の横溢した人間と、誰もが家族になりたいと思う。狡猾な嘘と欺瞞で組み立てられているような、空虚な人間とは誰も家族になりたいとは思わない。出会いの数だけ意識していれば、ここはそこまで気にする必要はない。前半3つをしっかりやっていれば、家族を作ることはそこまで難しいことではない。

 

暴飲暴食を控え、睡眠時間を確保し、よく耐えよく学び人が避けて通る道を根気よく進み続け、無為なことに時間を使わず意識して自分の体と心を休ませ、そして出会いの場に自分をおいていれば、会社員でありながら人生を成功させることは出来る。