家に着いたのは翌日の夕方だった。

ちっとも様子の変わっていない自分の家の様子を見て、何故だかぞっとしたんだ。

 

割れた地面。

アスファルトから生え出したかのように突き出たマンホール。

斜めに傾いた電柱。

 

映画さながらの光景の中を歩いて帰ってきた自分にとって、

不思議でならなかったんだ。

 

 

その悪寒は現実のものになったわけだけれどね。

嬉しいメールがきた。

 

わたしも昨日の夜、君のこと考えてたんだ。

 

2年前の今日、心配してメールをくれたよね。

寒空の下、少しほっこりして、嬉しかったなぁ。

 

思い返してみると、君と一緒にいて

いやな思いを感じたことがない。

 

。。。

 

もしも、もしも、なんてことを考えてみたりする。

認める

自分の今の状態を認めるということ

 

誰かをよろこばせたいという気持ちを思い出すこと

笑顔を見たいという欲求を思い出すこと

 

こわがらないこと

怖がっている自分を認めること

 

なにが怖いのか

ーー関わって、失望されること?排他されること?

 

 

まとまらなくてもいいから残しとく

いつかこのわたしを抱きしめられますように

 

明日発売のCDを買ったんだ 世界で一番熱いうたが入ったやつを

1か月前に予約したんだ

はやく聴きたいよ はやく聴きたいよ

 

下りのエスカレーター みんなの右側をすり抜けて降りてくんだ

一刻も早く家帰りたいんだ

どきどき止まんないよ どきどき止まんないよ

 

 

 

そんなぼくの行く手を阻む壁があらわれた

 

横ならびで立ってる若いカップルちゃん

 

ああもうどいてくれよ こっちは急いでんだっての

 

ただでさえいらいら そんなぼくを煽るかのように

 

 

 

男は女のケツを触りだした しまいにはスカートに手を入れた

 

女は怒って「やめてよ」なんて言ってる 言ってるけど

 

 

家に帰れば許すんだろ ちきしょう

昼さがりのファーストフード

部活帰りの女子高生のおしゃべりはやたらに声が大きくて

「あの子ウザイよね(笑)」「ほんと邪魔なんだけど(笑)」

ひとりぼっちの耳には否応なしに とがった言葉飛び込んでくる

 

攻撃するひと されるひと ただ見てるひと

傷付けることで喜んで それはほんとのシアワセなの?

攻撃するひと されるひと ただ見てるひと

さぁ君は誰になりたい?

again, and again, and again

心から、なんにも気にせず笑える相手は誰だろう。どこにいるんだろう。

 

わたしがわたしの本気をぶつけられる場所はどこだろう。

わたしがもっとわたしになれる場所はどこだろう。

 

この手で何ができるだろう。誰となら繋がれるだろう。

この声はどこまで届くだろう。誰になら伝えられるだろう。

 

疑うことなんて言葉を知らぬように、ただまっすぐにいられるのが

うらやましくて、まぶしくて。

 

憧れ、夢見てみたけれども、

思うようには世界はうごかなくて。

 

「いちばん大事なのは、あきらめないこと」

何度も何度も聞いていたのに、

ぜんぶ忘れてしまっていたよね。ぶっ飛んでしまってたね。

 

忘れたって過去は消えない。

それなら記憶に縛られたままでいるなんてあほくさいだけ。

 

いまを重ねるしかないんだよ。