『サラモニスの秘密』の謎?

 今回も、『サラモニスの秘密』をプレイして思ったことなどをつらつら書いていきます。今回は、特にネタバレ度が高いので、これからプレイする予定の方は読まないことをおすすめします。

ドリーの村は魔境?

 まだプレイ開始して間もない頃。自分が最初に冒険者ギルドの任務掲示板を見て(120番)、一番ヤバい任務だと思ったのは、大釜草をドリーの村に届けるという任務でした。ドリーの村がどういう場所かは、『モンスター誕生』をプレイした方ならよくご存じでしょう、とだけ言っておきます(^_^;) さらに、大釜草はブ・フォン・フェン(カエル沼)に生えているというじゃないですか。タイタン世界において行きたくない場所のワン・ツーと言っても過言ではない。そんな任務はまっぴらごめん。

 というわけで、最初のプレイでは、この任務からは逃げ回って、「豚小屋の害獣除去」→「サラモン王の鉱山」→「ガルー大隊商団の護衛」→「“叫ぶ空”の謎」と任務をこなして、名誉点が足りなくて他の任務が選べなくて*1、仕方なくこの任務を選んだところ、なんと簡単に任務達成できました。しかも、その回は〈カリスマ〉を取っていたので、ずいぶんいい思いをさせていただきました。交渉の運だめしをする場合でも、失敗しても当初の値段で取り引きしてくれるなんて、ドリーの魔女も本当はずいぶん優しかったんだなあ。てっきり、運だめし失敗即蛙かと。ずっと誤解していました。ごめんなさい。

シュリーカーってなんだ?

 本作は「シュリーカー」が1つのキーワードとなります。そもそも、シュリーカーって何のこと?

 古いファンタジーゲームで名前を聞いた気がしますが、「どんなモンスターなのか?」と聞かれるとイメージが湧きません。自分が「シュリーカー」と聞いて思い出すのは「ダンジョンマスター」ですが、水晶玉が埋まっている緑の塊?みたいな何をモチーフにしたのかよくわからない外見でした。毒矢と毒攻撃で有毒状態にしてくる毒々しいモンスター。解毒するのが面倒なだけで、そんなに強い敵ではなかった。

 "shrieker"は「金切り声を上げる人」という意味だけど、ダンマスのシュリーカーはそんな感じはなかったなあ。むしろ、“ダンマスのアイドル”とも呼ばれる(?)スクリーマーの方がシュリーカーの名前にふさわしい気がする。

 ……というような投稿を旧Twitterにしたところ、「シュリーカー」が出てくる作品の情報が続々と集まりました! ありがとうございます! みんなすごーい!

 まあ、過去に「シュリーカー」と呼ばれていたものがどんなモンスターだったかは、本作の「シュリーカー」像をイメージする上では何の役にも立ちませんでしたが……。

フラグ管理の補完

 本作は、起こるイベントがフラグ管理されているのが特徴ですが(特に序盤と幕間)、よく調べるとどう考えてもおかしいと思う部分がありましたので、気になった部分を書いておきます。

〈泥どろ豚小屋〉から同じ場所に行ってもいい?

 序盤の、一文無しの状態から冒険者ギルドに加入するお金を稼ごうと奮闘する場面。この部分は、ある程度ループできる構造になっています。冒険者ギルド前の54番には「まだ行っていないものを選ぶこと」と明記してあるので無限ループはできませんが、他の項目では、同じ場所に行ってはいけないとは書かれていない選択肢も多数あります。その場合に同じ場所に行く選択は許されるのか?

 特に問題となるのが、〈泥どろ豚小屋〉での仕事を終えて(415番)“乞食の印”がない場合の188番の選択です。ここでは同じ場所に行ってはいけないという指示はありません。すると、行ったことのある場合でも45番(ブーンドッグ)か89番(〈月の門〉)へ再び行くことができるので、「ナノックの家族」や「乞食」、「喋る犬と一芝居」などのイベントを2回できてしまいます。これは不自然です。

 かといって、188番で同じ場所に行けないと解釈すると、〈泥どろ豚小屋〉に行くまでに45番と89番は両方通ることができるので、行き先がなくなってしまう可能性があります。

 これをどう解消するか。妥当だと思うのは「188番では行ったことのある場所へも行ける。ただし、以降同じイベントに入る選択肢は選べない」というものです。具体的には、次の選択肢は、一度選んだ場合は選べないことにします。

  • 367番での390番(ナノックの家族再会を見届ける)
  • 410番での431番(乞食になる)
  • 229番での249番(喋る犬と会話を続ける)
  • 153番での122番(ヴァガンに教えてもらって〈泥どろ豚小屋〉へ行く)

 しかしこれでも、ブーンドックへ2回行った場合は367番のナノックとの会話を2回してしまう問題、〈月の門〉へ2回行った場合(かつ小アクセサリーを持っている場合)は229番の喋る犬との会話を2回してしまう問題は回避できません。

 もっと厳しく、上記に加えて、188番から45番(ブーンドック)も、行ったことのない場合しか行けないとする方法もあります。こうすると、367番のナノックとの会話を2回してしまう問題も解決できます。この方が進行としては自然ですが、188番の選択肢に制限を加えるのは不自然なので、微妙なところです。*2

 自然な進行ということなら、188番では(122番と415番も)「45番(ブーンドッグ)や89番(〈月の門〉)へは行ったことがない場合にしか行けない。行き先がない場合は11番(の6行目)へ行く」という進行が最も自然です。しかし、書かれていない選択肢を作るのはためらわれます……。

“おたずね者”の罰金を何回も払わないといけない?

 “おたずね者”であるために〈火曜日〉に(253番)衛兵に罰金として金貨4枚を要求されて(35番)、断って独房に放り込まれて(133番)、ピンチペニーに罰金として金貨8枚を支払って釈放された場合(221番)。“罪人”を消すという指示はありますが、“おたずね者”を消すという指示はありません。*3

 よって、次に〈大市場〉でピンチペニーに遭遇した際に(427番→446番→144番)、“おたずね者”として複利で上がった税金を要求されてしまいます(459番)。理不尽(´・ω・`) 221番では“罪人”とともに“おたずね者”も消すべきだと思うなあ。

 さらに、“おたずね者”としてピンチペニーにこの割り増し税金を支払っても、“証明書”はもらえますが、“おたずね者”は消えません(55番)。よって、次に〈火曜日〉(383番→253番)か〈大市場〉(446番で7を書く→400番→7番)で衛兵と遭遇した際に、再び“おたずね者”として罰金を要求されてしまいます。これも理不尽。というか俺、初見のプレイでこの目に遭いました(´・ω・`) ひどいよピンチペニー。“証明書”があれば衛兵は素通りしてくれるべきだと思うんですけど……。

 これらの現象は、ミスなのか、税の理不尽さを表現するためにわざとやっているのか……。

コーヴンの村からサラモン王の鉱山へ向かうのに8日経過する?

 10番。コーヴンの村から銀山へ向かう場合、8日進ませるという指示があります。しかし、同じ意味の34番・60番・84番では8日進めるという指示はありません。それに、もし今日が〈風曜日〉だった場合、ここで8日進めるとサラモニスに戻る頃には〈海曜日〉を過ぎて〈高曜日〉になってしまうので、進行上重大な齟齬が生じます。

 ここは記載ミスと考えて、10番の8日経過の指示は無視して良いでしょう。10番は普通にプレイすればまず通らない項目なので、実質的には問題ないですが……。

意味のないフラグ?

 他にも、ゲームの進行上は影響ありませんが、意味がないと思うフラグや不自然な記載などがいくつかあったので、列挙します。

  • 202番に、〈クモの森〉の訓練所に行くことをアドベンチャーシートに書いておくという指示がありますが、書いておく意味がないと思う。
  • 222番に、ナノックに同行することをアドベンチャーシートに記すという指示があるが、意味がないと思う。
  • 242番の「(ロドリゲスがきみに教えてくれる“芸”をアドベンチャーシートに書いておくこと)」という指示があるが、意味がわからない。
  • 206番・452番・407番・185番には、それぞれ「【聖印】があるなら4へ」という指示があるが、この時点で【聖印】があることはあり得ないので、直接469番へ行かせてもいいと思う。
  • 任務から帰還する383番で、〈火曜日〉の場合は253番に行って衛兵と遭遇する。ここで“おたずね者”になっていて衛兵に罰金を支払うと、宿屋に泊まるなどの描写がなく冒険者ギルドへ行ってしまうので(120番)、ちょっと不自然。〈火曜日〉の分岐は、383番ではなく、宿屋に泊まる403番に設けた方が自然だった気がする。
  • 70番(ブルーズ兄弟の屋台)。「一二〇と書いて」という指示があるが、ここに来るには427番で120と書いて446番→144番を経由する場合だけなので、すでに120は書かれている。
  • 284番。「攻撃力に課せられるはずのペナルティを無視して構わない」とあるが、このあとの戦闘では攻撃力のペナルティはない。
  • 332番に“豚頭”の絵があるのはなんで?(ここであっても意味ないし……)

〈格闘〉って取れる?

 6つの特殊技能のうちの1つ、〈格闘〉。序盤でナノックの家族再会を見届けて、キーワード「ベンボーイ」を知っている場合だけ取ることが可能な技能です(222番→150番)。

 しかし、この技能を取得した後の進行が厳しすぎると思う。

 〈格闘〉を取得した直後に人オーク(技8・体7)と戦闘になります。この戦闘は297番で能力値をアップする前なので、技6・体12・運6で挑むことになります。これだけでも十分厳しいですが、さらに不利な条件が付されます。まず、開始時からここまで体力点を回復する機会はないので、体力点はいくらか減っている状態です。そして、この戦闘の直前に技術ロールを要求されます。技術点は最大6なので失敗する可能性は高く、失敗すると体力点-2・技術点-1を食らいます。

 〈格闘〉と同時に〈振り直し〉(サイコロを振り直せる。3回まで。振り直しの振り直しは不可)と〈即死〉(攻撃力決めの2dで6ゾロを振ったら即勝利)も取れますが、それを含めても、人オークに勝つのは至難の業です。なんでこんな厳しいイベントにしたんだろう?

 ここは、297番で行なう能力値アップを、前倒しして150番で行えるということにすれば良かったんじゃないかなあ? イメージ的にも、長い旅と訓練で能力値がアップするというのは腑に落ちるし。

 そんなに苦労して〈格闘〉を取ったとしても、〈格闘〉は使う箇所が1箇所しかなく(404番)、その1箇所もすごく重要というほどではない。同時に取れる〈即死〉も発生確率が低すぎるし*4、〈振り直し〉も同じ特殊能力をロガーンの寺院でも取れるし、という報われない技能になっています。

2024/05/16追記:〈格闘〉が取れるもう一つの手段

 5月14日にエラッタが発表されまして、〈格闘〉は訓練所の283番でも取得できることが判明しました。

 前項に書いたとおり、〈格闘〉は取得するのが非常に難しい特殊技能でしたが、なんと別に取る手段が存在したのですね。訓練所で何の技能も取得できないのは、所詮罠選択だからそれで良いと思っていましたが、こんな特典があったとは。

 ……しかし、こちらもナノックの上級戦闘訓練に負けず劣らずの難関ルート。

 まず、訓練所に入る段階でほとんどのプレイヤーが振り落とされます。訓練所に入るテストの合格条件は4dで体力点以下を振ることです(467番)。この時点ではまだ能力値をアップする前。体力点が原点の12だったとしても成功率は33.6%です。しかも、ここで体力点が12であることはあり得ません。これまでの選択によりますが、少なくとも475番(ボートのオールに頭をぶつける)・337番(衛兵に押されて膝をすりむく)・456番(溝の中で寝る)でそれぞれ体力点-1を食らっているプレイヤーが多いはずです。ここまで体力点を回復する手段はありません。この時点で体力点9だとすると、成功率は9.7%しかありません。

 そして、テストに合格して訓練所に入れたとしても、もちろん最終テストが待ち構えています(388番)。1dを振って奇数なら一九番のサイ男(技8・体9)、偶数なら七二番のオーク(技7・体7)に勝たないといけません。どちらも、技6・体12・運6の主人公にとっては強敵です。これも、388番の間に名誉点による能力値アップを前倒しして行える機会があってしかるべきなんじゃないかなあ。サグラフの戦闘訓練を受けたら、当然能力値もアップするでしょう?

 結局のところ、この訂正があっても、〈格闘〉は取れない特殊技能であることに変わりはありませんでした。

〈幸運〉は3回まで?

 ロガーンの寺院で取れる特殊技能〈幸運〉(79番)。その効果は、次のように説明されています。

これからきみは〈運だめし〉を指示されても、サイコロを振ることなく自動的にその行為は成功となり、運点を減らさなくて済む

運点を減らさなくて済む」が太字で書かれているので自分は初見では読み飛ばしていたのですが(^_^;)、運だめしに自動的に成功するという強力な特殊技能です。おまけに、〈振り直し〉も付いてくるのでかなりお得です。

 しかし、ここで注目の訳注が付されています。

(訳注:これはあまりにも強力な能力なので、次のサイコロの〈振り直し〉能力と同じく、三回までにした方がよいと思います)

 訳注はこれまでのFFコレクションでもありましたが、これまでは『危難の港』の開始直後の1番で体力点が回復するという指示を「原点を越えて良い」と解釈するものや、本作で名誉点16点以上という分岐条件は累計と考えるもの(341番・437番)など、あきらかにそう解釈するのが妥当だろうと思えるものでした。それらと比べるとこの79番の訳注は、作者が考えるゲームバランスに異を唱える形になっているので、より踏み込んだ内容です。

 本作では、〈幸運〉取得後に行なう可能性がある運だめしは16ヶ所あります。1回の冒険で半分~3分の1程度の運だめしを行なうと考えれば、すべての運だめしが自動的に成功するというのは、ゲームバランスが崩壊するというほどではありませんが、確かに強力です。ことに、本作では強化しない限り原運点が6なので……。

 この訳注を見たときは、「できれば、作者が考える意図を尊重したいなあ」とも思ったのですが、〈幸運〉が3回までというのは妥当なバランスだと思います。*5

火吹山の夢?

 〈風曜日〉に始まる夢の中の冒険は(465番)、もちろんFFシリーズ第1作の、『火吹山の魔法使い』の序盤をほぼそのままなぞった内容です。敵の強さやイベントはもちろん、パラグラフ番号までそっくり同じです。

 本作では開始直後も、双頭のオーガーから逃げるという印象的な夢のシーンからスタートします。しかも、両方ともただの夢ではなく、双頭のオーガーの夢では体力点や運点の減少が、火吹山の夢では獲得した金貨が、現実でも有効という不思議な夢となっています。

 てっきり何かの伏線だと思ったのに、触れられないまま物語が終わってしまったのは残念でした。ところどころ、運と偶然、策略の神ロガーンの影が見えますが、はっきりとした言及はなかった。

 自分がスティーブ・ジャクソンゲームブックで一番好きなのは『モンスター誕生』です。その理由は、パズル的な難しさ、完成度の高さもさることながら、ゲームブックならではの物語の面白さがあったからです。オープニングで長々と書かれている物語が、一見意味がわからないただの背景説明のように見えながら、謎解きのヒントとなりつつ、終盤で見事につながります。

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 本作も、『サラモニスの秘密』というタイトルからもそういう点にも期待したのですが、その点はちょっと弱かったと思います。結局、大した秘密でもなかったように思えるし。ラズニック・ウルセンが語るサラモン王の統治の話や(234番)サラモニスの繁栄の話(290番)、99番のサラモニスの下水道の秘密とか、背景説明としては興味深いけど、物語に絡めてほしかったなあ。

特殊技能を取らずにクリアできるか?

 冒険者ギルドに加入した後、普通は冒険者になるための訓練を受けてから冒険に出るのですが、なぜか、訓練を一切受けずに冒険に出るという選択肢があります。一見、ただ不利なだけのように見えますが、有利な点が1つ。訓練を一切受けないと297番ではなく389番で名誉点による能力値アップを行ないます。こちらのルートだと、このあと王室徴税官ピンチペニーに “求職税”を要求されずに済みます。もちろん各種授業料も払わなくて済むので、手持ちの金貨10枚を丸々〈大市場〉での買い物に使うことができます。保存食を4食分も多く買うことができるのは嬉しい……かも。

 あきらかに用意された選択肢なので、これは作者の挑戦と受け取りました。ぜひ受けたいところですが、さすがにこれはきついなあ……。クリアに必須となる「〈土曜日〉までに名誉点16」は何とかなりますが、〈綴り呪文〉も〈カリスマ〉も取れないので、黒ユニコーンのイベントで運だめし成功が必須になるのがつらい(277番)。今回の主人公は原運点6の上に、このルートだと訓練で取れるはずの名誉点が取れないので運点を伸ばす余裕もないし……。

結局、能力値上昇はいつできるの?

 本作の注目ポイントの1つが名誉点による能力値アップです(297番・398番)。名誉点2点につき原技術点・原体力点・原運点のどれかを1点伸ばすことができます。これは一見、プレイヤーが“経験値”を振り分けて伸ばす能力値を選択できるという、RPGによ くあるシステムに見えます。本書の巻末の解説「ジャクソンとファイティング・ファンタジー」でも、こう書かれています(466ページ)。

名誉点がいろんなイベントに際して与えられ、それをある区切りごとに貯めて使用して、キャラクターの能力値を上げ、いろんな行為を成功しやすくしていく。

自分も、最初に297番の項目を読んだ時は、そのようなルールだと思いました。

 しかし、前に書いた記事でも書いたとおり、普通に項目を辿って指示に従っていくと、能力値を上昇させる機会は1回しかありません。これでは「区切りごと」に貯めて使用するということはできない。ここに違和感を持った方は多いと思います。

 自分としては、前の記事でも少し触れましたが、能力値アップの機会は1回だけというのが作者の意図なのだろうと思います。能力値アップの機会は1回だけと解釈しても、ゲームバランスは十分保たれています。逆に、今後も名誉点を得るたびに能力値を伸ばせるとすると、ゲームとしては簡単になってしまいます。簡単に技術点12にできるので、強敵との連戦なども、大した工夫なく勝ててしまいます。これはもったいない。一見、能力値上昇が1回のみではとても勝てない強敵が出てくるように見えますが、序盤や幕間の街中でのフラグを把握して、手順を尽くして準備すると十分勝てる。これが本作でスティーブ・ジャクソンが用意した趣向だと思うのです。

 こういう能力値アップシステムだと、プレイヤーが伸ばす能力を自由に選択できるのがおもしろいところと思ってしまいますが、本作はそのような面白さを意図したものではないのだろうと思いました。

ルール改変の提案

 しかし、それならなんでこんなルールにしたのか?とは思います。名誉点による能力値アップが、たった1回の「冒険者に憧れるただの少年」が「本物の冒険者」なる過程を表現したかっただけなら、こんなRPG的なルールにする必要はなかった。もっとシンプルに、297番と398番では、

  • サイコロ一個を一回振る。出目を原技術点に加える。
  • サイコロ二個を同時に振る。出目の合計を原体力点に加える。
  • サイコロ一個を振って、出目を原運点に加える。

とした方がFFらしくて納得できた気がします。ゲームバランスの問題は残りますが、元々FFシリーズはそういうものですし……。

 自分がこの成長ルールで問題だと思うのは、能力値アップの機会が1回しかないこともさることながら、それ以上に“レート”が技術点に有利すぎることです。すべての能力値が名誉点2点につき1点アップできるというルールだと、あきらかに技術点を伸ばすのが最善です。FFの戦闘ルールは技術点が何より重要です*6。運だめしでの逆転は相手の体力点が低ければ可能性はありますが、運だめしはするたび運点が減っていくので、安定して勝つことはできません。

 297番か398番までに体力点や運点が大きく減っている場合には、回復させるためにそれを伸ばすという選択もなくはないですが、技術点の価値の高さを考えるとそれが有利になる可能性はかなり低いです。

 せっかく、伸ばす能力値を自由に選べるというルールなのに、有利不利が明白で、ほとんど選択の余地がない。これはもったいない。

 というわけで、こんなルールを考えてみました。297番と389番の指示をこう読み替えます。


 今日は高曜日だ。《中略》(アドベンチャーシートの“週の輪”の高曜日に印をつけておくこと)。

《中略》

  • 名誉点4につき、原技術点1点加えられる。
  • 名誉点1につき、原体力点2点加えられる。
  • 名誉点1につき、原運点1点加えられる。

 その後、現在の能力値をその原点まで回復する(伸ばさなかった能力値はそのまま)。

 以降、383番を通るたびに、同様の処理を行なう。

 名誉点は、累計値と能力値上昇に未使用の値を両方記録すること。


 つまり、体力点は技術点の8倍伸ばしやすいということになります(運点は4倍)。これくらい差があれば、どちらを伸ばすのが有利か微妙になります。特に、4点に達していない場合に、他の能力を伸ばすのに使うか、溜めておいて将来4点に達したときに技術点を伸ばすのに使うかが迷い所になります。減っている能力値を回復させるためにアップさせるという選択もあるでしょう。

 〈高曜日〉スタートなので、〈海曜日〉までに行える任務が1つ増えます。また、〈火曜日〉を迎えるのが1日遅くなります。すごく大きな影響があるわけではありませんが、間違いなく有利な変更なので生かしましょう。まあ、このルールの意図は、こなせる任務の種類は多い方がおもしろいというくらいです。

 あと、この文を読んでいる方はすでにクリアしている方だと思いますので、もう1つ〈綴り呪文〉取得禁止というルールも加えるとよりおもしろいと思います。正直言って〈綴り呪文〉は強すぎるので……。ジン枢機卿と黒ユニコーンは〈綴り呪文〉なしで任務達成してこそ真のクリアだと思う。〈幸運〉を獲得する場合は、訳注の通り3回までとします。*7

 このルールで、〈綴り呪文〉ありでもなしでも、十分クリアできることは確認済みです。ガチガチに最善手ばかり選ぶプレイでなくてもクリアできます。もちろん、キーとなる選択を逃すと厳しくなりますが……。ぜひお試しあれ。

リンク集

プレイ記録(旧Twitter

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*1:しかし、いま数えると名誉点は足りているはずだな……。どこで間違えたんだろう……。

*2:何回も読んでいるうちに、これが作意という気がしてきました。415番は「“乞食の印”があるなら」ではなく「ブーンドックへ行ったことがあるなら」というつもり、小アクセサリーは1回しか使えないアイテムというつもり、だったのではないかなあ?

*3:“おたずね者”を消す指示があるのは、35番で衛兵に罰金を支払った場合のみ(56番)。

*4:せめて、『モンスター誕生』のようにゾロ目ならすべて発動でも良かったのでは。まあ、あの怪物と冒険者になりたての少年の能力が同じというのも変な話かもしれませんが……。

*5:訳注を無視して無限に使えるとする場合でも、戦闘での運だめしには〈幸運〉は使えないと解釈するのが良いと思います。戦闘での運だめしにも適用できるとすると、こちらの与えるダメージは常に4点、受けるダメージは常に1点になって、それはさすがに強力すぎます。説明をよく読むと「〈運だめし〉を指示されても」と書かれています。つまり、戦闘での運だめしはプレイヤーの判断で行なうものなので、「指示された」運だめしではないので〈幸運〉は適用されないと考えることができます。

*6:例えば、体力点10の敵に勝つために自分が失う平均体力点は、技術点1点負けの場合16.6点、2点負けの場合27.8点、3点負けの場合47.9点となります。

*7:さらに、62番から49番に行くには「【黄金の樫の葉】を持っていて、かつ名誉点25点以上」というルールも考えたんだけど、これはかなりきついのでやらない方がいいです(^_^;)

『サラモニスの秘密』のテキストマップ

 「ファイティング・ファンタジー・コレクション」第4弾の1冊、『サラモニスの秘密』のテキストマップを作りました。スティーブ・ジャクソンの36年ぶりのゲームブックということで注目された本作ですが、36年経ってもジャクソンのゲームブックは進行が素直じゃなくてテキストマップ作りに苦労するのは変わらず(^_^;)

結構ネタバレかも……

 というわけでテキストマップをアップするわけですが、改めて見ると、このマップだけでも結構ネタバレかもしれないと思い始めました。本作は、必須アイテム入手などの直接的なフラグ立ての他に、“間接的なフラグ立て”とでもいうような要素があるのですが、このテキストマップを見ると一目でそこがわかってしまう可能性があります。なので、これからプレイする予定の方は、これ以上先は見ないことをおすすめします。

 構造としては、まずは冒険者ギルドに加入するまでの導入部があります。ここがかなりの難関。次に冒険者としての訓練を経て本格的な冒険へ。冒険者ギルドの任務を請け負って冒険に出ては、帰還してサラモニスの街中でのイベントをこなして、ギルドの任務請け負いに戻るということを何回か繰り返した後、最終イベントに突入するという流れになります。

 見ていただければわかるように、冒険者ギルドで請け負う7つの任務に関しては複雑な構造はありません。複雑なのは、冒険者ギルドに加入する前と、幕間の街での行動です。特に後者は、曜日やフラグによって起こるイベントが異なるので、何気なく行動していると、何が起こっているのかよくわからないままデッドエンドになってしまいます。逆に、ここの構造がわかってくると、かなり余裕を持って任務達成できるようになります。

テキストマップ

一文無しの少年~冒険者の訓練

【一文無しの少年】          ┏━━━━━━━━━┓                  
                   ┃ 1 双頭のオーガー ┃                  
                   ┗━━━━┯━━━━┛                  
                        ↓                       
                 ┏━━━━━━━━━━━━━┓                
                 ┃ 211 何かが道をやってくる ┃                
                 ┗━━━━━━┯━━━━━━┛                
                        ↓                       
              ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓             
 ┌────────────┨   27 サラモニスについての五問   ┃             
 │            ┗┯━━━━━━━━┯━━━━━━━━━┛             
 │             │        ↓                       
 │┏━━━━┓ ┏━━┓  │┏━━━━━━━━━━━━━━━┓   ┏━━━━━━━━━┓ 
 │┃468 乞食┃←┨431 ┃←──┨    45 ブーンドック    ┠──→┃390 ナノックの家族┃ 
 │┗┯━┯┯┛ ┗━┯┛  ↓┗━━━━━━━┯━━━━━━━┛   ┗━━━━━━━┯━┛ 
 │ │ ↓└────↓───┐ ↑      ↓     ↑             │   
 │ │┏━━━━━━━━┓ │ │  ┏━━━━━━━┓ │ ┏━━━━━━━━━┓ │   
 │ │┃449 5 61乞食の掟┠→└─→┌→┃89 〈月の門〉 ┠──→┃269 喋る犬と一芝居┃ │   
 │ │┗━┯━━━┯━━┛   ││ ┗━━━┯━━━┛ │ ┗━━━━┯━━━━┛ │   
 │ │  │   │      ││     ↓     │      │      │   
 │ │  │   │      ││ ┏━━━━━━━┓ │      │      │   
 │ └──────│──────│─→┃99〈黄金の道〉┃←│──────┘←─────┘   
 │    │   │      ││ ┗━━━┯━━━┛ │                 
 │    │   ↓      ││     ↓     │                 
 │    │ ┏━━━━━━━━┷┷┓ ┏━━━━━┓  │                 
 └────│→┃122 〈泥どろ豚小屋〉┃←┨54本日終了┠──┘                 
      │ ┗━━━━━━━━━━┛ ┗━━┯━━┛                    
      │                 ↓                       
      │               ┏━━┓ ┏━━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓
      └──────────────→┃194 ┠→┃52〈靴下の片っぽ〉亭┠→┃190 グリフト┃
                      ┗━┯┛ ┗━━━━━┯━━━━┛ ┗━━━┯━━┛
                        ↓        │          │   
                     ┏━━━━━┓     │          │   
                 ┌───┨86新たな日┃←────┘←─────────┘   
                 │   ┗━━┯━━┛                    
                 ↓      ↓  ┌──────────────────┐ 
【冒険者の訓練】      ┏━━━━━┓ ┏━━┳━┷┓        ┏━━━━━━┓ │ 
     ┌────────┨389 名誉点┃←┨127 ┃115 ┃←───────┨469 【聖印】┃ │ 
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     │ ┏━━━━━┓ ┏━━━━━━━━┓│┏━━━━━┓ ┏━━━━━━━┓│  ↓ 
     │ ┃467 訓練所┃ ┃357 〈綴り呪文〉┃│┃452 〈芸〉┃ ┃150 上級戦闘術┠───┐ 
     │ ┗━━┯━━┛ ┗━━━━┯━━━┛│┗━━┯━━┛ ┗━━━━━━━┛│  │ 
     │    └────────→└────│──→└─────────────┘  │ 
     │        ┌──────────┼─────────┐       ↑  │ 
     │        ↓          ↓         ↓       │  │ 
     │   ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓  │  │ 
     │   ┃286 “学問の殿堂”┃ ┃414 罠の実習┃ ┃146 ロガーンの寺院┃  │  │ 
     │   ┗━━━━┯━━━━┛ ┗━━━┯━━┛ ┗━━━━┯━━━━┛  │  ↓ 
     │        └─────────→└────────→└───────┴──┐ 
     │                      ┏━━━━━━━┓ ┏━━━━━┓ │ 
     └────────────→★120 任務掲示板←┨287 “求職税”┃←┨297 名誉点┃←┘ 
                            ┗━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛   

幕間

【幕間】          ┏━━┓           ┏━━━━━━━━━━┓       
       ●各任務から→┃383 ┠──────────→┃253 〈火曜日〉の衛兵┠──┐    
              ┗━┯┛           ┗┯━━━━━━━━┯┛  │    
                ↓←────────────┘        │   │    
              ┏━━━━━━┓                 │   │    
 ★450 425〈海曜日〉の夜←─┨403 宿の選択┠→★465〈風曜日〉の夢       │   │    
     ↑        ┗━┯━━━━┛     │           │   │    
     │          ↓          │           │   │    
     │        ┏━━┓         │           │   │    
     │      ┌─┨427 ┃←────────┘           │   │    
     │      │ ┗━┯┛                     │   │    
     │      │   ↓                      │   │    
     │      │ ┏━━┓    ┏━━━━━━━━━━━━━━┓ ↓   │    
     │      │ ┃446 ┠───→┃144 ピンチペニーとマスチフ犬┠─┐   │    
     │      │ ┗━┯┛    ┗━━━━━━┯━━━━━━┯┛ │   │    
     │      │   ↓            ↓      │  │   │    
     │      │ ┏━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━━┓│  │   │    
     │      │ ┃400 〈大市場〉┃←┨70ブルーズ兄弟の屋台┃│  │   │    
     │      │ ┗━┯━━━┯━┛ ┗━━━━━━━━━━┛│  │   │    
     └──────│───────↓───────────────│─┐↓   │    
            │   │┏━━━━━━━━━┓        │┏┷━━━┓│    
            │   │┃7 〈大市場〉の衛兵┠────────→┃133 独房┃│    
  ●冒険者の訓練から │   │┗━━┯━━━━━━┛        │┗━┯━━┛│    
      ↓     ↓   ↓   ↓               ↓  ↓   ↓    
   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓   
   ┃             120 冒険者ギルドの任務掲示板             ┃   
   ┗━┯━━━━━┯━━━━━┯━━━━━┯━━━━━┯━━━━━━┯━━━━━┯━┛   
     │     ↓     ↓     │     │      │     ↓     
     │  ┏━━━━┓ ┏━━━━┓  │     │      │   ┏━━━━┓  
     │  ┃88 準備┃ ┃165 準備┃  │     │      │   ┃305 準備┃  
     │  ┗━━┯━┛ ┗━┯━━┛  │     │      │   ┗━┯━━┛  
     ↓     │     ↓     │     ↓      │     ↓     
 ★9豚小屋の害獣除去 │ ★273サラモン王の鉱山│ ★98 129大隊商団の護衛 │ ★368黒ユニコーンの角
           ↓        ↑  ↓            ↓           
    ★38ドリー村の魔女へ大釜草  ★203“叫ぶ空”の謎  ★307ジン枢機卿を裁きの場に     

豚小屋の害獣除去

 422【豚小屋の害獣除去】      ┏━━━━━┓ ┏━━┓                  
                  ┃462 斡旋料┃ ┃442 ┃                  
                  ┗━━┯━━┛ ┗━┯┛                  
                     ↓      ↓                   
                  ┏━━━━━━━━━━━┓                 
                  ┃422 納屋のラッタピラー┠→★383へ             
                  ┗━━━━━━━━━━━┛                 

ドリー村の魔女へ大釜草

 88【ドリー村の魔女へ大釜草】   ┏━━━━━━━━━━┓                  
                ┌─┨38ブ・フォン・フェン┠──┐               
                ↓ ┗━━━━━━━━━━┛  ↓               
             ┏━━━━┓  ┏━━━━━┓  ┏━━━┓             
             ┃81沼ヘビ┠─→┃335 大釜草┃←─┨95湿地┃             
             ┗━━━━┛  ┗━━┯━━┛  ┗━━━┛             
                        ↓                       
                    ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃ 268 カエル人 ┃                   
                    ┗━━━┯━━━┛                   
                        ↓                       
                    ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃295 ドリーの村┠→★383へ               
                    ┗━━━━━━━┛                   

サラモン王の鉱山

 273【サラモン王の鉱山】      ┏━━━━━━━━━━━┓                 
                  ┃ 273 害獣駆除に来た? ┠→★383へ             
                  ┗━━━━━┯━━━━━┛                 
                        ↓                       
          ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━┓                     
        ┌─┨461 ドワーフの鉱夫┃←┨ 441 ┃                     
        │ ┗━━━━┯━━━━┛ ┗━┯━┛                     
        │      └───────→↓                       
        │             ┏━━━┓                     
        │           ┌─┨ 109 ┃                     
        ↓           │ ┗━┯━┛                     
        ┌───────────│──┐↓                       
        │           ↓ ┏┷━━┓ ┏━━━━━━━┓           
        │           ┌─┨ 395 ┠→┃128 どくろの印┠───┐       
        │           │ ┗━┯━┛ ┗┯━┯━━━━┛   │       
        │           │   ↓←───┘ │        │       
        │           │┏━━━━━┓   │        ↓       
        │           │┃394 岩ウジ┠───│────────┐       
        ↓           │┗━━┯━━┛   │        │       
        ┌──────────┐└──→↓←─────┘        │       
        ↓┏━━━━━━┓ ┏┷━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━┓↓       
        ┌┨44グラニット┃←┨     182    ┠→┃241 ジブ・ジブ┠┐       
        │┗━━━┯━━┛ ┗━━━━━━━━━━┛ ┗━━━┯━━━┛│       
        │    │      ┏━━━━━━━┓      │    │       
        │    └─────→┃85〈震える男〉┃←─────┘    │       
        │           ┗━━━┯━━━┛           │       
        └──────────────→↓←──────────────┘       
                    ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃ 214 外に出る ┠→★383へ               
                    ┗━━━━━━━┛                   

“叫ぶ空”の謎

 203【“叫ぶ空”の謎】       ┏━━━━━━━━━━━┓                 
                  ┃203 コーヴンの村の事件┃                 
                  ┗━━━━━┯━━━━━┛                 
                        ↓                       
         ┏━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓          
         ┃50〈真紅の洞窟〉┃←┨ 279 調査結果 ┠→┃24空を飛ぶ船┃          
         ┗━━━┯━━━━┛ ┗━━━┯━━━┛ ┗━━━┯━━┛          
             ↓          ↓         ↓             
            ★383へ     ★273サラモン王の鉱山   ★383へ            

ガルー大隊商団の護衛

98 129【ガルー大隊商団の護衛】    ┏━━━━━━━━━┓                  
                ┌──┨98 129交易路の選択┠─┐                
                │  ┗━━━━━━━━━┛ │                
                ↓              ↓                
            ┏━━━━━━┓   ┏━━━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━━┓ 
            ┃292 南方平原┃   ┃306 〈ぎざ岩高地〉┠→┃404 ゴブリンの強奪団┃ 
            ┗━━━┯━━┛   ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━┯━━━━━┛ 
                │                       │       
                │   ┏━━━━━━━┓           │       
                └──→┃ 373 グレッチ ┃←──────────┘       
                    ┗━━━┯━━━┛                   
                        ↓                       
                   ┏━━━━━━━━━┓                  
                   ┃ 6 シャザール到着 ┠→★383へ              
                   ┗━━━━┯━━━━┛                  
                        ↓                       
                    ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃66 包みの配達┠─→★383へ              
                    ┗━━━━━━━┛                   

ジン枢機卿を裁きの場に

 307【ジン枢機卿を裁きの場に】  ┏━━━━━━━━━━━━━┓                
                 ┃ 307 〈兄弟団の姉妹たち〉 ┠──┐             
                 ┗━━━━━━┯━━━━━━┛  │             
                        ↓         │             
                    ┏━━━━━━━┓     │             
               ┌────┨ 413 調査結果 ┠→★383へ │             
               │    ┗━━━┯━━━┛     │             
               ↓        ↓         │             
           ┏━━━━━━━┓ ┏━━━━━┓      │             
           ┃371 混沌の怪物┃←┨ 140 試練 ┃←─────┘             
           ┗━━━┯━━━┛ ┗━━┯━━┛                    
               │        ↓                       
               │   ┏━━━━━━━━━┓                  
               └──→┃114 345 ジン枢機卿┠→★383へ              
                   ┗━━━━━━━━━┛                  

ユニコーンの角

 305【黒ユニコーンの角】        ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃305 探索の準備┃                   
                    ┗━━━┯━━━┛                   
                        ↓                       
                   ┏━━━━━━━━━┓                  
                   ┃368 〈ヨーレの森〉┃                  
                   ┗━━━━┯━━━━┛                  
                        ↓                       
                    ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃458 〈銀の池〉┠─→★383へ              
                    ┗━━━┯━━━┛                   
                        ↓                       
                   ┏━━━━━━━━━┓                  
                   ┃157 〈ヨーレの民〉┠→★383へ              
                   ┗━━━━━━━━━┛                  

〈風曜日〉の夢

 465【〈風曜日〉の夢】        ───────────┘ │ ┏━━━━━┓       
                  210   303        58│→┃200 目覚め┃→★427へ   
                   ──┐…┌────────┘ ┗━━━━━┛  ↑    
                     │ ┝━━━┓               │    
                     │ ┃   ┃               │    
                     │300□102 ┃102拷問係           │    
                     │ ┃   ┃               │    
                     │ ┣━━━┫               │    
                     │ ┃   ┃               │    
                     │314■155 ┃155武器庫           │    
                     │ ┃   ┃               │    
                     │ ┣━━━┫               │    
                     │ ┃   ┃               │    
       168首領と召使い       │285■ 36 ┃36牢屋            │    
        ┏━━━┓        │ ┃   ┣━━━┓           │    
        ┃   ┠────────┘ ┗━━━┫   ┃           │    
        ┃ 168 □257   293   113 237  78□ 159 ┃           │    
        ┃ 21 ┣━━━┓42┌────────┨   ┃           │    
        ┗━━━┫   ┃ │        ┗━━━┛           │    
       370酔っ払い┃ 370 □363│         159食堂            │    
            ┃   ┃ │                        │    
            ┣━━━┫ │                        │    
            ┃   ┃320│                        │    
          397箱┃ 397 □208│                        │    
            ┃   ┃ │                        │    
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         82詰所┃ 82 □301│                        │    
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                ┃ ┗──────┨                 │    
            71居眠り┃71  92 100 278■                 │    
                ┗━━─┐ ┌──┨                 │    
                    │ │                    │    
                    / 465\465洞窟の入口 ────────────┘    

〈震える男〉の呪い

 450 425【〈震える男〉の呪い】  ┏━━━━━━━━━━━━━┓                
                 ┃ 478 愛の女神の神殿の会議 ┃                
                 ┗━━━━━━┯━━━━━━┛                
                        ↓                       
                   ┏━━━━━━━━━┓                  
                   ┃362 ドワーフの助け┃                  
                   ┗━━━━┯━━━━┛                  
                        ↓                       
                ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓               
                ┃62スティトル・ウォードのエルフ┃               
                ┗━━━━━━━┯━━━━━━━┛               
                        ↓                       
                    ┏━━━━━━━┓                   
                    ┃457 〈虹の池〉┃                   
                    ┗━━━┯━━━┛                   
                        ↓                       
                 ┏━━━━━━━━━━━━━┓                
                 ┃355 〈シュリーカーの女王〉┃                
                 ┗━━━━━━┯━━━━━━┛                
                        ↓                       
                     ┏━━━━━┓                    
                     ┃470 “FF”┃                    
                     ┗━━━━━┛                    

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これから『サラモニスの秘密』を読み始める方に伝えたいこと

 「ファイティング・ファンタジー・コレクション」第4弾の表題作である『サラモニスの秘密』をようやくクリアしました。

www.sbcr.jp

 まだ1回クリアしただけで精読するのはこれからですが、現段階でもこれから読み始めるという方にぜひ知ってほしいということがいくつかあったので、書いておきます。

 この記事はネタバレはあまりないですが、序盤の展開の驚きも味わいたいという方は読まない方が良いです。内容としても、少し物語が進んでゲームの構造をつかんだあたりで読んでいただいても十分間に合うものです

 ただし、1つ目の項目の「開始時の能力値は、技術点6・体力点12・運点6」だけは、これから読み始める方にとっても非常に重要なので、プレイ開始する前にぜひ読んでください。

開始時の能力値は、技術点6・体力点12・運点6

 ルールを読んで、能力値はいつもの通り……と思ったら、重大な訂正が発表されています。

 能力値は、いつものようにサイコロを振って決めるのではなく、技術点6・体力点12・運点6の固定値で開始というのが正しいルールです。いつもの能力値決定のルールは「サイコロ+固定値」ですが、今回はこの固定値の部分だけを持って開始するということになります。

 このミスは、原書の読者から旧Twitterで指摘があったことに、安田均先生が気づかれたことで発覚したという経緯があります。

 下記のページでは、訂正された当該ページ(446-447ページ)がPDFで配布されています。

「6・12・6」では厳しすぎる?

 しかし、「6・12・6」というのは、いままでのFFシリーズを考えると衝撃の数字です。ただでさえ、「たった一つの真実の道」*1で「どんな能力値でも任務達成は可能」などとうたっておきながら、実際は最初の能力値決めのサイコロでひどい目を振ってしまうと任務達成はほぼ不可能みたいな作品が多いのに、まさか今までの最低能力値より低い能力値でプレイさせられるとは。こんな能力値では苦労するばかりだろう、と思う方も多いでしょう。

 安田先生も、このルールはやや厳しいので、技術点+1・体力点+2・運点+1してはどうかという見解を旧Twitterで書かれています。

 しかし、自分がプレイしたところ、技術点6・体力点12・運点6でも、任務達成は十分可能です。確かに、最初のうちは運だめし失敗で序盤でバッドエンドになる可能性が高いですが、選択次第でそれは確実に回避できます。何回かプレイして構造がわかってくれば、序盤でにっちもさっちもいかなくなるということはなくなると思います。

 初めてすぐに気がつきますが、今回の物語はこの能力値でプレイすることがふさわしい内容となっています。ゲームブックはゲームであると同時に物語でもあります。ゲームと物語は別個に存在しているのではなく、融合しています。ここは能力値で物語を表現しているのだと思います。

 序盤で終了するのがつらいというのは確かにそうですが、これもスティーブ・ジャクソンが表現したかったことの一部だと思うので、ここは味わっておくべきかなと思いました。

 なお、この意見は、これまでのFFコレクションをすべてクリアしているFFシリーズに慣れた人の意見であるということも考慮して受け取って下さい。ゲームブックをどのようにプレイするかは、まったくその人の自由です。

Twitterアンケート結果 開始時能力値は何点にする?(2024/04/27(土)追記)

 開始時の能力値を何点にするか、旧Twitterでアンケートを取ってみました。

 本来のルールである「6・12・6」が一番多いという結果に。それが正しいルールなのは明らかなので当然と言えば当然ですが、FFシリーズは真面目にルール通りに遊ぶと痛い目を見ることも多いので(^_^;)、作者などへの信頼がないと選べない選択肢ではあります。まあ、最初はとりあえずルール通りというところかもしれません。

 1番目を選んだ方の中には、エラッタが出る前にすでにプレイしていたという方もいるかもしれません。

報酬はサラコイン

 訂正は、上記のもの以外にもう1つ発表されています。

 462番は「二金貨」ではなく「ニサラコイン」が正しいです*2。「6・12・6」ほどではありませんが、影響はそこそこある訂正なので、押さえておきましょう。自分は訂正が出る前に1回「二金貨」としてプレイしていて、その回はかなりうまくいってしまいました(^_^;) *3

〈綴り呪文〉表は「50音対応表」を使おう

 本作で大注目の〈綴り呪文〉。アドベンチャーシートにでかでかと表が載っているのに、ルールでは一言も触れられていないのがやきもきさせます。357番でついに詳細が説明されますが、そこの説明に書かれていないことが。

 357番の説明の通りに行なうと、アドベンチャーシートの「〈綴り呪文〉表」を見てアルファベットに対応する数字を1つずつ拾って、その数字を(修正値も)合計することになります。しかし、ローマ字綴りに対応するアルファベットから拾うことになるので、文字数が多くて足し算が結構大変です。

 本文では触れられていないのですが、「〈綴り呪文〉表」の左に「〈綴り呪文〉表 50音対応表」というものがあります。こちらの表だと、ローマ字の子音と母音が合計された数字を拾えます。こちらの方が足し算の回数が少なくて済むので楽。ローマ字綴りの不一致も防げますし、足し算の計算ミスも確実に減ります(^_^;) ありがたく使わせていただきましょう。*4

 ただし、促音と拗音などは50音対応表には載っていないので、その部分はアルファベットから拾うしかありません。

能力値アップの機会はいつ?

 さすがに技術点6・体力点12・運点6のまま最後まで行くということはないだろうと思っていましたが、やはり能力値アップのイベントがありました。

 しかし、能力値上昇の指示があるのは389番か297番だけで、これ以降この項目は通りません。つまり、能力値上昇の機会は1回しかないことになります。てっきり、イベントをこなして“経験値”を得て、それを消費して少しずつ能力値を上昇させるという、ゲームとしてはよくあるシステムなのだと思ったのですが……。

 この疑問点については、下記のブログ記事で詳しく分析されているので、引用します。

shinsei.hatenadiary.jp

NOVA『たぶん、できると思う。ただ、ゲームブックでは成長がいつできるのか、という記述がない。考えられる可能性はいくつかあるが、羅列してみよう』

1.ゲームブックの記述どおり、名誉点による能力値成長はパラグラフ297番のみである。冒険後の成長はなし。

 これはゲームとして非常につまらない形となる。TRPGのAFFとの関連を考えても、冒険を達成して名誉点を獲得し、成長することがゲームの醍醐味の一つと言えるし、従来のFFゲームブックみたいに能力の成長ができなければ、名誉点を稼ぐ理由がただの特定ミッション選択の可否の条件付け、および、『サイボーグを倒せ』の英雄点のような冒険達成度の目安でしかない。

《中略》

 冒険後に名誉点を貯めて成長することはできないというマゾヒスティックな裁定をするなら、キャラ育成の自由度や楽しさを完全放棄する形となり(技術点1本伸ばし以外の選択がとれない)、ジャクソンがそういう愚かなゲームにするとは思えない。よって、パラグラフ297番の「名誉点による成長ルール」は冒険を始めた後も随時、行えると解釈すべきである。

 ここに書かれているように、1回しか能力値上昇の機会がないのではゲームとしてはややつまらないです。また当初は、この後も名誉点を得る機会はあるのにそれを使えないのは不自然だと思いましたし、能力値も十分に上昇できない気がしていました。

 しかし自分は、実際の進行通り、能力値上昇の機会は389番か297番を通る1回しかないということなんだろうと思いました。能力値上昇以外にも名誉点を獲得する意味はありましたし(効果としては寂しい気もしますが、意味があるという点では十分)、1回だけの能力値上昇だけでも十分クリアできると思います。逆に、この後も能力値を上昇できるとすると、ゲームバランスはやや甘くなってしまう気がします。*5

 確かに、能力値上昇の機会が1回しかないのでは、伸ばす能力値を選択する楽しさはかなり薄くなりますが、このゲームブックでのこのシステムは、その楽しさを意図したものではないのかなあ……と思いました。

 もし、能力値上昇はこれ以降もできると解釈するなら、上記のブログ記事に書いてある通り、能力値上昇は383番で行えるとするのが適切でしょう。

 あと、もう1つの疑問点として、原点を上昇させると能力値を原点まで回復するという指示があるのですが、これが原点を上昇させた能力値のみ回復するのか、全能力値が回復するのかが曖昧だというものがあります*6。自分は、ゲームの常識的に考えて、原点を上昇させた能力値のみ回復すると解釈しました。

Twitterアンケート結果 能力値アップはいつ行なう?(2024/04/27(土)追記)

 こちらもアンケートを取ってみました。

 わりとばらけた結果に。こちらのアンケートは、ある程度プレイしてからでないと答えにくいので票が少なめです。自分の見解としては、上にも書いたとおり、作者の意図はやはり能力値アップは指示通り389番か297番の1回のみで、それで工夫して任務達成をめざすということだと思います。

関連する記事

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*1:社会思想社版では「真の道」。

*2:これも旧Twitterでの指摘で発覚した気がします。

*3:

  • Xユーザーのkouyさん: 「マジかw 素直に1人頭金貨2枚、もう貰っちゃったよ(^_^;) 影響はそこそこあった気がする。 確かに215番には「一人につき二サラコイン支払おう」って書いてありましたね……。#サラモニスの秘密」 / X
    https://twitter.com/y_koutarou/status/1764656627263864937

*4:1つだけ誤植が。50音表の「ロ」となるはずの文字が「オ」になっています。

*5:これも、FFコレクションをすべてクリアしているFFシリーズに慣れた人の意見であることも差し引いて受け取って下さい。

*6:297番では「現在の能力値をその原点まで回復する」と書かれているので、“その原点”つまり上昇させた原点まで回復する→上昇させていない能力値は回復しないと解釈することも可能です。しかし、389番では「現在の能力値を原点にまで回復する」としか書かれていないので、どちらとも取れる記述になっています。

『雪の魔女の洞窟』の謎?

 今回も、『雪の魔女の洞窟』の疑問・感想などを書いていきます。かなりネタバレなので未読の方は注意して下さい。

 また、『トカゲ王の島』に引き続きリンク集も作りました。ぜひ、他の方の感想や冒険記録なども読んでみてください。

『雪の魔女の洞窟』の謎?

凍傷を回復する問題点

 24番。ゲーム的にはちょっと問題のある処理。

このポーションは凍傷も治してくれる。凍傷によって失った技術点があるなら、それを回復すること。

 しかし、凍傷を負う387番では凍傷で技術点を失ったということを記録するようには書かれていないので、この指示を実行するには凍傷で技術点が何点減ったかを記憶していないといけないことになります。回復する予定があるなら、減らす時に言ってほしかったなあ。*1

 そして、ここは凍傷によるマイナス回復に限るのではなく、単に「技術点を原点まで回復する」でいいと思うんですよね。そのための、技術点は原点を超えられないというルールじゃないの? つまり、上限を設けることで、技術点プラスを乱発してもゲームバランスが保てるので、いちいち増減の理由を記録する必要がなくなる。凍傷だけでなく雪崩による技術点マイナスも回復できてしまいますが(257番)、まあそれくらいいいじゃん。

 特定の原因の技術点マイナスを回復させるという処理をしたいなら、やはり技術点の増減の要因はすべて記録することにして、プラスの場合は原点を越えるプラスも許さないとフェアじゃないと思うなあ。

戦槌を持っていない方がいい?

 59番。必ず通るクリスタル・ウォリアー(結晶戦士)との戦闘の場面。

 刃のある武器でクリスタル・ウォリアーを傷つけることはできない――きみの剣は役に立たないのだ! 戦槌を持っているなら、クリスタル・ウォリアーを木っ端みじんに打ち砕くことができるかもしれない。

   クリスタル・ウォリアー 技術点 一一 体力点 一三

 戦槌を持っていないならへ。戦闘に勝ったなら一四八へ。

 戦槌を持っているとクリスタル・ウォリアーと戦闘することができますが、クリスタル・ウォリアーは技術点11の強敵です。戦槌がない場合は2番へ行くように指示があり、魔神を解放していない場合はそのままデッドエンドとなりますが、解放していれば魔神の力で無条件でクリスタル・ウォリアーに勝つことができます。技術点11相手に戦闘で勝つより、明らかにこちらの方が楽。

 しかし、59番の指示を文字通りに読むと、戦槌を持っていない場合しか2番へは行けません。戦槌を入手する255番では「きみは戦槌と槍を拾って小屋を出る」と書かれていて、戦槌と槍を必ずセットで拾うように書かれています。槍はほしいアイテムなので拾うことになりますが、一緒に付いてくる戦槌が邪魔。槍だけ入手したいのに、それができるようには書かれていません。ここまでに戦槌を捨てられるような指示もないですし……。

 自分としては、ここは59番で戦槌を持っていても2番へ行くことは可能という解釈でいいと思います。

赤速? レッドスウィフト?

 『雪の魔女の洞窟』で印象深いドワーフとエルフとの旅路の描写。旅の仲間の名前は、社会思想社版ではスタブ赤速でしたが、コレクション版ではスタッブレッドスウィフトになりました*2。特に赤速の名前の変わり様。

 確かに社会思想社版では、エルフの名前として漢字が使われているのは違和感ありまくりでした。しかし、だからこそ忘れがたい名前でしたし、物語の展開と相まって愛着あるものになっていたので、ちょっとショック。

 社会思想社版の翻訳は浅羽莢子ファイファング・ファンタジーでは、他に『火吹山の魔法使い』と『バルサスの要塞』などや『モンスター事典』、創土社版『ソーサリー』四部作を翻訳されました。英語で意味が通じるものは何でも日本語に訳すスタイルでした。ファンタジーの用語に慣れてくると違和感はありますが、納得はできるし、カタカナ語にはないおどろおどろしさがあって自分は好きでした。

 あと、〈水晶の洞窟〉の中のこれまでの道中でもエルフとドワーフは登場するのだけど(395番・311番)、この2人がレッドスウィフトとスタッブというわけじゃないんですよね? 395番のエルフは倒せてしまうし……。

雪の魔女の名前はシャリーラ?

 名前と言えば、雪の魔女の名前は当然のように「シャリーラ」だと思っていたのですが、『雪の魔女の洞窟』ではその名前は出てきませんね……。グループSNEの新刊案内のページでは名前が出てきますが……。ということはシャリーラの名前が初めて出てきたのは『タイタン』ですかね? “癒し手”の名前(ペン・ティ・コーラ)は出てこないとは思っていたけど、雪の魔女の名前が出てこないのは意外でした。

金貨を600枚全部入手したい!

 171番。冒険者としては聞き捨てならない記載。

金貨は全部で六百枚だった。しかしそれを五十枚詰め込むごとに、背負い袋に入っている品物を一個置いていかなくてはならない。

 『運命の森』の記事でも書いたとおり冒険者にとって金貨はスコアです。入手できる金貨をみすみす逃すなんてあり得ない! なんとしても600枚全部入手しましょう。

 この時点で金貨との交換に使えるアイテムはどれか表を作ってみました。

金貨50枚との交換に使えるアイテム候補リスト
アイテム名 使 備考
戦槌 255 59 クリスタル・ウォリアー戦で使用するが、失ってはいないと思う
255 77 × イエティに投げつけて、回収していないと思う
マント 264 198 大聖堂で使用するが、失ってはいないと思う
ゴブリンの品を入手する場合は入手できない
塩漬けの魚数匹 347 - ゴブリンの品
ロウソク 347 - ゴブリンの品
短剣2本*3 347 49 ゴブリンの品
鉄格子で使うが、そこに行かない方が有利
【疾風の剣】 237 - × 入手場所に来ると必須アイテムを逃す
【鉄の鍵】 247 323 × 入手場所に来ると必須アイテムを逃す
銀のフルート 74 370
125
19
使用箇所が2つあるが、失ってはいないと思う
後半にも使用箇所があるが、多くの場合、他のアイテムで代用できる*4
木の棒 345 210 × 必須アイテム。さすがに回収できないでしょう?
【勇気のお守り】 327 365 ないとこの後技術点-2を食らう
投石紐と鉄の玉3個 376 112
339
フロストジャイアント戦で使うが、失ってはいない
この後も使用箇所がある。必須ではないがあった方がいい
【金の指輪】 21 223 ホワイト・ドラゴン戦で使うが、失ってはいないと思う
【銅の指輪】 130 223 ホワイト・ドラゴン戦で使うが、失ってはいないと思う
ミノタウロスの角の粉末 200 150 ゾンピの品(5品中3品のみ入手可)
使用しても「少量の粉末を振りかけた」だから失ってはいないと思う
ニンニクいくつか 200 297 ゾンピの品(5品中3品のみ入手可)
ヴァンパイア戦で使うが、失ってはいない*5
歯が詰まった箱 200 - × ゾンピの品(5品中3品のみ入手可)
トカゲの尻尾のピクルス 200 - × ゾンピの品(5品中3品のみ入手可)
ドラゴンの卵4個 200 91 ゾンピの品(5品中3品のみ入手可)
後半に使用箇所がある。必須ではないが無いとかなりきつい

 まず、表の「換」の列で◎を付けた品は、ここまで最善ルートを通って入手できて、今後使用しないアイテムです。ここまで使っていない「戦槌*6」「【金の指輪】」「【銅の指輪】」と、使用したが失っていない「マント」「ミノタウロスの角の粉末」「ニンニク」は金貨と交換します。すると、交換できるアイテムは6つ。よって金貨は300枚しか入手できません。うーむ……。

 次に「○」の品。マウンテンエルフの次の分岐でゴブリンに勝つと(241番)、「塩漬けの魚数匹*7」「ロウソク」「短剣2本」を入手できます。ただし、マウンテンエルフからマントをもらってしまうとなぜかゴブリンと遭遇しないので(136番)、ゴブリンと戦う場合はマントは入手できません*8。よって、交換に使えるアイテム数は3-1で2つ増えました。これで金貨+100枚。あと200枚……。

 あとは適当なアイテムはないなあ……。この際、「△」のこのあと使用する品「銀のフルート」「【勇気のお守り】」「投石紐と鉄の玉」「ドラゴンの卵」も交換してしまおう。これでちょうど金貨+200枚。

 というわけで、表の「換」の列で「◎」「○」「△」がついているアイテムをすべて交換することで(マントは除く)金貨600枚全部入手できます! やったね! しかし、銀のフルートと投石紐はまだしもですが、【勇気のお守り】とドラゴンの卵を失うのはこの先が思いやられます……。金貨600枚への道は険しい……。

 後半に金貨400枚以上持っているかどうかで分岐するイベントがありますが(124番)、ここで金貨400枚以上持っている方へ行くのって、相当難度が高いよ!

剣が壊れる場面?

 155番。「もしきみの剣が壊れてしまっているなら、ゴブリンの剣を持っていくことができる。その場合は技術点を一点加えること」と書かれていますが、剣が壊れる場面なんてあったかなあ?

再び、文中指示による食事で体力点は回復するか?問題

 本作では、文中の指示による食事が2回あります。この食事で体力点は回復するか?

 まず、281番にはこのように書かれています。

しかしこれまでの歩き疲れと、かまくらを作るのに苦労したせいで、体力を維持するには保存食を二食分食べなくてはならない(食べても体力点は回復しない)。

 次に、285番。

座って休息をとることにする。保存食がまだ三食分残っているなら、一食を自分が食べ、レッドスウィフトとスタッブにも一食ずつわたすこと。

 以前、『魂を盗むもの』をプレイした時は、文中の指示による食事でも体力点は回復すると解釈しました。『雪の魔女の洞窟』では、281番は「食べても体力点は回復しない」とはっきり書かれているからもちろん回復しないとして、285番は回復するかどうか書かれていません。これは自分なら回復すると解釈したい。

 これに習うと、『魂を盗むもの』でも、通常の旅路での食事は体力点が回復し、重労働などのペナルティとして保存食を消費する場合は体力点は回復しない、と解釈するべきとも考えられます。まあ、自分ならそんな面倒な判断はせず、明示の指示はない限り体力点は回復すると解釈しますね。

 そして、285番のもう一つの問題は、この時点で保存食の残りが1食や2食だった場合はどうなるか?ということ。

「君たちに分ける食糧は残ってないよ。あしからず」

とか、

「私は1食分食べるけど、あと1食分しか残ってないので、君たちはこれを2人で分け合って食べてくれたまえ」

ということになるんですかね?(^_^;)*9

〈金属板〉ゲームを一発で突破する方法?

 〈雪の魔女〉と行なう〈金属板〉ゲーム(23番)。じゃんけんのような三すくみゲームですが、みなさんは何回で突破できましたか? 自分は一発で突破しました!(エッヘン!)

 なぜなら、これまでのプレイでページをめくっている最中に「〈雪の魔女〉はしばらくきみを見つめたあと、「」と宣言する。」というデッドエンド項目が目に入っていたから(^_^;) ゲームブックにおいては、これは正当な情報です!

 しかし、あとで調べてみたら、〈金属板〉ゲームは2戦目がある可能性があって、そちらでは魔女の手は変わるんですね。そちらの項目が目に入っていたら逆に負けてたな……。

分岐を使ってヒントを出す(この項、特にネタバレ)

 38番。この物語の最大の見せ場である《死の呪文》の分岐の立て方に感心した。

【健康のポーション】を飲んでいるなら三〇へ。飲んでいないなら三六七へ。

となっていて、367番へ行くとデッドエンドとなります。

 こういう分岐の立て方をすると【健康のポーション】が重要アイテムであることがわかってしまいます。これは嫌われる場合の方が多い気がしますが、この場合はこれがかえって良いヒントになっていると思います。

 というのは、普通に考えると【健康のポーション】はかなり入手が難しいアイテムだからです。コク川を渡りたいと思っているところで、大金を持っているのに渡し守に金を払わず歩き続けて(104番)、小舟を発見したのにそれに乗らず(131番)、さらにレッドスウィフトの警告を無視してポーションを飲まないといけません(289番)。特に、最後の選択は自分には相当抵抗がある。エルフの警告を無視するとろくな事がないというのは、ファンタジー世界の冒険者の常識ですから。*10

 38番の分岐が露骨なヒントになっているので、ここは1回デッドエンドになれば「あれがそうだったのか」と気がつけることでしょう。38番の分岐が、30番へ行くには何が必要か簡単にはわからない構造だったら、理不尽に難度が上がっていたと思います。

ゲイリー・ウォードとエドワード・クロスビーの挿絵

 『雪の魔女の洞窟』と言えば、挿絵が印象に残っているという方も多いでしょう。版画のような太い線が、雪の氷の世界の雰囲気のよくあっていると思う。インパクトでは297番の〈雪の魔女〉のイラストが一番だと思いますが、自分は「背景」のパイプをくわえたビッグ・ジムの姿が好きだな。

 この絵を描いたのはGary WardとEdward Crosby。紹介するツイートがあったので引用しておきます。

バードマンが強すぎる問題

 『雪の魔女の洞窟』はファイティング・ファンタジーの9作目で、初期と中期の橋渡しのような位置づけの作品です。前半は、洞窟などでの冒険を雪の氷の世界を舞台に行なうという“初期の文法”で書かれています。しかし、後半は一転して、これまで作品で出てきた地名などが多数登場する西アランシアをめぐる旅という、冒険の舞台としての世界のつながりを意識させるキャンペーンの手法が使われます。

 ファイティング・ファンタジーの転換点として意義深い作品で、自分も好きな作品でした。今回改めて読んでみて、強敵との戦闘はほとんどは避けられるし、最後がヒントのある2択で締められているし、これまでのファイティング・ファンタジーではなかった仲間との旅との描写や、最後の目的が怪物を倒すことや富や名声を得ることではないことなどが印象深く、その思いを再確認しました。

 しかし、昔はおそらくルール通りに遊んでいなかったと思うので、今回ルール通りにプレイしてみたところ、重大な問題がある作品であることに気がつきました。似たような問題は『死の罠の地下迷宮』や『トカゲ王の島』にもありますが、それらと比べても『雪の魔女の洞窟』がひどい理由があります。

 『雪の魔女の洞窟』の最大の問題は、バードマンが強すぎることです(348番)*11。必ず通る戦闘で、技術点12・体力点8というとんでもない強敵。これはどう考えてもおかしい。

 同じ強敵でも、イエティ(190番)が強敵なのはいいんですよ。物語的にそれだけ強敵である理由があるから。序盤だからといって、前哨砦を全滅させた化け物が技術点8とかだったら白けてしまいます。

 他にも、マンモス(310番)、フロスト・ジャイアント(288番)、ホワイト・ドラゴン(150番)、ナイト・ストーカー(37番)、バンシー(154番)など技術点10以上の強敵は続々と登場しますが、これらはいいんですよ。選択次第で戦闘を回避できるから。ノーヒントの選択肢で強敵と当たるのはどうなんだ?という気もしますが、繰り返しのプレイを前提としているなら、ゲームとしては成立しています。

 他の作品でも、『盗賊都市』のムーン・ドッグ『死の罠の地下迷宮』のマンティコア、『トカゲ王の島』のスティラコサウルスなど、救済措置なしの必須戦闘で技術点11以上という強敵はイアン・リビングストンの作品にはたびたび登場します。これらもゲームバランスを考えれば問題あるのですが*12物語としては納得できます。『盗賊都市』のオープニングで恐怖の対象として格調高く語られるムーン・ドッグ、これまで生還者が一人もいない迷宮探検競技の最後の強敵であるマンティコア、火山島を支配するトカゲ王の軍の主力であるスティラコサウルスは、やはりこれくらい強くあるべきです。

 しかし、『雪の魔女の洞窟』のバードマンに関しては、この点でも納得できません。いくらアランシアが危険な世界だといっても、ただ西アランシアの異教平原を旅しているだけですよ? ストーンブリッジへの道程でたまたま襲ってきただけの怪物が、なんでそんな強敵なの? 納得できる理由が一つもない。ゲームとしても物語としても怪物の格としても、ここでバードマンの技術点を12にする必然性がない。

 これ、バードマンの技術点は10の間違いだったんじゃないかなあ……? 『モンスター事典』では鳥男は技術点10となっていますし……(p. 330)。

 というわけで、いつもの推奨能力値です。バードマンは技術点10の間違いだったという前提で、以下の通りとします。

  • 技術点:10
  • 体力点:24
  • 運点:12

 バードマン戦さえなければ、他には技術点11以上の敵との必須戦闘はないので、技術点は10にしました。『トカゲ王の島』と同じく分岐が少ない長い冒険になるので、“消耗品”である体力点と運点は最大にして、リソース管理をする感じの方が面白いと思います。最善ルートを通れば体力点や運点の回復ポイントも結構あるので何とかなります。クライマックスの75番で、“癒し手”の仮面による体力点-1dを食らうので、これに耐えられるかどうかが最後の試練という展開になります。

 バードマンの技術点を12とするなら、技術点は11以上ないと無理でしょう。技術点11あると、他の強敵との戦闘を必ずしも避ける必要がなくなって最善ルートを通る意義が薄くなるので、ゲームとしての興は削がれます。返す返すも、バードマン強すぎ問題が惜しい作品です。

リンク集

 その記事に日付が書かれている場合は、タイトルの末尾にその日付を記載しました。連載の場合は基本的に最初の記事の日付を記載しました。

リプレイ

紹介・攻略・感想など

プレイ記録(旧Twitter

関連する記事

y-koutarou.hatenablog.com

*1:そもそも、利き腕に凍傷を負ったこともフラグなのに(391番)、それを記録するようには書かれていないし……。

*2:なお、秦皮もアッシュになりました。

*3:366番ではなぜか1本しか入手できない。

*4:バーバリアンとの戦闘に勝てば代替アイテムを入手できるので(92番)、役に立つのは【エルフのブーツ】を入手している場合だけ(確率1/9)(259番)。

*5:デッドエンドになる134番で「ニンニクを捨て」と書いてあるので、ここに来ない限り捨てていないと解釈。

*6:先に書いたとおり、クリスタル・ウォリアー戦では持っていなくても使わなくて良いという解釈を採用します。

*7:なお、『運命の森』に書いてあった、同じ品が複数あっても1つの品物とみなすという解釈を採用します。

*8:マントがない事によって大聖堂を安全に通過できる可能性は少し低くなります(198番)。

*9:まあ、「保存食がまだ三食分残っているなら」なので、3食分未満の場合は、これ以下の記述はすべて無効。つまり、そもそも食事をしないという解釈が妥当かな。

*10:もっともこのエルフ、オーブのところでも間違ったことを言っていますが……(61番)。

*11:社会思想社版では鳥男。

*12:少なくとも、これらの敵が出現する時点で、「たった一つの真実の道」の記述は嘘になってしまいます。

『雪の魔女の洞窟』の手描き地図とテキストマップ

 FFCの第4弾、『ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念~スティーブ・ジャクソン編~「サラモニスの秘密」』がすでに発売されているところです。今回も外出先でスマホでメモを取りながら少しずつプレイしています。表題作の『サラモニスの秘密』から始めていますが、任務達成まではまだ目処が立たない感じ。

 そんな中ですが、第3弾の『雪の魔女の洞窟』のテキストマップが完成しましたのでそのテキストマップと、大昔に書いた手描きマップをアップします。これでやっと第3弾のテキストマップがすべて完成しました。

手描き地図

 『雪の魔女の洞窟』は前半と後半で舞台が大きく変わります。前半は氷指山脈と水晶の洞窟という雪と氷の世界が舞台のダンジョン物ですが、後半はうって変わってこれまでのFFシリーズで出てきた地名や人物名が多数登場する、西アランシアの観光名所(?)を巡る旅となります。

 手描き地図の構成は、1枚目の左側がスタートで、オープニングの氷指山脈。2枚目が前半戦の中心舞台である水晶の洞窟。1枚目に戻って右側が後半のオープンフィールドとなっています。

氷指山脈、西アランシアの旅

『雪の魔女の洞窟』の地図を手描きで書いたもの:氷指山脈、西アランシアの旅

『雪の魔女の洞窟』お手製手書きマップ:氷指山脈、西アランシアの旅

水晶の洞窟

『雪の魔女の』の地図を手書きで書いたもの:水晶の洞窟

『雪の魔女の洞窟』お手製手書きマップ:水晶の洞窟

テキストマップ

 テキストマップの方は、前半と後半の2つに分けました。水晶の洞窟は構造がわかるように書かれているので(一部よくわからない箇所もありますが、後述します)物理空間マップ。後半はオープンフィールドなのでイベントマップになっています。後半は方角としては、最初は南へ、途中からは東へ旅していますが、テキストマップ上では表現できませんでした。

後半:西アランシアの旅

                  ┏━━━━━━━━━┓                   
                  ┃217 〈火吹山〉山頂┃ 【〈火吹山〉】           
                  ┗━━━━━━━━━┛                   
                       ↑                        
                   ┏━━━┷━━━┓                    
                   ┃19〈火吹山〉へ┃                    
                   ┗━━━━━━━┛                    
                       ↑                        
                    ┏━━┷━━━┓                    
                    ┃154 バンシー┃                    
                    ┗━━━━━━┛                    
                       ↑                        
                    ┏━━┷━━━┓                    
                    ┃258 丸太の橋┃                    
                    ┗━━━━━━┛                    
                       ↑                        
                    ┏━━┷━━━┓                    
                    ┃75“癒し手”┃                    
                    ┗━━━━━━┛                    
                       ↑                        
                   ┏━━━┷━━━┓                    
                   ┃319 彫刻の洞穴┃                    
                   ┗━━━━━━━┛                    
                       ↑                        
                   ┏━━━┷━━━┓                    
                   ┃92バーバリアン┃                    
                   ┗━━━━━━━┛                    
                       ↑←─────┐                 
              ┏━━━┓   ┏┷━┓ ┏━━┷━━┓              
              ┃85死鷹┠──→┃252 ┠→┃398 縄梯子┃              
              ┗━━━┛   ┗━━┛ ┗━━━━━┛              
                ↑      ↑                        
             ┏━━┷━━┓   │       ┏━━━━━━━━┓       
             ┃115 エルフ┃   └───────┨377 ガラガラヘビ┃       
             ┗━━━━━┛           ┗━━━━━━━━┛       
                ↑←────────────┐     ↑←─────┐    
               ┏┷━┓ ┏━━━━━┓ ┏━┷━┓ ┏━┷━━┓ ┏━┷━━┓ 
               ┃205 ┠→┃268 飛び石┠→┃50焚火┠→┃231・385┠→┃170 洞穴┃ 
               ┗━━┛ ┗━━━━━┛ ┗━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛ 
        ┌──────→↑            【月岩山地】 ↑           
   ┏━━━━┷━━━━┓ ┏┷━┓                 │           
   ┃341 揺り椅子の老人┃←┨119 ┃                 │           
   ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━┛                 │           
        ┌──────→↑            【赤水川】  │           
  ┏━━━━━┷━━━━┓ ┏┷┓ ┏━━━━━━━┓        │           
  ┃312・394切り株の空洞┃←┨46┃←┨38《死の呪文》┠────────┘           
  ┗━━━━━━━━━━┛ ┗━┛ ┗━━━━━━━┛                    
                       ↑                        
                  ┏━━━━┷━━━━┓                   
                  ┃13丘トロールの部隊┃ 【ストーンブリッジ】        
                  ┗━━━━━━━━━┛                   
                       ↑                        
                     ┏━┷━━┓                     
                     ┃110 野営┃                     
                     ┗━━━━┛                     
                       ↑                        
                      ┏┷━┓                      
                      ┃18池┃                      
                      ┗━━┛                      
                       ↑                        
                   ┏━━━┷━━━┓                    
                   ┃348 バードマン┃   【異教平原】           
                   ┗━━━━━━━┛                    
                       ↑                        
        ┏━━━━━━━━┓ ┏━━━┷━━━┓                    
        ┃315 ケンタウロス┠→┃278 老人の情報┃←───┐               
        ┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━┛    │               
             ↑     ┏━━━━━━━━┓ ┏━┷━━┓            
             └─────┃104 コク川の渡し┠→┃131 小舟┃ 【コク川】      
                   ┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━┛            
                       ↑                        
                       ★B                        

前半:氷指山脈~水晶の洞窟

                                          ┏━┓298  
                                          ┃298┃盾  
                              365ブレインスレイヤー  ┃ ┃   
                         20ケイブマン┏━━━┓      │ │   
                          ─━━━─┨   ┠─━━┳──┛ ┃285  
                            20  □ 365 □  176□   285┃休息 
                          ─┓ ┏─┨   ┠─━━┻──┓ ┃   
                           │ │ ┗━━━┛176     │ │   
                           ┃ ┃      ドアの短剣 ┣□┫   
                           ┃259┃259くじ         ┃135┃135  
                           ┃ ┃            ┃ ┃水滴 
                    ┌──────┘ └──────┐ 339   │ │   
                    │      166        │ 雪の魔女/  \   
                    │ ┌───────────┐ │    /    \  
                    │ │┏━━┓ 388白黒の足跡│ │   /      \ 
                    │ └┛48 ┗━━━─━━━┘ │  │   339   │
                    │    61  171   388 207│  │   262   │
                    └──────┓ ┏─━━━──┘ 23 \   23   / 
                      48オーブ │ │171仲間     金属板\    /  
                         ┏━┷∞┷━┓          \  /   
                         ┃     ┃235         │ │   
                  323鉄のドア  ┃  235  ┃センティネル    /  \   
             288フロストジャイアント ┃  297  ┃         / 3 90 \  
           ┌──────━━┳──┐ ┃     ┃297       /   ↓  \ 
           │266      323■ 165│ ┃  150  ┃ヴァンパイア    ●Bへ    
           │…┌────━━┻┐ │ ┗━┯□┯━┛                
311穴の縁のドワーフ ┏┛ ┗┓┏━━━┓ │ │   │ │150白いネズミ            
━━━───────┛   ┗┛   ┗─┘ └━━─┘ │                  
■311   137     125 72   288    338 59  148│59クリスタル・ウォリアー      
━━━─┐ ┌───┓   ┏┓   ┏─┐ ┌━━─┐ │                  
    │ │   ┗┓ ┏┛┗━━━┛ │ │   │368│                  
    │ │    │…└────━━┳┘ │  ┏┷□┷┓                 
    │ │    │       49: 120│  ┃   ┃                 
    │ │    └──────━━┻──┘  ┃ 83 ┃83ゾンビ             
  ┏━┛ ┗━┓125プリズムの男  49鉄格子    ┃   ┃                 
  ┃     ┃                 ┗━━━┛                 
  ┃     ┗────────────────────┐                  
  ┃  ☆ 198                     │                  
  ┃     ┏──────────────────┐ │                  
  ┃  111  ┃111・198聖堂            │ │                  
  ┗━┓ ┏━┛                  │ │                  
    │ │                95台所 │ │                  
┏━━━┫ │               ┏━━━┓│ │ 【水晶の洞窟】          
┃   ┃ │   /─\   321落とし穴 ┃   ┃│ │                  
┃ 303  221└──/   \─━━━━┓  ┃ 95 ┃│ │                  
┃   ┃      88     321■┃  ┃   ┃│ │                  
┗━━━┻────\   /─━━┓ ┗━─┻━ ━┻┘ │                  
303吟遊詩人     \─/ 241足音┃241 136  106    │                  
         88二つの池   ┃ ┏━────────┘                  
                 │ │       ┏━━━┓                
                 ┃ ┗───────┛   ┃                
                 ┃395   363 56    215 ┃215鉢              
                 ┗━━──┐ ┌──┓   ┃                
             395マウンテンエルフ│ │  ┗━━━┛                
                      /  \                       
                       ↑                        
                     ┏━┷━┓                      
                     ┃25雪崩┃                      
                     ┗━━━┛                      
                       ↑                        
                     ┏━┷━┓                      
                     ┃67遺言┃                      
                     ┗━━━┛                      
                       ↑                        
                    ┏━━┷━━━┓                    
                    ┃190 イエティ┃                    
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                     ┃337 吹雪┃                     
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                    ┃1 クレパス┃ 【氷指山脈】              
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丁字路? Y字路?

 水晶の洞窟のマップで1つ問題が。マウンテンエルフに遭遇したあとの分かれ道(136番・241番)がどうなっているのかよくわかりません。

 241番には「トンネルは二手に分かれている。《中略》左の道を走っていくなら三二一へ。右の道を行って《中略》なら一四五へ。」と書かれているので、丁字路になっていて、ここへは丁字路の足から入ってきたように思えます。

 しかし、左に進んだあとそのまま進むか引き返すか問われる43番では、「このままトンネルを歩き続けるなら八八へ。分かれ道まで戻って左に折れ、もう一方の道をたどるなら二九へ。」と*1、最初に進んできた方から見て右の通路が丁字路の足であるかのように書かれています。一見して矛盾があるように思えます。

 手描きマップを描いた時は後者(43番)の記述を重視して描いていますが、241番の“左へ行くか? 右へ行くか?”という記述を「直進と右折」と解釈するのはやっぱり無理があるよなー。

 Twitterで海外の方で『The Caverns of the Snow Witch』のマップを描いている方を見つけました。それによると、Y字路のような描き方になっています。なるほど、これなら確かに矛盾はない。

 テキストマップではY字路は表現しづらいので、直進と右折の丁字路のすぐ先で、直進部分が左折しているという形にしてみました。

 それと、台所の前(106番)から大聖堂(198番)への通路もどうなっているのかわかりません。大聖堂へつながる通路の位置はこれで矛盾ないのですが、106番から198番はこんなに大回りになっているという記述はなく、むしろもっと近いようにも思えます。

 手描きマップでは、先の丁字路の左側を直進と解釈した影響でテキストマップより90度右に回転した形になっているので、台所と大聖堂の距離が近くなっています。この位置関係の方が正しい気もするのですが……。

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*1:366番・29番も同じような表現。