クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

山道具の衝動買いと人との出会い

八ヶ岳に行った翌週の日曜日も仕事。

山で落としたストレスも再び蓄積されてきて、うずうずしてきた。この「うずうず」が過去にいろいろな衝動買いをもたらしている。

典型的なのがこのTHE NORTH FACEのハードシェルジャケットで、今から11年前に残雪期くらいなら使えるということで買ってしまった。当時はまだ雪山登山をやっていない。

そしてハードシェルジャケットを買ったから仕方ないということでAKUのフィッツロイという雪山対応の靴を買ってしまった。ついでにグリベルのクランポンも買ったので、これで雪山に行くしかなくなった。

そして初めて行った雪山、八ヶ岳天狗岳で出会った友人とのつながりが、さまざまな出会いを生むことになる。

そう考えると全てはノースフェイスのジャケットから始まっているのである。今週末その友人と久しぶりに会うが、衝動買いが結んだ縁とでも言おうか。友人とは山道具談義で盛り上がったのが最初の出会いだった。

週末、また山道具の話で盛り上がるだろうか。

その友人と行った剱岳

残雪期の山装備について

先日の八ヶ岳登山はほとんど初夏と言えるものだった。

権現岳は2800mという標高ながら、日中は暑くてシャツ1枚で登れただろう。ただし、この時期の山はいつもそんな装備で行けない。

一応、残雪期の山装備について検討事項を書いておこう。

 

①レインウェアかハードシェルか

雪の時期にアウターとして着るのはハードシェル、春から秋はレインウェアとされる。

違いは強度と表面のザラつきぐらいなのだが、値段はハードシェルが倍くらいしておいそれと買えない。では、この時期どっちを選ぶべきかというと非常に迷うところだ。

雨が降る可能性があるので、少なくともGORE-TEXのような防水透湿機能は必要。雨だけを想定するならレインウェアの方がいい。ハードシェルはずっと雨に打たれていると少し表面がしっとり濡れるからだ。

ただし、残雪で滑ったりしてした時を考えると強度のあるハードシェルとなる。

結論を言うと、ハードシェルのような裏地、ラッセルした時に雪が入らないようにするものは必要ないけど、ややレインウェアより強度のあるアウターがほしい。

私は廃盤になっているTHE NORTH FACEの1枚地のジャケットを使っている。

②アックスとクランポン

大きな雪渓がなければアックスは必要ないだろう。昨今暑くて滑落停止するほどの雪が残っていないからだ。

北アルプスとかなら必須だけど、南アルプス八ヶ岳ならいらなそうだし、実際今回持って行ったら重石にしかならなかった。

しかしながら、クランポンやチェーンスパイクは何があるかわからないので、持って行った方がいい。これも八ヶ岳では一切使わなかったけど。

過去2500mの金峰山にこの時期行った時はガチガチに凍っているところがあって、6本爪でも怖いところがあった。

 

③冬用シュラフ

多分いらない。私は代わりにダウンジャケットとダウンパンツ、テントシューズで3シーズンシュラフを補っている。

日中は天気が良ければテントの中が死ぬほど暑いし。

 

まあ、久しぶりに5月の山に行って興奮している。ここ何年か行けなかったし。

これからまた忙しいので、今はもう夏の計画を考えています。

八ヶ岳・権現岳でほとんど初夏の登山④~日の出と温泉と駅弁と

なんだかんだ一度山に行くと書き続けてしまう。

終わってみればどれもいい山行となっていくからだろうか。

 

登山2日目は4時前に起床。バタバタ準備して4時20分くらいに出発。

頂上で日の出と考えていたのだが、5月の日の出は意外と早くて結局間に合わなかった。

遅ればせながら頂上に着いて再び富士山とご対面。

朝方は少し寒くて長袖シャツにフリース(patagonia R1)、ハードシェルで登頂。春霞の向こうに富士山が映る。

さて、テントに戻ってからは撤収してまた駅まで下山した。

ここから駅まで歩くと長いんだな。

行きとほぼ同じルートだが、途中、道の駅に併設されている温泉「延命の湯」に向かう。初めて入ったけど、露天風呂2つ、内湯1つ、サウナ付きで830円。

昨今、サウナブームらしいけど、都内だととんでもない金額を取られるらしいから、かなり良心的と言える。

 

さっぱりしたら小淵沢駅で駅弁を買って列車に乗り込んだ。

特急あずさは連休で満席だったので、今回は鈍行での帰り。小淵沢ではまだ車両が空いていたが、途中でどんどん増えてきて、終点の高尾では結構いっぱいになっていた。

(おわり)

八ヶ岳・権現岳でほとんど初夏の登山③~富士山とテント

てなわけで観音平から登山道に入るわけなのだが、ここから特段書くことはない。

雪もほとんど消えていて、日差しも強く、ほとんど初夏の登山なのだ。そういうわけなので、普通の夏山登山と考えてもらって問題ない。

今回は、どうせならということで編笠山経由で青年小屋を目指すことにした。

編笠山は富士山や南アルプス方面への展望が良く、赤岳など八ヶ岳連峰を見渡せるビュースポット。

頂上付近は岩を積んだようなところで、蓼科山と少し似ている。

編笠山から青年小屋への下りは北面の道で、雪がやや残っていた。

そして青年小屋に到着。「遠い居酒屋」の提灯にも再会。

今回は外のトイレが使えないということで、用を足す時は中に入る必要があり、トイレが近くなるの嫌なので小屋でビールを買ったりはしなかった。

まだ季節としては残雪期ということもあり、2年前の9月に来た時よりテントはさすがに少ない。

ただ、下には雪が全くなく無風でテントは非常に立てやすかった。日差しが強くて完全に夏山状態。

そんなわけでテントでのまったりタイム。

周りではビールを飲む人が多かったが、われわれはインスタントコーヒーで乾杯した。

(つづく)

八ヶ岳・権現岳でほとんど初夏の登山②~八ヶ岳と牧草と

①の続き。

というか今回の登山については何も書いてなかった。どうせならあまり誰も書かない小淵沢駅から登山口観音平までについて書きつけておこう。

小淵沢駅は出入口が南側にしかない。八ヶ岳は北にあるので、まずは舗装路をぐるりと回って線路を越え、真っ直ぐに北を目指す。住宅地があり、続いてホテルなどのリゾート施設、ペンションなどが並び、ゴルフ場を脇目に見る。そして未舗装に入ると牧草地があって、スキー場のような草の斜面が現れる。

一応書いておくとこの延々と続く斜面が大変で、フル装備のテント泊を担いで登るのはなかなか辛い。元々山登りに行っているのだが、坂の先が見えているとなかなか着かないのがもどかしい。

下山の時、何かの部活の少年少女が坂道ダッシュに使っていた。

ただ、登っていくと木の向こうに富士山や甲斐駒ヶ岳が見えるのが嬉しい。

今回は天気が良かったので、富士山、甲斐駒ヶ岳鳳凰三山北岳まで見渡すことができた。

おそらく近所に住むであろう年配の女性が犬を連れてこの斜面を歩いており、

「今日はねえ。ここ歩いて正解よ。絶景だから。車で来た人は見えない景色」

と言ってくれた。

タクシー代をケチって徒歩アプローチをしているわけだが、どうやら無駄ではない、ということにしておこう。

小淵沢駅から観音平までは約2時間。

駅を8時頃スタートしたので登山口に着いたのは10時を過ぎていた。

(つづく)

八ヶ岳・権現岳でほとんど初夏の登山①

連休真っ只中の5月4日みどりの日。思い付きで八ヶ岳へ向かった。

今回は久しぶりのテント泊登山だし、トレーニングも兼ねてそこそこ歩きたいということで、小淵沢駅から徒歩アプローチで権現岳に行くこととした。

2021年の9月にも行っているので2年ぶりとなる。

小淵沢駅からの登山コースはかつて山と渓谷社の『登山入門』に紹介されていた。

「入門」とあるから簡単だろうと思うのは早計で、小淵沢駅から登山口となる観音平まで2時間のアプローチとなる。

私が初めてこのコースを行ったのは確か2009年。当時は横浜に住んでいたので、小淵沢駅に着いたら10時近くになっていて、ひいこら言って登山口に着いたのは12時。そこからテント場のある青年小屋に着くころには日が傾きかけていた。まんまと本に騙されたのである。

あれから15年。中年になって、体力もやや落ち、荷物も軽量化して相方とともに同じルートに向かう。

小淵沢駅に降り立ったらほとんど初夏の陽気となっていた。

(つづく)

過去のゴールデンウィーク写真

今年のゴールデンウィークも仕事してて悔しいので過去の写真を掲載。

 

金峰山に登った時の富士山。

これを見て韓国人の仲間が言った言葉が

「"松竹"って感じですね」

ってよく知っているな!