BLUE REFLECTION SUN: 8人である事

ソシャゲであるにも関わらず8人で走り切ったことが素晴らしい。

BLUE REFLECTION SUNをメインシナリオ最後までクリアしました。本作については話したいことが多すぎるので、ゲーム全体、シナリオ、キャラクターの3回にわけて書こうかと思います。

自分のブルリフ歴としては幻はクリア済みで零も全話視聴済みです。どちらも粗削りな部分は正直否めないけれども、刺さる人には刺さる作品です。帝はChapter1クリアしたところで挫折しました。メインの4名が誰も好きになれなかったのが大きい。

ブルリフシリーズは幻の後にまさかの3作同時展開。零と帝は出たものの燦は長らく音沙汰なく、もう企画が立ち消えになったのではと正直諦めていたところに突然の発表。しかし男性主人公でショックというのはブルリフシリーズのファンは全員そうなのではないでしょうか。

自分も初日にやったものの、やはり男性主人公は受け入れづらかった。元々ハーレム物が苦手というのもあります。それでも始めたのは単純に詩帆がかわいかったというのは無視できないです。そして意外とシナリオが面白かった。キャラとシナリオの魅力は後でまた書きます。

本作の一番の特徴は、シナリオだけでなくバトルキャラも含めてメインキャラ8人に集中したということだと思います。

ゲストキャラもいますが、全員がメインシナリオに深くかかわるキャラだけで、結局6人しか増えなかった。1年続いたソシャゲで14人しかキャラがいないというのはほとんどないのではないでしょうか。

これは推測ですが、岸田メル先生がここだけは譲れなかった点なのではないかと思います。理由は美少女ソシャゲとしての売上を考えるなら、キャラを増やすことが一番早いからです。常識的な運営ならこの判断はしない。

もちろん本作ではキャラは増やさない代わりに、キャラの衣装のバリエーションは豊富だし。キャラを強化するフラグカードのイラストも素晴らしい。

キャラを強化するカードにイラストというのはよくありますが、本作の凄いのはそれをホーム画面に設定できることなんですよ。3Dモデルもいいんですけどやっぱり岸田メル先生のイラストが好きなんですよ。

そして何よりソシャゲでありがちな、シナリオキャラとバトルキャラが異なるということが起きないのが個人的には良かったです。どんなにシナリオが良いソシャゲでもそれで萎えてしまう。もちろんキャラクターの掘り下げが深くできるという意味でも非常に良かった。

本作の素晴らしいのはメインシナリオはフルボイス、フル3Dということです。3Dも立ち絵だけでなくちゃんと演技するし背景もある。立ち絵の漫才とは没入感が段違いです。

声優さんの確保やモデルの作成という意味でもキャラが少ないのは予算的に作りやすかったのではと。最終章付近は露骨にボイスがなくなったのは残念でしたが。

一方でやはり売上という意味では厳しかったようです。フラグカードも夏以降はエロ系ばかりになってしまい、カードシナリオもラッキースケベ系のものばかりになってしまった。エロが嫌というわけではもちろんないのですが。

配信で岸田メル先生が、「最初はこういうイラスト描くなって言われてた」と言ってたのは、売上から方針の転換があったのではと思います。

もしかするとサービスが2年くらい続いたら第二部としてキャラを一新する計画はあったのかもしれないです。しかし結局は1年強でサービス停止という結果になってしまい、美少女ソシャゲでキャラを増やさないのは無理があるということを証明してしまった。

それでも自分はこの決断を評価したい。1年でサービス終了になったことも、前向きにとらえるなら話としてまとまりが良くなった。CASE Lastまでで全12章の話ですが、1話がちょうどアニメの1話分くらいの分量なので、アニメ1クール分とほぼ同じです。

自分は途中やるのを2回中断しています。サービス終了を聞いて、途中までやってるから最後までやろうかと思いました。それでもシナリオ最後までやることができたことはこの話のコンパクトさがあってこそだと思います。

8人である事こそがBLUE REFLECTION SUNであり、売上はさておき、作品としては成功だったと考えています。