El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

じい散歩 妻の反乱 Audible

淡々と快活に、あとを憂うことなく日々を生きる

主人公夫婦は夫が2歳上くらいで妻が先に死んだ(94歳?)夫は本書の終わりで96歳。すこぶる元気。主に妻が倒れて入院して退院してコロナ禍に肺炎になり(コロナではなく誤嚥性?)在宅死となる。

夫が残されたら寂しいのはよくわかるが、気持ち次第か。残された方が後始末をすることを考えると認知機能の保たれた男が残されるのがいちばんいいか。ダメな子供たちも50代からやがて60代となり、かといってもはや親がどうのこうのいうような歳でもなく、親も死んだあとはどうなろうと・・・その気持ちはわからないでもない。

次があるのか・・・

文藝別冊 クリストファー・ノーラン

クリストファー・ノーランはガイドブックが必要な監督です

オッペンハイマーTENETダンケルクインターステラー とノーラン作品を観ている。時間軸の魔術師!?日本の評論家たちの文章を集めたムック本を読むと、自分の感想もまあまああたっている。一方で、バットマンを中心とした旧作は、ノーランが監督だとは意識しないでみたものが多く、見直しが必要だと感じる。

見る側の認識の変化で作品が違って見える。認識の変化をもたらす最大の要素は「年齢を重ねる」だろうか・・・

ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー

ラテンアメリカの歴史を概括するには最適の一冊

大航海時代~産業革命~帝国主義という500年間をとおして、いかにして白色人種の世界簒奪が起こったのか?有色人種でありながら、白色人種が簒奪し発展させた世界でしか生きていけないということは、ラテンアメリカのインディオや黒人やメスティーソも日本人も同じ。そこからじわじわと巻き返すのか、それともアジアの巨竜が目覚めてガラガラポンがおこるのか・・・自分にとってはどんな状態が幸せなのか?そんなことを考えながら読む。・・・なんて大仰なことを書いたけど、この本、もっと端的に今に至るラテンアメリカの悲惨な歴史をざっくり知るには最適な本だ。

なぜ少数のスペイン人征服者によってアステカ帝国が滅ぼされたか・・・従来からある感染症説よりも、沿岸部のアステカによる被抑圧インディオ集団を利用しての反乱をうまく組織していった。その後にはカトリック教会や教団が進出。征服者は男ばかりなので急速に混血化(メスティーソ)が進む。征服者か被征服者か、という二元論ではなく、インディオ国家がじわじわと変質させられていく様子がよくわかる。

その後の、ヨーロッパからの独立は、白人による独立。インディアンがほぼいなくなったアメリカとは違い、インディオとメスティーソが人口の大多数を占めるラテンアメリカ独自の問題がある。

などなど、挙げていけばきりがないほど教えられることは多い。

FUJIFILM 画質完全読本

予約から2か月、新カメラやっと到着!にあわせて、画質完全読本

転売ヤーのせいか、生産体制の問題か、なかなか手に入らなくなっているFUJIFILMのカメラ。やっと届きました。「X-S20」です。ゴールデンウイークはこのカメラで!

FUJIFILMのカメラにはFUJIらしくフィルムシュミレーションというのがあって、フィルムカメラ時代のたくさんの種類のフィルムで写したような写真をデジカメ上で実現してくれます。そのガイドブックともいえるのがこの本。

しかし、コンデジ↓買って1年半でミラーレスへ・・・沼化しないように注意。