大阪の中之島にある、国立国際美術館で開催されている古代メキシコ展に、奥さんと一緒に行ってきた。奥さんはこういう博物物の考古学的展示が大好きなのだ。
すごい数の展示物があり、かつ会場の動線、デザインもすごくよく、ゆっくりと見ることができた。写真の像は特に印象に残ったもの。
表情からは、何も読みとることはできないが、そのことがまたこちらの、想像力をかき立てられる。マヤ、アステカ文明といえば生贄を捧げる文明と天文学に秀でた文明くらいの認識しかなかったが、確かにこの二つの要素はこの博物展において関連する様々な遺物に見られた。
この置物の頭部の平になっているところに
生贄から取り出された心臓を置いたらしい。
まあ、当時の生贄でなくて本当に良かった。
このインカ、マヤ、アステカ文明が、信じられた神がこれほどまでに苛烈に生贄を要求したのは何故か?比較文化論の視点から考察すれば面白いと思うし、そういう研究や論文はすでに山ほどあるだろう。私が知らないだけだ。
博物展のあとは、会場のすぐ前にある
お蕎麦屋でランチ。
適当に入ったお店だったが、雰囲気、味、サービス等なかなか良かった。
休みの日の昼ビールは格別
エビスなのが嬉しい
お蕎麦は喉越しがよく
つゆは若干甘め。どっぷりと
つけるので自分にはあっている。
お弁当は五穀米にだし巻き、かまぼこ
ほうれん草のお浸し、かぼちゃの煮物
プチトマト、えびの天ぷら、牛肉の時雨煮
量もちょうどいい。
これで1200円は安いと思う。
食事の後は地下鉄で移動して
四天王寺へ。
実はまだ真面目に参拝したことがなかった。
境内では大規模な古本市が開かれていて
全体的に和やかな雰囲気。
先程までの生贄を要求する苛烈な神とは対照的に、気持ちが穏やかになる。
このお寺の宗派は和宗とのこと。ちょうど私達が本堂に入った時に、ご本尊の如意輪観音像に法要のためお参りする人がいたが、その人まずは宗派を聞かれていて(浄土真宗だった)、後からお坊さんが唱えたお経は、その宗派に合ったお経をあげていた(南無阿弥陀)
節操が無いといえばまあそういうことだか
八百万の神々がおわすこの国のこと。
それもまたいいのではないかと思う。
ご本尊の裏手にはお釈迦様の涅槃図も描かれ
入寂した釈迦の周りを大勢の老若男女が取り囲み嘆き悲しんでいる様子が描かれている。
釈迦は多くの人に愛され、敬われたのだなあと今更ながら思うと同時に、午前中にみたインカの生贄を常に要求してきた神々を思う。
どちらがいいとか、悪いとかではなく。
この日は暑く大阪でも気温は30℃近くまで
上がった。
午後2時に帰途につく。
拙いながらも宗教と文明の比較について
考えた1日だった。