土井先生のお言葉
覚えてないけどはじめてリードを咥えてファゴットに息を吹き込んだ瞬間が僕にもあったはずで、音楽で食っていくなんて大それたことを夢見るようになったのはそれよりずっとずっとあとのこと。
指使いをどんどん覚えて出せる音が増えていくのがたのしくて、みんなと目標を共有して音を重ねることがたのしくて、でも同じ人と同じ環境で演奏することには必ず終わりがくることも学びながら、そこに邪念は一切なく純粋な気持ちで楽器ケースを開けていたと思います。
対価としてお金をいただくようになってから、肩書きになるようなことを欲するべきだと自分に催眠をかけるような毎日を過ごしていました。今思えば…
そうでもしないと自分の音に誰も耳を傾けてはくれない、お客様が時間とお金をかけてご来場してくださるはずがないと言い聞かせていました。
でも先生のお言葉を目にしたとき、なんかスッと胸の奥に落ちてきて
自分の中のことなのに誤解して邪なことだと決めつけていた自分の中の欲?は情熱と呼んでいいものなんだなって
先人のようになりたい、見たことない景色が見てみたいと思うことはあこがれって名前があるんだなーって腑に落ちて
ほんとうに救われました。
運指表とにらめっこしながら1個ずつ出せる音を増やす喜びを全身で感じていたあの頃の気持ちのまま、ファゴット歴14年の27歳も1個ずつできることややりたいことを増やしていったってバチはあたんないよね
自粛生活の中、楽器と一緒に過ごす時間を改めて大切にしたいなと思っています。
オンラインレッスン開講します!!
■オンライン・レッスン
このご時世だからこそ!場所やブランク等さまざまな壁を乗り越えて、実り多い時間に出来たら嬉しく思います。
ファゴットを趣味や部活で吹かれている方はもちろんのこと、おうち時間enjoyのために新しくはじめたい方や
押し入れの楽器を起こしたい方(笑)、音大・音高志望者まで。
楽曲やエチュードを題材としたアドバイスはもちろん、日々の基礎練習・そもそもの音の出し方・呼吸法やリードの調整法などなど…
おひとりおひとりに合わせた内容で一緒に取り組んでいきましょう!
■レッスン体系
動画のライブ中継(テレビ電話)が可能なアプリケーションのご利用もしくは
演奏とご質問を収録した録画・録音をお送りください。同様の形でお返事します。
録音・録画をご収録いただく際、題材が短かったり長い時間吹くことが困難な場合には
口頭でご質問いただくシーンも収めていただいて構いません。
例えば…
この曲のこの場所(をちょっと吹いて)が理想的にできません。もっとこんな風にしたいがどうすれば?
(楽譜をアップで映していただき)この曲のここのトリルの指がわかりません。替え指がわかりません。
いまこのリード(リードをアップで映していただいて)を使っていますが、よりよくするにはどうしたらいいですか?などなど。
■レッスン料金
ライブ中継の場合:初回30分無料 次回以降30分につき2500円
録画・録音の場合:初回1時間無料 次回以降1時間までのデータにつき3000円
お支払い方法は各種電子マネー・銀行振り込み等で対応いたします。
以下ご参考までに掲載します。
【ライブ中継アプリ】
facetime https://support.apple.com/ja-jp/HT204380
skype https://www.skype.com/ja/
zoom https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
【録画・録音共有アプリ】
dropbox https://www.dropbox.com/h
clipbox https://clipbox-official.com/
youtube限定公開(googleサポート)https://support.google.com/youtube/answer/157177?co=GENIE.Platform%3DAndroid&hl=ja
その他ご希望のスタイルがあればご相談ください。
■お問い合わせ
以下のメールフォームまでどうぞ!ご連絡お待ちしております。
※ご住所・電話番号は必須でないのでお気軽に(^.^)
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=7af71c685b75b0ae
ファゴット 皆神陽太
2020年春雑感
たいっへんなことになっています。
あまりにも時間があり余りすぎて筆をとりました。
語弊を恐れずに言えばこの騒動の詳細はどんなに液晶画面を見ても正直なところよくわかっていないままです。よくわかっていないというか、実感がない。
幸運なことに身の回りには罹患した人はいないし 私も元気です。
ただただ、自分が保菌者"かもしれない"という意識をもって過ごす必要性だけをひしひしと感じています。
元来熱を測ることが嫌いで、体温計を買ったことがありません。なぜなら、体温が表示されるだけで体調がよくなるわけではないから。体温計をはさむ時間があれば酒を飲んだほうが身体にいい。数字がのしかかって余計頭が重くなるのにどうして測る必要があるのか不思議でしょうがない。
いたって健康で、エネルギ-も有り余ってしまっている今。それは僕の中での孤独な問題でしかないということを突き付けられる全然嬉しくない休暇まみれのニート生活を送っています。
僕が音楽家を志して演奏で食っていくと改めて腹をくくった年、2011年は東日本大震災のときでした。
藝大の最終3次試験を終えて茨城の実家で合格発表を待っているときにそれは起きました。生きながらえても、生活がままならない人がとんでもない数にのぼったあの時、記憶に新しい不可避な自粛ムードの中で入学式は執り行われませんでした。混乱の最中ヒビが入っただけで倒壊は免れた実家と、ズタズタになったふるさとを置いてひとりで上京した日のことは死ぬ瞬間まで忘れません。
好きなことで生きていく でしたっけ?youtubeの宣伝で使われている文句 まさしく当時の僕の夢はそれで、後先はなにも考えてなかった。
プロとはどういうものなのか・生計をたてるとはどういうことなのかも不明瞭なまま突き進み、合格した大学で4年間過ごし、その生活の中で音楽とはまったく関係のないアルバイトもしながら演奏…ひいては音楽で食べていく人生設計を学ぶ時期であったと思います。
音大卒の就職シーンは世間に知られている通りかなり冷たいものです。卒業後も1年は家族に迷惑をかけながら、自分の出した音の対価としてスーパーで買い物をしている嬉しさとありがたみ、そしてシビアな側面をこれでもかと味わいました。
衣食住つまりは生命にまったく関係のないことでお金をいただくということ。聴きたいとチケットを買ってくださる方がいること。お客様ひとりひとりが対価をはらってくださり、各々の仕事や学業や家事の都合をつけ、こちらの時間に合わせて電車なり徒歩なり舟なり飛行機なりどこでもドアなり車なりでお越しくださる。またそのチケットを管理してくださる方がいること。リハーサルに行けば椅子と譜面台が並んでいて、電気がついていて、何百年も前に書かれた尊い作品を再現し追い求める時間を仕事としてもてること。
そのすべてが過去になってしまった事実と、もう同じようには戻ってこないのかもしれないという恐怖と、どれだけ浮世離れしたことでおまんま食っていたんだろうという情けなさ?(とも違うんだけれど 適した言葉がみつからない)でいっぱいになっています。
なんだかんだで就職して4年。新たな現実に直面しています。
大震災のときは高校3年生と大学1年生のはざまで、お米一粒さえ自分では手に入らなかった。今は、ビール代だけ節約できないけど生きています。生きていた?
今の目標はひとつ、次にお客様の前で演奏できるとき絶対に泣かずに袖まで戻ること。仕事中に泣くやつが心の底から嫌い。
11・12月演奏予定
6月のスケジュール更新からだいぶすっ飛ばして11月… と思ったけど、もう19日か。笑
振り返りを兼ねながら11・12月のスケジュールです('◇')ゞ
■11/2 東京シティ・フィルドラゴンクエストコンサート
■11/9 東京シティ・フィル第329回定期演奏会
首席客演指揮者藤岡マエストロとの共演です。伊福部昭の「サロメ」では、冒頭においしすぎるファゴットソロがありました… これこれ!こう使ってくれ!笑
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3247
客演首席として出演させていただきました。シュパチェクさんの迫力が忘れられません!
■11/22 府中市教養講座 トリオ・ダンシュの魅力
ぱんだウインドオーケストラメンバーより、オーボエ山本楓・クラリネット後藤榛花とトリオで出演いたします。お話を交えながらの教養講座ということで、いろいろな企画を準備してお待ちしております!
■11/30 東京シティフィル第59回ティアラこうとう定期演奏会
ヴァイオリン辻彩奈さんをお迎えしてお送りします。メインは「展覧会の絵」!ぶっちゃけ吹奏楽版のほうが馴染みがあります。笑
■12/3 オペラ紅白コンサート
毎年恒例となってきたこちらの企画。本家と同じ野鳥研究部のみなさんがカウントしてくれます笑 次々と演奏される名旋律をお楽しみに!
■12/7.8 レクサスコンサート
レクサスオーナー様向けのコンサートです。特別編成オーケストラに混ぜていただけることになりました(^^)
今年もこの季節が…やってきた! 喜び勇んでピットに入ります。
■12/21.22 東京シティ・バレエ団 くるみ割り人形
くるみまみれです。
■12/26 ライフ親子コンサート
個人的にいつもお世話になっているスーパー ライフさんの親子むけコンサート。もう締め切り終わってしまったみたいです(*_*)第3回開催が叶うときには事前にお知らせします。
ポイントカード持ってリハーサルへ臨みます。なんとなく。(?)
■12/28 東京シティフィル 第九特別演奏会
一年の締めくくり。今年はどんな演奏になるかたのしみです(^。^)
ソリストとしてバストロンボーンの鈴木崇弘さんがいらっしゃいます。芸大の後輩!残念ながら弦楽器のみの伴奏ですが、聴けるのが今からたのしみです。
さぁ2019年も残りあとわずか!駆け抜けましょう~
munich!
行ってきました、ドイツ・ミュンヘン!!!
ARDミュンヘン国際音楽コンクールへ参加するために。
ずっと憧れていたコンクール。そしてはじめてのドイツ…つーかロシア行ったときはオケの仕事だったので、自分で航空券手配すること自体はじめて。実は国内便も予約したことないのに笑
チケットが手元に届いてもなお現実感がなくて、おれほんとに1人で行くの…?ドイツ…?って感じでしたが。
たくさんの人に支えられて、あとは持ち前の運と勘でどうにかステージに立つことができました。
まずハプニング?だったのは、ミュンヘン空港についてから!
どうにかなるだろとネット環境を整えず上陸したのが悪かった。フリーWiFiがなく地図が見られない(T . T)
深夜だったため案内所も開いておらず、空港からホテルまで向かえる電車がわからない…
みんな乗っていくからこれかな?と飛び乗った電車 進めど進めど暗い田舎の駅…
え、これやばい?と気づいたときには時遅し。戻る電車が来るのかどうか怪しい時間帯だったのです。
もう最悪、ついた駅でかたっぱしからお宅訪問して泊めてもらえないか聞こう!と思っていました。笑
でもだんだんと明るい駅が増えてきて
お、少ない乗客がみんなドバッと降りた。ここか!?
降りてみるとそこが正解のミュンヘン中央駅っぽかった。笑
でもホテルの場所が定かでない。大きい駅で、出口がたくさんあってなんのこっちゃ…
とりあえず栄えてそうな方に出て人の流れに沿って歩く。あまりキョロキョロ旅行者感を出していると危険かなと思い、思い切って通りを曲がってみると…
そこに偶然目的地のホテル(T . T) 安心しすぎて涙ちょちょぎれました。
そんなこんなで迎えられた1stラウンド。語学の壁が高すぎてちゃんと手続きできてるのかソワソワでしたが、なんのトラブルもなく舞台袖まで行けました。
ステージからの景色は、CDジャケットでしが見たことのないような名奏者が審査員としてズラり。共演ピアニストにも恵まれ、張りつめた中でいまの自分が出せたと思います^_^
ただ、 自分の番が終わったあと他の出演者たちを聴いて驚愕。。 同世代とは思えない自由自在な表現に度肝をぬかれました。
結果を見るまでもなくこれは…僕が立つには早すぎるステージだったなと 納得。これからに生かしていけるよう聴ける演奏はすべて聴いてきました。
3日間の1次予選がおわり、2次のスケジュール発表。僕の名前はありませんでした。
悔しくないといえばウソになるけど、こんなはずではなかった!というような演奏をしたわけではないし、時を経て必ず糧になるような経験ができました。
次のチャンスへむけて気を引き締めていきたいと思っています。
せっかくのドイツ!そして本選までは一応滞在予定だったので笑 ヒマになってしまった時間をつかって観光もしてきました。
ミュンヘンから高速バスで4時間ほどのベルリンへ。弾いてるのは僕とおなじ人間のはずなんだけど、どう聴いても人間離れした演奏に目ひんむきました。
はじめてのベルリンフィルを日本ツアーではなく本拠地で聴けた贅沢。。 一生忘れない時間に。
周りのお客の層がさまざまだったのも印象的。日本とは違い、クラシックの演奏会が生活に溶け込んでいる感じがすごくあった。デートで来てたり、家族連れっぽかったり。あんまり日本のコンサートホールでは見かけない光景ですよね。
そんで忘れちゃいけないビール活動。滞在最終日がオクトーバーフェストの開始日とかぶったため、飛行機のる前に行ってきました!…が。
現地の人たちの気合いに完全に負けました笑 ゆっくりお昼に行ったらもう座る場所がない!並べど並べどビールにありつけない!笑
きけば皆さん会場前に並んで、なんなら予約も済ませて楽しんでいるそうです。ふらっと行くような場所じゃなかった…
ごった返してたけど、席がないとお酒にありつけないシステムで全体的にクリーンな印象。うーん、歩き飲みでも私は全然問題ないんですけれども…笑
お土産だけ買ってそそくさと退散。苦い思い出になりました いつかリベンジするぞ!
6月演奏予定
さーてもう突入してますが6月の演奏予定です。
■6/9 第25回ブラームス国際コンクール優勝者披露特別コンサート
ソリストのルカ ジョバンニニさんの音色がとってもすばらしいです…
入念なリハーサルを重ねてのぞみます。
■6/16 成城合唱団定期演奏会
前プロではハイドンの主題による変奏曲も!
こちらはファゴットのオーケストラスタディ(オケのオーディションでよく出される課題)にも入っており、気合十分です。
どちらもはじめて取り組む曲なのでたのしみ!
■6/21~30 英国ロイヤルバレエ団 ドン・キホーテ/ガラコンサート
さあきましたシティの毎年恒例バレエウィーク!
私はオーケストラピットに入っているので舞台を見ることはできませんが、リズミカルでドラマチックなバレエミュージックはワクワクします。ベースラインを吹いていて気持ちがいいものです。
素晴らしいバレエダンサーのみなさまとの共演とってもたのしみ!
第24回宮崎国際音楽祭
行ってまいりました!
(画像は音楽祭公式ブログぷれぽ | 第24回宮崎国際音楽祭よりお借りしております)
今年で3回目の参加。
半月ほどの長い滞在で、前半はズーカーマン指揮・マーラーの交響曲4番をメインとしたプログラムで1stを
後半は宮川彬良さん率いるポップスコンサートでコントラファゴットを吹いてきました。
リハーサルからすごくすごく刺激的で、新しい発見がたくさん。オケのメンバーのみなさんやソリストの皆さんが出す音が祝祭管弦楽ならではの活力にあふれていていました。
自分の出す音にももっと引き出しがほしい!と思わずにはいられません。
公演と公演の合間に宮崎を堪能。
念願だった高千穂峡にも行くことができました!
南宮崎から1日1本しか出ていない高速バスで3時間ほど。
数日前におきた震度5の地震の影響で川下りのボートは中止になっていましたが、天候にはめぐまれのんびりできました!いいところだった~。
日本誕生の地 高千穂神社でのお参りも済ませ…
もちろん、ひでじビールも!
焼酎に日本酒もおいしくて、酒にはほんとうに困らなかった笑
音楽祭最終日のオペラに自分は乗っていませんでしたが、豪華メンバーによる「ラ・ボエーム」どうしても聴きたくて自腹で居残り鑑賞。
大好きなテノール福井敬さんのコンサートホールが妊娠しそうな歌声に痺れました
とても充実した滞在になりました!