youtubeに動画をあげました
小屋づくり中の生活レポート
よるゆきです。
今回は、小屋づくりをしているあいだ私がどのように寝泊まりしているか、生活の様子をお伝えします。
自分の土地があると言っても、生活インフラはまだ未整備。(水道・電気は未契約)
必然的にワイルドな生活を強いられます。
住居はテント、生活用水は近くの沢から汲んで、飲用水・食物は買いだめでしのぎ、濡れタオルで体を拭く、という感じですね。
こんなインスタントな生活は結構しんどいので、
1週間ほど作業しては実家に戻るというサイクルでやっています。
実家は車で3時間程度。この近さもこの土地を選んだ理由の一つです。
テントは堂々と通路に展開してますが、まあ誰も文句は言わないでしょう。
別荘地の住人は全員よそ者なので、こういうところも寛容でいいですね。
若者がひとりでひたすら穴を掘っていても通報されることはありません。
ありがたい。
近くを流れる沢は、見た目には綺麗なので生活用水としては十分。
飲用としてもいけるんじゃないかなーと思うので、買いだめの水で間に合わない場合は
ここから汲んだ水を煮沸した上で使用しています。
最近はこの生活にも慣れてきて、徐々に活動日数を増やしていけそうです。
この調子なら、完全オフグリッドもいけるかもしれませんね。やりませんが。
穴九つ - 小屋建築【基礎編3】
どう見ても死体を埋めているよるゆき(@yakou_nt)です。
[前回]➡︎家の命は水平 - 小屋建築【基礎編2】 - 白樺の森で孤独
そういうわけで、穴を掘ります。
地面が凍結しない深さ(80cm程度)で30cm四方の柱を作れるように、直径60cm程度の穴を5つ(四隅と真ん中)、直径30cm程度の穴を4つ(四辺の中間)作ります。
この作業、最初は「2日あれば終わるでしょ」などとナメてかかっていましたが、後にかなり大変な作業であることを思い知ることになります。思い知りました。
死体を埋められるだけの穴を一晩で掘るのはかなり大変でしょう。死体遺棄犯の頑張りを評価したい。
さて、気になるのは土の質と植物です。
この土地は長年放置されていたため、土は落ち葉が堆積してできたフカフカの黒土です。作物がよく育ちそうですね。これは掘りやすそうです。
植物は白樺・松があり、低い笹がまんべんなく生えている他にはあまり生えていません。
ここは標高1300mの高原。春先とはいえまだまだ気温は高くならないので、これからたくさん生えてくるのかもしれません。夏にどうなるのかがちょっと怖いです。
小屋のスペースを作るために白樺を切り倒すのは嫌だったので、結果的に木の間近に穴を掘ることになりました。なので根っこの処理が大変になりそうです。
掘る
スコップとホールディガー(ハサミ状になった二連スコップ)を使ってひたすら掘ります。
最初はスコップを使って、深くなってきたらホールディガーで土を掬っていく予定でしたが、最終的にはホールディガーを使わずにスコップと100均で買ってきた柄杓の先を使って土を掻き出していく感じになりました。
ホールディガー、重い割にはあまり土を掬えないし、根っこや石があると刺さっていかないという尖った性能をしているので、僕の土地では使えませんでした。でも地面にズドンと突き刺す感触は楽しいですね。
掘り始めはとにかく根っこが出てきます。
まず笹の根っこがすさまじく、地表から20cm程度の深さまでを縦横無尽に走っています。
笹は竹と同じく地下茎を横に伸ばす植物のため、根っこというよりは茎が地面から出てきます。その茎がかなり丈夫で手でちぎれないため、ノコギリでぷちぷち切り取っていく感じになりました。
次に白樺の根。これもノコギリで切り取ります。
木の根の弾力性・靭性はすごいですね。これほど丈夫なものだとは思いませんでした。
思えば、生きた木を切ることはほぼ初めてなんだなあ。
掘り進んでいくと、石が出始め、70cmあたりで粘土層。このあたりの地層はこんな構成になっているようです。
一つの穴に大体3時間、1日二つ。
終盤はバテてペースが遅くなり、結局5日程度の時間を要しました。
普段肉体労働をしない身にはキツい仕事です。
穴掘りで一番使う筋肉は握力です。石を除去したり土を掬うときにショベルカーのごとく手を使うので、かなり消耗します。作業後はスマホを持つ手がプルプルしてました。
背筋を使うと思って事前に背筋だけ筋トレをしておいたのですが、握力は盲点でしたね。
これで穴掘り編は終了です。
家の命は水平 - 小屋建築【基礎編2】
よるゆきです。
[前回]➡︎傾く恐れのある家を作ろう – 小屋建築【基礎編1】 - 白樺の森で孤独
基礎づくり、作業開始です。
前回書いてませんでしたが、基礎づくりの段取りは↓のようになります。
まずは掘る穴の正確な位置を決めます。
水平を出す
「水盛り遣り方」という方法で空中に寸法通りの水平な長方形を作ります。 大体で決めた小屋の位置の外側に杭を立て、水平になるように水糸を張っていきます。 詳しいやり方はググればいくらでも出でくるのでここでは割愛。 実際にやってみて重要だと思ったポイントを挙げておきます。
糸で作る水平面は床面より上にする(基礎から柱を建てる時に糸が邪魔になる)
穴の大きさは想定より大きくなりがちなので、杭はなるべく離して立てる
糸の長さを測るために糸に印をつけるが、しばしば印を移動させる必要が生じるので、テープ等後で動かせるものを印にする
全ての基準になる作業なので、かなり気を使いました。
適当にやろうとしましたが、かえって時間がかかってしまいました。
通算で丸一日くらいの時間をもっていかれた気がします。
読者のみなさんがご自分でやる場合は、しっかりとシミュレーションをした上でやりましょう。 (ちなみに、この小屋づくりの経験は手順書としてまとめて発表するつもりです)
穴の位置を決める
穴の位置は、水糸の四つの交点と四辺の中間点、それから長方形の中心の9つ。それぞれの真下になります。 交点は明確なのでいいとして、中間点に印をつけておきます。 中心は対角線を二本張ることで特定しました。
こうですね。
これで穴の位置が決まりましたので、せっせと掘っていきます。
傾く恐れのある家を作ろう – 小屋建築【基礎編1】
よるゆきです。
前回の記事でまとめたように、小屋には基礎が必要なので、基礎を作っていきます。
[前回]:建築開始 - 白樺の森で孤独
まずは、どんな基礎を作るか。イメージを固めていきましょう。
基礎。建物の土台。
一般的な家の基礎をイメージすると、土を掘り返したり鉄筋を大量に敷いたりと、
素人が一人でできるものではないように思われますが、
上に乗るのは小さな小屋。ちゃんとした部分を省いていけば一人でもできそうです。
そんな頑丈にする必要もなので、多少適当でもいいはず。
家は傾いてもいい
一般的な建物の基礎に求められる機能は、重力や地震で壊れないこと(不壊)、建物が傾かないこと(不沈)です。
家の耐用年数は大体30年ほどだそうですが、そのあいだ基礎は壊れてはいけないし、沈んでもいけない。
基礎はやり直しができませんから、これは当たり前ですね。
しかし小屋に対しては、この常識は揺らぎます。
なぜなら、小屋はその小ささ故にいくらでも後付け・やり直しができるからです。
傾いたら?上物をジャッキアップして柱を調整する。基礎を継ぎ足す。床面を調整して水平を作る。解体して組み直す。
どうとでもなります。
そもそも小屋が一時的に使用不能になったところで僕は困らないので、絶対性を要求する必要がないのです。
なので、基礎はある程度適当にやります。
耐震性はこの際無視します。小さく軽い小屋が潰れることはないと思いますし、潰れても僕が死ぬかもしれない。それだけです。
基礎をどう作るか
一般的に基礎は3種類に大別されます。
①ベタ基礎
地面にベターっとコンクリを流し、面で支える方法。沈下し難いがコストが高い。平地限定。
②布基礎
必要な部分のみを線で支える方法。それなりの沈下しにくさとコスト。斜面でもできないことはないが普通は平地を作ってやる。
③独立基礎
必要な部分のみを点で支える方法。接地面積が少ないため沈下しやすい。柱の長さを調節することで斜面の上にでも作れる。
さて、僕の敷地は全て斜面です。きちんとやるなら整地をしてベタ基礎か布基礎をつくるところですが、重機を召喚するコストが高くついてしまうので、独立基礎以外に選択肢はないようです。
それぞれの基礎は、地面から床面まで全てコンクリートにするのが理想ですが、
小屋を建てようとしている場所は高低差が最大150cmもあります。
そこまでコンクリを流すのは難しいですし、コストも嵩みます。
そこで、小屋作りの上で参考にさせていただいたたるかりさん(http://tarkarian.com:http://tarkarian.com)が採っていた単管パイプを使う方法を採用することにしました。
地面からある程度の高さまでコンクリの基礎を作り、その基礎に単管パイプを埋め込んで柱にする方法です。
このパイプの使い方は当然一般的ではありませんが、木材の柱を建てる場合に比べて床面までガッチリ固定できるので、比較的優秀なのではと考えています。
さらに考慮すべき問題として、寒い地域特有の「凍結深度」というものがあります。
寒い地域は冬季に地面が凍り、霜柱のように表面が持ち上げられてしまう現象が発生します。(凍上現象)
自然の力はすごいもので、その霜の上にある基礎は簡単に持ち上げられてしまいます。
そして、氷が溶けた後は液状化した土に基礎が沈み、家が傾いてしまいます。
そのため、基礎は凍らない深さまで埋め込む必要があるわけです。凍結深度は役所などに聞けば分かります。
土地の凍結深度は約80㎝なので、1m程度地面を掘り、そこにコンクリを流すことになります。
基礎の横幅は適当に35cm四方とします。
これで基礎一つのイメージができました。
これを必要な分配置していくわけですが、どの程度必要かはよくわからないのでなんとなく3×3で9個設置することにします。
ただし、それだと必要なコンクリ量がかなり多くなってしまうので、四辺の中間に位置する基礎は少し手抜きをして20cm程度に細くすることにします。
だいぶ説明臭くなってしまいましたが、これで基礎のイメージが固まりました。
次回からは施工の様子を書いていきます。
建築開始
3月末に退職してから諸々の手続きがひと段落したので、いよいよ小屋の建築をやっていこうと思います。
僕がなぜ小屋を建てるのか?については最初の記事に書いていますので、そちらをご覧ください。
この記事を書いている現在、既に1回目の遠征(実家から)を済ませている状況ですが、
作業の様子を書く前に、僕がどんな小屋をどう建てようとしているのかを、この記事では紹介していきます。
森の中の小さな家
▲完成イメージ図
・床面積:大体6畳一間
・高さ:一番高いところで大体3m
・適当なロフトつき
・適当なテラス
・ライフラインは後で適当に
適当。
全てを曖昧に進められるのが小屋のいいところです。
失敗したらやり直せばいい、というよりそもそも厳密な完成形を設定しないので失敗はありえません。
以上はあくまでイメージ。これからどんどん変化していくでしょう。
家=箱
家を自分で作るぞ!などと考えたことがある人は少ないでしょう。
現在において家というと、謎のパーツを謎の工程で組み上げた謎箱です。それに謎の金額を払わされている訳です。
謎だらけでよくわかりません。
わからないので素人ではできないと思ってしまいますが、単純に考えていけば家は簡単に建てられることがわかります。
家というのは、要するにただの箱です。
閉じた箱にドアをつける。これで立派な家の完成です。
あと必要なのは屋根くらいで、それ以外は全てオプションです。
…自分でできそうな気がしてきませんか?
土地の環境と自分の嗜好を考えると、必要なオプションは以下のようになりました。
- 基礎(傾斜地なので必要)
- 外壁、屋根の防水(ある程度住むつもりなので、耐用年数は長くしたい)
- 断熱材(山は寒い)
- 内装(せっかくなので)
- 電気水道の引き込み(簡単そうなので)
- キッチン(自炊が基本になるので)
- トイレ、風呂(周囲に共同で使える施設がないので)
- テラス(せっかくなので)
トイレと風呂は箱の中に組みこむと面倒なので隣に別途立てます。
これである程度住みやすい家ができそうです。
おおまかな手順は以下。
- 基礎を作る
- 床を作る
- 壁を作る
- 屋根を作る
- 外壁を貼る
- 内装を整える
簡単ですね。
では早速、やっていきましょう。