青単フェアリーpauper奮闘記

マジックオンラインのpauperというフォーマットで青単フェアリーデッキの戦略について考察してます

青単フェアリーと他のデッキとの相性

かなり主観です。


対青単フェアリー
50:50
当たり前ですね。基本的に先手が有利ですが、難しいデッキのミラーなので非常にプレイング力が問われます。


対緑単ストンピィ
35:65
青単フェアリーは盤面に触れるカードが少ないので、不利なマッチアップとなります。フェアリー側の勝ち筋は、秘密を掘り下げる者を2枚以上並べダメージレースを仕掛けるかパンプ呪文を警戒しつつ尖塔のゴーレムで止めるくらいしかありません。特にサイド後は散弾の射手の着地を許すとほぼ勝てないです。


対黒単コントロール
55:45
黒単はもっさりしているので比較的戦いやすい相手ではありますが、クォムバッジの魔女が天敵です。
序盤にデルバーを展開できた場合、除去とアスフォデルの灰色商人、2枚目のクォムバッジさえ打ち消してしまえば楽に勝てるでしょう。
そうでない場合、忍者や呪文づまりのスプライトで根気よくアドを稼ぐしかありません。
サイド後は、クォムバッジがキツイですし、全体的にマナコストも重いので、フェアリーを抜くというのもありです。


対トロン
70:30
ウルザランドが揃わなければ無条件に勝てますし、揃っても勝てます。
適度にランドサーチを妨害しつつ、ビッグアクションを打ち消していきましょう。
マナフィルターの数がトロン側の取れるアクション数なので、マナフィルターを打ち消して色事故を起こさせるというのも選択肢の1つです。
 

対ボロスキティ
30:70
速いデッキではないのですが、ほぼすべてのカードがマストカウンターなので非常に不利なマッチアップです。
サイド後の対策も忍者を抜いて嵐縛りの霊を入れるくらいしかできません。
キャントリップのアーティファクトを打ち消したら案外なんとかなったりするのでそれを狙ってみるのもいいかもしれませんね。


対親和
60:40
4/4を連打されるとキツイですが、初動が遅いので先に殴り切れることが多いです。エイトグの即死コンボだけは気をつけましょう。
親和相手にどうしようもなく負けることもありますが、親和というデッキはぶん回るか事故って勝手に死ぬかの一人相撲なデッキなので、割り切ることも大切です。


対呪禁オーラ
65:35
コンボデッキな側面が強いので、天上の鎧、アルマジロの外套などの重要なパーツだけを打ち消すことで楽に戦えます。
怨恨は基本的に無視しましょう。
また、呪禁オーラはクリーチャーがいないと何もできないので、相手の展開が遅れた場合に、クリーチャーを片っ端から打ち消すのも有効な手です。



そのうち続き書きます。

目くらましや魔力の乱れについて

同じ青単フェアリーでも目くらましや魔力の乱れが入っていたりなかったりします。たかが1.2種類のカードの違いに思えますが、実は、これらはデッキの形を大きく変える力を持ったカードなのです。そこで、目くらまし、魔力の乱れの是非について考えてみます。

筆者はどちらのカードも採用していません。なぜかというと、長期決戦に弱くなるからです。長引くと意識しなくてもマナが余りやすく、一マナ浮かす程度であれば簡単にケアできるからです。じゃあ早期に勝負を終わらせればいいじゃないかという話なんですが、青単フェアリーには秘密を掘り下げる者4枚しか太いクロックがありません。デルバーを引けたゲームならよいですが、そうでないならフェアリーの悪党でいくら殴ったところでゲームは終わりません。
レガシーのデルバーが使われているデッキには、ほぼ100パーセント目くらましが入っていますが、それはデルバーの他にタルモゴイフや死儀礼などの太いクロックが存在する要因が大きいです。
なのでパウパーであれば採用するかどうかはよく考えたほうがいいです。

ここまで聞くと、あまり採用しないほうがいいように聞こえますが、短期決戦で終わるゲームは、自分が殴りにいく以外にもう1つあります。それは相手がアグロデッキの場合です。
青単フェアリーは本来アグロデッキに弱いのですが、序盤から相手の脅威をしっかり打ち消していけば勝てます。しかしアグロデッキは1マナでポンポン脅威を唱えてくるので、2マナの対抗呪文ですら重く感じます。そこで目くらましや魔力の乱れがあればかなり捌きやすくなります。

つまり目くらましや魔力の乱れは、多少の安定感を犠牲に、ぶん回りを増やし、対アグロの相性を改善してくれるのです。

筆者は、マリガンが嫌いですし勝てないデッキには負けても仕方がないと思っているので採用はしませんが、青単フェアリーを使っていてアグロに勝ちたいなーと思ったり、デルバーで有無を言わせず対戦相手を殴り殺したい人は是非目くらましや魔力の乱れの採用を考えてみてください。

フェアリーの大群が禁止されてしまいました

 

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1/27からpauper環境でフェアリーの大群が使えなくなってしまいます。このカードを使っていた主なデッキは、青単フェアリーとエスパーファミリアです。エスパーファミリアは、フェアリーの大群が主要パーツであるコンボデッキなので環境からほぼ姿を消すでしょうが、青単フェアリーにはフェアリーの大群の代わりとなる、マジック・オリジンから現れた救世主、フェアリーの悪党というカードがあります。

 

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どちらも1/1飛行持ちとサイズは同じ。フェアリーの大群入り青単と、代わりにフェアリーの悪党を入れた青単とを比較してみます。
 
 
青単 in フェアリーの大群のメリット
 
・実質0マナであるのでテンポロスが少ない
・2ターン目にフェアリーの大群をn体唱えてマナを立たせて呪文づまりのスプライトを構えるという最強の動きができる
・サイクリングが付いているため、中終盤に1/1が必要ない場面でカードを1枚引くことができる
・実質0マナだがマナコストは2マナなので相手の呪文づまりのスプライト1枚には打ち消されない
 
青単 in フェアリーの悪党のメリット
 
・デルバー含め1マナの生物が8枚に増えたので、一部のデッキに有効な2ターン目深き時の忍者の確率が大幅に上がる
・キャントリップが付いているので、2枚目以降をキャストした時に、実質nマナn/n飛行持ちという優秀なマナレシオのクリーチャーに化ける
・2体以上のフェアリーの悪党がいる状態で忍術を使うことによってCIPを使い回すことができる
 
 
まとめると、序盤のぶん回りは減りますが、長期戦となった時には強くなるでしょう。なので、弱体化はするものの、その影響はかなり小さいと思います。変わらず青単フェアリーがtier1に居座ることは間違いないでしょう。
 
 
環境の変化
むしろ、青単フェアリーからフェアリーの大群が抜ける影響より、環境の変化による影響のほうが大きいかもしれません。エスパーファミリアは、打ち消しを持たない低速コントロールにとても強く、その存在を許しませんでした。なので、エスパーファミリアが実質禁止となった今、目の上のたんこぶが消えた黒単コントロール、フラッシュバックコントロールの隆盛などが予想されます。黒単コントロールには除外、フラッシュバックコントロールには墓地対策が有効なので、今のうちに備えておくのがいいかもしれません。
 
 
 
補足
エスパーファミリアはフェアリーの大群を利用した無限コンボデッキで、プレイングの難しさ、無限コンボによる持ち時間のロスなどによって、使用率はそこまで高くないのですが、pauper環境最強のデッキの一つと言っても過言ではなかったです。

カード個別考察1

青単フェアリーに入っているカードを個別に評価していきたいと思います



秘密を掘り下げる者

変身後は3/2飛行です。やばい。
確かに強いカードではありますがモダンレガシー果てはヴィンテージでも使われるほど強いのか?という疑問を持つ方も少なくはないと思うのでデルバーの強さについて解説していきたいと思います。
1マナであることはとても価値があります。1ターン目から出していけるというのは1マナしか使わないこと以上に大切です。そして(変身できれば)2ターン目から飛行持ちの3点クロックとなるわけです。この飛行3点クロックは予想以上にやっかいです。7回殴られると死んじゃいます。1点クロックならば放置しても大抵大丈夫ですが、7ターンというのは予想以上に短く、このターン数以内に対処しないと負けです。さらに、ほとんどのクリーチャーでブロックできません。ダメージレースを仕掛けても、1ターン目に出せる3点クロックはデルバーの他にナカティルだけなので、まず先に殺されちゃいます。つまり、デルバーは放置もできず、クリーチャー戦に持ち込んでもよっぽどじゃない限り先に殴り勝つことはできないので、(数少ない飛行対策を除けば)除去が必須となるわけです。でも、除去を飛ばされたとしてもデルバーは強い。デルバーを除去しても基本的に得をしないのです。先の話に少し戻りますがデルバーは1マナなので、たとえ環境最高除去稲妻を使ったとしてもそれは1マナで1マナを除去しているに過ぎないのです。2マナの除去なんてテンポ面で損してるだけなのでアホらしくて撃つ気もなくなります(もちろん撃たざるを得ないのですが)。1マナというのがある意味で除去耐性であり基本的に相手が得をしない構造になっているのです。
強さについて十分に語ったので、一応欠点を挙げるとすれば、デルバー本人は悪くないのですが、デッキに強くて軽いクロックがこいつしかいない事です。なので早期に殴りきるプランはデルバー頼みになりがちで、引きによってはコントロールプランを立てないといけない事も多いでしょう。デルバー12枚入れたい
あと、変身前は1/1飛行無しでただの置物です。弱いです。でも23/60がインスタントソーサリーかつライブラリー操作も8枚あるので高確率で変身するよね!何ターンも裏返らなかったら台パンしましょう。



対抗呪文

2マナでどんな呪文もなかったことにする、最高峰の打ち消し呪文です。弱点は1マナ呪文を打ち消すとテンポアドバンテージを失ってしまうことですが、裏を返せば2マナ以上を打ち消すことができれば損をするのは基本的に相手だけです。特にビッグアクションを取るデッキ
には無類の強さを発揮し、ウルザトロンに高速で土地を揃えられてもなお青単フェアリーなら5分の戦いをすることができます。事実、環境にはウルザトロンを除くビッグアクションを取るデッキはほぼ存在せず、このカードの存在が環境を定義していると言っても過言ではありません。
打ち消し呪文と除去呪文とを比較すると、打ち消しは(クリーチャーのCIP含めて)あらゆる呪文に対応できるため丸いですが、すでに戦場にあるパーマネントには対応できません。除去はその逆で、後からでもパーマネントに対応できるため相手の行動を見てから動くことはできますが、対応できる呪文が限られています。どちらも一長一短なのですが、二つを組み合わせるとどんな展開にも対応しやすくなります。そのために打ち消しの青に除去の赤や黒を足すデッキは多いのですが、青単フェアリーは単色なので打ち消しと擬似除去のバウンスしかありません。なのでデルバーを1マナで展開し、次のターンに構えられる対抗呪文の2マナというコストは重要なのです。



マナ漏出

対抗呪文の下位互換その1
下位互換を入れるほどに対抗呪文には価値があるということですね。
中盤から後半にかけて腐るリスクのある打ち消しですが、3マナ残して動くというのは案外大変で、うまいこと使えば対抗呪文と遜色ありません。むしろ状況によっては相手に3マナ立てて行動することを強要できるため、対抗呪文より強いと言えるかもしれません。
とはいえ対抗呪文だったら打ち消すことができたという場面もあるでしょうから採用枚数は考えたいところです。



剥奪

対抗呪文の下位互換その2
追加コストがありますが対抗呪文と同じ2コストの確定カウンターは貴重です。
終盤に使うなら追加コストのデメリットは無いに等しいですし、序盤中盤でも、青単フェアリーは土地が詰まりやすいデッキなので次のターンに置く土地が無けれは撃ち得です。
しかし、序盤に土地を手札に戻すというのは予想以上のテンポロスを生み、ジリ貧になることも多いので、個人的にはこのカードの評価は低いです。他で代用できるなら採用しない、という選択も十分にありだと思います。せっかく島を戻すなら、せいぜい対抗呪文の剥奪より0マナでも撃つことのできるピッチスペル、目くらましを採用するほうがよいかもしれません。

青単フェアリーの勝ち手段

ここにレシピ

青単フェアリーには大きく分けて2種類の勝ち方があります。

1つがクロックパーミッション
少ないマナでクリーチャーを展開し、除去や相手にとって重要な呪文を打ち消して時間を稼ぎ、その間にクリーチャーで殴り勝つというスタイルです。
この場合、カウンターの枚数は限られているので、相手の呪文全てを打ち消すのではなく、自分よりクロックの劣るクリーチャーなどは通すことが多いです。

もう1つは、コントロール。
カウンターによる1対1交換を取りつつ、隙をみてアドバンテージを稼ぎ相手を抑えこむスタイルです。
主なアドバンテージの稼ぎ方は忍者、噴出などがあります。が、そもそものデッキ構造が少な目の土地と多くの1マナドロー補助呪文で構成されているので、アドバンテージを自ら稼がなくても相手のほうが土地を多く引く可能性が高いため長期戦になればなるほど有利になります。


相手や自分の引きに合わせて2つのプランを使い分けられるため、苦手なデッキが少ないですが、ビートかコントロールに特化したデッキには苦戦を強いられるという欠点もあります。

補足しておくと、強力なクロックと呼べるクリーチャーがデルバーのみであるため、クロックパーミッションに特化しにくいデッキ構造になっています。

青単フェアリーとは?

青単フェアリーとはマジックザギャザリング、pauper(コモン限定)フォーマットにおけるデッキの1つです。
特徴として最初に挙がるのは、とにかく強い!ということです。環境にある他のデッキの多くは青単フェアリー対策をしているにも関わらず、最強の座に君臨し続ける王者です。
しかしながら、誰が使っても安定して勝てるというデッキではありません。クロックパーミッションであるため、相手にとって重要な呪文を優先して打ち消す知識、洞察力が求められます。要はプレイングが難しいということです。裏を返せばとても考えることが多く、プレイしてるだけで楽しいデッキなのでmtgに自信のある方に是非とも使ってもらいたいデッキです。
また、あまりプレイングに自信の無い方もこのブログを通して青単フェアリーについて学んでいただければと思っているので、未熟者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。